BLEACHへの転生者   作:黒崎月牙

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お久しぶりです!

そして、更新が遅くなり、本当にすみませんでしたっ!

もう1つの作品に区切りがついたのでこちらに力を込めたんですが、中々、上手くいかなかったもので・・・

執筆中に寝てしまったり、ネットに接続できなかったりと・・・

さて、今回は100%オリ話です。
久しぶりの投稿なので変かもしれませんが、どうぞ。


仕事をすることに意味がある

入隊してから数日が経っていた。

 

いざ、虚退治!・・・というわけでもなく、入ってきたばかりの下級死神には上官の手伝いや雑務、雑用が用意されていた。

 

下っ端を馬車馬の如く俺たちは働かされ、こっちの仕事が終わったら、次はあっちの仕事へ脱兎の如く駆け回る日々。

休憩する暇もない。

 

そんな中、俺は淡々と仕事をこなしていた。

 

用量よく仕事が出来て早くできるので、皆より仕事に回される数が多い。

それでも、すぐに終わらした。

周りからは『仕事ができる奴』と思われている。

 

普通に与えられて仕事をこなしているだけなんだけどなぁ~。

 

こないだなんか給仕の手伝いをやらされた。

 

下っ端死神の一種の経験をさせる名目で誰もが皆やらされるらしい。

 

で、俺は手料理を作ったのだが、その料理が大反響だった。

 

『美味い!』と誰もが口ずさんだ。

 

よかった~、現実世界で料理をしといて。

 

元いた世界での俺の親は両親共にあまり帰ってこない。

だから、俺は自分で料理をしたり、コンビニ弁当で終わらしたりしていた。

また、飲食店でバイトをしていたこともあり、料理のスキルは上々のものだ。

まぁ、プロに比べたら、足元にも及ばないだろうけど。

 

でも、あまりにも好評だったためか、給仕係りのリーダーの人から『給仕係りなってくれ!』と勧誘された。

即座に断ったけどな。

 

・・・もしかしたら料理関係の仕事が増えるかもしれない

トホホ・・・

 

それで、今日は海燕さんの付き添いの元、浮竹隊長の看病をすることになった。

 

「知ってると思うが、隊長は身体が弱い。だから、あまり刺激の強いことをするんじゃねーぞ」

 

「はい、わかっています」

 

俺たちは浮竹隊長が寝てる部屋に辿り着いた。

 

海燕さんは襖に手をかける。

 

バァン!

 

「隊長、看病しにきましたー!」

 

ちょ!?襖をそんな強く叩くな!しかも声がでかい!

さっきまで言ってたことと矛盾してるぞ!?

ほら、せっかく浮竹隊長が永遠の眠りを―――じゃなくて!健やかに寝ていたのに!

あ~あ、ほら、起きちゃったじゃないか。

 

「海燕か、相変わらず乱暴な起こし方だな」

 

「そうっすか?」

 

浮竹隊長はそんな海燕さんに怒りもせず、ハニカミながら話す。

 

流石だね。器がでかい。

 

「ん?海燕、その後ろにいるやつは・・・」

 

「ああ、こいつは京夜だ。こないだ入隊した連中の1人だ」

 

「鬼柳院 京夜です。浮竹隊長の看病をしに来ました」

 

浮竹隊長が俺に気づくと、俺と視線が合った。

 

迷わず俺は会釈する。

 

「おお!君があの鬼柳院かい!噂は聞いてるよ。仕事ができる奴が来てくれて嬉しいぞ!」

 

「いやぁ、そんな。当然のことをやってるだけです」

 

実際、与えられた仕事をしているだけだからな。

 

「そんなに謙虚になるなよ。皆、お前のことは高く評価してるんだぜ。だから、もっと胸を張れよ」

 

「か、海燕さん・・・」

 

海燕さんにまで言われてしまった。

 

なんだか、照れるな・・・

 

「っと、そうだ。隊長に確認してほしいんっすけど」

 

「ん?何をだ?」

 

「鬼柳院がどれほどの力を持っているかっす」

 

「!!」

 

まさか、2人とも俺の力に勘づいているのか!?

2人にはまだ力の片鱗を見せてないのに・・・

いつだ?いつ勘づいたんだ?

 

「そのことか。俺はいいが、鬼柳院は・・・」

 

「・・・俺も構わないです」

 

ここで拒否すれば何かと怪しまれるし、面倒くさいことになりそうだ。

バレないことを運に任せよう。

 

「そうか。なら、海燕とやった時と同じようにしてくれ」

 

俺はスっと手を差し出す。

浮竹隊長はその手を掴んだ。

 

頼む!何もわからないでいてくれ!

 

「・・・・・・・・・」

 

「どうっすか、隊長?」

 

浮竹隊長は思案顔になりながら、掴んでいる手を見つめていた。

 

そして、わかったのか、その手をが離れる。

 

「うーん、俺にもわからん」

 

「そうっすか・・・」

 

俺は心の中でホッと安堵した。

 

「ただ・・・」

 

「ただ?」

 

「他の死神とは違う、特殊な何かを感じた。ま、それが何かはわからないけどな」

 

「特殊な力っすか・・・」

 

海燕さんは俺をチラッと見る。

 

あ、あぶねー・・・

特殊な力があるってよくわかったな。

あと、俺は他の死神とは違う。俺は転生者だからな!

 

「鬼柳院、君はもしかしたらこの世界を変えるかもしれない。そんな気がする」

 

「えっ!?」

 

「・・・いや、なんでもない。ただの戯言さ。気にしないでくれ」

 

浮竹隊長は俺にそう言った。

 

いやいや、気にするって!

これって何かしらのフラグか・・・?

 

「鬼柳院!お前、俺たちに何か隠してんじゃねーだろうな!」

 

「ま、まさか!何も隠してないですよ!」

 

嘘だ。

だけど、こればかりは海燕さんにも他の人たちにも言えない。

ごめんなさい、海燕さん・・・

 

「まぁまぁ、落ち着け海燕。鬼柳院、今は言わなくていい。君が言いたくなった時に聞かせてくれ。」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「これからよろしくな。鬼柳院京夜!」

 

「はいっ!」

 

俺はその日、浮竹隊長を看病した。

大分、隊長と仲良くなって良かった!

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日が経った。

 

俺と海燕さん、他数名の死神達は流魂街を駆けていた。

 

「虚が出たって場所はこっちの方向で合ってるんだろうな!」

 

「はい!間違いありません!」

 

海燕さんの問いに1人の死神が答える。

 

先程、虚が流魂街に現れて暴れてるという情報が入った。

俺たちはいち早くその情報を入手したため、今回は俺たち十三番隊に任せる、ということだ。

 

「もうすぐ着きます!」

 

「よし、刀を抜け!構えろ!」

 

俺たちは虚のいる場所へ着いた。

 

『ォォオオオオォォォ・・・』

 

虚は次々と民家を壊していってる。

 

やめろよ。

どれだけ苦労して建てたと思っているんだ。

 

虚は俺たちの存在に気がつくと俺たちに襲いかかってきた。

 

「皆、陣形をとれ!」

 

「副隊長、こんな雑魚虚に陣形とか必要ありませんよ。俺がやってきます」

 

「あ、おいっ!」

 

1人の死神が調子に乗って海燕さんの指示を無視し、虚に立ち向かっていった。

 

戦果を上げたいのはわかるが、上官を無視したらそれなりの罰を受けることになるぞ。

あいつ、わかっているのか?

 

「おぉぉりゃあぁぁぁ!」

 

死神が刀を振る。

それは虚の腕を斬った。

 

『オオオオォォォォォォ!』

 

「へへ、どうだ!」

 

虚はそのまま崩れると思っていた。

 

ところが・・・

 

グチュッ グチュッ グチュッ

 

「なっ!?

 

「う、嘘だろ・・・」

 

「腕が再生してやがる・・・!?」

 

腕が再生していた。

しかも、先程のような細長いものではなく、ゴツゴツムキムキ巨大なものになっていた。

 

「ぐわっ!」

 

調子にのっていた死神は虚に殴られ、吹き飛ばされる。

民家の壁をぶち抜いて気絶した。

 

「チッ、あの馬鹿野郎が!皆、気を緩めるなよ!いつものような虚じゃない!」

 

海燕さんが珍しく焦っている様子を見て、慌てて構えを強める死神たち。

 

しかし、あの虚の能力・・・

超速再生か・・・?

いや、超速再生なら元通りに戻るはず。

なのに、こいつは再生と同時に強くなっている。

 

まるで原作で一護の中の虚を屈服させる時の暴走している時みたく。

 

「・・・ん?」

 

虚の後方の民家に隠れている小さい虚を見つけた。

 

なんだ、あいつ?

ていうか、あの虚、俺たちの闘いを傍観するだけで襲い掛かってこようとしていない。

 

「・・・行ってみるか」

 

俺は気になり、皆が戦っている中、こっそり抜け出した。

 

 

 

 

 

 

「くそっ!一体何なんだ、こいつ・・・」

 

俺が率いる部隊は突然変異(?)した虚によって半数の部下が倒れちまった。

 

あの虚はいつもみたいな奴とは違う。

 

普通の虚だったら、斬られた所は再生しない。

なのに、今回は例外だ。

再生はするし、再生した所は身体強化してやがる。

 

『グォォオオォォ・・・』

 

「くっ!・・・化け物が!」

 

俺たちは総勢で迎え撃ったが、斬っても再生、鬼道を使っても再生。

全く倒せる気配がしねぇ・・・

 

再生しまくった結果、最初のような細身の身体の面影はなく、脇から腰にかけて翼が拡がっていて、足も数倍でかくなっている。

しかも、長い尻尾も生えている。

 

※簡単にイメージするならばモン○ンに出てくるリオ○ウス

 

『グオオオオオオッ!』

 

「また、あの技か・・・」

 

虚が口内に霊力を溜めていく。

 

あの技のせいで、俺たちの部下たちは・・・!

 

「また来るぞ!全員よけろぉ!」

 

『グオオァァアアアッ!』

 

ドォゴー!

 

「ぐああああ!」

 

虚は溜めた霊力を球体に変え、俺たちに攻撃した。

 

俺たちは避けたが、爆風に巻き込まれる。

俺もそのうちの1人。

 

「・・・ぐっ、くそっ・・・!」

 

また2人ほど倒れた。

立っているのは俺を含めても片手で数えられる位だ。

 

もう、これ以上、俺の部下たちをやらせねぇ!

 

「・・・お前ら、今すぐ逃げろ」

 

「なっ、何を言っているんですか、副隊長!?」

 

「このままだと全滅だ。それだと元も子もねぇ。だったら、こいつの情報を尸魂界に伝えた方がいい」

 

「しかし、副隊長は・・・」

 

「俺はこいつの足止めをする」

 

「そんな!副隊長を残して逃げれません!」

 

「うるせぇ!これは命令だ!」

 

『!?』

 

俺が叫ぶと隊員たちは一斉に驚く。

 

ったく、こういうのは柄じゃねーのによ。

 

「もう1度言う。今すぐ逃げろ。なーに、俺は強ぇからな。死にはしねーよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

俺の言葉に黙る隊員たち。

 

すると、決めたのか、1人の隊員が言葉を発した。

 

「・・・わかりました。健闘を祈ります」

 

「ああ」

 

そして、部下たちは俺を置いて尸魂界へ戻っていった。

 

「さーて、あんなことを言ったんだ。てめぇなんかにやられるわけにはいかねぇ!」

 

斬魄刀を回転させる。

 

「水天逆巻け『捩花』!」

 

始解し、虚に向かって突貫する。

 

「うおおおおおお!」

 

『グオオオオオオ!』

 

俺と虚は激突した。

 

 

 

 

 

 

「確かこの辺りだったはず・・・いねーな」

 

海燕さんと仲間たちが闘っている中、俺はあの謎の虚を探していた。

 

謎の虚は闘いが始まると傍観から一転、どこかへいなくなってしまった。

 

俺も闘いに参戦したいが、これには何か裏がある気がする。

ただの勘だけどな。

 

そう思って探し、民家の角を曲がったら・・・

 

「お、いたいた」

 

目的の虚がいた。

 

どうやら場所を移し、傍観してたみたいだ。

 

『グッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ(くっくっく、バカな奴らめ。あれが分身だと気づいてないな)』

 

虚は何か喋っているがよくわからない。

 

俺は虚の言語を知らないからな。

 

「・・・おい」

 

『グギュギュ・・・ギュ?(そろそろフィナーレと・・・なんだ?)』

 

虚は振り向く。

 

「こんな所で何してんだ?」

 

『ギュアーーーー!(うわーーーー!?)』

 

俺を見た瞬間、悪魔でも見たかのような雄叫びをあげる。

 

まぁ、虚にとって俺らは悪魔か。

 

『ギュ、ギュア、ギュアア!?(な、何で死神がこんな所に!?)』

 

「ったく、なんだよ。何をしてるか聞いて・・・ん?」

 

よく見るとこいつ、あの再生する虚の仮面と似てる―――いや、瓜二つだ。

 

「・・・もしかしてお前ら仲間か・」

 

『ギュ、ギュアアア!(ち、違うぞ!)』

 

虚は首を振って否定する。

 

「じゃあ、一体何なんだ?ジェスチャーで表せ」

 

虚はジェスチャーしてくれた。

 

ほうほう、もう1人の自分と・・・

 

「分身か」

 

『ギュアッ!?(しまった!?つい!)』

 

ということはこいつが本体か。

成程、通りで倒せねぇはずだ。

 

じゃ、皆危険な状況だし、すぐに済ませるか。

 

「さ~て、ネタもわかったし、存分にいたぶってやるか」

 

『ギュアアアアアアア!(ギャアーーーー!)』

 

民家の裏から悲鳴のようなものが響きわたった。

 

 

 

 

 

 

「ぐっ!・・・はっ・・・はっ・・・くそっ!」

 

『グオオオォォォ!』

 

俺は悪戦苦闘したが、虚を倒せずにいた。

 

しかも、さらに強くなっているのか、身体の色が白銀の色へと変わっていた。

 

チッ!始解をしてもダメなのかよ!

 

「へへ・・・身体が重ぇ・・・鉛みてーだ」

 

俺の身体は限界を越えていた。

身体は軋むし、目も霞んできやがった。

 

『グォォォオオオオオ・・・』

 

「チッ、またか・・・」

 

再び虚は口内に霊力を溜め始めた。

 

もう、避ける気力が出ねぇ・・・

 

「・・・でも、ここで諦めたら・・皆を護れねぇ!俺は絶対に諦めねぇ!」

 

ボロボロの体に鞭を打って、立ち上がる。

構えをとるが立っているのが限界だ。

 

『ギャオオオオオ!』

 

虚は顔を上にあげ、溜めた霊力を放とうとしている。

 

(これまでか・・・)

 

そう思った矢先、予想外のことが起きた。

 

『っ!?グガァァァアアアアァァ!』

 

「な、なんだ・・・!?」

 

いきなり虚が苦しみ始めた。

 

今までそんなことは1度もなかった。

でも、なんでここに来て急に・・・?

 

『グォォォオオギャアアアァァァ・・・』

 

苦しんでいる虚は次第に消えていった。

 

一体何なんだ?

俺は何もしてねぇぞ?

 

すると、崩れた民家から人影が現れた。

 

「ふ~、危なかったですね。海燕さん」

 

「きょ、京夜っ!?」

 

なぜか、京夜がいた。

しかも、小っこい虚を脇に抱えて。

 

「お前、逃げたんじゃなかったのか・・・?それにその虚は・・・?」

 

「すみません、海燕さん」

 

いきなり京夜は謝りだした。

 

「実は俺、途中で戦線から外れてこの虚の正体を暴いてたんです」

 

「なっ!?」

 

いつの間に・・・いや、それよりも・・・

 

皆があの変異する虚に気を取られてたのに、こいつはこんな小さく、誰も気づかなそうな虚を相手にしていたのか。

俺でさえ気づかなかったぞ。

 

「で、さっきの虚はこいつの分身です。本体はこいつです」

 

「なにっ!?」

 

あいつ、分身だったのか・・・

通りでいつもと違う訳だぜ。

 

「その虚をテメーがぶっ飛ばして、分身体の虚はいなくなったってわけか・・・」

 

「そうです。分身と違って本体はクソ弱いですけど」

 

そう言って京夜は斬魄刀を抜き、虚の仮面に切れ込みを入れる。

 

虚は霊子に変わり、消えていった。

 

「ふ~、これでやっと終わりってわけか・・・」

 

「ええ、そうです。・・・あの、俺に罰とかは・・・」

 

「あ?罰?」

 

「俺は勝手な行動をとりました。いかなる罰も受けます」

 

「あ~・・・いいよ。罰なんか与えねぇよ」

 

「え・・・?」

 

「結果的には京夜がやってくれなかったら、この闘いは終わらなかったんだ。そいつに罰なんかねーよ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

京夜は頭を下げてくれた。

俺の方が頭を下げたい位だ。

 

それにしてもあの状況の中でよく虚の正体がわかったもんだな。

 

・・・こいつは大物になるな。

俺と隊長の読みはやっぱり間違ってねーな。

 

「さ~て、帰るとするか・・・っと!」

 

「危ない!」

 

歩こうとしたが、フラフラですぐに倒れそうだった。

 

倒れそうだった身体を京夜は支えてくれた。

 

「・・・悪ぃな」

 

「無茶しないで下さいよ」

 

京夜の肩を借りて俺たちは尸魂界へ帰っていった。

 

本当、京夜がいてくれて助かったぜ。

 

ありがとな。




いかがでしたでしょうか?

8000文字とは・・・
少し自重しなければ・・・

チラッと海燕の始解を入れました。
捩花、作者は好きです。

多分、次回もオリ話です。
しかも、今回と違ってハーレム要員が出ると思います。

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