俺はなんだってこんなところに   作:駄作

20 / 44
20話 魚類人猿

「この船へようこそジョースター一行の皆さん」

 

ニヤリと笑みを浮かべながら飯を食う男。

 

腹減ってるから苛立つわ。

 

「お宅らに最後の晩餐を用意しておいたよ。

遠慮せずに頂くといい、とは言え爆弾をもう馳走済みだからいらないかな?」

「アレをやったのはお前か!よくもクルーと客を危険な目に合わせたな!」

 

笑みを浮かべながら何てことは無い風に言う男に全員が苛立つが船長が凄い剣幕で怒っている。

無理もない。

 

だが、機先を制する様に帽子を被った一人の男が一歩前に出る。

 

「大物ぶってカッコつけんじやあねぇ、このタコ」

「あ゛ぁ?」

 

承太郎の挑発に苛立つ男。

何か言おうとするが。

 

「オラァッ!」

「ぐぶ!?」

「オラオラオラオラオラオラオラァッ!」

 

速攻でスタープラチナを出してラッシュを音に叩き込む!

 

打ちのめされ血が流れた状態で壁に吹っ飛ぶ。

 

「・・ヒヒ・・・やってしまったなお前」

「・・・!?」

 

そのまま壁に埋め込まれる様に消えていく男に承太郎が何故か踏ん張る。

 

これは、もしや?

 

「承太郎!」

「く、来るな!してやられた・・・」

「フジツボだ!あの甲殻海棲動物のフジツボ虫だ!」

 

スタープラチナの腕にフジツボがビッシリと取り付いてる。

気のせいでなく数が増えていってる。

花京院が種別を言うがそれどころではない。

 

俺達が行こうとしたら止められたので間違いないな。

元【偽テニール】だ。

 

水のトラブル!

嘘と裏切り!

未知の世界への恐怖を暗示する月のカード。

スタンドの名は【ダークブルームーン】!

 

「てめーらと6対1じゃ流石の俺も骨が折れるからな。

潜入して一人ずつ始末してやろうと思ったら警戒が強すぎた。

だから、予定変更で爆弾を先に使って後からじわじわと始末する事にした。

まず一人目だ!」

「ち、畜生!引きずり込まれる!」

「「承太郎!?」」

 

偽テニールが壁へ消えると承太郎が吹っ飛ばされて同じ場所で減り込み消えていった!

 

思わず俺と花京院が叫ぶ。

予想外かつ、いきなりの事だったから対応が遅れてバリアーが張れなかったのが失敗だ、糞ったれ!

 

しかもこれは【スタンドの合わせ技】だ!

 

「むおっ!」

「こ、これは・・!?」

「何なんだこれは!」

「畜生、動けねえ!」

 

背後からの声に振り返るとジョセフさん、花京院、アヴドゥルさん、ポルナレフ、船長と船員達が足が地面に埋め込まれた様に取られて身動きが取れなくなってる!

 

気づいたら俺もだ!

 

まさか。

 

「ウホウホホホホ」

 

近くの壁から檻に居たオランウータンがすり抜けるように出てきた。

船長服に帽子を被り、煙を出しながらパイプを口に携えて。

 

「こいつスタンド使いだと言うのか!?」

 

ポルナレフが驚いた声を出すとオランウータンはニヤリと笑みを浮かべて辞書を出し、ある項目に指をさす。

 

オランウータンの示した単語はなんと【ストレングス】。

意味は力、元気、勢い、助け。

そしてタロットで8番目のカード。

それは挑戦、強い意志、秘められた本能の暗示!

 

しかし、アンちゃんだけは拘束されてない。

まさか・・・。

 

「ウホウホ!ウヒューヒッヒッ!」

「きゃあああああ!」

 

オランウータンが服を晒すとソコにはそそり立つ男のシンボルが!

目がイヤらしくアンに固定されている。

思わぬ事態にアンが叫び声を上げる。

 

「こいつ・・!」

 

アンを犯す気だ!

それも俺達の目の前で!

 

距離は安全を保っていて誰のスタンドも届かない。

 

「ハイエロファントグリーン!エメラルドスプラッシュ!・・何!?」

 

花京院がハイエロファントグリーンで仕掛けるが地面から生えた鋼鉄の壁で弾かれた!

 

「マジシャンズレッド!・・ぐぬぅうう!?」

 

アヴドゥルさんがマジシャンズレッドの炎で仕掛けるが鋼鉄の壁が幾つも生えてアヴドゥルさんごとマジシャンズレッドを取り囲み、押しつぶす勢いで壁が幾つも張り付いていく!

 

徹底的に対策されている!

 

てか、こいつは鋼の錬金術師か!?

明らかに原作のより強くなってるぞ!

 

「ウヒヒ」

「い、嫌だ!嫌だーーー!!」

 

いい気になったオランウータンはゆっくりとアンに近付いていく。

アンは逃げようとしたがドアが閉まっていて開かない。

 

「すべて・・・なにもかもが【巨大なスタンド】だったッ!」

「こ、この船がッ?スタンド使いじゃない水夫や女の子にも見えるスタンドがあるのか?

てかアヴドゥル!大丈夫か!?」

「な、何とかな・・・この実在感!エネルギーがあまりにも巨大だからと!

考えるしかあるまい!」

 

ジョセフが当たりをつけて、ポルナレフが疑問とアヴドゥルの安否に叫ぶ。

アヴドゥルが鋼鉄の塊の状態で声を出して生存と推測を伝える。

 

「そ、それじゃこういう事か!絶体絶命!俺達は既に完全に囚えられていた」

「グフグフ!」

 

ポルナレフが焦る。

 

オランウータンはこの船のすべての物が俺のスタンドさ!

てめーらは完敗なんだよォ!

どうすることもできね一だろお!そういってやがるッ!

 

このエテ公はそう言っているのに対して俺は。

 

「まだ諦めない!【ステッペンウルフ】!」

「「「「!」」」」

 

バイクを出してそれごと地面に埋め込まれそうになる。

だったら。

 

「エンジン全開!スタンドエネルギー集中!フルスロットルで【回転】だぁッ!」

「ウホッ!?」

「乗れ!」

「あ、うん!」

 

バリアーを一点に集中してそれを高速で回転させる!

そうして掘削機と化したバイクで走り出せば埋め込まれても抜け出た。

そのままアンちゃんを背中に乗せる。

人質対策もあるがレイプ防止が主な理由だ。

 

オランウータンも予想外らしく驚いてる。

この中で最弱の戦闘力だしな。

 

だが。

 

「こっから先が問題だ・・・」

 

ステッペンウルフとストレングスの相性は【最悪】!

 

室内戦に加えて周り全てストレングスの武器でエネルギーが異常。

本体も人間の5倍の力。

 

真面目にここで死ぬかもれない。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。