「承太郎さぁ・・・ん」
「・・!てめえ、やはり懲りてなかったか・・・?」
後ろを振り返る。
いつの間にか陸に上がったモジャモジャ男が承太郎の背後を取っていた。
ゲルを展開してだ。
しかし、様子がおかしい。
目が白く、表情が不自然な笑みになっている。
「くきこけくきぎぎぎぎ・・・」
「こいつ、操られてるのか!」
ロボットの様にぎこちない動きだがゲルを纏わせて襲いかかるモジャモジャ男。
だが、動きが鈍い為に承太郎は余裕で回避できるが。
【ジャブジャブ・・・ザッバーン!】
「・・!オラオラオラオラァッ!!
またか、こいつ規則性がある?」
水のスタンドが容赦なく回避した所へ時間差で襲いかかる!
スタープラチナのラッシュで迎撃することで何とか弾くが水である為にダメージが無い。
承太郎は水のスタンドに対して何かルールがあると推測する。
気のせいかモジャモジャな男を操ってる時に本体だけでなくゲル状のスタンドが弱まっているのでリスクもあるのだろう。
「経過は順調のようね・・・」
建物の屋内にて女が呟く。
コートを羽織っているが中には気のせいかハイレグな物が見えている。
「・・!熱ッ!?あっちのバイクに乗った日本猿!
私の【ショッキングブルー】を撃破したのね・・イラつくわ!」
左手を抑えながらもより怒気を強めていく。
「・・・・・」
「あんたもご苦労なことね。
白人混じりの日本猿を仕留めるのに私が手を抜かなければ協定違反なんてしていないと言うのに・・・」
その傍にもうひとり女が居る。
被り物をした左半分が黒で右半分が白の変わった服を着ている。
何かに怯えるようにビクビクしているが目は濁ったまま傍にいる女から外れない。
「・・・(まったく、なんでこんなことになったのかしら?
ジョースターに日本猿とエジプト猿達の賞金の為に様子見で来ていたのにケイトの奴が水の能力の不意打ちでやられた。
DIOはともかく同僚内で私が疑われるなんて。
ジョースター達は戦っている真っ最中な上に能力上ありえない。
となると近場に居る水のスタンド使いになるけど、それは私だけになる。
・・・ビチグソがぁ。
賞金稼ぎに喧嘩売る真似した奴は生かしておかない・・・必ず苦しめた上で殺してやる)」
「・・・くいっ」
「・・ッ!わかってるわよ!!
疑いはここで晴らすわ!(しかも監視に付けられたこいつが嫌すぎる。
嫉妬塗れな視線で疑われる動作をすればこいつはDIOの狂信者だから命諸共で私を殺しにかかる!
ほんとにケイトを倒した奴は余計な痕跡を残してくれたものだわ・・・)」
額に青筋を見せながらコートを羽織った女はスタンドの操作を遠くからしている。
傍に爆弾のような女に証明しろと目で見つめられながら。
「「承太郎!」」
「・・!大樹、ポルナレフ!」
どうするか迷っている時にバイクに乗った2人を見て運が向いてきた事を実感する承太郎。
「乗れ!任せたポルナレフ!」
「おう、【シルバーチャリオッツ】!」
「待って・・よぉおお・・・・承太、うべぇっ!?」
承太郎は伸ばされたポルナレフの手を掴み、モジャモジャ男が妨害するがシルバーチャリオッツにゲルごと斬られて驚き共に転ばされる!
そのままその場から離れるが。
【ザブ、ジャブ・・ジャバッ!】
「あっぶ!・・・おぶっ・・・・・!」
「・・!アレは。やはり」
倒れたモジャモジャ男に襲いかかる水のスタンドを見て離れながらも確信する承太郎。
ゲルで守られていたので致命傷では無いようだが。
「あいつは驚かした相手に攻撃が出来る!」
水のスタンドにそう確信を抱いた。
不自然な動きの多さに何かあると考えていたがそういうスタンドも居るのかと承太郎は学んだ。
そのまま、ポルナレフの後ろに乗り3人乗りになる。
せ、せまい・・・。
「・・!こ、これは・・・」
「「・・!?」」
【ザッバババババッーン!!】
どうやら水のスタンドは1体でも液体ゆえに分け身が出来るらしい。
モジャモジャ男を襲う奴とは別にバイクの走る先に津波の如く覆い尽くそうと大きなのが迫ってくる!
あまりの事に全員が驚いてしまった。