住宅地の中で大きめの家がある。
表札には大亜と書かれており、庭も大きめな方だ。
それなりに裕福な家庭だと言う事が解る。
そんな中で無表情ながら目に焦りを覚えたガタイの良い男が門の前に立っている。
帽子の位置を直すとインターホンを押さずに入り、ドアを確かめる。
「・・!既に人質に取られているのか」
空いていた。
家の中は不自然なほどに静かで不気味さを感じる。
前に来た時はこんな感覚は無かったと苛立ちを覚える。
「・・・」
意を決して中に入る。
廊下が物品で荒れている事が解った。
「・・あんたは」
「・・!じょ、承太郎君・・・」
服が少しボロボロで弱っている大亜大樹の母がリビングで横たわっている。
承太郎に気付き安堵した顔で話しかけてきた。
「なにがあった?」
「少し前に学生服を来た男の子が家に訪ねてきて。
それで・・・」
弱っているので言葉が続かず長くなるので省略すると敵スタンド使いが一般人を装い大樹の学校に転校してきて友達になったと偽る。
挨拶に来たと土産袋を見せたので警戒することなく中に入ると休んでいた大樹の父親に襲い掛かった。
時間を父親が稼いでいる内に助けを呼ぼうと電話を目指していたが目に見えない何かに壊される。
その余波で飛ばされてボロボロになり、這いながら近所に助けを呼ぼうとして俺と出会ったらしい。
「・・・ち、ジジイが言っていたDIOとか言う奴の仲間が仕掛けてきたのか?」
怒りを抑えて冷静に父親と敵の居場所を聞き現場に向かおうと母親に背を向ける。
その時、何かが通り過ぎたような・・・。
「・・・ギヒ!」
「・・!な、なにぃーーーっ!?」
母親がいきなり床に落ちていた小物を手に持って殴りかかってきた!
不意を完全に突かれ頭に直撃を受けて倒れるともう一撃が迫ってくる。
「ぐぅ・・!何だこの腕力っ。女の力じゃあねえ!?」
「た、たたたたすけよばにゃいといけにゃにゃにゃのに?
あぁぁぁそうだこれがたすけぇえええ!!」
何とか小物を持った腕を捕まえて押さえつけるが異常な力で承太郎の腕が軋み顔に小物が突き刺さる!
血が溢れ出すが気にする余裕が無い。
「さっき床の下から得体の知れぬ物が見えたがスタンドか?」
「その通り」
硬直状態で涼しげな声が響く。
承太郎の背後に誰かが立っている。
「て、てめえ!何者だ!?」
「私は花京院典明。
お前たちを始末するためにDIO様から命令を受けたものだ」
手に操り人形を持ち、動かしながらニヒルな笑みで承太郎を見下ろしていた。
「その女には私のスタンドが取り憑いて操っている。
私のスタンドを攻撃する事はその女を傷つける事だぞ」
無表情で人形を不気味に動かしながら淡々と説明してくる。
「き、きさまぁ」
「スタンドの名は【ハイエロファントグリーン】。
私は人間だがあの方に忠誠を誓った・・・だから!」
表情が意を決したものになると人形の手を素早く振り下ろす動作をせる。
連動するかのように大樹の母は承太郎に小物を持った手に力を入れて、襲いかかってくる!
「あぁあああっ!ああ!あああ!ああああっ!!」
「・・・許せ」
何とか引き抜き母親に近づいていく。
そして。
「なっ!?」
承太郎は母親の腕を固定してキスをしだした。
その口の中に緑色に光る何かを噛み付いて。