魔法科高校の劣等生 〜夜を照らす紅〜   作:天兎フウ

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お久しぶりです。
ライヴやら旅行やら風邪で熱やら色々とやっていたら思ったより遅くなってしまいました。

しかし、本編を期待していた方には申し訳ありませんが、今回の話しはハロウィンの特別番外編です。
先ほど魔法科のスマホゲームをしていたら深雪の台詞でハロウィンだということに気が付いたので、急いで書き上げ投稿しました。ちなみに内容も深雪の台詞から膨らませたもの。

短いです。





ハロウィン特別番外編

 

 

 

今日は10月31日、俗に言うハロウィンの日である。ハロウィンとは簡単に言ってしまえば子供たちが仮装し、トリックオアトリート(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)と言ってお菓子を貰う風習がある。現代、22世紀初頭になろうとする時代においても民間行事として根強く定着しているハロウィン。本来は収穫祭など宗教的な意味を含むものだったのだが、今やその面影は殆どない。しかしそれが寒冷期に入り世界の食料資源が減り食糧危機に陥ったにも関わらず、収穫祭であるハロウィンがここまで存続している要因でもあった。

2010年代に入り、日本で爆発的に人気を伸ばしたハロウィンは今でも健在である。当然、ハロウィンの内容も世間の常識に入るのだが、司波家において一人、ハロウィンの詳しい内容を知らないという世間知らず――いや、この場合は箱入り娘か――がいた。

 

「ハロウィンとは一体何をするものなのでしょう?」

「「「――――は?」」」

 

今日は土曜日であるが魔法科高校は登校日、今日の授業は終わり各自自習の時間となっている。自習とはいえ成績優秀者である紅夜、深雪、雫、ほのかの四人は特に何をするでもなく雑談に興じていたのだが、深雪から衝撃的発言が飛び出した。紅夜も含め、呆気にとられる三人に深雪は首を傾げる。

 

「深雪、本当に知らないの?」

「あー、そういえば家では一度もやったことがなかったな」

「へぇ、なんだか少し以外です」

「でも何で紅夜くんはハロウィンを知っているのに深雪は知らないの?」

 

雫の疑問に紅夜はどう答えたものかと考える。まさか深雪がハロウィンを知らないのには驚いたが、よく考えれば箱入り娘とも言える深雪が知らないのも無理はないかもしれなかった。紅夜も前世の知識がなければハロウィンの詳細など知りもしなかっただろう。しかし、まさか深雪が箱入りだと答えるわけにもいかない。

 

「……実は俺と兄さんに深雪の三人で一緒に暮らし始めたのは一校に入学することになってからなんだよ」

「そうなんですか!」

 

ほのかが食いつき、上手く話を誤魔化せたことに紅夜は内心でガッツポーズをする。

 

「家の事情でいろいろあってな」

「なるほど」

 

紅夜は多くを語らず上手く話を濁した。家の事情、深雪と紅夜の二人と達也の誕生日が離れていることを考えれば家庭関係が複雑であることは簡単にわかることである。実際はさらに複雑な関係だったりするのだが、この場では紅夜と深雪以外に知る者はいない。

 

「そう言えばハロウィンの話だったな」

 

微妙になりかけた空気を誤魔化すように――実際は意図的に微妙な空気にしたのだが――紅夜が話を変える、というか元に戻した。

 

「ハロウィンはお菓子を貰ったり仮装したりして楽しむものなんですよ」

「随分と大雑把な説明だな」

 

ほのかの説明に紅夜は思わず苦笑する。

 

「ほのかの説明も間違ってはいないと思う」

「まあ、そうだな」

「なるほど、ハロウィンとはそのようなものなのね」

 

納得してしまった深雪に真剣に詳しく教えるか悩む紅夜だったが、楽しむ分には問題ないかと割り切ることにした。

 

(深雪の仮装か。サキュバスのコスプレとか案外似合いそうだな)

 

紅夜が内心、下らないことを考えていると、突如として膨大な悪寒、それどころか本物の冷気が降り注ぐ。

 

「こ・う・や?」

「はい! 申し訳ございません、お姉様!」

 

誰もが見惚れるような、それでいて恐怖を感じるような壮絶な笑みを浮かべる深雪に紅夜は反射の限界、0.1秒という魔法発動速度すらも超えて即効で謝罪をした。この笑顔を浮かべる姉には、声に出してるとかいないとか、そんなことは些細な問題なのである。

 

「そ、そうだな、どうせだから帰りに店にでも寄ってお菓子でも買って来るか!」

「あ、はい。いいですね、それ!」

「賛成」

 

何とか話しを逸らそうと必死な紅夜に雫とほのかも空気を読んでか、それとも深雪に恐怖を感じたのか、どちらかはわからないが、とにもかくにも賛成の意を示してくれた。「トリックオアトリートじゃないけどな」そう言って紅夜が笑うと他の二人、そして深雪もつられるように笑った。三人は深雪に気が付かれないように、ホッと胸を撫で下ろした。

 

「それじゃあ、お兄様に連絡して聞いておくわ」

「ああ、よろしく」

 

先ほどとは一転して少しワクワクした様子で情報端末を取り出す深雪に紅夜は苦笑しながらも、自分も前世以来のハロウィンを少し楽しみにしていることに気が付いたのだった。

 

 

 

 

 




 


特に落ちもないちょっとした日常。やはり私には日常の話しを書く才能が無さそうだというのが再確認できました。
しかし内容が酷くてもご勘弁を。寧ろこの内容を三十分で書き上げた私を褒めて欲しいくらいです。というか自分で褒めます。


まあ、冗談はともかく、ちょっと次回予告というか連絡的なものを。

次の話しは横浜騒乱編に入ります。今回で分かったように日常のほのぼのが苦手な私に夏休み編は無理です。申し訳ありません。

投稿は一週間以内にするつもりなのでお楽しみに!



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