「ポルナレフ、ここらで日が当たる大通りを探してくれないか!」
「えぇー!えーと・・・・・恐らくここだ。
次の道を曲がって真っ直ぐ行くとあるから近いな。
どうするつもりだ?」
俺の質問に驚きながらもバリアーがあるためか水に迫られながらも冷静に調べてくれた。
当然、疑問そうだが。
「人がいないか確認次第でこいつを蒸発させる」
「・・出来るのか?」
「風で抑えつければ何とか!」
「うっし、任せたぞ」
こいつを蒸発させる事にポルナレフは頷いた。
かなりの温度が必要だが風の操作による温度調節は日本に居たころから出来るので日光で焼けた道と掛け合わせで何とかする。
それにしても、ポルナレフとのやり取りで長らく走っているのにここまで追ってくると言う事はこの水のスタンドは自動操縦型の可能性が高いな。
決められたルールで動くタイプだろうと当りをつけた。
本体は恐らく遠い所にいる。
遠隔操作で本体も移動する乗り物で来ている可能性も無くはないが人気が居ない所を走っていて乗り物が確認できてないんだ、これが。
「大通りに出た!」
ポルナレフがそういうと人は遠い所に集まっていたのでその場でバイクを後ろに振り向かせて止める。
【バッシャーン!】
水が気にせず向かってきているのを確認したので早速、仕掛けよう。
「ステッペンウルフ!【ウルフバインド5連打】!」
水を抑えるように出てきたのを複数の風の縛狼による牢獄を作り押さえ込む。
そのまま、温度の調節で焼けた道路と一緒に高め続けボコボコと水が沸騰して暴れる。
だが身動きが出来ないそれは抵抗虚しく、水の容量が減っていき。
抵抗が弱まるとそのまま完全に抑えられ気体に蒸発した。
そう言えばジョセフさん達から俺が目覚めて聞いた話だと虫のスタンド使いは水に濡れて気絶していたらしいからこのスタンドにやられたのか?
仲間割れの原因が解らないし、情報が少なくて判断の仕様も無いけど。
なぜ、気絶なんだ?
殺さずに気絶・・・?
駄目だ、解らない。
「おいどうした大樹?済んだのなら承太郎の所に行かねえと!」
「・・あ!ああ、ごめん。ちょっと考え事をしてた。
今、行くよ!」
ポルナレフの注意に意識が戻る。
再びバイクを承太郎の居そうな所に向けて走らせる。
考えてる場合じゃなかったな、これが。
早く助けに行かないと。
「何だー?食われてる最中だぞこのタコッ!
俺のスタンドに捕まって逃れる事は出来んと言うのに逃げるだとぉ!」
ケーブルカーに穴が空き、中から黄色いゲル塗れの承太郎が落ち、続く形で上半身裸でゲル塗れの後ろ髪がモジャモジャした男が落ちる。
よく見ると黄色いゲルは2人に繋がっている。
「逃げると言ったのは水の中だぜ!」
空中でスタープラチナにゲルを掴ませる承太郎。
そのまま、海へと落ちる。
「こ・・い、息が・・・・・・」
スタープラチナが掴んだゲルでモジャモジャな男の顔に締め上げて息を封じる承太郎!
水中なのもあって自由が効きづらいのか苦しんでいる。
「ぶっはぁあああ!?」
ゲルを解いて海面から顔を出して息を吸うモジャモジャな男。
その背後には。
「息を吸うためにスタンドのガードを開いたな?
絡みついたスタンドが幾ら無敵だろうと本体をやっつけりゃあスタンドも死んじまうだろうさ」
「うぇえっ!?」
「Do you understand?」
承太郎とスタープラチナが立っており逃げようとした男をスタープラチナが羽交い締めにする!
「てめぇ、随分好き放題コケにしてくれたじゃねえか、エェ?
俺はコケにされると結構根にもつタイプでな。オラァッ!」
「ブギュイイッ!?」
怒る承太郎の拳が固められモジャモジャの頬を殴り抜ける!
あまりの威力に歯が折れて飛んでいった。
「ブヒュウッ!?!?アッヒヒィ!」
更に無言の肘打ちに鼻血が止まらない。
「はぃ・・・やめちくり~・・・もう、再起不能だよぉ~・・・」
弱った男は辞めて貰うように手の平を前に出す。
「顎の骨が折れちまった・・・下顎の骨も針金で繋げなきゃならねぇよぉ・・・きっと。
俺はDIOには金で雇われたんだ・・・ウゲブッ。
命を張ってまであんたらを狙うつもりはもうねえ・・・」
そう言った瞬間にゲルを引かせて承太郎から解くモジャモジャ男。
どうやら降参するつもりらしい。