BLEACHへの転生者   作:黒崎月牙

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はい、久しぶりです。
今回はネタなのか、ギャグなのか、シリアスなのかわかりません。
とにかく、長いです。
それだけです。

※今回、遊戯王ネタを多用しております。
 更に、他のネタとかも若干紛れ込んでいます。
 わからない方がいましたら、すみません・・・。


子供になることに意味がある

「・・・おい、これはどういうことだ」

 

「おや、私に対して敬語も無しかネ。性格が歪んでいるネ」

 

「あんたにだけは言われたくねえな。って、いきなりこうされたら、敬語なんて出来るか!」

 

拝啓、画面の向こう側の皆様。

俺こと鬼柳院京夜は大変、困ったことになっています。

 

俺は拉致された。

 

何言ってんだ、こいつ?と、思われても不思議ではないようだが、事実なのだ。

先程まで、俺は十三番隊舎へ向かっていた。

もちろん、仕事をしに。

その道中、ネムさんとすれ違った。

その瞬間だった。

 

『あ、どうもお疲れさまです』

 

『・・・・・・・・』

 

ドゴッ

 

『ぐっ!?』

 

『彼女は瑠璃ではない・・・』

 

という意味不明なやり取りした後、縄で縛られ、簀巻きにされ、十二番隊へ連れて込まれた。

そして、今、目の前にいるのは、鬼畜マッドサイエンティストこと、涅マユリ(十二番隊隊長)がいる。

どうしてこうなった・・・。

 

「なぜ、俺を拉致した」

 

「拉致?随分と物騒なことを言うじゃないカ。私たちはちゃんと一言入れて君を此処へ連れてきたのだヨ。そうだネ、ネム?」

 

「はい、心の中で言いました」

 

「それは言ってないって言うんだよぉ!」

 

何なんだ、この人たち!?

頭おかしいんじゃないのか!?

 

「さて、本題に入ろウ。君を此処へ連れてきた理由それは―――――」

 

そう言うと、三角フラスコを取り出した。

・・・中には黒いオーラが出ている緑の液体が・・・。

しかも、髑髏マークがあるんだが・・・」

 

「私が作ったこの『若返りの新薬』の実験材料第1号にするためだヨ」

 

「いやあああああああああ!!!」

 

踵を返して逃げる!

しかし、目の前にネムさんが!?

くそ!こうなったら―――――

 

「新たな境地、クリアマイン―――――」

 

「バーニングソウル」

 

ドゴッ

 

「イワーーーーーク!?」

 

くそっ・・・また俺に腹パンを・・・。

どうして俺に気持ち良く逃げることをさせねえ!?

 

「悔しいでしょうねぇ」

 

「・・・・・・・・」

 

・・・こいつ本当にネムさんか・・・?

フォ・・・・・いや、ネムさんだな。

 

「逃げ出すなんて考えない方がいいヨ。ネムが君を地の果てまで追いかけるのだからネ」

 

「ストーカーかよ!?」

 

怖いよ!?この人たち本当に怖い!?

くっ、こうなったら、ヤケだ!

 

「・・・仕方ない、その実験に付き合ってやる」

 

「ほう、潔いネ」

 

「ただし、実験が終わったら、俺を解放しろ!」

 

「ああ、別に構わないヨ。私は実験の結果さえわかればいい。君のようなモルモットのことなんて興味がないネ」

 

「酷い扱いだな!?」

 

だが、あの薬さえ飲めば、すぐに解放してくれる。

こういう展開って、飲んだはいいけど、結局何も起こりません、っていうオチだよね。

 

「しかし、何故、俺を選んだんだ?俺以外にも相応しい奴はいただろう?」

 

「実験には健康で元気な身体を持つ者が好ましいのだヨ」

 

「・・・それで、偶々、見かけた貴方が条件に当て嵌まっているから、連れてきた」

 

「偶々かよ!?」

 

なんだよ、不幸だろ、俺・・・。

日頃の行いが悪い・・・?

いや、そんなはずはねえ、仕事は真面目にこなしているし、上司、後輩、同僚、他の隊の人たちとも友好関係は深い、はず。

俺の、俺の何がいけないっていうんだあああああ!!!

 

「いいから飲みたまエ。きっと、キモチヨクナルヨ」

 

「あんたは危ない薬を売る人か!?」

 

とか言いつつも、薬を受け取ってしまう俺。

渋々、飲むことにした。

 

ゴクッ ゴクッ

 

「・・・・・・・・」

 

「どうかネ?」

 

「いや、何ともねえな」

 

「ふむ・・・」

 

「はは、実験は失敗だったようだな。俺はピンピンしてるぜ」

 

「いや、成功のようだネ」

 

「え・・・」

 

そんな馬鹿な!?

俺は何とも・・・ん?

 

なんか、視界が低くなったような・・・。

 

「自分の身体を見てみたまエ」

 

「・・・へ?」

 

見ると、俺の手は子供のように小さくなっていた。

さらに言うと、身体まで幼児体型になっていた。

 

「な、な、なんじゃこりゃああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はっきり言おう、今の俺は6、7歳位の少年の身体になっていた。

幸運にも、死覇装は体型に合うように縮んでいたため、裸にはならなかった。

これで、全裸だったら・・・、俺はもうダメだったかもしれない。

 

「これはどういうことだ!?まるで意味がわからんぞ!?」

 

「見ての通り、身体が縮んだのだヨ。見た目は子供、頭脳は大人、ということだネ」

 

「どこの名探偵だ!?」

 

事件も解決しねえし、推理もしねえよ!?

 

「バーロー」

 

「ネムさん、それを言うんじゃない!」

 

どうすんだよ、これ・・・。

これじゃ、仕事にならねえよ。

 

「なかなか、いい実験結果だネ。非常に興味深い。『若返り』とは言ったものの、まさか、身体が子供になるとはネ。しかし、改良の余地はあるネ」

 

「・・・ところで、これはいつ戻るんだ?」

 

「さあ?」

 

「おい」

 

まさか、一生このまま・・・。

俺の描いてた将来があああああ!

俺の未来があああああ!

 

「少年よ、これが絶望だ」

 

「・・・本当、誰?」

 

ネムさんがネタだと思わしきことを色々と言ってくるよ~。

こんなキャラじゃないでしょ~。

 

「さて、ネムよ、このガキは好きにするがいいヨ」

 

「はい」

 

「え!?俺、解放されるんじゃなかったの!?」

 

「別に構わないがね、そんな非力なガキの姿で今後どうするのかネ?」

 

「それは・・・」

 

確かに、マユリの言う通りだ。

このまま十三隊隊舎に戻ったら―――――

 

『あ~、ガキんちょに与える仕事はねえな』

 

『海燕さん・・・』

 

『あはははは!私より、背低くなったね~!』

 

『茜雫・・・』

 

『その・・・、私には子育てをする自信は・・・』

 

『ルキア・・・』

 

 

「・・・orz」

 

「現実を思い知ったようだネ」

 

・・・一応、気にはかけてくれてるんだな。

ただ、その原因がこの人だけど・・・。

 

落ち込んでいる俺の肩にネムさんが手を置いてきた。

 

「大丈夫、希望はある」

 

「ネムさん・・・」

 

「誰にだって、未来へ続く翼を持っている」

 

「ネム、さぁん・・・」

 

「だから・・・、私に世話された方がいい」

 

「・・・え?」

 

・・・え?

 

「私は世話好きであり、子育てにもそれなりに出来る自信はある、京夜様を養えることも出来る」

 

「待て待て待て!?」

 

なんか、いきなり変なことを言ってるぞ!?

 

「ネム、そのモルモットはお前の好きにするといい」

 

「はい」

 

「待てよーーーー!?」

 

なんでこの2人は俺の意見を無視して話を進めるんだ!?

会話を大切に!コミュニケーション!

 

「うるさい奴だネ。我々はモルモットに対してここまで親切にはしてやらないのだヨ?せっかく、ネムが気に入ったのだから、私も大目に見てやろうとしているのだヨ」

 

「え?ネムさんが?」

 

そんな意外な言葉を聞き、、ネムさんを見る。

一見、何も変わってないように見えるが・・・。

 

「(ポッ)」

 

「!?」

 

「・・・かわいい」

 

「!!?」

 

ちょっと、見つめていたら、顔を赤らめやがった!?

しかも、『かわいい』って!?

 

「ネム、私はこれからこの薬の更なる研究に取り掛かル。さっさと、出たまエ」

 

「はい、マユリ様。さあ、行きましょう、京夜様」

 

「へ!?俺、了承してないんだけど!?」

 

「大丈夫です、安心してください。夜のお楽しみはこれからだ」

 

「全く、安心できねーーー!?」

 

俺はネムさんに引きづられながら、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、ネムさん・・・」

 

「はい」

 

「・・・歩けますんで」

 

「ダメです」

 

「なぜゆえ!?」

 

ちっちゃくなってしまった俺は、ネムさんにだっこされながら、通路を進んでいた。

なんか、女性にだっこされるなんて・・・、恥ずかしいだけなんだが・・・。

しかも、俺の身体を包むようにネムさんの胸がががががが―――――

 

「あり、副隊長じゃないっすか」

 

「阿近様、お疲れ様です」

 

ちょうど、目の前に阿近さんがやってきた。

すごい、顔を引き攣らせながら、見てるんだが・・・。

 

「あの~、その子供は一体・・・?」

 

「あ、俺は―――――」

 

「この子は私の隠し子」

 

「」

 

ネムさん!?何言ってんのーーー!?

驚きすぎて、言葉が失ったよ!?

 

「そ、そうなんすか・・・。その割には、髪の色とか、顔立ちとか似てないような・・・」

 

「きっと、相手の方の遺伝が強かったんでしょう」

 

「・・・ちなみに、相手の名前は?」

 

「鬼柳院京夜」

 

「」

 

俺は何時からあんたと子作りをしたあああああ!?

記憶も動機もねえよ!?

やばい、やばい、このままじゃ、阿近さんにあらぬ誤解が!

 

「あ、阿近さん、誤解で―――――」

 

「あ~、ネムさんのお子さんよ」

 

「あの―――――」

 

「こんな母親を持つと大変だろうけど・・・、まあ、頑張れ」

 

「」

 

慰めるなあああああ!

同情するような目をするなああああああ!

俺の話を聞けえええええ!

 

そのまま、阿近さんは立ち去って行った。

誤解を解決出来ないまま・・・。

 

「さあ、行きましょう、京夜様」

 

「どうして、あんたは平然といられるんだよ!?」

 

「軽いジョークのつもりだったのですが、気に入りませんでしたか?」

 

「こんな心臓に悪いジョークをされて、喜ぶ奴がいるか!?」

 

というか、ネムさん、ジョーク言えたんだね!

そこに俺、ビックリ!?

 

「しかし、これで、京夜様の存在が出来ました」

 

「は?」

 

「子供の状態である京夜様を一目見て、鬼柳院京夜とわかる人はいないでしょう」

 

「まあな・・・」

 

「そこで、私と京夜様の隠し子となれば、成程、となり、納得が行きます」

 

「いや、待て、おかしい」

 

「独身である京夜様は、こんな綺麗で、副隊長である女を妻に出来て、尚且つ、子供である京夜様の説明もつく。一石二鳥ですね」

 

「一石二鳥な訳あるか!?」

 

なんて思考回路をしてるんだ、この人は!?

俺の世間の評価が確実に悪くなる!

このままいたら、マズイ!

 

「ネムさん!離してくれ!このまま、あんたといたら、酷い未来しか見えてこない!」

 

「未来の貴方自身なのです」

 

「うるさい!ネムさんを倒して、ここから出てやる!」

 

「わかりました」

 

「へ・・・?」

 

スッと、意外にもあっさりと、離し、地面に降ろしたネムさん。

一体どうしたのだろうか?

 

「いいでしょう、私を倒してみてください。ただし―――――」

 

「ただし?」

 

「倒せなかった場合は、もう2度と離しません」

 

「ぐ・・・、まあ、いいだろう」

 

これはある意味、チャンスだ。

あまり、女の人には手を出したくないが、散々、やられっぱなしなんだ。

ここで、一泡吹かし、ここから逃げ出す!

 

「行くぞ!」

 

「来なさい」

 

「破道の三十一『赤火砲』!」

 

ポフッ

 

「「・・・・・・・・」」

 

・・・手から出たのは火球ではなく、可愛い音と煙だけだった・・・。

 

「縛道の四『這縄』!」

 

ピロッ

 

「「・・・・・・・・」」

 

・・・手から出たのは縄ではなく、紐だった・・・。

 

「こ、こうなったら・・・、格闘戦だ!」

 

俺は突貫し、拳を振るった。

 

「おぉりゃああああぁぁぁぁ!!!」

 

ポカポカポカ

 

「フフ、よしよし」

 

「・・・・・・・・」

 

・・・orz

もう、俺のLPは0なのかもしれない・・・。

ここまで、ここまで・・・、弱くなってるなんて・・・。

 

「諦めます?」

 

「・・・うん」

 

「かわいい・・・」

 

俺の頭をナデナデした後、ネムさんに再びだっこされる。

もう反抗しない、いや、出来ない・・・。

なんだろう・・・、バーローの気持ちがわかったような・・・。

 

「それよりも、俺たちはどこに向かっているんだ?」

 

「私の部屋です」

 

「えっ」

 

「私の部屋です」

 

「・・・・・・・・」

 

何だろう、嫌な予感しかない・・・。

そうこうしている内にネムさんの部屋に着いてしまった。

 

「適当に寛いでください」

 

「・・・驚くほど何もないな」

 

あるのはベッドと机、数冊しか置いてない本棚。

きっと、マユリが揃えたんだろうけど、どうせ、不必要な物なんて揃えなかったんだろうな。

 

「一見正しいように見える光景。しかし、それは偽りである」

 

「何を言って―――――」

 

ネムさんが壁に取り付けてあるボタンを押す。

すると、壁が開き、もう1つの部屋が現れた。

 

「隠し部屋!?」

 

「勝手に私物を置くと、マユリ様に叱られるので、こうして隠し部屋を作ったのです」

 

「なんとまあ・・・」

 

ちょっと、可哀想に思ってしまった。

しかし、これはこれでいいのだろう。

下手に部屋が散らかる必要もないしな。

 

隠し部屋から出てきたネムさんは、何故かオムライスを持ってきた。

 

「お昼まだですよね?」

 

「そういえば・・・」

 

クゥ、とお腹が鳴った。

そういや、もう昼時の時間か。

 

ネムさんはオムライスを机に置くと、スプーンで掬い、俺に差し出してきた。

 

「はい、あーん」

 

「え、あの・・・」

 

「私は言いました。京夜様のお世話をすると」

 

「そうだけど・・・」

 

「ですので、はい、あーん」

 

「・・・あーん」

 

パクッ、と一口。

うん、優しいお味。

子供になってるせいか、こういうのが美味く感じる。

 

「ヨシヨシ、よく食べれました」

 

「・・・・・・・・」

 

頭を撫でられる俺。

なんというか、むず痒い、というか、この年にもなって恥ずかしいな・・・。

だが、悪くない。

 

「・・・顔を赤くして・・・かわいい・・・」

 

「何か言った?」

 

「いえ、何も。はい、あーん」

 

「あの、ネムさんは食べないの?」

 

「はい、あーん」

 

「・・・あーん」

 

俺の意見は無視か!?

どんだけ、食べさせたいんだ!?

世話好きなのかね・・・。

 

「ヨシヨシ、よく食べれ―――――」

 

「食べる毎にそれやるの!?」

 

流石にやりすぎだろ!?

全然、食事が進まねえ!

 

「叱るだけではダメ。褒めないと子供は成長しない。そう本に書いてありました」

 

「俺は違うから!?見た目は子供だけど、中身は成長し切ってるから!?」

 

もうヤダ、なんなの、このエセ家政婦・・・。

 

それでも、食欲には勝てなく、オムライスを完食させられました。

時々、撫でられたり、口元を拭かれたけどな!

 

「さて、次は・・・」

 

「え、何、これから何するの?」

 

さっきよりも、嫌な予感が・・・。

 

「子供が死覇装なんて、似合いません。やはり、見た目相応の服装に着替えましょう」

 

「十一番隊の副隊長はどうなんだ!?しかも、それって―――――」

 

ネムさんが取り出した服は―――――

 

 

 

―――――黒いフリルをたくさんあしらった、ゴスロリだった・・・。

 

「いいいぃぃぃぃやああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「きっと似合いますよ。フフフ・・・」

 

「へ、変態だーーーーー!!!」

 

そして、怖い!?

女の人の笑顔じゃない!?

悪い笑顔だ!?

 

「さあ、お着替えしましょうね、京夜様・・・」

 

「くっ!覚悟を決めるしかないのか・・・」

 

ネムさんからは逃げれない。

ましてや、ここはネムさんの部屋だ。

前門の虎、後門の狼、とはよく言ったものだ・・・。

 

「そうです。そのままジッとしてください。萌えますよ・・・」

 

ネムさんから鼻血が垂れたような気がした。

俺はネムさんの言われるがままに着替えをする。

俺は非力な子供であると同時に、変態さんに弄ばれてしまう哀れな少年だ。

このゴスロリを受け入れよう―――――

 

「いや、無理!」

 

ダッ

 

「あ、京夜様!」

 

受け入れる訳がない!

こんなの、俺のプライドが許さないし、黒歴史になっちまう!

もし、着替えをするなら、もっとカッコいい黒の剣士のような衣装がいい!

 

「とんだロマンチストですね」

 

「うおっ!?追ってきた!?」

 

地響きをあげながら、追いかけてきたネムさん。

 

「待ちなさい」

 

「誰か~た~す~け~て~!!!」

 

くっそ~、逃げてやる!

あんな変態から、逃げてやるぅ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 

俺は壁に手を付き、息切れをしていた。

ネムさんに全力で追われること30分。

なんとか撒けたようだが、近くにいる気配はする。

すぐに見つかってしまうな・・・。

 

「どこかに隠れる場所は無いか・・・?」

 

色々と部屋を回るものの、鍵が掛かっており、中に入ることができない。

 

「くそ、どうしてこうも鍵が掛かってる部屋が多いんだよ!はぁ、どうする・・・」

 

やっぱ、ここは機密関係の物が多いから、無闇に鍵を開けっ放しにする部屋は無いのかね・・・。

俺は半ば諦めながら、徐に壁に手を付いた。

 

ガチャ

 

「お?」

 

急に体が傾き、そのまま倒れこんでしまった。

 

ドサッ

 

「いてて・・・。か、隠し扉・・・」

 

俺が偶然にも手を付いた場所が、隠し扉の入り口だったみたいだ。

しかも、子供なら立って入れる程だが、大人だと四つん這いになって、進むしかできない程の入り口だ。

ラッキー!これなら、ネムさんにそう簡単にバレルわけが・・・。

 

「む、京夜様は一体どこへ・・・」

 

「!?」

 

隠し扉の向こうからネムさんの声が聞こえた。

一瞬、バレタのかと思ったぜ・・・。

しかし、いい勘してるよな・・・。

 

「この辺りから京夜様の匂いがしていますが・・・、ここではないのでしょうか・・・」

 

「!!??」

 

匂いでわかるなんて犬か!?

確かに居ますけども!扉1枚越しで居ます!

・・・俺、そんな匂ってるかな・・・。

 

タッタッタッタッタッ

 

「・・・ふ~・・・」

 

足音が遠ざかっていく。

なんとか、一安心って所だな・・・。

 

「しかし、油断出来ねえな。今、外に出てしまったら、見つかる可能性が高いしな・・・」

 

外に出れば見つかるが、ここでジッとしているのも退屈だ。

どうするか・・・、ん?

 

「道が続いてるな」

 

暗くて先が見えないが、道が続いているのがわかった。

このまま居ても、仕方がないし、少し探検するか。

俺の探究心が沸き立った。

 

「しっかし、誰が何の為にこの道を作ったんだろうな~」

 

壁に手を付きながら、歩いてく。

どこに向かってるのかはわからない。

 

「お、光が見えてきた」

 

うっすらと光が見えてきた。

見ると、扉の隙間から光が零れていた。

俺はその扉を押し開けた。

 

「ここは・・・?」

 

見ると、どこかの研究室だった。

よくわからない装置が置かれていた。

消毒のとうな塩素のような臭いが漂う。

 

どうやら、部屋の隅から出てきたようだ。

周りには箱や荷物の類が置いてあり、ちょうど隙間から出られた。

 

「よいしょ・・・」

 

箱や荷物類をどかしながら先へと進む。

すると、カチャカチャと何かを弄くる音が聞こえてきた。

 

(なんだ?)

 

一応、忍び足で音が聞こえた方へと進む。

そして、俺が目に入ったのは、3人の人物だった。

 

(!?)

 

1人は呟きながら、カチャカチャとキーボードを打っていた。

音の発信源はこいつだ。

 

「もうすぐだ・・・、もうすぐで・・・私の研究が・・・、成果を死神共に・・・」

 

もう1人はカプセルに入っていた。

 

『・・・・・・・・』

 

もう1人もカプセルに入っていた。

 

『・・・・・・・・』

 

そして、俺はこいつらを知っていた。

 

因幡影狼佐(いなばかげろうざ)・・・、それに、あれは、九条望実・・・)

 

原作アニメオリジナルのキャラクターで、一護が愛染と闘った後から一護の死神の力が失うまでの話に出て来た奴らだ。

確かに、影狼佐は十二番隊七席。

この時間にいるのは何ら不思議じゃない。

しかし、こんなにも早く出会うとは思わなかった。

しかも・・・

 

『・・・・・・・』

 

望実がまだ幽閉されているってことは、逃げ出す前ってことか。

 

(茜雫と同じで、こいつも消えちまうんだよな・・・)

 

確か、最後は影狼佐と一体化し、一護と激闘を繰り広げ、敗れ、影狼佐を一人寂しく逝かせないように、自らも消えていくんだよな・・・。

 

(ったく、どうして、俺っていうのはこう訳アリな連中と出会うことが多いんだ・・・。アキにしてもそうだし、茜雫にしてもそうだ)

 

救けだしたいのは山々だ。

しかし、今の俺の身体じゃ・・・。

 

「む・・・、そろそろ、時間のようだな。仕方ない、今日はここまでのようだ。・・・またな望実」

 

ギィ バタン ガチャ

 

律儀に鍵まで掛ける影狼佐。

どうやら、俺の存在は気づいてないみたいだな。

 

俺はカプセルに入っている、目を瞑ったままの緑髪の少女―――――望実の元へ向かった。

 

「望実・・・」

 

『・・・・・・・』

 

俺が問いかけても返事は来ない。

そりゃそうだ、こっちの声が届くはずがない。

 

可哀想に・・・、まるでこれじゃ鳥籠だ・・・。

 

俺が望実に向かって手を伸ばす。

勿論、その手は本人には届かない。

カプセルによって遮られる。

 

すると、偶然か望実の目が半ば開いた。

 

「望実!」

 

『・・・?』

 

訝しげな顔で小首を傾げながら俺を見つめる望実。

意識がはっきりしてないのか・・・?

 

だが、その眼を見た瞬間、俺は自分に誓うかのように叫んだ。

 

「望実、お前は俺が誰だかわからないだろう。今はそれでいい。だが、いつか絶対にお前を救い出す!お前を護ってみせる!お前を消させやしない!約束だ!俺を信じて待っていてくれ!」

 

この声は本人には届いてないだろう。

だが、それでもいい。

俺は絶対に望実を救い出す。

影狼佐の策略なんかぶっ壊してやる!

 

俺が叫んだ後、望実ジッとこちらを見ていたが、やがて、自然と微笑んだ。

そして、カプセル越しだが、俺の手と重なり合わせた。

 

「っ!」

 

その笑みは穏やかで、まるで可憐なバラのように綺麗で儚かった。

声は届いてないはず。

無意識、なのか・・・?

 

「・・・そろそろ行かなくちゃ」

 

あまり長居をしてはいけない。

いつ影狼佐に感づかれるかわからないからな。

 

俺は元来た道へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇。

常闇、深淵、奈落・・・・・

闇と一言言うだけでも色々と表現が出来る。

 

その闇の中に望実はいた。

前後上下左右自分がどこに向いてるのかわからない。

立っているのか、座っているのか、屈んでいるのか、蹲っているのか、それさえわからない。

 

望実はその闇に対して、不思議と怖くは感じてなかった。

寧ろ、自然と自分が受け入れていた。

 

しかし、自分が求めているものでもない。

ここにはそれしかなかったから、ずっといたから、仕方なかったから、それを受け入れていた。

自分が求めているもの、それは・・・わからなかった。

自分が何を求めているのか、どうしたいのか、何をしたいのか、わからなかった。

 

ただ、そんな自分が嫌だった。

 

孤独でもいい。

だが、孤独を求めているわけでもない。

 

ただ、何か、ほんのちょっとでいい。

何かしらのきっかけがあれば、自分が進むべき、やるべき道が切り開けそうだった。

 

だが、ここは闇。

何もない闇。

きっかけなんてものはそう簡単には――――――

 

(・・・なに?)

 

突如、一点の小さな光が見えた。

初めての体験だった。

自然と体が動いていた。

今まで何も求めなかった自分に、求めるきっかけが出て来た。

 

望実はその光へと飛び込んでいった。

 

『・・・・・・・・』

 

うっすらと目を開ける。

そこには何度も見た光景。

下から白煙灯が着いていて、自分は液体の中、さらに、自力では出れそうにないカプセルの壁。

 

ただ、1つだけ違っていた。

いつもだったら、影狼佐の姿がそこにあったはず、だが、今は――――――

 

(銀、色・・・?)

 

銀色の少年、と言うと語弊だが、望実はそんな感じに捉えた。

だが、その銀色は望実にとって、光でもあり、自分を変えてくれる希望でもあると感じた。

 

「―――!―――――!」

 

少年が何かを叫んでいた。

だが、ちゃんと聞こえない。

しかし、必死なのは伝わった。

なぜ、そんなに必死なのか、望実にはわからなかった。

ただ、最後の一言、不思議と少年が何か言うのがわかった。

 

「俺を信じて待っていてくれ!」

 

その言葉は望実にとって、深く心に響いたものだった。

何もなく、言うなれば透明だった望実の心に、僅かに薄い銀色が混じった瞬間だった。

 

『・・・・・・・・』

 

だから、望実は微笑んだ。

こんな自分に必死になってくれて、こんな自分と会ってくれて。

そして、望実の顔を見た時の少年の動揺した顔を見て、望実は少し面白かった。

心が温まる。

同時に気付いた、笑ったのは何時ぶりだろう、と。

いや、もしかしたら、初めてかもしれない。

 

そんな少年に何かを伝えたかった。

しかし、無情にも少年は去って行ってしまう。

 

『・・・・・・・・』

 

望実は再び、目を閉じてしまう。

再び、闇の中へと溶けていく。

だが、微笑んでいた。

心に銀色という、温かさを憶えながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は隠し通路を使い、部屋から出て、廊下に辿り着いた。

 

(まさか、望実と出会うとはな・・・)

 

こんな形でこんな場面で出会うとは思わなかった。

だが、確かに辻褄は合う。

原作でも、影狼佐は着々と尖兵(スピアヘッド)計画を練っていた。

 

(まだ実行には移さないみたいだな・・・。しかし、もうすぐ、と言っていた・・・)

 

もしかしたら、実行が早まるかもしれないな。

俺というイレギュラーがいるせいで、歪みが・・・。

 

そう思考していたら、ヒョイっと抱きかかえられた。

 

「捕まえましたよ。京夜様」

 

「あ・・・」

 

しまった、今はネムさんから逃亡中だったんだ。

望実のことで印象が強すぎた。

 

「さて、京夜様、よくも逃げましたね」

 

「いや、逃げるだろう・・・。あんな変態の真似事されちゃ・・・」

 

ネムさんが悪い笑顔を浮かべている。

こわいよ~、俺どうなってしまうんだろう・・・。

 

「ご安心下さい京夜様、私は反省しました。もうあんなことをしないと誓います」

 

「ネムさん・・・」

 

「ですので、京夜様に見合った服を一緒に買いましょう」

 

「・・・・・・・・」

 

本当に反省してんのか・・・?

禄でもない服を買う気なんじゃ・・・。

 

「いや、俺、死覇装のままで―――――」

 

「それでは、レッツゴー」

 

「おい!俺の話を聞け!?」

 

結局、反ば強制的にネムさんに連れて行かれることになりました。

 

 

 

 

 

 

 

道中、ネムさんとこんな話をする。

 

「・・・なあ、ネムさん」

 

「はい」

 

「影狼佐という人物を知っているか?」

 

「はい。私の隊の第七席であり、技術開発局断界研究科課長です。それが何か?」

 

「・・・他に知ってることは?」

 

「他、ですか・・・。有能ではありますが、人との触れ合いを苦手で、隊内でも好んで話す方はいません。何を考えてるのかわからず、人格的に七席に留まっている、ということ位です」

 

「そっか・・・」

 

可哀想な男だ。

自分の復讐の為に他者との馴れ合いを拒絶し、自分の思想の為に全力を尽くす。

せっかく、いいものを持っているのに、損をしている気がする。

 

俺は望実を救いたい。

それと同時に影狼佐も救いたい。

きっと寂しいはずだ、自分を認めてくれる人がいなく、孤独しか感じてないのだから・・・。

原作の最後でもそうだった。

望実は影狼佐を見捨てず、孤独にさせまいと一緒に消えて行った。

 

だが、俺はそんな終わりなんて認めない。

誰にだって生きる権利はある。

ただ、少し道を間違えただけだ。

俺は消える未来ではなく、存在する未来にしたい・・・。

 

「京夜様、どうかなさいましたか?」

 

「いや、なんでもないけど?」

 

「そうですか・・・。ちなみに、着きましたよ」

 

「あ、いつの・・・ま・・・に・・・」

 

服屋に辿り着いたみたいだ。

ただ、そこは女性物の下着や可愛い系の服を集めた店だった。

やっぱりか!やっぱりなのか!!

 

「いや、いい!俺は行かない!」

 

「何を言ってるんですか。ここまで来たんです。買いに行きましょう」

 

「ふざけんな!俺は男だぞ!女性物の衣類は必要ない!」

 

「え・・・」

 

「そんな有り得ないような目で俺を見るなーーーーー!!!」

 

結局、変態だ、この人!

子供相手に女装させようとしてやがる!

俺の本能が言ってる!

ここに入ったら、最後だってな!

 

と、そんな時、ネムさんの伝霊神機から音が鳴った。

 

『銀ちゃ~ん、酢昆布くれヨ~。銀ちゃ~ん、酢昆布くれヨ~』

 

「ちっ、こんな時に・・・。京夜様、ここから離れないでください。敵はどこに潜んでいるかわかりませんから」

 

「今、目の前にいるけどな・・・」

 

着信音にはツッコまんぞ・・・。

散々、冒頭でネタを多用したからな。

 

ネムさんは少し離れた所で話に行った。

 

「しかし、どうする・・・。ここで待っていたら、ネムさんの餌食だぞ・・・」

 

それは何としても避けたい。

だが、あのハンター顔負けのネムさんだ。

逃げたらどうなるか・・・。

 

ドン

 

「うわっ!?」

 

「っと、す、すまん」

 

突如、誰かの足に当り、俺は盛大にこけてしまった。

しかも、運悪く、水たまりの上に・・・。

朝から、子供になったり、変態に振り回されたり、泥汚れになったり・・・今日は、厄日だ・・・。

 

「大丈夫か?うっ、汚れてしまったな・・・」

 

ん?どこかで聞いたような声だな。

ふと顔を見上げる。

 

そこには―――――

 

「・・・・・・・・」

 

「何をしているのだ?とりあえず、立ってくれ。ほら」

 

俺の幼馴染で同僚である、ルキアがいた。

 

「すまん、私の見落としで、こんなに汚してしまって・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・聞いてるのか?」

 

「はっ!?だ、大丈夫!この位!ハハハ!」

 

おいおい、これは何の冗談だよ・・・。

まさかのルキアと鉢合わせ!

しかも、俺を京夜と認識してないらしい。

 

「お前、何ていう名前だ?」

 

「う・・・、えっと・・・」

 

ど、どうする!?

素直に京夜・・・いやいや、信じて貰えないだろうし、俺の尊厳とか色々と失っちまう!

止む負えず、俺は安直な名前を出した。

 

「・・・キョー」

 

「ん?キョーと言う名前なのか?」

 

「そ、そうだよ!俺の名前はキョーって言うんだ!」

 

我ながら酷いネーミングセンスだ。

だが、信じて貰えたみたいだ。

 

「ふむ、そうか。私の名前は朽木ルキアだ。では、キョー、お前の住まいはどこだ?」

 

「え、えっと、その、あの・・・」

 

ど、どうする!?

俺の家は一応ある。

だが、そこを教える訳にはいかん!

何か、何かないか!

 

「まさか・・・、お前、家がないのか・・・」

 

「え・・・」

 

あ、あれれ・・・?

この流れ、まずくね・・・?

ルキアの眼が同情するような眼で見てきた!?

 

「そうか・・・可哀想に・・・。よし、キョー、任せろ!私に着いて来るとよい!」

 

「え、ええ!?」

 

「そう気を遣うな。安心しろ、少し緊張するが、家の者達は優しい方たちばかりだ」

 

「そ、そうなの・・・?」

 

あの兄様が優しい・・・?

あの冷徹で、俺を襲ってきたあの兄様が・・・?

襲ってくる兄様は嫌いだ・・・。

 

「よし、では、行くぞ、キョー。歓迎しようではないか!」

 

「う、うわわ!?」

 

俺は流れに流れでルキアの家―――――朽木邸へ邪魔することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「京夜様、お待たせしまし―――――」

 

電話を済ませたネムが戻った頃には京夜の姿はなかった。

 

「・・・逃げましたか」

 

わなわなと手が震える。

途端、グシャと伝霊神機が手で握り潰された。

 

「逃がしません!京夜様の匂いは知っているのですから!」

 

眼を見開きながら、猛スピードで走り去って行った。

周りの人たちは目を丸くしたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ、ここが私の家だ」

 

「ほえ~・・・」

 

俺とルキアは目的地である朽木邸に着いた。

想像していた以上に、大きく、広い。

裏庭もあるし、池もあるし・・・。

貴族の力、半端ねえ・・・。

 

「ほら、あがれ」

 

「あ、お、お邪魔しま~す・・・」

 

つい忍び足で入ってしまう。

こんな汚い恰好だと、すごくアウェーな気がする。

 

「まずは風呂にしよう。そんな汚い恰好では示しがつかんだろう」

 

「あ、ありがとう」

 

「そう畏まるな。子供は子供らしく頼れ」

 

ルキアは俺の頭を撫でた。

・・・ゴメン、俺、中身は子供じゃねえんだけどな・・・。

 

で、廊下を歩いていると、彼に出会ってしまった。

朽木家当主、ルキアの兄―――――朽木白哉と。

 

「ルキア」

 

「に、兄様!?お、お疲れ様です!」

 

「・・・・・・・・」

 

ルキアのことはスルーし、俺のことをがん見してる!?

こんな汚い恰好だからか!?

それとも、正体がばれたか!?

どっちにしろ、千本桜で切り刻まれる未来しか見えん!

 

「・・・この小僧は何だ」

 

「あ、そ、そのですね・・・。この子はキョーと名前でして、私の不手際で汚してしまい、さらに、家が無いと言っていたので・・・」

 

「ほう・・・」

 

白哉はそう零すと、俺と同じ目線にまで腰を落とした。

で、再び、がん見。

 

「・・・・・・・・」

 

「あ、あの~・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「その~・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「え?」

 

白哉はスッと懐から人形を渡した。

ただ、その人形、『わかめ大使』なんだよな~・・・。

・・・いらねえ。

 

「これをやろう」

 

「・・・ありがとうございます」

 

「ルキア、小僧を風呂に入れさせろ」

 

「は、はい!」

 

ルキアが元気よく返事した後、白哉は静かに去って行った。

何で、わかめ大使の人形・・・?

何で、俺に・・・?

何で、何で、何で・・・?

 

「流石、兄様。恵まれない子供にこんな素敵な人形を与えるなんて・・・!」

 

(そういう意味合いだったのかーーー!?ってか、素敵でもねえだろ!)

 

「私も兄様みたくならなくては!」

 

(ならないで・・・。チャッピーの人形とか、いらん)

 

ルキアは上機嫌になりながら、俺を風呂場へと案内する。

 

「着いたぞ」

 

「お~、広い!」

 

そこは100人は入れる位広い大浴場だった。

こんな風呂場で優雅に浸かりたかったんだよね!

 

「ほら、服を脱がすぞ。洗濯してやる」

 

「だ、大丈夫!自分で脱げるから!」

 

「む、そうか。では、服を脱いでくれ」

 

おいおい、この年で服を脱がされるとか・・・。

しかも、幼馴染のルキアに・・・。

そんなことされたら、羞恥心で、ルキアの顔見れん!

 

俺は服を脱ぎ、大浴場に入る。

 

「さてさて、まずは飛び込んで―――――いやいや、仮にも風呂場を借りてる身だし、身体も汚れている。流石に綺麗にしないと失礼か」

 

浴場に飛び込みたいが、そこは社交性的に悪いからな。

グッと抑えて、身体を洗うことにする。

やっぱ、マナーは大事だよね!

 

しかし、俺は予想外なことが起きた。

ガラガラと扉が開く音が聞こえた。

 

「えっ!?ルキア!?」

 

「私も丁度風呂に入ろうとしていたものでな。キョー、洗ってやる」

 

そこには、透き通るような肌と細身なくびれ、そこまで膨らみはないがスレンダーな体型と黒髪がマッチしていて、とても可憐に見えた。

 

って、ダメだろ!?光に反射して大事な所は見えないが、ダメだろ!?

 

「っ!?っ!?っ!?」

 

「フフ、何を顔を赤くしているのだ。マセガキめ」

 

くっ!直視出来ねえ!

って、誰がマセガキじゃコラァ!?

これはあれだよ!?そう、風呂場が暑くて!

顔が赤くなってんだよ!

 

「ほら、何をボケッとしている。頭を洗ってやるから、こっちに来い」

 

「・・・はい」

 

ルキアさん、そんな威風堂々としないでください・・・。

見せちゃいけない所まで見せつけないでください・・・。

 

俺は致し方なく、ルキアの前に座り、髪を洗ってもらった。

 

ゴシュ ゴシュ ゴシュ

 

「どうだ?気持ちいいか?」

 

「ん~」

 

「フフ、可愛い奴め」

 

これは・・・なんという極楽。

人に髪を洗われるとはこれほどまでに気持ちいいのか~。

 

「しかし、綺麗な銀髪だな。あいつを思い浮かべる」

 

「あいつ?」

 

ふと、ルキアが零した。

あいつって、まさか・・・。

 

「京夜と言ってな、私の幼馴染であり、同僚でもある。あいつも似たような銀髪だ」

 

「へ、へ~」

 

・・・ゴメン、本人なんだ。

 

「京夜は昔から私を救ってくれた。戦いの時も、仕事の時も、そして―――――心も」

 

「そ、そうなんだ」

 

・・・聞いてるこっちが恥ずかしくなってきた。

 

「京夜は一番信頼してる男だ。昔からそう、今でも・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

・・・俺もルキアは信頼してる。

 

「まあ、鈍感で女誑しだけどな」

 

「お、おおう・・・」

 

なっ!?誰が鈍感だ!?

俺は女誑しなんかじゃねえわ!?

そんな酷い男になったつもりはない!

 

そうこう話してる内に髪を洗い終えたみたいだ。

 

ザバァ

 

「はい、お仕舞だ」

 

「プフゥ」

 

俺は頭を左右に振り、水滴を飛ばす。

その後、お互いに身体を洗い、湯船に浸かった。

 

「あぁ~、気持ちいい~」

 

「子供のくせに親父くさいことを言うな」

 

「だって、気持ちいいだも~ん」

 

こりゃ~いいや~。

家で風呂に浸かるのより何倍も気持ちいいぜ~。

 

「しかし、どうしてそんなに離れている?」

 

「え?」

 

俺とルキアの距離は3人分位離れた所にいた。

いや、だってさあ・・・、わかるでしょ?

 

「お前は遠慮しがちだ。ほらこっちに来い」

 

「う・・・、い、いや~・・・」

 

「何を躊躇しておるのだ。ほら」

 

「・・・は、はい」

 

オズオズとルキアに近づく。

やべえよ・・・、心臓バクバクだ・・・。

何でルキア相手にこんな緊張しなくちゃいけねえんだよ・・・。

 

俺が隣に来た時、突然、ルキアが俺を抱きしめてきた。

 

「ちょ!?」

 

「何をそんなに驚く?やはり、マセガキだな」

 

俺を人形みたく抱きしめるルキア。

笑いながらルキアは俺の顔を覗き込む。

 

やばいって・・・マジでやばいって・・・!!!

無心、無心だ・・・。

俺は何も感じない・・・。

悟れ、京夜、悟りを開くんだ・・・。

 

・・・俺の腹にルキアのスベスベの腕が・・・、俺の背中に小さいがちゃんとあるルキアの胸が・・・、俺の脚にルキアの太ももが・・・っじゃねえだろ!?

 

「どうだ?1人でいるより、ずっと温かいだろう?」

 

「う、うん・・・」

 

もう温かいの次元を通り越して、頭がオーバーヒートしそうだ・・・。

 

「こうしていると、昔を思い出させるな・・・」

 

「え?」

 

「私の生まれは流魂街出身だったんだ」

 

うん、知ってる。

 

「その時も仲間たちと一緒に入ったりしていた。といっても、流魂街には風呂なんてなく、水浴び位だったがな」

 

「あ~・・・」

 

確かに、俺たちもこうして身を寄せ合って水浴びしてたような気がする。

ふざけてたり、掛け合いっこ、とかしてて。

 

「ただ、1度だけ、京夜と2人で入ったことがあってな」

 

え、そんなことあったっけ?

 

「あの時は、ちょっとしたことで皆と喧嘩をしてしまってな、私が拗ねて1人で入りに行ったことがあったのだ」

 

あ~、そんなことあったような~。

やべっ、はっきりと思い出せない。

 

「その時、京夜が来てくれてな。さっきの言葉を言ってくれたのだ『1人でいるより、ずっと温かいだろう?』と」

 

・・・そんなこと言ったっけ?

ん?なんか、身体がむず痒く・・・。

 

「確かに、1人で入ると寂しいし、楽しくない。だが、共に一緒に入っていると、心が温まる。まあ、それと同時に私は緊張してたがな」

 

え?ルキアが緊張?

う~ん、そうだったのか~?

思い出せん。

そして、なんか、俺の手やら足やら煙が出てきてる。

むず痒さも悪化してくる。

 

「ずっといたのに、緊張するのもおかしいかもしれん。だがな、私は昔から、その・・・」

 

まさか、これは―――――

 

「京夜のことが好―――――」

 

ボフン!

 

「うわっ!?な、なんだ!?」

 

俺の身体から煙が巻き起こった。

同時に俺の身体が―――――

 

「も、元に戻ったーーーーー!!!」

 

「・・・・・・・・」

 

イヤッホウ!やっと、元に戻ったぜ!

これで、ネムさんに追われなくても済む―――――

 

「あ」

 

俺は気づいてしまった。

今はどんな状況なのかを。

 

「京夜・・・」

 

「え、えっと、その、これは、だな・・・」

 

やべえ・・・、ルキアの背後からどす黒いオーラが出てる・・・。

あの、ルキアさん、丸見えなんですけど・・・。

俺もだけど・・・。

 

「・・・"君臨者よ" "血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ" "真理と節制" "罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ"―――――」

 

「詠唱有りの破道!?ちょ、こんな至近距離で―――――」

 

「―――――破道の三十三 『蒼火墜』」

 

ドゴン

 

俺はルキアに爆☆殺されました。

やっぱ、下手に関わるもんじゃないね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・成程」

 

「わ、わかってくれたか、白哉?」

 

風呂場での騒動の後、俺とルキア、ネムさんは百哉の前で正座させられた。

そりゃ、そうだ。

ルキアの親切心で連れてきた子供がまさかの俺!

・・・死ぬかもしれんな。

ネムさんが何故いるのかと言うと、俺を追いかけたはいいが、追いついた頃には俺は元に戻っていたのだ。

すごく落ち込んでたんだが・・・。

ちなみに、わかめ大使人形は没収された。

 

「つまり、鬼柳院京夜は我が朽木家に侵入した挙句、我が義妹を犯そうと―――――」

 

「ちげーよ!?話聞いてた!?」

 

ネムさんも居ることで、俺とネムさんで事情を説明。

ネムさんはもう俺のことをからかおうとせず、いつも通りの冷たい感じだった。

ルキアはさっきのことがあり、俺の顔を見ようともしない。

 

「しかし、貴様は我が朽木家で問題を起こしたのも事実」

 

「うっ」

 

「千本桜の塵になれ」

 

「すんまっせんでしたーーー!!!」

 

本気の土下座。そうDO・GE・ZAだ!

いや、だって、目が怖いんだもん・・・。

瞳孔開きまくってるよ~。

 

「京夜様・・・、最低・・・」

 

「元はと言えば、あんたが元凶じゃねえか!」

 

何、シレッと部外者面してんだ!

あんたに関わらなければ、俺は平穏に暮らせたんだぞ!

 

その時、ルキアが異を唱えた。

 

「お待ち下さい、兄様!」

 

「ルキア・・・!?」

 

白哉が驚く。

今まで白哉には意見しなかったんだろう。

そのルキアが自ら意見を申し立てた。

 

「京夜は確かに女誑しで、私に正体を隠してまで、私の裸体を見ました」

 

「おい」

 

違うからね。

失礼だからね。

 

「ですが、京夜は私の中で最も信頼出来る相棒です!私たちの絆はこの程度では崩れません!今回の件は水に流します!」

 

「ルキア・・・」

 

ありがとう、ルキア・・・。

やっぱ、お前は最高の友だぜ・・・。

 

「ふむ、そうか・・・」

 

白哉は何かしら考えてる。

多少、目に動揺が走っているように見える。

 

そして、思考した後、口を開いた。

 

「・・・涅、隊に戻れ。この件に関しては目を瞑ろう」

 

「「!」」

 

俺とルキアはお互いに見て、笑う。

・・・が、先程の光景が頭を過ぎり、顔を赤らめ、すぐにそっぽを向いてしまった。

いつもだったらこんなはずじゃねえんだけど・・・。

調子狂うな・・・。

 

「かしこまりました。では、私はこれで」

 

ネムさんはスッと立ち上がり、そのまま帰ろうとした。

だが、途中、ピタリと止まり、俺に声をかけた。

 

「京夜様、また子供になって下さい」

 

「はぁ?冗談よせよ、もう懲り懲り・・・」

 

「折角、買った服が勿体無いですし、子供の京夜様の方が私は気に入ってます」

 

「」

 

「では、これで」

 

そのまま立ち去って行った。

え、嫌だ、あんな去り際の一言・・・。

やっぱり、変態だ・・・。

 

「・・・2人に残った訳だが―――――」

 

(え!?ネムさんのあの言葉を華麗にスル―!?)

 

俺の心の叫びとは逆に、白哉は冷静に話した。

 

「ルキア、兄のことを最も信頼している、と言ったな」

 

「は、はい」

 

「それは、一生と言えるか?」

 

「それは・・・」

 

ルキアはチラッと俺を見る。

随分と意味深な言葉を聞くんだな。

何を考えてる、朽木百哉。

 

「・・・はい、私は一生信頼出来ます。この思いは昔から今でも、永劫未来変わりません」

 

「ルキア・・・」

 

なんだか、照れくさいな。

改めて、こう言われると・・・。

 

「そうか・・・、鬼柳院―――――」

 

「当然、俺もルキアと同じ気持ちだ。ルキアとなら、一生信頼し合えると誓える」

 

「京夜・・・」

 

ルキアは微笑んだ。

もうこいつとは長い付き合いなんだ。

だが、今でもこうして一緒にいられる。

こんな俺を見捨てずにな・・・。

 

「そうか・・・。その意志は固いようだな」

 

「ああ」

 

「はい」

 

「・・・ならばいいだろう」

 

この後、白哉が発する言葉に俺もルキアも度肝を抜かれた。

 

 

 

 

「鬼柳院京夜、ルキアとの子を産むのを許可しよう」

 

 

 

 

「「・・・は?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とルキアは思考が一瞬停止した。

今、何と言った・・・?

俺とルキアの子・・・?

 

え~と?つまり?

 

「お前たちの子作りに賛成すると言っているのだ」

 

「・・・待て待て、待て待て、待てい!!??」

 

え、は?どういうことだ!?

どうして、あの話から、そんな突拍子もない言葉が出てくるんだよ!?

 

「あ、あの、兄様、訳がわからないのですが・・・」

 

「お前たちは一生信頼出来ると言った。そして、鬼柳院の実力は認めている。更に、共に風呂場に入るという裸の付き合い、だから認めたのだ」

 

「意味わかんねえよ!?しかも、最後に至ってはまだ誤解してるだろ!?ちげーって言ってんだろ!?」

 

兄様、冗談が過ぎるぜ、ハハハ・・・。

眼がガチなんですが・・・。

ツッコミが追いつかねえよ!

 

「・・・子を作って欲しいのはもう1つ理由がある」

 

白哉は目を沈み、少し暗く話した。

 

「私が愛していた女性は知っているな」

 

「はい、緋真様です」

 

どうしたんだ、急に・・・?

白哉は緋真とルキアが姉妹で、緋真の最後の願いがルキアを保護してほしいことだった。

まあ、今の現状だと、ルキアは緋真と似てるから、白哉は自分を養子にしたと思ってるらしいけど。

 

「私は緋真の他に愛そうと思わない。しかし、それでは、子が絶えてしまう。朽木家を私の代で潰す訳にはいかん」

 

「「・・・・・・・・」」

 

「・・・そこで、義妹であるルキアに子が出来れば朽木家の存続は保たれる」

 

「と、ちょっと、待て。そしたら、白哉の次の当主は・・・」

 

「兄だ」

 

「はぁ!?」

 

おいおい・・・、待てよ・・・。

そんな重荷、俺は無理だぞ!?

なんだ、この兄様!?シスコンじゃなかったのかよ!?

 

「お、落ち着けよ、白哉。そんな次期当主をあっさりと―――――」

 

「私は兄でいい」

 

「え?」

 

「兄はダークワンの敵勢力に対し、逸早く気付き、即座に行動した。更に、精鋭として前線で戦っていた。以前は、兄とルキアの関係は友であるなら認める、と言ったが、実績、実力、人格、を改めて考えたならば、次期当主は兄であっても構わない」

 

「に、兄様とそんな話を!?」

 

「ま、まあな・・・」

 

まさか、白哉がそこまで視ていたとはな・・・。

いや、でもなあ・・・。

 

「け、けどよ、流石に、ルキアの気持ちを聞かないとダメだろう」

 

「わ、私!?」

 

驚くルキア。

流石に、信頼し合えると言っても、そこまでは、ねえ・・・。

俺の予想じゃ、ルキアなら断る―――――

 

「え、えっと、その・・・、兄様がそう仰るなら、私は別に・・・」

 

「え、ええ!?」

 

おい、何満更でもないような反応してんだよ!?

違うじゃん!そこは断るでしょ!?

俺の予想が外れるだと!?

 

「兄は独り身のはず。何ら問題はないはずだ」

 

「そ、そうだけど・・・」

 

問題あるわぁ!

何その電撃結婚!?

それに、朽木家の存続の為に子作りっていうのもなあ・・・。

嫌だろ、なんかさ、そういうのって・・・。

 

「それとも、他に思いを寄せる女がいるというのか」

 

「そ、そうなのか!?」

 

「い、いや、いない。俺に好きな奴は今のところいない・・・」

 

白哉が怖い・・・。

もう何度目となるこの恐怖心。

そして、ルキア、食いつくんじゃねえ!?

反応しすぎだろ!?

 

どうする・・・、どうしたらいい・・・。

俺はまだ結婚する気なんざねえんだよ!!!

 

 

・・・あ、これ言えばいいじゃん。

 

「・・・俺はまだ結婚する気も、子を作ろうとも思ってない」

 

「・・・そうか」

 

「・・・はぁ」

 

白哉は淡々と。

ルキアは何故か溜め息。

 

「それに、仮に、ルキアと結婚するとしたら、今のままじゃ示しがつかねえ」

 

「・・・ほう?」

 

「まだ俺は4席風情だ。実績はあるかもしれないが、周りや上の連中は俺のことを認めてない証拠だ」

 

「・・・私の他にも認めさせる、ということか?」

 

「そう。全死神に俺の実力を認めさせて、俺の立場が恥ずかしくない所まで登り詰めたら―――――今回の話は前向きに考える」

 

「京夜・・・!」

 

ルキアの雰囲気が明るくなる。

どうやら、喜んでいるみたいだ。

・・・ただ単に先延ばししただけなんだけどね。

 

「成程、兄の意見は一理ある。朽木家は代々、汚名を付けてはならない。そこまでは私も考えてなかった」

 

な、納得してくれたか~。

これで一段落か~。

 

「了解した。兄が全死神に認める、即ち隊長となった時に、再び、この話を持ちかけよう」

 

「え?お、おう」

 

内心、喜んでいて、百哉が何を言ったか聞いてなかったが、まあいいか。

 

「京夜!私はお前を逸早く、立派な死神に、隊長にするように、全力で補助するぞ!(だって、京夜が隊長となった暁には私と婚約!実現するには、少しでも早く京夜を隊長にするべき!)」

 

「あ、ありがと」

 

何故か、ルキアが熱くなっていた。

目を輝かせ、何だか早く隊長になれ、と気合十分だった。

・・・その熱さに、若干引いてしまった。

 

「話は以上だ。隊に戻れ」

 

「はい!失礼します、兄様!」

 

「邪魔したな」

 

ルキアはいつも以上に元気よく返事をした。

普段からそんな元気だとこっちもいいんだけどな。

 

立ち去ろうとした時、白哉が俺の耳元で呟いた。

 

「静かに聞け。私はルキアを兄以外に相手させる気はない」

 

「・・・・・・・・」

 

「そして、兄にもルキア以外に相手させる気はない」

 

「・・・(え?)」

 

「兄がルキアを取らず、別の女を取ると言うなら・・・兄を殺す」

 

「・・・・・・・・」(冷や汗)

 

「以上だ」

 

・・・あれ?俺の将来、確立された?

遅いか早いかの違いで、朽木家に入らなければ、BAD END・・・。

 

「京夜、何をしているのだ。早く行くぞ~」

 

「・・・はぁ」

 

俺は今日、飛び切り大きい溜め息を吐いた。

 




いかがでしたでしょうか?

次回についてはアンケートを取らせて頂きます。
活動報告に載せましたので、読んで下さると幸いです。

今後の展開を皆様読者様に決めてもらおうと思います。
作者的にはどれを書いてもいいですし、どれも書きたいです。
ちなみに、物語の流れとしては、どれを選んでも問題ないので、好きに選んでください。

皆様の投票お待ちしております。

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