いきなりの出会いにびびるベル。
ベルの生死はいかに!?
「どどどどど、どこから!?きききき、来たんですか!!?」
先ほどまで自分しかいなかったはずの墓前の前には初めて出会う青年ーーーギルガメッシュがいた。
いや、ギルガメッシュを青年といっていいのか……しかし見た目はどこから見てもベルからみて自分より年上という背丈と顔つき、しかしそのあふれでる厳然とした風格がベルの恐怖心を掻き立てる。
「フフフハハハハ、そう怯えでるではない、いくら我が崇め奉られる王と言えど、取って食ったりはせんは!」
ギルガメッシュはこの少年が自身のことを知っており合間見えたことに驚嘆していると思っていた。
それに、ギルガメッシュ自身も子供の不敬は笑って許してやれる寛大な器を持っている。
……まぁベル自身はギルガメッシュのことなど知らず、急に現れたことにビックリしていたのだが。
「して童よ、先の質問に答えてもらうか、貴様が我を呼んだマスターなのか?」
「いいい、いや呼んでないです。ごめんなさい本当にごめんなさい、お帰り下さい」
目の前の青年が笑いだした瞬間肩がビクッと、跳ね上がったベルだったが、自分にはなにもしてこないと言ってくれたので少し落ち着いたが、それでも急に現れたギルガメッシュに未だビビりきっている。
「……童の言い分には嘘が感じられぬな、もしや無意識に呼んだのか?したらば聖杯戦争という言葉も知らぬのか?」
「ししし、知らないです。ごめんなさい本当にごめんなさい」
「……まさかここまで無知とは、まぁこの我を呼んだのだ、素質はあるのだろう」
ベルの返答に顎に手をあて思考していたギルガメッシュは、童の内に眠る力か何かで我を呼んだのだと納得した。
ギルガメッシュ自身も久し振りに現世に顕現して幾分か気分がいいのか…それとも童の反応が面白いのかその口角を吊り上げた。
「フハハハハ、まぁこの程度のハンデぐら我には丁度よい、……童よ自身の手に浮かんでるはずの令呪を見よ!」
「……あ、ありませんよ?」
「……何?」
ベルはギルガメッシュに言われおっかなビックリ自身の両手両腕をくまなく探ったがなにもかわりわなかった。
自身を召喚したはずなら浮いてくるである令呪が、だ。
さしものギルガメッシュもこの事態が異様だと気付いた。
そして、二人の間に微妙な空気が流れた。
ベルは未だに尻餅ついた状態で、若干涙目でギルガメッシュのこと下から見上げて。
ギルガメッシュは仁王立ちし腕を組んだまま少年を見下ろしていた。しかしその目は既に怪訝なものを見るように細めていた。
「……どういう事だ?」
「……僕が聞きたいですよー!」
ギルガメッシュはさすがに訳がわからず首を傾げ、少年の絶叫だけが響いた。