俺はなんだってこんなところに   作:駄作

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17話 銀の戦車 4

勝負は付いたのでとっとと皆でカイロを目指す事に。

 

とは言え、これで終わりではない。

まだ続くのを俺は知っている。

 

爆発する音に皆が背後に振り返ると鉄片が勢いよく飛んでるがアレはシルバーチャリオッツの甲冑。

 

そのまま、勢いよく背を向けた状態でポルナレフが空を飛んだのを見かけた。

 

「奴が寝たままの姿勢で空へ飛んだ!」

「ブラボー!おお、ブラボー!」

 

花京院が思わず言葉にする。

ポルナレフは背中を地に向けて拍手と笑みを浮かべる。

 

その姿に俺は。

 

「逆さになっても電柱・・・」

 

思わずまた呟いた。

 

「ブッフゥ!?ヒヒ!ノホホ!ノホホホホ!

お、おい大亜!こんな時に笑わせるような事を言うんじゃない!」

「お前は儂等を笑い殺したいのか大樹!」

「あ・・・すいませんでした」

 

花京院がまた吹いた。

茶が口に入ってないのでバッチイ展開にはならなそうです。

流石にジョセフさんに怒られた。

でも、笑いを堪えるためか頬がプルプルしてるのを俺は見逃さなかった。

 

「やれやれだぜ・・・なんで奴は飛んでるんだ」

 

顔を遠い所に向けながら呆れたように呟き現状の疑問を言う承太郎。

でも、目が怪しい事になってるのに気付いた俺は嘘だろ承太郎と呟く事にした。

 

ちなみにアヴドゥルさんとポルナレフは勝負再開に集中していてこっちの話は聞いてなかった。

それでいいし正しいと思う。

 

甲冑が外れたシルバーチャリオッツが7体に見える程の残像の高速移動。

 

俺の基礎能力だとバイク無しの残像は無理だな。

出る数は5体辺りかな?

誰か追加で乗ってる状態でも無理だが。

 

説明が終わって仕掛けられてアブドゥルさんが形振り構わず大苦戦だがアヴドゥルさんも説明して仕掛けた。

 

「【クロスファイヤーハリケーンスペシャル】!かわせるか!」

 

マジシャンズレッドが大きく構え放たれる複数のアンクの炎。

 

飛び散る炎と熱波がこちらに来るがバリアーで防ぐ。

温度調節も完璧だぜ!

 

「くだらんアヴドゥル!オォォォォー!」

「円陣を組んだッ!」

「死角がないッ!」

 

シルバーチャリオッツの残像がポルナレフの周りで円陣を組みジョセフが驚いた声を上げる。

花京院も一瞬で素面に戻り隙のなさに驚愕した。

 

さっきの状況と今の状況のシュールさに俺は絶句したが。

主に味方側。

いや、俺が原因なんだけどね。

 

「甘い!甘い甘い甘い甘い!

前と同様、このパワーをそのまま貴様に!

切断!弾き返してぇええ!何ぃ!?」

 

複数に迫るアンク型の炎を弾こうとしたシルバーチャリオッツの残像達がマジシャンズレッドの炎によって穴が空いた地面から巨大なアンク型の炎が噴出して全員が消された!

 

そのまま、迫った炎がシルバーチャリオッツと共にポルナレフに直撃して炎に包まれ吹っ飛ばされる。

 

思わずジョセフが解説する姿に俺はスピードワゴンの意思が受け継がれてるのか魂が取り憑き、そうさせる様にしてるのだろうか?と思ってしまった。

 

「炎に焼かれて死ぬのは苦しかろう。その短剣で自害するといい」

 

懐から短剣を出してポルナレフの前に投げるアヴドゥル。

そのまま背を晒して仲間達の所へ歩き出す。

 

その姿にポルナレフが一瞬、投げようとするが止めて自決しようとするがこちらもやめて炎に身を任せる様にする。

 

「うぬぼれていた。炎なんかに私の剣きばきが負けるはずがないと。フフ、やはり。

このままいさぎよく焼け死ぬとしよう。それが君との闘いに敗れた私の・・・。

君の能力への礼儀、自害するのは無礼だな」

 

ゆっくりと目を閉じるポルナレフ。

そのまま炎の熱さに気絶する。

 

その姿にアヴドゥルは振り返り炎を一瞬で消す。

 

花京院は笑みを浮かべ、承太郎は何も反応しないがアヴドゥルの行動に肯定しているのだろう。

 

「あくまでも騎士道とやらの礼を失せぬ奴。しかも私の背後からも短剣を投げなかった!

DIOからの命令をも越える誇り高き精神!殺すのは惜しい。

何か訳があるなこいつ」

 

歩み寄ったアヴドゥルはポルナレフを抱えて額を探ると案の定に【肉の芽】が植えられていた。

 

アヴドゥルが承太郎に声を掛け、それに答える承太郎。

肉の芽の抜き取りの始まりである。

 

ジョセフさんがうぇ~この触手がきもち悪いんじゃよな~!承太郎!はやく抜きとれよな。早く、早く!と子供の様に動きながら言ってるが絵面的にその表情は不味いんじゃと言いたくとも言えなかった。

 

承太郎が五月蝿いと言う事で収まったが、どう見てもあれはア○顔です。

本当にありがたくありませんでした。

 

「これで肉の芽がなくなって、にくめないヤツになったわけじゃな!

ジャンジャン!ヒヒ」

 

【肉の芽】がなくなるとダジャレを言う姿に全員が気分を落とす。

 

シュールだなと俺は思った。

 

「花京院、大樹、オメーラこーゆーダジャレいう奴ってよ~無性に腹が立ってこねぇか?

まだ、大樹の思わぬ失言のがおもしれぇ」

「っふ・・・プフ。駄目だ、思い出してしまった・・ヒヒ」

「・・・どうでもいい」

 

承太郎の苛立ちの混ざった質問に花京院は目を瞑って笑みを浮かべる事で返した。

だが、何が面白かったのか笑いが込み上げたようだ。

 

俺は面倒臭くてぶっきらぼうに返した。

 

そんなに面白かったかぁ?

俺がギャグ言うと白けるのが普通だったんだが素面で思わず言うと前世でも家族や他人関係なく笑われたけどさぁ。

 

 

 

やがて、スピードワゴン財団の作業が終わったらしくて全員で船に向かう。

長く待ったが作業員曰く、5時間程ロストしたらしい。

 

それでも襲ってくる可能性が下がるなら良いと俺は思うが。

その分で時間を稼げるし。

 

向かってる途中でポルナレフに止められてお礼を言われた。

皆が気にする事はないスタンスなんでポルナレフが怯んだがジョセフさんに質問をしてきた。

あなたの左腕は右腕ではないだろうな?と妹を殺した男がそれで探しているらしい。

 

奇妙な質問に答えて手袋を外して義手を見せるとポルナレフが謝罪した。

ジョセフさんが気になって質問をする。

 

ポルナレフは3年前、雨が降った日の妹とその友達の学校の帰りに不思議なことに雨なのにその男のまわりは透明の膜でもあるかのように雨がドーム状によけてとおっていた。

突然クラスメートの胸がカマイタチにでもやられたかのように裂けた。

そして、次に妹が恥かしめを受け殺された。

男の目的はただそれだけだったそうな。

 

その後に復讐の為に探しているとDIOが接触してきて探すから友達になってくれないかと勧誘と言う名の強制【肉の芽】をぶっすりされたそうな。

 

心の隙間に入るのが上手く、捨て駒作りする下衆野郎だなと思ったのが俺の正直な気持ちだ。

 

風が操れるので俺が容疑者に一時期浮上したが左手があるので取り消したと言われた時は微妙な気持ちだった。

確かにドームやれるし、成長次第でカマイタチいけそうだけどさぁ。

 

推理すると両右手の男はDIOの仲間だなと花京院が言う。

 

花京院、正解です。

君にはスーパー荒木先生人形をプレゼントだ。

 

ポルナレフがついて行きたいと言い出して皆は良さそうだけど俺は胡乱げな目でしか見れない。

 

こっちも謝られちゃったけどね。

 

まあ、謝れて頼まれたから引っ張らないけどさ。

 

ちなみに原作での写真撮ってくださいとは言われなかった。

時間ずれてるしな。

 

そうして皆で船に搭乗。

DIO目指して出発です。


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