「な、ほら!」
「喋ってもらおうか?」
「へっ?」
承太郎の言葉に疑問が漏れるモジャモジャ男。
承太郎は許すかどうかを決めた訳では無い。
「これから襲って来るスタンド使いの情報だ」
「そ、それだけは口が裂けても言えねえ・・・ぜ。
誇りがある。殺されたって仲間のことはチクルわけには・・・いかねえ・・・ぜ」
情報次第なのだろう。
慌てるように断るモジャモジャ男だが。
「なるほど。ご立派だな」
「ヒ、ヒィイイッ!」
海中からずぶ濡れの腕を出して拳を握る承太郎。
脅しと何もない場合は二度と追ってこれないようにボコボコにするつもりだろう。
モジャモジャ男は恐怖の声を上げる。
「思い出した!
【死神】【女帝】【吊られた男】【皇帝】の4人がお前らを追ってるんだった!」
「ふーん。で、どんな能力だ?」
「し、知らねえ」
耐え切れずにばらしたモジャモジャ男。
承太郎の尋問に答えなかったので手を上げると。
「いや!こ、これは本当に知らねえ!
スタンド使いは能力を他人に見せない。
弱点を教える事にほかならねえからだ」
どうやら本当に知らないらしく、モジャモジャ男に対して手を握ったり緩めたりを繰り返す承太郎。
続けろと言うことなのだろう。
「ただ、DIOにスタンドを教えた魔女がいるがその息子が4人の中にいる。
名前はJ・ガイル目印は両手とも右手の男。カードの暗示は吊られた男。
ポルナレフの妹の仇だろ?そいつの能力は少しだけ・・・噂で聞いたぜ。
鏡だ。鏡を使うらしい。実際見てねーが、ポルナレフは勝てねーだろう。
死ぬぜ」
「・・・・・」
モジャモジャ男は承太郎から離れながら岸に手を載せて答える。
話を聞いていく内に汗が流れる承太郎。
タイミングが悪いと思ったのだろう。
ポルナレフが暴走するかもしれないと。
とは言え有力な情報なのでどうするか悩む。
「・・!へへ・・・あ?」
目の前に排水口がありザリガニが集っているのに気付くモジャモジャ男。
良からぬ事を企みかけたが排水口の水が不自然に蠢いているのに疑問が浮かぶ。
「・・!ぐっはぁっ!?て、てめえぇ・・・」
「な!ち、違う!俺じゃあねえ!!」
排水口から水が飛び出してザリガニごと承太郎にぶつかる!
あまりの勢いに打撲で怪我していても無理もない程に。
承太郎が目の前の男に苛立つが違うと否定する。
「な、なぜお前が!?お前が動くのはまだずっと先だったはずだ!」
【ピチョピチョン・・・ザッバー!】
「ヒィッ!まさか情報を漏らしたから俺を始末するように依頼されたのか!?
は、早過ぎる!アッバッアアアッ!?!?」
「・・!なんだと?」
目の前に現れた上半身人型の水は疑問を叫ぶモジャモジャ男を無視して襲いかかる!
構わないその姿勢に恐慌状態の男はそのまま飲み込まれた。
目の前の予想外の光景に驚愕する承太郎。
「おい、てめえ。何者・・ッ!?」
【ザッバーン!】
「オラアッ!・・・問答無用か」
相手の素性を問う承太郎を無視して襲いかかる水のスタンド!
スタープラチナで海面を思いっ切り叩くことで発生する衝撃で離れさせたが相手はビクともしていない。
その勢いで岸の方へ手を掛けられたが。
「・・・また相性の悪いスタンドか」
承太郎が汗を流しながら帽子を直して考える。
対処法もそうだがこのスタンド使いは何処だと。
【・・・・・】
「・・・?」
岸から上がると何もせずに見逃す水のスタンドに承太郎は疑問に思う。
こいつは一体どういうつもりなのかと。
間違っても味方ではないと言うのは確定している。