「オラァッ!」
「数が多すぎる!エメラルドスプラッシュ!」
12階の部屋でも戦いが起こっていた。
スタープラチナが人形を壊し、ハイエロファントグリーンが遠距離で支援する!
だが、それでも。
「・・・一向に数が減らねぇな」
承太郎がうんざりしながら呟く。
連戦も重なっていて疲れてきている。
地面には壊れた人形の残骸が散らばっている。
「物質のあるスタンド・・・。
いや、ストレングスと違ってこれは実際の人形を操っているのか?
・・!」
花京院が構えを解かず推理し始める。
だが、間も無く増援がやってくる。
「今日は厄日だな・・・」
「ああ、全くだよJOJO」
作業とも言うべきループを再び二人は開始するのだった。
「アヴドゥル!そっちはどうだ?」
「えぇ、ジョースターさん!なんとか蹴散らしましたが・・・」
12階の廊下では人形がひしめきながらの状態で虫が飛び向かっている。
ジョセフが右腕から紫の茨に電流が迸るような熱を帯びて人形を破壊する!
アヴドゥルは虫の方を調節した炎で落とし続ける。
壊しても落としてもまだまだやってくる!
そして、この役割分担にも理由がある。
「まさか、人形にガソリンを仕込んでいるなんて・・・」
「敵は明らかにこちらを圧倒的な物量で押し潰すだけでなく対策がされているな」
この事態に嫌な顔をするアヴドゥルとジョセフは策を考えながら敵の所在を探る。
だが、近場に居ないと言うよりは周りが人形の大群で見えない。
「うひょひょひょっ!よーこそー俺ちゃんのワンダーフェスティバルプラスアルファへッ!」
「「!?」」
響く声に二人は警戒するが人形と虫が引切り無しに襲いかかるのでそれどころではない。
「アメリカ、エジプトをくみ日本から当ホテルへお越し頂きドウモ アリガト ネですよーッ。
もっとも俺ちゃんは日本からずっとアンタラの様子見と追いかけて来たんだけど サッ!」
変態っぽい口調の男の言葉に二人が顔をしかめるが黙って手を動かす。
「本当は俺っチッの趣味じゃーないんだけど。
依頼主のDIO様からの要望が入ったからには【俺ちゃん達】で仕掛けないといけなくなっちゃったの サッ!」
「なんだと!」
「・・異常だと思ったがやはり複数のスタンド使いの仕業か」
ジョセフが激高してアヴドゥルが染み染みと納得する。
ただし、手は止めずに。
しつこいが手を止められない。
「ケイトちゃんはメッチャやる気出すし、ドMなアイツは否定したけどゴリ押しと依頼金額の増額で仕方無く妥協したんだけどッ。
俺ちゃんも嫌だけど金を貰ったし、失敗作の人形達を有効活用で仕込んだから、それでお掃除した後ッ。
ジョーイのコレクションで命をとってあげるよッ!」
人形達が迫りかかる!
先のと合わせこれらは失敗作らしく雑な面が見える。
操作も適当だ。
「腹ただしい奴だのぉ。だが、アヴドゥル!」
「はい!」
敵は3人のスタンド使い!
それを確信してまずは目の前の人形遣いをどうするか考える。
手段は決まった!
「【ハーミットパープル】!」
右腕を地面に着いて紫の茨を最大限に伸ばす。
電流のように迸る波紋で人形達をコケさせて絡める!
「【マジシャンズレッド】!」
炎を天井付近で平たく広げ周りを燃やさないように一気に虫を焼き尽くす!
「虫のスタンド使いは任せたぞアヴドゥル!」
「了解ですジョースターさん!」
其々が反対方向に走りだす!
人形を飛び越えジョセフはこの階から聞こえた声の廊下の奥へ、アヴドゥルは下の階へと。
「見つけたぞ!」
「うひょひょっ!よく此処まで来れたねッ!
失敗作とは言え俺ちゃんのゲージュチュを平気でぶっ壊すビチグソ野郎にゃ。
もうそろそろ俺ちゃんとバニーちゃんでお仕置きしないと んネッ!」
椅子に座っている如何にも変態そうな優男を見つけるジョセフ。
しかし、その背後から容姿端麗なバニーガールの人形達がゾロゾロと現れ始め襲いかかってくる!
それにしても喋り方がウザい奴である。