皆が揃ってから説明する、と窓付きが言い、十六夜が黒ウサギ達のコミュニティの状況を推理して、黒ウサギが説明し終えると、三人はコミュニティに向かう事にした。そして走っている十六夜はその横にぴったりくっついて来ている窓付きに問いかける。
「―――で、それもお前の『エフェクト』なのか?」
「これも私の娘の物だけどね………私の移動用エフェクトだと疲れるし、この『☆バイク☆』が最適だと思った」
そう、窓付きは現在、バイク用のヘルメットを被りバイクに乗っていた。黒ウサギはその横を走りながら感心したように呟いた。
「窓付きさんは沢山のギフトを持っていらっしゃるんですね………」
「この『エフェクト』はあくまで付属品に過ぎないけどね。私―――いや、私達の本質は別の物だよ」
「それは凄い興味深いな」
十六夜が目を細めて
「私は面倒事は嫌いな方なんだけどね………」
「ヤハハ、別にいいじゃねえかよ」
「私としてもコミュニティ内での争いは辞めてほしいのですが………」
★ ★ ★ ★ ★
日の暮れた頃に噴水広場で十六夜たちと飛鳥たちは合流をして、飛鳥たちの話を聞いた黒ウサギは案の定ウサ耳を逆立てて怒っていた。
「な、なんであの短時間に"フォレス・ガロ"のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」「準備をしている時間もお金もありません!」「一体どういう
「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」
「黙らっしゃい!!!」
口裏を合わせたかのように息ピッタリな三人の言葉に激怒する黒ウサギ。それを笑って見ていた十六夜が止めに入る。
「別にいいじゃねえか。見境なくえらんで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」
「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ?この"
「"
ちなみに飛鳥たちのチップは"罪を黙認する"というものらしい。
「でも時間さえかければ、彼らの罪は必ず暴かれます。だって肝心の子供達は………その、」
「そう。人質は既にこの世にいないわ。その点を責め立てれば必ず証拠は出るでしょう。だけどそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの」
「それにね、黒ウサギ。私は道徳
「ま、まあ………逃がせば厄介かもしれませんけれど」
「僕もガルドを逃がしたくないと思っている。彼のような悪人は野放しにしちゃいけない」
飛鳥の言葉にジンも同調する姿勢を見せ、黒ウサギは諦めたように頷いた。
「はぁ〜……。仕方がない人達です。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。"フォレス・ガロ"程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」
黒ウサギのその言葉に十六夜と飛鳥は
「何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」
「当たり前よ。貴方あなたなんて参加させないわ」
フン、と鼻を鳴らす二人。黒ウサギは慌てて二人に食ってかかる。
「だ、駄目ですよ、御二人はコミュニティの仲間なんでふからちゃんと協力しないと」
「そういうことじゃねえよ黒ウサギ」
十六夜が真剣な顔で黒ウサギを右手で制する。
「いいか?この喧嘩は、コイツらが
「あら、分かっているじゃない」
「………。ああもう、好きにしてください」
そこで窓付きが手を挙げて飛鳥に問う。
「私も駄目なの?」
「当然よ。
「そっか」
飛鳥は自分に借りを作りたくない―――そう言う事なのだろうと窓付きはアタリをつけた。
「さて、窓付き。お前に子供がいるということについて、説明して貰おうか………」
「へえ?それは
「
飛鳥と耀は十六夜の言葉に少しばかり目を見開いた後、捕食者の眼で窓付きに近づいてくる。そこに黒ウサギが慌てた様に割り込んで来て三人に告げた。
「す、すいませんがこれから皆さんのギフトの鑑定に行きたいのデスヨ。なのでその話は後にしてくれると助かります………」
それを聞いて三人は苛立ちを隠し切れない―――いや、十六夜は堂々と舌打ちをしていた為、隠す気も無いのだろうが―――様子を見せた。それを見た窓付きは内心助かったとホッとするのであった。
今回出てきたエフェクト 4/115
バイク
登場作品:ゆめ2っき
・バイクに乗る
・移動速度2倍
・Z長押しでウィリー