俺はなんだってこんなところに   作:駄作

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43話 実吊り皇女帝

「今のうちだ・・!

(こ・・・こいつはかなわんぜッ!俺ひとりじゃ、完璧不利!

ここは逃げて次の機会を待つぜ!俺は誰かとコンビを組んで初めて実力を発揮するタイプだからな。

相方が戦闘不能じゃあ、コンビの定義が崩れる!

1番よりNO.2!これがホル・ホースの人生哲学。文句あっか!

このチャンスを逃すわけには行かねえ。

J・ガイルの旦那は後で・・・助けられるのか?

だが、こっちも新手のスタンド使いのせいで、脱水症状だ。

しかも、継続して奪われてやがる!

向こうも知らんようだし、どうなってやがるんだ、まったく!

・・喉が乾く・・・・・)」

 

水分が抜けて、ミイラに近付きながらも逃走しようとするホルホース。

 

俺たちの様子から、チャンスだと考えたらしい。

 

「逃すと思っていたのか?」

「・・!うっげぇええええ!?」

「【マジシャンズレッド】!【レッドバインド】!」

 

いつの間にか、背後に回っていたアヴドゥルがホルホースを止める。

状況の悪さと弱まってる事が相俟って、驚愕が止まらないホルホース。

そのまま、発現したマジシャンズレッドによる炎の輪に縛られて、手を使えない形で拘束される。

エンペラー、使用不可能。

 

アブドゥルさんのマジシャンズレッドは本当に自由自在だなぁ、これが。

 

「大亜、君の追求は後にしよう。

君が裏切っているのは、タイミング的にも、今までの行動からも有り得ないからな。

まず、この男から情報を吐かせたいところだが。

このままだと死ぬな・・・」

「くぅ・・(不味いぜ、水分不足で死ぬ!

J・ガイルの事を気にかける余裕どころか俺が危うい!)」

 

アヴドゥルがホルホースを掴み、焦りを抱くホルホース。

実際に詰む一歩手前の状況なので無理もない。

 

 

【ぎにやあああああああ!?!?】

 

 

「・・!(マジかよ、J・ガイルの旦那!?)」

「アヴドゥルさん・・・わかりました。

ポルナレフはやれたようだな、これが」

 

J・ガイルの断末魔にホルホースは絶望した。

詰んでしまったからだ。

大樹はソレを上手くいって安堵した表情で聞き、鍋から手を離す。

 

絶体絶命なホルホース。

 

「ポルナレフが居ないから、代わりに俺が判決をいうぜ、これが。

DIOに関する情報を吐かなきゃあ、死刑!

(嫌いなキャラじゃないけど、こいつの女性の扱いは尊敬できる部分があれば、反吐が出る部分もある。

そして、命を狙ってきた敵だからな・・・。

見逃せないね、これが)

なにっ!?」

「お逃げください!ホルホース様!」

「な!なんだあーッ!この女性はッ!

(ここで来るのが、こいつかッ!)」

「ぬおっ!!しまった!マジシャンズレッドが!?」

 

ステッペンウルフを発現して脅しをかける大樹に、馬に乗った、褐色肌の美しい女性がホルホースを呼びながら、突っ込んできた!

地面の鍋が蹴り飛ばされ、アヴドゥルに直撃、馬がホルホースの傍に立ち止まる。

 

褐色肌の女は馬から飛び降りて、大樹に乗りかかってきた!

動きを封じてくる為にスタンドの発動を解除せざるを得ない。

飛んだ鍋の不意の衝撃でマジシャンズレッドが解除されて、拘束が解けた!

 

ちくしょうめ!この女の情報は俺しか知らないから、疑いが俺にある今、強制的に振りほどくわけにもいかない。

こいつも刺客だってのに・・・。

 

「ホル・ホース様!わたくしには、事情はよくわかりませぬが、あなたの身をいつも案じておりまする。

それがわたくしの生きがい!お逃げください、早く!」

「こ、この、離せ!なに考えてんだ、あんたは!

アヴドゥルさん、ホルホースを逃がしてはッ!」

「駄目だ、もう遅い・・・」

「え?(ま、まさか・・・)」

 

女性の言葉に反論しながら、アヴドゥルに訴える大樹。

だが、アヴドゥルの苦い顔に素で驚く大樹。

 

「よく言ってくれたベイビー!おめーの気持ちありがたく受け取って生きのびるぜ!

逃げるのはおめーを愛してるからだぜベイビー!永遠にな!」

「野郎!逃すと思ってるのかッ!ステッペン・・!?」

「ああ・・・」

 

ホルホースは弱々しくも、馬に跨って意気揚々にクズい、スケコマシ振りを見せながら逃走する。

それを許さないためにステッペンウルフを発現して、追撃に移りたかったが、また女性に邪魔をされた。

その間にホルホースは、もう目の届かない所へ・・・。

 

明らかに、この女は俺のスタンドが機動力に優れてるのに気づいて、無知を装い身を持って封じに掛かってやがる!


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