ループなハイスクール。二番煎じですね、はい。 作:あるく天然記念物
次の日の朝、目が覚めると同時に目の前が真っ白になった。
享年17歳 死亡原因 ?
シーン20
再び赤ん坊に戻っている俺。
本当に何が起きたんだ?
前回初めて痴女に勝って死亡フラグを真っ二つにしたというのに、次の朝には死んでいた。と言うか、一体どうやって殺されたのかわかってもいない。
ここはとにかくどうやって殺されたのかを確認するのが先決だろう。無論、今までと同じ様に陸上と足技の修行も忘れずに行う。脚技はもう少しバリエーションを増やすとしよう。さすがに持ってる技が一つしかないのは少し寂しいし、応用がきかないからな。個人的には俺の蹴りが初期のONE PIECEレベルに達したと思うから、初期のサンジが使っていた技とか取得したい。
修行しつつ迎える痴女襲来の日。
この日は初っ端
そして次の日は何が起こるのか確認するため、いつも起きる時間より一時間早く起きて待つ。
む、この気配。来たか。
俺は勢いよく窓を開ける。するとそこには昨日倒した痴女の他に、仲間らしき痴女二人とおっさんが一人いた。しかもご丁寧に全員矢を展開してやがる。
これが俺の死んだ原因か………おわた!
享年17歳 死亡原因 痴女と愉快な仲間たちによる惨殺。
シーン21
だからこの前も言っただろ、圧倒的物量には勝てねぇって。
とりあえず痴女と愉快な仲間たちの襲撃の前に逃げてみることにした。
逃げようと部屋のドアに手をかけた瞬間、頭上からドロッとした何かが……………
享年17歳 死亡原因 ドロッとした何かに飲み込まれて。
シーン22
マジであのドロッとしたのは何なのであろうか。知ろうとすれば有り得ないぐらいに体が震え出す。痴女には何度も殺されても恐怖で震え上がったことは一度も無いというのに。とにかく、痴女よりもヤバい物として記憶しておこう。それにあのドロッとした何かは、俺が現実から逃避して逃げ出したら確実にやってくる。恐らくそんな気がする。一度目はヒッキーになった時だったし、二度目は痴女と愉快な仲間たちから立ち向かいもせずに逃げたのだから。最初の痴女襲来の時にやって来なかったのは、人に見られたくなかったのか、もしくは直接手を出さなくとも俺が殺されるからとか、そんな所だろう。
さて、となれば次の目標は痴女と愉快な仲間たちから生き延びる事になったぞ。
ここでの大きな問題は数の暴力だな。こっちは一人に対して相手は四人もいやがる。フェアプレイの精神を叩き込んでやりたい気分だぜ。
まあ痴女たちのことだ。そんな高尚な精神など持ってるはずもないか。
となると、ここは少し頭を使って攻略すべきだな。
そんなわけで、急遽作戦を練ることにした。
作戦α 物陰に隠れて奇襲
ふふふ、まさか俺が家の庭に隠れているとは梅雨とも知らないだろう。来たか。
ウォオオオオッ! 先手必勝!!
享年17歳 死亡原因 痴女と愉快な仲間たちによる惨殺。
シーン23
奇襲作戦の利点をはき違えてた。あれってバレない状況で確実にしとめるからこそ有効な作戦なのに。叫びながら特攻したからすぐにバレてデストロイされてしまった。今度こそは確実に仕留めてみせよう。
時が来るまでじっと待つ。すると目の前が真っ白に─────
享年17歳 死亡原因 痴女と愉快な仲間たちによる惨殺。
シーン24
そうだった、四人による広域殺戮があったんだった。つーか、チャンスなんて無かったし。その前に殺戮が始まったし。おかげで家ごとデストロイだよ。まあ不幸中の幸いにも、両親が共に海外で働いていたから家だけの被害ですんだ。だが、痴女たちよ、俺の父さんが汗水垂らしてようやく手に入れた家をデストロイしやがって、この仕打ちは忘れんぞ。
そんな恨みを持ちつつ反省会。広域殺戮といい、こりゃ作戦が悪かったな。
その反省を生かし、次の作戦を練る。
作戦β 気のバリアを全力で展開する。
来たっ!
俺は以前痴女が展開していたバリアを最大出力で展開する。
ふはははッ、完璧だ。これなら広域殺戮だろうと防ぎきれる。この守りが突破できるものなら───ん? なんか、凄い勢いで鼻血が……あ、れ? ………目の前が…霞んで……………
享年17歳 死亡原因 気の酷使によるオーバーヒート。
シーン25
うぅ………未だに頭が痛い感じがする。
まさか気の酷使にあんな副作用があるとは。やっぱ陸上と同じでやり過ぎはダメだな。身を持って理解したし。
さて、今度も後が段々と無くなってきた。こうなったら、あれしかないな。向こうが殺に来たんだ。こっちもそれ相応にデストロイしてやるよ。
作戦γ 強 行 突 破!!
この気配、来たっ! 行くぜオイッ!!
痴女たちの気配を感じ取った俺は窓を勢いよく開け、外に飛び出す。
ここで重要なのは、奴らが矢を打ち出す前に仕留めることだ。もし万が一にも先に攻撃されたら数の暴力でこちらがいつも通りにデストロイされてしまう。なのでさっさと決着をつけねば!
先ずは近くにいた見慣れた痴女に向けてあの技を放つ。
特に対策もしていなかったのか、俺の技は綺麗に決まり、痴女は大地と暑い包容をかます。
痴女は上半身を地面に埋め、ピクピクさせる。
ふははは、マジ無様。
と、ここで隙を見せたら殺される。俺は気持ちを素早く切り替え、上空を見上げると、今にも矢を打ち出そうとする二人の痴女の姿が。
こ れ は マ ズ い。
俺は敢えて痴女の背中を踏みつけ、一気に二人に向けてジャンプする。途中で撃ってきたが、そこは身体にバリアを展開して防ぐ。さすがは気のバリア、いつも通りの堅牢さです。
颯爽と二人の元についた俺は、新たな技を試すことにした。
自分の身体を地面と垂直に回転させ、両脚を二人の痴女の首に引っ掛け一気に降下する! 地面まで後少しというところで、二人は脱出しようともがくが、そんなものどこ吹く風のごとく無視し、俺は更に脚に力を加え、二人を地面に叩きつける!
叩きつけられたら二人は、最初の痴女と同じ様に体をピクピクさせながら上半身が地面へと埋まる。
さてと、次は──む?
三人の痴女を無力化に成功したところで、残ったおっさんが仲間を見捨てて一人逃げ出そうとする姿が目に映った。
仲間を見捨てて逃げるとは、おっさんやるなぁ~。だが、ここで見逃すほど俺は甘くはない。てか、俺が逃げようとしたときには問答無用で殺してきたのにそっちだけ逃げるのは個人的にはかなりムカつく。
追撃のため、再び俺は痴女を踏み台としておっさんに向けてジャンプする。
俺の追撃におっさんは逃走を諦めたのか、今まで見たことのない、明らかに威力が高そうな矢を展開させ、俺に向けて撃ちだしてきた。
ほぉ、ここまでの威力を撃ちだすとは。昔の俺なら無様に土手っ腹に大穴を空けていた事だろう。しかし、相手が悪かったな。作戦に失敗したときも、修行を怠らなかった俺には防ぐことなど容易いわ!
パウッ!!
俺は気を脚に集中させ、矢に向けて一気に蹴り上げる。矢と俺の脚を一瞬均衡したが、俺の脚の威力が上回り、矢は儚く霧散した。
はははッ!! バァカめ、貴様等の使う矢なんぞ、アホみたいに何度も受けて対策など既に出来とるわ!!
なんかキャラがブレた。
気を取り直し、おっさんの元についた俺は、家を二度破壊された恨みを晴らすことにした。さすがに痴女とは言え女の子をボコボコにするのは可哀想だったから上半身を埋めるに留まったが、野郎なら話は別だ。慈悲などあるわけがない。
気を両脚に纏う。さあ、ショータイムだ。
適当な順番におっさんを蹴りつけ、最後に最大出力で回し蹴りを放つ!
俺の持っている現時点で最強の技を受けたおっさんは衝撃を身体の隅々まで受け、全身から血を吹き出し、黒い羽を周辺に撒き散らせながら大の字で地面に横たわった。絵図等的完全にR指定間違い無しの後景が目の前にあった。
どうしよう…………。
………………………………………………………………………………さぁてと、家に帰ってシャワーでも浴びるとするか。
俺は目の前の後景を無視することにした。それに変な痴女とおっさんだ。警察だって捜査することはないだろう。
………しばらくお待ちください………
ふぅ、さっぱりしたぜ。
シャワーも浴びたたことだし、学校に行くとしますか。
家をでるとそこには痴女たちは影も形も存在してなかった。まるで今朝の戦いが嘘のように思えるレベルで。
まあこれで俺があり得ないとは思うが、警察にしょっぴかれることもなくなった。これも日頃の行いが良いからだろうな。
登校すること10分程度、妙に清々しい気持ちで学校の校門をくぐり抜ける。
いやー、この日に登校できたのは本当に何年ぶりであろうか。
かれこれ二百年はこの日を迎えられなかった気がする。
俺の通っている高校は私立駒王学園という高校だ。なんでも、学問だけではなく部活などに力を入れており、俺は陸上のスポーツ推薦で学費全額免除で進学する事ができた。ちなみに、最初に進学した高校でもある。元は女子高で近年少子化の波を受け、共学になった。最初ここに進学した理由はモテたいというアホな理由だった。そしてこの学園には二大お姉さまという存在がいるが、俺には関係ないな。俺との接点なんて無いだろうし。
教室に入り、今日の授業に必要な物を準備する。
すると、窓際奥の席がなにやら騒がしい。
振り向き確認するとそこには学園で変態三人組と呼ばれるメンバーがなにやら猥談を大きな声で話していた。
さすがに猥談を堂々とするのはどうかと俺も思うが、昨日や今朝といい痴女と変態が堂々と俺を殺りに来ていたから、ある意味彼らより酷い奴らがいたから彼らになんて言っていいかわからん。それに彼らの様子もかれこれ200年も見てくると、最近の若い子は凄いな~的な、ある種のお父さん的視点で見てしまう。ただ、警察には気をつけてほしいものだ。さすがに同じ学友に犯罪者が出てくるなんて少し恥ずかしい。
その後の授業はつつがなく終わり、放課後となった。
俺は所属している陸上部で練習を濃密に行い、家へと帰る。
この日は特に何もなかった。よかったよかった。
穏やかに迎えた次の日。この日も特に変わったことはなく、昨日と同じように過ごした。しかし、平穏は長続きしてくれなかった。
放課後の帰り道。
その途中、嫌な気配を感じた。
む? 痴女とは違うが、なんか嫌な感じがするぞ。
俺はその気配が気になり、発生源に向かうことにした。
気配を辿っていくと、そこには廃工場がある。気配はその中にあるようだ。
さて、鬼が出るか蛇が出るか。
慎重に工場のドアを開け、中にへと侵入する。
入った瞬間に何ともいえない悪臭に思わず顔をしかめてしまった。
この臭い。血だ。
そんな臭いが充満するなかにいる奴なんて禄でもない奴だと思うが、それでも意を決して、俺は工場の奥に視線をやる。
するとそこには───
「くけけけけ、なんだか美味しそうな臭いがするぞ、甘いのかな? それとも辛いのかな? はたまた苦いのかなぁ?」
────上半身は女性で下半身が奇妙な化け物がそこにはいた。
なんだコイツ、キメェ。
上半身は丸出しの女性で───って、コイツも痴女かよ。最近この世界にいる女性の大半が痴女だと思ってきたぞ。
しかし、痴女も大概だが、下半身がとにかく気持ち悪い。いや、上半身の痴女も顔がアヘってる時点でアウトだが。
するとその化け物は徐に自分の胸部を揉みし抱くと─────へ?
享年17歳 死亡原因 化け物のチクビームで爆殺。
シーン26
気がつけば学校に通学する場面だった。今までの赤ん坊スタートではないことに軽い感動を覚える。
俺は急いで携帯を開き、今日の日付と時間を確認すると、痴女と愉快な仲間たちをフルボッコにした後だった。
しかし、何故今回は赤ん坊スタートじゃ無かったんだ? もしかして、痴女と愉快な仲間たちをフルボッコにして途中セーブでもされたのであろうか。ボス戦終えてのセーブしますか? 的な。
まあこれも俺が考えたところでどうしようもないから、今はありがたく思っておこう。いつか解明すればいいし。
それよりも、放課後に戦ったあの化け物だ。何だよあの化け物、チクビームなんて技だしやがって、そんな技が許されるのはロボ父ちゃんだけだぞ。
逆襲のロボ父ちゃん、泣けるね、うん。
まああれだ、今回の化け物の気配から察するに痴女よりは弱いのは明白。チクビームとか、予想外な技に気をつければ対処は簡単だろう。それに、あの血の臭いからして、かなりの人間を殺してきただろう。俺がどうにかしないと、もっと多くの一般人にまで被害が出るからな。ループしている俺とは違って、他のみんなは人生は一回限りなのだから。
そうして迎える放課後、廃工場にて、俺は化け物と対峙している。
んじゃ、サクッと片づけますか。油断せず、慎ましくな。
俺は脚に気を集中させ、爆発的な加速で一気に化け物に迫る。
先ずは挨拶代わりだ。オラ!
化け物の上半身に右足を当てる。
そして続けざまに体を捻り、頭上に踵落としをかます。
化け物は「グァアアアッ!」と叫び、面白いぐらいにぐらりとよろめき地面に倒れる。
じたばたと身体を動かそうとするが、頭に蹴りを入れたことで軽い脳震盪を起こして立ち上がれないようだ。
殺るなら今しかねぇ。
その無防備な姿に俺はトドメをさしに向かう。
安定の化け物を踏み台に工場の天井スレスレまで飛び上がり、身体を螺旋回転させ、一気に降下する!
受けよ! これがどこぞのコックと伯爵のコラボした夢の技!
圧倒的破壊エネルギーで蹴りを入れた後も身体の回転をつづけ、地面に化け物をめり込ませていく。
一メートルぐらい埋めたところで化け物が全く動かなくなったのを確認した。
ふうー、これで今夜から多くの人がぐっすり熟睡できるだろう。
俺はどこぞの手フェチの一仕事終えたサラリーマンのごとく帰ろうとした。が、ここでまさかの事態が発生した。
「あなた、何者? それに後ろのアレ、あなたがやったの?」
工場の出入り口に学園でまさかの二大お姉さまの一人、リアス・グレモリー先輩と出くわしたのだ。
………………なんでいるのさ。
突然のことで頭が全く回らず、とりあえずここは軽く会釈し、日も遅いから、また後日改めて話をするように提案した。
その提案をリアス先輩はは受け入れ、明日使いを送ると言って、魔法陣のようなものを展開して何処へ行ってしまった。
リアス先輩がまさかの夜遊びをする非行少女だったとは────って、おかしくね? なんでそもそもこんなところにリアス先輩がいるのさ。それより、後ろの化け物を見て悲鳴をあげるどころか、あなたがやったの? って聞いてきたぞ。さらに極めつけは、よくわかんない魔法陣みたいなものを展開して消えたし。
どうやら学園の二大お姉さまの一人、リアス先輩にはいろいろと隠された事があるみたいだ。
どっかの天才文学者は、女性はスパイスと素敵な物でできていると表現したが、この状況だと素敵な物どころか不思議な物でできているぞ。
リアス先輩、あんたは一体何者なんだよ。
ともかく、そんな俺の疑問なども明日になればわかるみたいなので、俺は家に帰った後、ぐっすりと熟睡した。
そして迎えた次の日の放課後。俺たちの教室にリアス先輩が言っていた使いの方がやってきた。
その子を一言で表せば美少女。名前は木場祐緋。隣のクラスの住人で、リアス先輩たち二大お姉さまとまではいかなくても、十分に学園でトップレベルの美少女だ。
彼女は俺を呼びに来たかと思ったが、彼女はなんと、俺だけではなく変態三人組で有名な兵藤まで呼びに来ていたんだ。
俺は予想がつくが、兵藤もだと?
兵藤一誠。変態三組のメンバーの一人で変態だ。
実を言うのであれば、俺と兵藤の接点はほとんどない。方や変態に人生を捧げる変態。そしてもう方や生き残るために足技と陸上に人生を捧げた俺。どこに接点があると言うのか。
まさか兵藤もあの化け物に襲われたのか?
兵藤は俺が一緒のことに少し驚きつつも、学園でトップレベルの美少女に呼ばれたことが嬉しい様子だ。
その道中、兵藤が俺に話しかけてきた。その会話は殆どが猥談のようなものばかりであったが、必死に場を盛り上げようとしてくれている感が伝わってきたので、聞き流さず適度に相槌を返してあげた。
しかし兵藤よ。いくら話題がわからなくても初対面に等しい状況で好みのAV女優を聞いてくるなよ。木場だってずっと苦笑いしていたぞ。
木場についていき、俺たちは旧校舎のある一室の前にきていた。
オカルト研究部。
二大お姉さまが所属しているよくわからん部活で、バリバリ運動系の俺には理解できなさそうだな。
そう思い回れ右をして帰ろうとしたが、木場に止められた。
帰っちゃ……だめ。そうですか。
木場はドアに四回ノックした後、入室の意を伝え、中から許可が出た。それを聞いた木場に入ってと言われる。
正直入りたくないが、ここで渋っても堂々巡りだろう。
腹をくくり、意を決して中に入ると、そこには二人の女性がいた。
一人は小柄でソファーの上で羊羹を食べている。
彼女の名前は確か……塔城小猫だったはず。部の後輩が一年生のマスコットキャラクターとして有名だって言っていた。
もう一人はバスタオルを片手に佇んでいる。
何故にバスタオル?
そんな彼女の名前は姫島朱乃。二大お姉さまの内の一人だ。
てか、それらのビッグメンバーよりも驚きなのが、俺たちを呼んだ本人が居ないことと、部屋の周りに張っていたり描かれてある魔法陣的な何かだ。
マジでオカルト研究部ってそんな事してんの? 夜な夜な悪魔召喚の儀式とかしちゃってる感じなの?
俺がそんな事を考えている内にバスタオルで身体を拭いているリアス先輩がいた。
いつの間に。てか、客人呼んでおいてシャワー浴びるなよ。これだから金持ちは困るんだ。貴族のマナーばかりで一般常識がないから。
なんでも兵藤の家に泊まって汗を流す時間がなかったから今浴びたのこと。
え? それなら兵藤は一線越えて大人になったってことなのか? 通算200年 生きてきた俺は未だにチェリーボーイなのに? なんか理不尽。え? 違う? ああそう。ふぅ、焦ったぜ。
全員が揃ったところで自己紹介が始まった。
順番にしていき、オカルト研究部のメンバー全員がし終わり、俺たちの番となった。
兵藤がつつがなく性癖暴露して終わった後、俺の番となる。
ガタガタガタガタ!!
俺の紹介で兵藤を除く全員が転ける。
あっれぇ~? 自己紹介間違えたか? てか、全員転けるとかどこの新喜劇だよ。そして二話目にして初めて俺の名前が出てきたな。遅すぎじゃね?
メンバー全員が立ち上がり、服装を整える。
その後、リアス先輩が代表して口を開く。
なんでも、俺の自己紹介があり得なくて驚いたと。
なんじゃそりゃ。俺の自己紹介にあり得ないってなんだよ。ん? 何だって? どうやってはぐれ悪魔を倒したか? 堕天使とは出会ってないかだ? おいおい、意味分からん上になんか話がかみ合ってないぞ。それに堕天使とかは知らんが、天使もどきの痴女や化け物ならボコってやったが、それが何か?
俺の答えにさらに頭を抱え出すリアス先輩。
なんか説明がまずかったみたいだ。
少し時間をかけ、ようやく調子を取り戻したリアス先輩から、どうして俺や兵藤が呼ばれたのかも含め、色々と話を聞かせてもう。
ふむふむなるほど。つまり俺がハッ倒した痴女はやはり天使ではなく堕天使という存在で、昨日懲らしめたのがはぐれ悪魔というなんか犯罪者みたいな存在だったらしい。ぶっ倒しても何も問題は無いみたいで安心した。
それにしても兵藤が堕天使に殺されて悪魔になっているとか、天使、堕天使、悪魔による三大勢力ねぇ。てか、話を聞くに兵藤を殺した堕天使って最初に俺を殺そうとした痴女じゃね? もしそうだったらごめんな兵藤。次からは完全に再起不能にしとくから許して。
それにしても、部活メンバーの表情や実際殺されたことから本当だと思うが、話が一気に飛躍しすぎて少し処理に困る。
そしてこれが一番驚いたのが、なんと俺が気だと思って扱っていたのが、実は気ではなく魔力だったと言うことだ。マジかよ。まあ正直おかしいなって思ったよ。どれだけ修行しても舞空術できなかったもん。憧れてたのになぁー、舞空術。これで振り出しじゃんか。
それからまた少し話が進み、俺たちが堕天使に狙われたのは、神器と呼ばれる神様が創ったとされる物を持っていたから狙われたそうだ。
なんとも傍迷惑な話だ。お陰で俺はどれだけ殺されたことやら。
ここで俺たちはどんな神器を持っているのか確認する事になった。
先ずは兵藤が気合い一発、ドラグ・ソボールの主人公、空孫悟の必殺技の名前を叫んでなんかゴテゴテした籠手を展開した。
何アレ、凄くカッコいいんですけど。それと兵藤、ドラグ・ソボールとはなかなかいい趣味しているな。だが俺は俄然北斗の拳やONE PIECE派だな。さてと、次は俺だな。
俺は目を閉じ、集中する。自分の奥にある何かを感じ、それを解放させる!
ヒョオォ─────ヒャオッ!!
一瞬光に包まれたかと思ったら、いつの間にか俺の首元に懐中時計のような物がぶら下がっていた。何これ?
俺は展開させた神器についてリアス先輩に聞くと、この神器は『
別に悲しくなんかないやい。
確認もし終えたところでリアス先輩は、俺に悪魔にならないかと提案をしてきた。悪魔になれば寿命が延び、戦闘力も増大、極めつけは羽が生えて空が飛べるようになるとのこと。そして眷族になればグレモリー家のバックアップももらえるらしい。ちなみに既に悪魔になっていた兵藤はリアス先輩の眷族になることにしたそうだ。
若干飛べることに魅力を感じる。だがしかし、俺はその提案を断った。なぜなら俺は人としての一生を全うすると決めたんだ。そして将来の夢はのどかなアルプス高原でできれば可愛い奥さんと一緒に暮らし、子供たちに看取られながらこの世を去るって。
それでも危険だ何だと言って俺を引き留めようとしてくるリアス先輩。俺は自衛ぐらいできるって………何回死ぬかわからないけど。
結局妥協点として、陸上部と掛け持ちでオカルト研究部に入ることになった。悪魔家業はしなくていいし、もし万が一手が足りないときには手を貸すと言うことで。もちろんそれ相応の報酬は出るそうだ。
説明が終わり、今夜から兵藤は悪魔家業を頑張るらしく意気込んでいたが、俺は家に帰ることにした。見学していかないかとリアス先輩たちに誘われたが、生憎俺は悪魔家業に興味ない。やんわりと断りを入れ、俺は帰路に就いた。今日の晩御飯何にしよう。
現在までに主人公が修得した技や手に入れたアイテム
気改めて魔力
主人公が気だと思っていたのは実は魔力で、空を飛ぶことができない事に凄く落胆する。舞空術修得への道はまだまだ遠いようだ。
波紋乱渦疾走パート2
前回参照。
受付
脚を相手の首に引っ掛け、地面に叩きつける技。上空で行えば重力による破壊エネルギーでもの凄く痛い。
仔牛肉ショット
言わずと知れたコックの技。肩ロース、腰肉、後バラ肉、腹肉、上部もも肉、尾肉、もも肉、すね肉の順番で相手に連続蹴りを放ち、最後にショットのかけ声と共にトドメをさす技。その衝撃は血中を巡り全身に伝わるため、もの凄いダメージを相手に与える。現時点主人公の持つ最強の技。
気改めて魔力によるバリア
とっても硬くて頑丈なバリア。しかしやりすぎると脳が沸騰するため酷使はしないよう注意が必要。
波紋串焼乱渦疾走
波紋乱渦疾走と串焼きを組み合わせた技。波紋乱渦疾走の圧倒的破壊エネルギーで相手を地面に叩きつけた後、回転しながら更なる追撃をお見舞いする意外とえげつない技。よい子のみんなは真似しないように気をつけよう。
刹那の懐中時計
二三秒後の未来を予測できる懐中時計型の神器。リアス先輩曰わく凄くありふれて珍しくともなんともない神器とのこと。