明日から二日は投稿出来ません。
「やれやれ、あのエテ公に獲物を殆ど譲ることになったがまあいいさ。
ジョースターの一族を殺れば賞金だけでなく、DIO様の側近の立場が手に入るからな。
(懐の金が痛いが上手く行けば伸し上がれるしな、あの方はいずれ世界を統べるお方だ)」
周りは水。
深い水槽のプールに男が二人いる。
「よお~こそ、よお~こそ、ククックク。
来てしまったなあ!
【ダークブルームーン】の独壇場、水中へ・・・ククク。
この俺を舐めとったらいかんぜよ、お兄ちゃん!
水中とはいえスタンド同士の会話が可能だからよって・・・。
もう一遍、さっきのような生意気な台詞をたれてみィ!
お兄ちゃんよォ~あ!?」
水中で偽テニールが分断された承太郎にダークブルームーンと共に脅しを掛ける。
「てめー何になりてえんだ?」
「ぇ?」
スタープラチナを出した承太郎にいきなりの質問に偽テニールとダークブルームーンが呆ける。
「なりてえ魚料理を言いな。
カマボコか?それとも刺身とかよ。
てめーのスタンドを料理してやるからよ。」
指をさして逆に挑発する。
「この馬鹿が強がった口を聞いとるがよう兄ちゃん。
お宅は今、心の中でこんな事を考えている。
こいつ、いったいどのくらいの時間で水中に潜っていられるのか?
自分の限界は2分って所だが自分より長く潜っていられるのだろうかと、ねえ?」
正気かと尋ねるジェスチャーをダークブルームーンと共にしながら笑い声を漏らす。
そんな、偽テニールに眼光を緩めない承太郎だが。
「答えてやろう。俺の肺活量は普通の人の3倍よ!」
「・・!」
流石にこの答えには承太郎も動揺を隠せなかった。
同時に疑問もある。
こいつのスタンドはフジツボと船を自在に移動するものじゃないのかと。
「そして訓練されている。潜水の自己ベストは6分12秒。
この数字を聞いただけで意識が遠くなるだろう!
そして!」
ダークブルームーンの手の水掻きから火花が散る。
「ダークブルームーンの水掻きはスクリューの回転よりシャープに動く水中カッター!
その上、舐めた口を聞く前にてめーのスタンドをよーく見てみろ」
水流が生まれ水中が慌ただしくなる!
「こいつのつけたフジツボがどんどんお前のパワーを吸い取って繁殖しとるでぇ。
どんどんパワーが無くなっていくのが実感できるだろう。
フェーフェフフフフ」
スタープラチナに着いたフジツボは確かに増え続けていた。
脱力感を感じる承太郎だがそれでも眼光は緩めない。
笑われようとも水面を目指して泳ぐ。
「泳いで水面に逃れるか?周りをよーく見ろ!
ハッーハハ、さっきからダークブルームーンが水中に渦の流れを作っていることに気がつかねぇーのかお兄ちゃん?」
踊るように両手の水掻きを掻き回し続けるダークブルームーン!
水流は渦となり承太郎とスタープラチナを捉えている!
「泳げ!泳げ!どんどん呼吸が苦しくなりパワーが抜けて行くぞ!
だがてめーのような思い上がり小僧は痛ぶり殺すにはこれだけじゃあまだ足りない!」
「や、奴の鱗?」
挑発が続くがまだ抵抗する承太郎。
しかし渦にダークブルームーンから射出される鱗のカッターに承太郎とスタープラチナは切り刻まれる!
「そして次に何を考えているか当ててやろう。
渦に一点だけ動かない部分がある。フッヘヘヘ・・・ありふれてるね。
それは中心だ!
奴のいる中心に飛び込めば攻撃出来る。
フッへへ、そう考えてるな?」
推理が始まる中で流石にダメージを受けすぎたかグッタリとしている承太郎とスタープラチナ。
それでも止まる事はない。
「さっきのような自慢のパンチを俺に浴びせられる自信があるなら向かってきな!
フジツボに力を吸いとられ・・・ろくすっぼ水もかけないスタンドでこの水中カッターより鋭い攻撃がくり出せるならよおお!
お兄ちゃん!」
「・・・・・」
偽テニールに何も答えない承太郎。
「刺身にするとかぬかしてくれたなあ~~!スライスされて刺身になるのは!
・・・うっ!」
「【流星指刺!(スターフィンガー!)】」
「ほげぇ~」
仕掛けるために接近したダークブルームーンにスタープラチナの2本の指が伸び顔面に突き刺さる!
「やっぱり、てめーだ刺身になったのは」
「パクパクパク・・・」
言いたくとも何も言えない偽テニール。
顔面から血が溢れている。
「なにぃッ!聞こえねえなあ!水中だからよぉ!はっきり言えや!」
「吸い取られていたのに・・・。
力を指の一点にためる為にワザとぐったりしてたな・・・そ、そう考えてたな!」
「違うね」
承太郎の怒声に弱まりながらも推理する偽テニールだがはっきりと否定される。
「俺が考えてたのはてめーがやられた時、小便ちびられたら水中だから汚ねーなって事とアイツ等がどうなったかだ、おっさん!」
帽子の位置を直しながら指を1本突き立てたそれで横に掻っ切って答える承太郎。
そのまま偽テニールは水中の底へ力尽きて沈んでいった。
「ぶっはっ!・・・急がねーとアイツ等が危ない」
確認した承太郎は急いで水面に出て船上を目指す。
偽テニールとダークブルームーンの戦闘方法から違うスタンド使いが絡んでいる事に気づいたからだ。
そのままさっきの食堂へと走り出した。