俺はなんだってこんなところに   作:駄作

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13話 灰の塔 3

【タワーオブグレー】の説明と挑発が始まる。

 

至近距離で10丁の銃から弾丸を撃たれても当たらないってのは自信の現れなんだろうな。

スタンドは思いの正負問わずに強いと強くなっていくから。

 

そこが同時に弱点でもあるんだが。

 

ジョセフさん達はここら近辺で探しているな。

言いたくても言い様がないってか説明に時間が掛かり過ぎて間に合わない。

何より今みたいに過程が変わる事があり得ると・・・改変はリスクが高いってのを身を持って知った。

 

説明も迂闊に出来ないぞ、これは。

 

「あそこに移動したぞ!」

 

花京院がタワーオブグレーの場所に指をさす。

 

何をするつもりか困惑している皆だが俺は解る!

 

ゆっくりと乗客の座席の後ろに降りていくのを見て俺は猶予はないと判断した。

 

「皆、後は頼む!」

「「「大亜?」」」

 

承太郎以外が首を傾げる。

承太郎も不可解な表情をしているが。

 

「ステッペンウルフ!フルスロットルだ!」

 

バイクのモータ音が響く俺の周りのバリアーが取れて。

 

『・・!?いい加減にしろ貴様!』

 

「・・!そういう事か。あの野郎」

 

承太郎達は気付いて怒りが漏れてる。

タワーオブグレーが弾かれて苛立ってる。

 

風のバリアーはこの場の乗客達に包み込まれる!

射程は大丈夫でも力が足りず自身に致命的な隙を晒すが。

 

「お客様。こんな所にいたのですか?」

「・・!?」

 

俺が誤魔化したキャビンアテンダントが中に入って来て!?

いかん!

 

『この場での障害は貴様のようだな。

だがその前に、引きちぎってやる!狂い悶えろ!!』

 

「・・!げふぉっ!?」

「大亜!」

「ひっ!・・・うーん」

 

苛立っていたのか俺でなくキャビンアテンダントの方を攻撃しようとしたのでバイクを置いて残ったスタンドエネルギーを足に集中して蹴り出す!

 

生身で飛び出してキャビンアテンダントの人は守れたが。

俺の左横顔を引き裂いて苦しめる様に攻撃してきた!

 

崩れ落ちてその場に倒れる俺にアヴドゥルさんが焦った声で叫ぶ。

今の光景の訳の解らなさと血が吹きかかった事でキャビンアテンダントは声を上げずに気絶した。

 

痛い・・・めっちゃ痛い。

舌抜かれてないから死んでないけど血がドバドバ出てる。

キャビンアテンダントの人には申し訳ないことをした。

 

しかし、こいつの本体は何処なんだよ本当に。

 

『どうやら乗客とその女を守る為に自身の守りが疎かになっているようだな。

愚か者が、ほうっておけば良いものを。俺の目的は!』

 

俺から削った頬肉の血で書くつもりらしいな。

あの趣味の悪い。

 

 

 

【Massaqre(マサクゥル!)】

 

 

 

皆殺しの落書き。

 

クワガタ虫がストレス発散したのか調子良さげにブンブン飛び回ってやがる。

 

「や、やりやがった・・・」

「・・ヅゥッ。焼き殺してやる!【マジシャンズレッド】!」

 

花京院が冷や汗を流し、アヴドゥルさんがキレて鳥人のスタンド。

マジシャンズレッドの発現から炎が迸っている!

 

飛行機の危険が危ないってばよ!?

 

「待て、待つんだアヴドゥル!」

「・・っ!」

 

花京院が止めに入った。

アヴドゥルさんが冷静になってマジシャンズレッドを収めてくれた。

 

・・・危なかった。

しかし、ここで爺さんが無関係を装って血で驚くはずなんだが。

この場に居ないせいか何も起こらない・・・。

 

「マジシャンズレッドでは飛行機を爆発しかねない。

ジョジョ、君のスタンドのパワーだと機体壁に穴を開ければ大惨事だ。

ここは私の静のスタンド」

 

花京院が戦闘態勢に入る。

承太郎は様子見に徹するようだな。

 

俺は乗客守るのと近辺で探すので精一杯です。

これが俺の精一杯と花京院の遺言やっとる場合じゃない。

 

「【ハイエロファントグリーン】こそ奴を始末するに相応しい」

 

『花京院典明か。お前の事はDIO様から聞いてよく知っているよ。

やめろ。自分のスタンドが静と知っているなら俺には挑むまい。

貴様のスピードでは俺を捉えることは出来ん!』

 

花京院の言葉に余裕綽綽で浮遊しながらタワーオブグレーは警告する。

 

確かにスピードでは勝てない。

だが、方法はある。

 

もう何処にいるか解らないから花京院に任せて撃破してもらおう。

血が出すぎて俺の意識が危うい・・・。

 

「出来なかった・・・」

 

『・・ああ?』

 

花京院が呟く一言にタワーオブグレーが訝しげになる。

 

「フォロー出来なかった!

僕の所業を許してくれた大亜に申し訳が立たない。

何よりも・・・僕自身が今、お前のやった事に怒りを感じているんだ。

エメラルドスプラッシュ!」

 

『はん、貴様も同類か。数うちゃあ当たる発想なんだろうがちっとも当たらんぞぉ』

 

ズアッと手をピストルの形にして立てながら額に青筋が浮かんでいる花京院。

そのままハイエロファントグリーンに緑の結晶を放たさせるがタワーオブグレーに馬鹿にされながら回避される。

 

気にしすぎだろ花京院。

いかん、意識・・が・・・。

 

『ビンゴ!』

 

「くっ!」

 

エメラルドスプラッシュが抜けられた。

 

花京院が・・危・・・ない。

 

『・・!しつこすぎるぞ貴様!』

 

「だ、大亜!?」

「ステッペン・・ウル・・・・・」

 

最後の・・・・バリ・・・・・アー。

も・・・・・眠・・・・・・・・・。


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