俺はなんだってこんなところに   作:駄作

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今日も一回です。


40話 皇帝と吊られた男 4

「なにッ!見ただと?両手とも右手の男を確かに見たのか?

どこでだッ?」

「あれぇ?おかしいな・・・。

ひ・・・ひとり見失っただ。今そこにいたのに。」

「なにッ!」

「ほれ、その男と一緒に居た・・・」

 

道を歩くポルナレフは人々に話を聞き、情報収集すると老人から目撃した事を告げられる。

しかし、一瞬の後に2人から1人に減ってしまい、カウボーイルックの男の背が見えるだけだ。

 

見失った事に、迂闊さを後悔するが直ぐに周りを警戒する。

 

目の前にはカウボーイが止まる。

 

「銃は剣より強し。んっんー、名言だなこれは」

「あーん?」

 

突然、諺を言い出すカウボーイ。

対して、眉間に皺を寄せて、怪訝なポルナレフ。

 

「なんだぁ、てめえは?」

「フッ、ホルホース。俺の名前だぜ、エンペラーのカードを暗示するスタンド使いってわけよ」

 

ポルナレフの問いに帰ってきたのは、名前とタロットの暗示。

 

【エンペラー】。

権威、安定、未熟、横暴。

タロットで5番目のカード。

それは統治・堅固さ、同盟する事を意味する支配の暗示!

 

「あんたらを始末して来いと、DIO様に金で雇われたって事さぁ」

「はぁー・・・。おい、田舎もん!てめーの自己紹介は必要ないぜ。

両右手の男を知っているのか?」

 

目的を告げるホルホースに、溜息を吐くポルナレフ。

呆れか、気分を落ち着ける為かは定かでない。

逆に自身の目的が居るか問う。

 

「かってなヤローだ、あんたがきいたから答えたんだ・・・。

フッ、まあいい。奴とは一緒に来た。近くに居るぜ」

「なに!どいつだ!?」

「それこそ、言う必要のねえー事だぜ。

このホルホースがあんさんを始末するからなぁ」

 

ホルホースの返答に周りを探すポルナレフだが、両右手の男は見つからない。

やれやれと言いたげなジェスチャーで、ポルナレフを煽る。

 

「おめーのようなカスは皆、そう言うぜ。

そして、いつも逆にやられる」

「ニッヒヒヒヒ」

「ほーう、おかしいか?」

 

ポルナレフの煽り返しに、おかしいとばかりに腹を抱え、笑うホルホース。

その様子に問う、ポルナレフ。

 

「DIO様が言ってたぜぇ。ポルナレフって野郎は、人を甘く見る性格してるから、俺になら簡単に倒せるってな」

「っ!」

「その通りなんで、思わず笑っちまったぜ。

ヒッヒヒ」

 

滑稽さに笑ったらしい。

DIOに見透かされてる様な不気味さに、思わず怯むポルナレフ。

 

「貴様を先に倒さなきゃ、奴に会えねーんなら、そうしてやる。

かかってこい」

「軍人将棋ってあるよな?戦車は兵隊より強いし、戦車は地雷に弱いんだ。

ま、戦いの原則ってやつよのぉ」

 

表情を抑えて、嘲笑う様に煽り出すポルナレフ。

それに対して、説明をし出すホルホース。

 

「このホル・ホースの皇帝は、あんさんより強いから、おれのスタンドの能力を戦う前に教えといてやるぜ・・・。

銃は剣よりも強し、名言だなこれは・・・」

「さっきから何が言いてえんだ?」

 

ホルホースのしつこい説明に、不信げなポルナレフ。

 

「おれのスタンドはハジキだ。ハジキに剣では勝てねえ!」

「なに?おハジキだあ~?ワッハハハハハハハハ!」

「ニッヒヒヒヒヒヒヒヒ!」

 

その答えに馬鹿にしたような顔で、手を耳に当て、聞き間違いのジェスチャーをするポルナレフ。

明らかに、わざと侮っている。

 

そして、お互いに笑い出す。

その様子に通行人が、好奇心の目を向ける。

 

「「てめー、ぶっ殺す!」」

 

道路の水たまりから、水滴の音が鳴ると同時に、笑いが止む。

お互いが睨み合う。


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