「着いた!」
家の様子を見るがドアが開いていて廊下が荒れている。
花京院は既に行動を起こしている!
「っ。後悔は後回しにしないと」
自身の迂闊さでこうなった。
軽い気持ちだったのが否めない。
それでも両親を害するのならば。
「・・覚悟しろよ花京院!」
容赦はしない。
真正面から振り切るつもりで轢く!
スタンドを発現。
トップギアで乗り込んだ。
「な、何?」
大樹の母親から血飛沫が舞う。
そのまま気を失って倒れる姿に承太郎はショックを受けた。
「スタンドは確かに取り除いたはずだ・・・」
「言ったはずだ。
私のハイエロファント・グリーンに攻撃を仕掛けることはその女を傷つけることだと」
茫然とする承太郎に再び淡々とした口調で語る花京院。
「私のスタンドは遠い所へ行けるが広い所が嫌いでね。
必ず何かの中に潜みたがるんだ」
「・・・」
承太郎は何も言わない。
ただ花京院の話を黙って聞く。
「引きずり出すと怒ってしまう。
だから喉内部あたりを出る時、傷を付けてやったんだ」
「・・・」
承太郎は震えている。
歯を噛み締めながら・・・。
「お前が悪いのだジョジョ!お前の責任だ!
これはジョジョお前のせいだ!」
「・・・ギリィ」
「お前がやったのだ!」
執拗に責める花京院。
何も言わない承太郎。
「最初から大人しく殺されていればこの女は無傷で済んだものを・・・!
立ち上がる気か?」
「・・むぅ」
ソファーに手をかけてゆっくりと立ち上がる承太郎。
その表情は帽子に隠れて見れない。
「だが悲しいかな。
その行動を例えるならボクサーの前のサンドバック。
ただ打たれるだけにのみ立ち上がったのだ」
皮肉っているが疑問を感じた花京院。
本来なら弱々しい筈なのに緊迫した重圧が何故か承太郎から発されてる。
「・・・この空条承太郎は・・・。
いわゆる不良のレッテルをはられている・・・。
喧嘩の相手を必要以上にブチのめし、いまだに病院から出てこれねえヤツもいる・・・。
威張るだけで脳無しなんで気合を入れてやった教師はもう二度と学校へ来ねえ。
料金以下のマズイめしを食わせるレストランには代金を払わねーなんてのはしょっちゅうよ。
だがこんな俺にも吐き気のする悪はわかる!!
悪とはてめー自身のためだけに弱者を利用し、踏みつけるやつのことだ!!
ましてや女をーっ!
ダチの母親をーっ!!
貴様がやったのはそれだ!あ~~~ん。
おめーのスタンドは被害者自身にも法律にも見えねえし解らねえ・・・。
だ か ら お れ が 裁 く !」
手の指を一本立てて顔の手前に持っていくと振り切る!
「悪?それは違うな。
悪とは敗者のこと・・・。
正義とは勝者のこと・・・。
生き残った者のことだ。過程は問題じゃあない。
敗けた奴が悪なのだ。
とどめくらえエメラルド・スプラッシュ!」
花京院の前から緑に光ったメロンのようなスタンドであるハイエロファント・グリーンが触手を幾重にも伸ばしてくる。
それから逃げる承太郎だが数が多すぎて捕縛される。
ハイエロファント・グリーンが手を構え緑色の液体を生み出し、その中から止めと結晶を飛散させる!
「なに・・・敗者が悪」
だが承太郎から現れたアステカの戦士の風貌のスタンドの両腕でガード。
逆に弾き返す!
「な、なにぃ!
エメラルド・スプラッシュを弾き飛ばした!?」
「それじゃあーやっぱりィてめーのことじゃあねーかァーーーっ。
オララララオラ裁くのは」
驚きと帰ってきたエメラルド・スプラッシュに身動きがとれない花京院に承太郎とそのスタンドが手を構えて近付いていく!
「「おれのスタンドだっー!!」」
「な・・!」
「おまえ・・・」
仕掛ける承太郎の背後上空にバイクが跳んできた!
通り越えて着地した瞬間に搭乗者は仕掛けた。
驚愕する花京院に疑問を覚える承太郎。
「今は気にするな。承太郎も続け!」
「・・後で説明してもらうぞ」
気を取られた承太郎も今は抑えて行動に移す。
「「オラァ!」
オラオラオラオラオラァ!!」
「うぼぉあああああっ!?!?」
バイクで轢いて空中に上がった花京院を間も無く追撃で承太郎のスタンドがアッパーを決めラッシュを叩き込む。
全身から血が吹き出ながら花京院は天井に叩きつけられ、地に落ちた。