明日は一回だけの投稿です。
そろそろシンガポール近くの海域に入る。
サクサクと進んでいるな。
「このままいけそうですね」
「うむ、ロストした時間分はもう稼げたじゃろうしな」
花京院が言うとジョセフが頷く。
どうなるかと思ったけど行けるかな、これは。
DIOの妨害が今まで無いのが不思議だが。
【ズガガガァアーーーンッ!!】
・・・油断した罰でも来たとでも?
爆発音に全員が警戒すると船員の人がやって来て。
「急いでこの船から脱出してください!」
「何!一体何があった!?」
「どういう訳か船底から複数の爆発が発生して船に穴が!?」
「・・・!?」
ジョセフさんの問いの船員からの返答に驚愕する。
まさか、仕掛けてきた?
このタイミングでかよ。
あんだけチェックやったのに。
水中から仕掛けられたかこれは?
結局、俺のやった事はプラマイゼロかぁ。
全員でボートに乗るとゆらゆらと霧が出てきた海にたゆたう。
家出少女も一緒だ。
ゆっくりしていると水を貰って飲んでいた家出少女が吹いた。
勿体無いとジョセフから注意を受けるが。
「ち、違う・・み、みみみみみ皆アレを見てーーー!」
「「「「「「!?」」」」」」
船が見える。
おいおい、これってまさか。
「えぇ!」
ジョセフが驚愕している。
とりあえず。
「アヴドゥルさん救難信号用のロケットはどこでしてたっけ?」
「確か・・・」
「あ、大丈夫ですよ。こちらでやります」
俺が尋ねるとアヴドゥルさんが探すが船員さんが既に行動を起こしていた。
船長の指示の下でテキパキと動いてる。
打ち上げて暫くしても無反応なのに奇妙さを感じるがタラップが船から降りていた。
殆どのものが喜んで登ろうと準備するのに対して承太郎と俺は素直に喜べなかった。
てか、【貨物船じゃなく豪華客船】・・・?
「承太郎、大樹・・・何を案じておる?
まさかこの客船にスタンド使いが乗っているかもしれんと考えているのか?」
「いいや・・・タラップがおりているのになぜ誰も顔をのぞかせないのかと考えていたのさ」
「加えて霧が出てる中で航海中ってのが気になりますね。
シンガポールの近くだから停泊して様子見すると思うのですが・・・」
俺は知っているからだが承太郎は怪しいと思ったからだろう。
人気が無さ過ぎる。
加えて俺は【あのスタンド使い】がどこに行ったのかが気がかりだった。
爆弾で船を破壊した時に仕掛けなかったのは数の不利さだろうが。
余計な事になってしまったかもしれない。
ポルナレフが罠でも乗ると発言したので他に手段はないので全員が行動を移す。
登ってみるとやはり誰も居ない。
「つかまりな、手を貸すぜ・・・」
「(べ~)」
「やれやれ」
承太郎が手を貸そうとすると家出少女はジョセフに捕まって舌を出した。
ちなみに家出少女の名前はアンと言うらしい。
承太郎は呆れているがお前のやったアレのせいだろ。
俺は擁護出来ないからな本当に。
全員で船を捜索しても無人。
明らかに異常である。
極めつけは。
「みんな来てみて、こっちよ!猿よ!オリの中に猿がいるわ」
「オランウータンだ」
「猿なんぞどうでもいい!こいつに餌やってる奴を手分けして探そう」
家出少女アンが檻を見つけて来てみる。
花京院が種類を判別してジョセフは苛立ちが混ざった声で捜索に行く。
やはり、こいつなのか・・・。
こいつがアレって事を俺は知っている。
証拠が無いから今はどうする事も出来ない。
暫くしても誰も見つからない。
腹が減ってきたな・・・。
「おい、この香りは・・・」
「何だ?」
「誰かが食事をしている?」
船員達が匂いを感じて誰かしらの存在に確信しだす。
「行ってみよう」
ジョセフさんが先頭に立って匂いへ近付いていく。
全員があとに続く形だ。
やがて食堂を見つけて入ると煌びやかな装飾が施されてる大きな部屋だった。
机には大量の高級料理が並んでいて奥の方でガタイの良い男が食事を取っている。
「貴様は?」
「新手のスタンド使い」
ジョセフが問い、花京院が構える。
この男も俺は知っている。
そうか、タッグで来ちゃうのかぁ・・・。
余計な事したの確定だわ。