BLEACHへの転生者   作:黒崎月牙

31 / 44
長らくお待たせしました!
すみません、1週間以上もかかっていしまいまして・・・

理由は、妖精の尻尾を全巻買い、読み耽っていました!
本当にすみません!

ここで、ふと思ったのですが、妖精の尻尾に京夜がいたら?と考えました。
・・・あ、またハーレム作っちまう。
という考えに。
実は前の小説家になろうというサイトでブリーチと妖精の尻尾のクロスオーバーを作っていました。
最初の頃だったので、文才も乏しく、酷く、断念しました・・・
けど、今は少し自信もつき、ちょっとやってみたくなりつつあります。
もしかしたら、気が向いたらだと思うけど、書くかもしれません。
あ、もちろん、京夜が転生しますけど。
しかも、今と同じ設定でwww

さて、そんなことは置いといて。
今回は戦闘メインです!
おかしかったら、ゴメンね。
あと、オリ敵が、登場します。


現世に行くことに意味がある~持つべきは友~

「やあ、お2人共。-----いや、思念珠と憎き死神よ」

 

空中に浮かんでいる黒いローブを身に纏った4人組がいた。

 

一目でわかる。

こいつらは、俺たちの敵だ、と。

 

「・・・てめえら、何者だ」

 

「これは失敬。まだ自己紹介をしていなかったね。―――――僕たちは四闇堕聖獣。厳龍様の命にて来た」

 

「四闇堕聖獣・・・?」

 

赤髪短髪の男がそう言った。

 

そんなやつら、原作にいたか・・・?

確か、このシーンは厳龍が自らやって来るはずなんだが・・・

もしや、歪みのせいか・・・?

 

「僕たちはそこにいる少女、思念珠に用があるんだ。そいつをこちらに渡してくれないか?」

 

「っ!」

 

茜雫が身を強張らした。

 

何も目的がわからず、正体不明なこいつらに茜雫を渡せ、と?

 

「そいつはできねえな。お前らの目的がわからない。それに、茜雫は行きたがってないしな」

 

「・・・やはり、簡単には渡さないか。別にいいさ。無理やりにでも連れて行く。それに、そっちの方が僕たちはいいしね」

 

獰猛な笑みを浮かびながら、赤髪の男はローブを脱いだ。

それと同時に外の人も脱ぐ。

そいつらは黒い軍服のようなものと不可思議な武器を身に纏っていた。

 

「僕の名は朱雀の麗鵬(れいほう)。この四闇堕聖獣のリーダーのような者だ」

 

赤髪短髪の男-----麗鵬はそう言う。

麗鵬の両腕には幾多もの刃が一列に並んでいる武器を着けている。

まるでノコギリみたいだ。

 

「私の名は青竜の華将(かしょう)。以後、お見知りおきを」

 

隣にいた長髪で青髪の貴族みたいな顔立ちの男-----華将は言いながら、腰を折る。

背中に2本の長刀が目立った。

 

「俺の名は玄武の冥坐(めいざ)ってんだ!ああ、覚えても覚えなくてもいいぞ!どうせ、俺が消すんだからな!」

 

坊主で筋肉質な褐色の大男-----冥坐は大声でそう放つ。

肩には巨大なハンマーが置いてある。

 

「・・・白虎の黒白(くろは)

 

灰色の髪をなびかせ、マスクをした少年-----黒白が小さく呟く。

その静かな口調とは裏腹に、肩甲骨辺りに巨大な箱と両太ももには数個の拳銃が装備されていた。

そして、左腕には特殊な機械が装備されているが、俺にはよくわからなかった。

 

「これから、思念珠を強奪する。さあ、出て来い、欠魂共よ!」

 

麗鵬がパチンと指を弾くと、俺と茜雫の周りから廃人のような人が集まってきた。

 

「うわっ!?なによ、こいつら!?」

 

茜雫が驚いた瞬間、廃人たちが欠魂にスーッと変わった。

そして、そのまま茜雫に襲いかかろうとしてきた。

 

ちっ!欠魂たちを操れるのか!

 

「オラァ!」

 

俺は死神化し、欠魂たちを一掃した。

 

「あ、ありがとう・・・」

 

「礼なら後だ。それよりも・・・」

 

見ると、倒しても新たな欠魂がでてくる。

 

欠魂に四闇堕聖獣たち・・・

状況は悪い方向だ・・・

 

「ふむ・・・今のままではやはりだめか。黒白、アレを」

 

「・・・御意」

 

「何をするつもりだ・・・?」

 

黒白が左腕に装備されている機械から、紐を抜いた。

 

フイィィィィン・・・

 

その瞬間、機械が何か起動したような音が聞こえてくる。

 

なんだ?原作では見たこともない光景だぞ?

 

次の瞬間、突如、機械から雷が放たれた。

それは欠魂たちを飲み込んだ。

 

ドゴン!

 

「きゃっ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

煙が起こり、徐々に晴れてくる。

そこには-----

 

「な、なに、これ・・・?」

 

「欠魂たちの姿が・・・変わった!?」

 

赤いトンガリ帽子と白い服は見当たらない。

ただ、黒い甲冑姿で剣を構えている、無数の騎士がいた。

 

「彼らは欠魂から欠魂兵士(ブランク・ソルジャー)へと進化したんだ」

 

「欠魂兵士・・・?」

 

聞いたことがない名だ。

それを説明するかのように麗鵬が補足してくれた。

 

「我々は日々、欠魂たちを研究していた。その過程に欠魂たちを強化できないか、という実験がある。結果は見事成功。欠魂たちに闘争本能という刺激を与えることで、我々に忠実な下僕になると同時に不死の兵士となった」

 

「不死、だと・・・!?」

 

「半分だけどね。そうだ、いいことを教えてあげよう。欠魂兵士はただ斬っただけでは死なない。きちんと下半身を切断しないと消滅しない。文字通り戦闘不能だね」

 

なんてことを・・・!

欠魂たちだって魂魄だ。

それを、兵器みたいにしやがって・・・!

 

俺と同じ考えだったのか、茜雫が麗鵬に向かって叫んだ。

 

「欠魂たちが何をしたっていうの!この子たちはそれを望んでない!」

 

「望んでいる?何も感じない彼らが?記憶を求めるしか能がないこいつらが?―――――ハハハ!笑わせる!こんな奴ら、我々の道具になっている方がずっとマシだ!」

 

「あ、あんたらねえ・・・」

 

「おっと、話していていいのかい?既に欠魂兵士たちは動き始めているよ?」

 

「っ!?」

 

振り向くと、茜雫に向かって、欠魂兵士が剣を振ろうとしていた。

 

ちっ!待ったもなしか!

 

「おおっ!」

 

ガキン

 

「京夜・・・」

 

俺は鬼神でその攻撃を防ぐ。

かろうじて、茜雫にはダメージがない。

 

ったく、こいつらは、禄でもねえ奴らだ。

 

「こいつらに何を話しても無駄だ。既に手遅れみたいだしな・・・」

 

「くっ・・・!」

 

元々、死神を憎んでいてこの研究が行われた。

今更、何を言ったって無駄だ。

とにかく、今は生きることに専念した方がいい。

下手をすれば-----死ぬ。

 

欠魂兵士は怯まず、次々と攻撃を繰り出す。

俺はそれをいなしていく。

 

「ちっ!このっ!」

 

「京夜、後ろ!」

 

「っ!?」

 

防ぐのに集中していたせいか、冥坐の接近に気付かなかった。

振り向いた瞬間、冥坐がハンマーを振ろうとしていた。

 

「遅い!」

 

「ぐわっ!?」

 

「京夜ーーーっ!」

 

俺は吹き飛ばされ、屋台に突っ込む。

屋台は跡形もなく、崩れてしまった。

人がいなかったのが、幸いだな。

 

「んだよ、呆気なさすぎだろ。もっと歯ごたえがいい奴だと思ったのによ」

 

「おい、冥坐、先に行くな」

 

「別にいいじゃねえか。ノルマは思念珠を奪うんだろう?わざわざ欠魂兵士を使わなくてもいいじゃねえか」

 

麗鵬の言葉を流す冥坐。

 

くっそ~、あの野郎。

不意打ちとはいい度胸してんじゃねえか。

即座に鬼神を盾にしなかったら、危なかった。

 

「さてと、命令通り連れて行くか。大人しくしてろよ」

 

「っ!」

 

冥坐が茜雫に手をかざしてきた。

茜雫は咄嗟に死神化しようとしていた。

 

一撃喰らっただけでわかる。

こいつらに茜雫は重すぎる。

 

ここは俺が、やるんだっ!

 

「『破道の四・白雷』!」

 

「っ!」

 

「おっと!」

 

茜雫と冥坐の間を突き抜けるように、雷の線が通り過ぎた。

 

ちっ、相手は避けたか。

 

「おいおい、あまり護廷をみくびんじゃねえぞ」

 

「京夜!よかった、無事だったんだ・・・」

 

「アホ、俺があんくらいでやられるかっつーの」

 

「なっ!?アホってなによ!?こっちは心配-----」

 

俺は茜雫の言葉を遮るように、即座に瞬歩を使い、茜雫の隣に来る。

 

「茜雫、ここは逃げろ」

 

「え・・・!?」

 

「お前があいつらに拉致でもされたら、危険だ。正直、この状況でお前を護りながら闘うのは難しい」

 

後ろには黒い騎士の集団、前には四闇堕聖獣。

特に四闇堕聖獣は俺が集中して闘わないと勝てないと思う。

茜雫を護る余裕はない。

 

「・・・そうやって、自分は傷ついて、私は逃げろっていうの・・・」

 

「茜雫・・・?」

 

茜雫は俯きながら、そう呟いていた。

 

声が震えながらだけど、どことなく怒りを感じるような・・・

 

「もう私は逃げたくない!護られたくもない!」

 

「せ、茜雫!?」

 

突然、茜雫が声を張り上げた。

そこから、一方的に茜雫が口を開き続けた。

 

「私は死神じゃない!けど、死神の力はある!私だって、闘える!もっと私を信頼してよ!頼ってよ!私は京夜が傷つくのを見たくない!京夜ともっとずっと一緒にいたい!だから-----っ!」

 

はっ、と茜雫は我に返り、手で自分の口を抑える。

きっと、勢いに任して自分が何を言ったのか悟ったのだろう。

茜雫自身、驚いて目を見開いているしな。

 

・・・少し、茜雫を過保護しすぎたのかな。

グランドフィッシャーとの一件から、知らず知らずにそうなってたのかも。

 

「ああ、あの、京夜、ち、違うのさっきのは-----」

 

「茜雫」

 

俺は茜雫の言葉を遮り、茜雫に言い放った。

 

「お前の決意はわかった。戦闘準備をしろ。ここを切り抜ける!」

 

「京夜・・・うん!」

 

茜雫の決意がわかった。

茜雫は根は優しいやつだ。

だからこそ、自分のために他の人が傷ついてほしくない。

茜雫も死神の力を持っている。

ここは、信じよう。

 

茜雫が死神化し、俺の背と自分の背をくっつける。

 

「いいか、危なくなったら逃げろ。無理はするな」

 

「わかってるって」

 

「俺の背中、お前に預けるぞ」

 

「私の背中もあんたに任した」

 

「よし・・・行くぞっ!!!」

 

俺は四闇堕聖獣に、茜雫は黒い騎士たちに、それぞれ向かった。

激闘の幕が開けた瞬間だった。

 

-----と、思ったが、俺たちが動き出そうとした瞬間、神社の上から、ある声が響き渡った。

 

「全く、気になって来てみれば・・・随分と物騒なことしとるやないか」

 

『っ!?』

 

全員がその声に反応し、視線を向ける。

 

そこには-----

 

「ひ、平子さん!?」

 

「よう、京夜。元気にしとるか」

 

-----昨日、共に食事し、友となった平子さんがいた。

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どうして、あなたが、ここに・・・」

 

京夜はいきなりの出来事に困惑していた。

隣にいる茜雫も同じ反応をしている。

 

「どうして?そりゃあ、お前、ギョウサン大きい霊圧を感じたら、気になって来るやろ。-----それに」

 

平子は言葉を区切ると、不敵に笑う。

 

「ワイだけやないで」

 

そう言うと、突如、轟音が鳴り響いた。

 

ゴッ!

 

「っし!」

 

「ぐおっ!?」

 

見ると、冥坐が吹き飛ばされていた。

その吹き飛ばした張本人は-----拳西だった。

自分より遥かに巨漢な冥坐を殴っただけで、吹き飛ばしてしまった。

 

「ここから少し離れようか」

 

「うっ!?」

 

さらに、華将の方を見ると、ローズが華将の襟首を持ち、放り投げた。

京夜から遠ざけたらしい。

 

「いつまでもそんな危ねえモン翳してんじゃねえよ」

 

「・・・!?」

 

黒白の方ではラブが蹴り上げ、持っている拳銃を吹き飛ばす。

黒白は一旦距離を置いたみたいだ。

 

「邪魔や!」

 

「迂闊にしとると・・・死ぬで」

 

「ま~し~ろ~、トルネイド!」

 

欠魂兵士を吹き飛ばし、次々と消すひよ里、リサ、白。

こちらの3人は欠魂兵士を相手にするみたいだ。

 

「拳西さん・・・ローズさん・・・ラブさん・・・ひよ里さん・・・リサさん・・・白さん・・・」

 

「み、みんな、来てくれたの・・・」

 

「別に好き好んで来たわけやない!喧しいから、黙らせに来ただけや!」

 

茜雫の言葉にひよ里が一早く反応した。

ただ、それだけ早く反応すると、返って、ひよ里の言葉が本当か疑ってしまう。

 

「ひよ里はな、茜雫のことが心配やったんや。せやから、逸早く、ここへ-----」

 

「余計なこと言わんでええ!」

 

ひよ里は照れ隠しみたいだった。

リサの言葉で納得がつく。

そんなひよ里はリサに瞬時にツッコミを入れる。

 

そんな、ちょっとした2人の茶番をしている間、欠魂兵士を食い止めている者がいた。

 

「あの、2人とモ、手伝って欲しいのですガ・・・」

 

「ま~し~ろ~、アッターク!」

 

白が踵落としを繰り出し、欠魂兵士の頭部をかち割る。

だが、ふらふらと欠魂兵士は立ち上がる。

 

「平子さん、こいつらは・・・」

 

「わーっとる。さっきの話は聞いてたわ。なあ、ひよ里?」

 

「当たり前や!こいつらはワイらに任しとき!」

 

「だとさ」

 

京夜に向かって、ニヒッと笑う平子。

甘く見るな、とでも言っているようだった。

 

その平子に対し、麗鵬は突然、怒りあげた。

 

「き、貴様は!?まさか、五番隊隊長、平子真子か!?」

 

「元、や。そこ大事やからな」

 

「貴様・・・よくも我々を追放してくれたな!」

 

「別にワイらかて好きでやったわけやない。上の命令やったんやから。ワイらにキレられても、筋違いやろ」

 

「黙れ!ここで、貴様を殺す!今までの憎しみを食らうがいい!」

 

平子は嫌そうな顔を浮かべたが、すぐに真剣な顔になる。

次に京夜に話しかけた。

 

「京夜、茜雫ちゃん、はよ逃げな。ここはワイらが食い止めるさかい」

 

「そんな!あいつらは相当強い!ここは俺も参戦した方が-----」

 

「そ、そうよ!私たちだって戦え-----」

 

「京夜!!!」

 

「茜雫!!!」

 

京夜と茜雫の言葉を遮り、平子とひよ里同時に大声を張り上げる。

 

「お前の役目は何や!茜雫ちゃんをどうにかするんやろ!」

 

「さっき、やられそうやったやろ!足で纏いなんじゃ!すっこんでろ!」

 

2人の圧力に怖気づく京夜。

片や、茜雫はひよ里の言葉に青筋がたった。

 

「ひ、平子さん・・・」

 

「ひよ里!あんたねえ・・・」

 

「ワイらじゃ、茜雫ちゃんを救うことができひん。けど、お前なら、できる。そして、茜雫ちゃん、ひよ里はお前のために言ったんや。口は悪いが、素直に受け取った方がええ」

 

「うっ・・・。まあ、その・・・ありがと」

 

「ふん!」

 

茜雫が素直にひよ里に礼を言ったが、ひよ里はそっぽを向き、欠魂兵士と戦い始める。

だが、一瞬だけ、口元が上がっていたのが見えた。

 

平子が京夜と茜雫に再び、口を開く。

 

「これで、優先すべきことはわかったやろ?」

 

「・・・はい、そうです。そうでした」

 

「みんな、私を救うために来たんだよね・・・。その私が無茶しちゃいけないよね・・・」

 

「わかったなら、よし。さっさと、ここから立ち去ることや」

 

「・・・気を付けてくださいね」

 

「怪我でもしたら・・・タダじゃおかないから」

 

「はっ。ワイらを誰やと思ってんねん」

 

「心配は無用ですね-----それでは・・・行くぞ」

 

「うん」

 

京夜と茜雫がその場から離れる。

 

平子は肩をコキコキ鳴らしながら、麗鵬に話す。

 

「さ~て、待たせたな。これで遠慮なく戦えるわな」

 

「殺す!貴様だけは骨の髄を残さず消す!」

 

戦いの第二幕が切って落とされた。

 

「うおおおおっ!死ねぇ!平子真子ぃ!」

 

「やかましいやっちゃな・・・」

 

キン キン ガキン

 

2人はそれぞれの武器で攻撃をいなした。

片方が振りかざしても片方が防ぐ。

一進一退に見えるが、平子は余裕の表情だ。

麗鵬は怒り狂っていた。

 

「追放した落とし前をここで行え!」

 

「はあ、今さら何を言うとんねん・・・。ワイらにどうしろっちゅうねん」

 

「死んで、詫びろ!」

 

「それは御免やな」

 

キン

 

2人は武器を弾くと、1度距離を開ける。

 

「このままでは埒が明かない。大技を決めてやる!」

 

麗鵬の目つきが変わり、鳥目のような目になった。

瞳の色も変わり、紅色に染まっている。

腕を交差すると、雄たけびをあげた。

 

「おおおおおおおおおおっ!」

 

ゴウッ

 

突如、刃に熱が走り、瞬時に刃から炎が舞い上がった。

その炎は全身を包み込み、ある生物を形づくった。

 

「見よ!この炎を!その名も『不死鳥』!」

 

「・・・あっつそうやな~。確かに鳥の形をしとるな」

 

平子の倍はある大きさの火の鳥を形つくった。

凄まじい炎が炎上し、1度触れれば消し炭になってしまいそうだ。

 

「業火に焼かれろ!平子真子!」

 

平子に火の鳥が迫った。

 

 

 

 

 

 

 

一方、拳西と冥坐は対峙していた。

 

「てめえ・・・よくもこの俺を殴り飛ばしやがったな!」

 

「図体だけのてめえが悪いんだろうが」

 

拳西は挑発するが、冥坐はイラつくだけで抑えた。

 

「さすが、当時の俺を追放しただけはある。あの時は1発でやられたからな」

 

「はあ?お前を殴った?そんなことあったか?」

 

拳西は訝しげに冥坐を見る。

すると、冥坐は焦った表情をする。

 

「なっ!?お前、覚えていないのか!?100年前、俺を殴り飛ばしただろうが!」

 

「??? 見に覚えがねえ」

 

拳西は頭の上に?と首を傾げる。

 

実際に殴ったのだが、他の部下たちも倒していたので、覚えていなかった。

記憶に消されていたのだった。

 

「お、俺を忘れたというのか!?ゆ、許さねえ・・・許さねえぞっ!」

 

そう言いながら、拳西に突貫する冥坐。

 

「・・・よくわかんねえけど、やるってんなら、容赦しねえぞ」

 

拳西は右手を引き、構える。

冥坐は拳を振り上げた。

 

「うおおおっ!!!」

 

「おらあっ!!!」

 

ドン

 

お互いの拳がぶつかった。

互いの霊力がぶつかったことで、周囲に突風が巻き起こる。

 

ブシュ

 

「うおっ!?」

 

「はっ!どうやら、腕っぷしは俺の方が勝っているようだな」

 

冥坐の手の甲から血が噴き出した。

骨にも少し罅が入ってるかもしれない。

冥坐は1度距離をとる。

 

「だったら、こいつを使うまでだ!」

 

次に繰り出してきたのは、手持ちのハンマーだった。

ハンマーを構えながら、再度突貫する。

 

「どっせえい!」

 

「おっと」

 

ドゴン

 

ハンマーを振り下ろすと同時に、拳西はバック転しながら、攻撃を躱す。

 

「まだまだぁ!」

 

「っぶね!」

 

ハンマーを持ち替え、横から振る。

拳西は飛びながら後退し、距離を開ける。

 

「そっちが武器を使うってんなら、こっちも使わせてもらうぜ」

 

ナイフを取りだし、呟いた。

 

「吹っ飛ばせ『断地風』」

 

すると、ナイフが風を纏った。

 

「その程度の小剣で何ができる!」

 

冥坐は再び突貫する。

 

「舐めんじゃねえぞ。―――――ふっ!」

 

断地風を振るうと、風を糸状にしながら、冥坐の身体の節々を攻撃する。

 

「ぐおっ!?」

 

「けっこう硬いな。身体の一部を切り裂こうとしたんだけどよ」

 

冥坐の身体は硬く、始解の能力でも切り傷を作るだけだった。

しかし、着実にダメージは効いている。

 

「ぐ・・・く、くそぅ・・・」

 

「どうした。まだやんのか?」

 

「俺は倒れるわけにはいかない・・・。この命を厳龍様に捧げたのだから・・・。例え、この身がどうなろうと!」

 

途端、冥坐は懐から1つの小瓶を取り出した。

それを一息に飲む。

 

(なんだ・・・?)

 

拳西が疑問に思った瞬間、突如冥坐が雄たけびをあげた。

 

「ぐおあああああ!!!」

 

「っ!?」

 

褐色の肌が徐々の変化し、逆に真っ白に変わる。

それは、まるで虚を思わせる。

 

「タオス・・・キサマヲ・・・タオス」

 

「おいおい、理性がなくなっっちまったよ」

 

冥坐は白目を剥き、理性を失くしていた。

 

先ほど飲んだのは、ダークワンが開発した霊力を大幅に増進させる、増強剤のようなもの。

ただ、欠魂から作られたもので、大変危険な代物である。

屈強な身体でなければ、すぐに体内の霊力が崩壊してしまう。

冥坐専用のものだ。

 

ただし、副作用もある。

霊力が尽きるまで暴れなければならない。

霊力が尽きた瞬間、死ぬ。

 

「オオオオオ!」

 

冥坐がハンマーに霊力を込める。

瞬間、黒いハンマーが銀色に発光した。

 

「あれで殴られたら、痛そうだな・・・」

 

「ツブスツブスツブスツブスツブスツブス、ツブシテヤル!」

 

冥坐が先ほどよりも早い速度で突貫してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ローズと華将は美しく(?)戦っていた。

 

「ホアタタタタタタ!」

 

「よっと」

 

両手の長刀で突き刺してくる攻撃をローズは舞うように躱す。

まるで、踊っているようにも見える。

 

「全く、突然、邪魔したと思ったら、チョコマカと喧しいですね!」

 

「僕はただ自分の歌に合わせるように踊っているだけだよ。君からは不愉快のメロディしか感じないけど」

 

お互いに挑発する両者。

次に動いたのはローズだった。

 

「今度は僕から行かせてもらうよ!」

 

斬魄刀を掲げて、呟く。

 

「奏でろ『金沙羅』」

 

すると、薔薇の花が先端についた鉄製の鞭に変わった。

 

「そぉら!」

 

「っ!」

 

金沙羅を巧妙に操り、華将を攻撃する。

華将は長刀で防ぎながらも、巧みに避ける。

 

「鞭で攻撃するとは・・・。あなた、ふざけているのですか!?」

 

「これが僕の斬魄刀の能力なんだけどね・・・」

 

ローズは苦笑いをする。

華将は続く攻撃にうんざりしていた。

 

「あなたの動きは読めています!この華将を舐めてもらっては困りますね!」

 

「なら、これは読めるかな?」

 

ローズは今までのトリッキーな動きとは違い、華将に向けて真っ直ぐに金沙羅を飛ばした。

 

「なっ!?」

 

突然、今までと違う動きに驚き、思わず長刀で防ぐ華将。

華将は吹き飛ばされてしまう。

長刀に埋め込まれるように薔薇が勢いを増す。

 

「フッフ~ン」

 

ローズは鞭を指で演奏するように奏でた。

それは本当に演奏しているように見える。

 

「一体、何を・・・」

 

「金沙羅奏曲第十一番“十六夜薔薇”」

 

「っ!?」

 

ドゴン

 

先端の薔薇から爆発が起きた。

華将が爆発に巻き込まれる。

 

「さて、これでどうかな・・・?」

 

煙が晴れていく。

そこには華将が立っていた。

 

「はあ・・・はあ・・・」

 

「へえ、あれを受けてまだ立てるんだ」

 

華将は所々火傷の跡があり、すす汚れていた。

服もボロボロだ。

 

「よくも・・・」

 

「ん?」

 

「よくも、私の服を汚しましたね!!!」

 

「そこに怒るの!?」

 

てっきり、怪我のことを言うと思ったローズだったが、思わずツッコンでしまう。

しかし、華将が怒り狂ったのは変わらない。

 

「許しません・・・。服を切られるだけならまだしも、汚すなんて」

 

(切るのはいいんだ・・・)

 

心の中でどうでもいいツッコミした時、華将が上空に上がった。

 

「私の奥儀であなたを切り刻む!奥儀:大回転コマ!」

 

ギュルルルと音を鳴りながら、横回転をする。

長刀は平行に伸ばし、片足をあげている。

もう一方にの片足を軸にしている。

 

回転をしながら、ローズに勢いよく向かう。

 

「な、なんて、ふざけた技なんだ・・・」

 

「あなたの方がふざけた技でしょう!」

 

「へえ、僕の技を美しく思わず、ふざけていると・・・」

 

カッチーンと頭にきたローズ。

その際に回転する華将が迫る。

難なく避けるローズ。

 

「まだまだ続きますよ!この技は半永久的に回る!攻防一体の技にあなたは勝つ術はない!」

 

再び、華将が回転を増しながら、迫った。

 

 

 

 

 

 

 

続いて、ラブと黒白は、ラブが押されていた。

 

「・・・標的、捕捉」

 

「ちっ、またかよ!」

 

ラブは無傷だが、攻めあぐねていた。

相手が遠距離型の射撃に対し、自分は近接型だ。

相性が悪い。

 

「・・・発射」

 

「うおおっ!?」

 

ドン ドゴン ガゴン

 

肩からのミサイルとマシンガンが迫ってくるものの、華麗に避ける。

だが、状況は変わらない。

 

「お、お前!子供が危ないもの持つなって、母ちゃんに習わなかったか!?」

 

「・・・・・・・・」

 

ドン ドン ドン

 

「うおおおおおっ!?」

 

「・・・子供、言うな」

 

黒白が先程よりも多くの弾丸を放つ。

青筋が見えているようにも見える。

 

「くそっ!逃げてばっかじゃ、意味ねえよな・・・」

 

「・・・弾丸を追尾型に変更」

 

ガゴンと肩に取り付けてあるミサイルポットから音が鳴った。

 

「げっ!マジかよ・・・。子供相手だからって、四の五の言ってらんねえか」

 

斬魄刀を眼前に翳す。

 

「打ち砕け『天狗丸』!」

 

巨大なトゲ付きの金棒に変わる。

しかし、それに動揺せず、黒白は再度ミサイルを放つ。

 

「・・・発射」

 

弧を描きながら、ラブに迫る。

 

ドゴン

 

ラブを中心に爆発した。

硝煙がそこら中に舞い上がる。

 

「・・・撃破」

 

踵を返す黒白。

しかし、煙の中から声が飛んできた。

 

「それはどうかな」

 

「!?」

 

煙の中からラブが飛んできた。

そのまま天狗丸を振り下ろす。

 

「っ」

 

ガキン

 

天狗丸を手持ちの拳銃で防ぐ。

 

「ちっ、簡単には倒せねえか」

 

「・・・無傷!?」

 

ラブは服は汚れているが、傷は見当たらなかった。

黒白は1度距離をとる。

 

「・・・頑丈」

 

「天狗丸は硬さが売りだからな。その程度の弾丸じゃ効かねえよ」

 

「・・・なら」

 

黒白は手を水平にあげる。

手持ちの拳銃を地に落とす。

 

(なんだ・・・?)

 

「・・・最大火力」

 

そう呟くと、黒白の周りから欠魂たちがワラワラと湧き上ってきた。

その欠魂たちは黒白に操られているかのように、ウヨウヨと姿を変える。

その姿はミサイルポッドだった。

しかも、多数ある。

 

「なっ!?」

 

「・・・装填完了」

 

ガゴンと多数のミサイルポッドから音が鳴る。

当然、肩にあるものもだ。

 

「・・・全弾射出」

 

ドンという音と共に、ミサイルがラブの視界を遮った。

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、欠魂兵士を狩る4人の元。

 

「おらあ!!!」

 

ザンと欠魂兵士を切断するひよ里。

その後も、多数の欠魂兵士を切る切る切る。

 

「せいっ!!!」

 

リサは槍を振り回し、欠魂兵士を捌く。

当然、下半身は切断されている。

 

「『散在する獣の骨 尖塔・紅晶・鋼鉄の車輪 動けば風 止まれば空 槍打つ音色が虚城に満ちる-----』」

 

ハッチが手を合わせながら、そう呟く。

 

「『破道の六十三・雷吼炮』」

 

身体の前から突如、雷を帯びた爆砲が放たれた。

欠魂兵士がそれに巻き込まれ、上半身がなくなる。

 

「そ~れ!スーパーましろキーック!」

 

某ライダーの蹴りの真似のように、空中から蹴りを放つ。

1体、また1体と胴体を貫き、複数の欠魂兵士に穴を開ける。

 

4人が奮闘するが、まだいくつもの欠魂兵士が存在していた。

 

「ったく、ウヨウヨ出て来よって!」

 

「これでは埒があきませんネ」

 

「さすがに、飽きてきた~」

 

「なら、アレやるか?」

 

リサの言葉に反応した3人はニヤッと笑みを作り、頷いた。

 

 

 

それぞれが闘う中、その動きはほぼ全員同時に行われた。

いよいよ、仮面の軍勢の真髄を見せる。

 

「はあ、難儀な奴やな」

 

平子が呟き、顔に手を翳す。

 

「お互いに全力でぶつかり合おうぜ」

 

拳西が呟き、顔に手を翳す。

 

「本当の美を教えてあげよう」

 

ローズが呟き、顔に手を翳す。

 

「悪い子にはきっつ~いお灸が必要だな」

 

ラブが呟き、顔に手を翳す。

 

「お前ら、面倒や!」

 

「一掃するで!」

 

「終わりにしまショウ」

 

「白の必殺技、見せてあげる!」

 

ひよ里が、リサが、ハッチが、白が呟き、顔に手を翳す。

 

ドン!

 

各人が虚化した。

仮面の軍勢が本格始動する!

 

 

 

「オラララララララ!」

 

ひよ里が無造作に切りまくり、欠魂兵士を次々と倒す。

虚化する前より速くなっている。

 

「千枚卸!」

 

欠魂兵士を次々と細かくスライスするように斬り刻む。

バタバタと倒され、一掃していく。

 

「『千手の涯 届かざる闇の御手 映らざる天の射手 光を落とす道 火種を煽る風 集いて惑うな我が指を見よ 光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔 弓引く彼方 皎皎として消ゆ-----』」

 

バンと手を打つと、背後から多数の光の矢が現れた。

 

「『破道の九十一・千手皎天汰炮 』」

 

それを合図に、光の矢が欠魂兵士たちに降り注いだ。

1本当たっただけで、切断するほどの威力だ。

 

「虚閃っ!」

 

白が回し蹴りを放つと、黄緑色の閃光の柱が放たれた。

虚閃に飲み込まれた欠魂兵士は跡形もなく、いなくいなった。

 

その後、欠魂兵士たちは虚化された4人に成す術も無く、倒され、1体もいなくなった。

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、黒白はミサイルを全段発射した。

ラブが何かやったようだが、もう遅い。

最大火力で放たれたのだ。

結果は聡明だ。

 

「・・・撃破」

 

フッと笑みを作り、今度こそ倒したと思った。

 

ところが、煙の中に人影が写った。

 

「本当、イケねえ子だ。お前は」

 

「っ!?」

 

ラブが立っていた。

しかも、天狗丸が炎を纏っていた。

 

そrてがわかった黒白は再びミサイルを放とうとする。

 

「・・・くっ!」

 

「遅い!火吹の小槌!」

 

天狗丸を地面に叩きつけた。

 

ボガン!

 

「がっ!?」

 

衝撃が広範囲に渡る。

黒白はその衝撃に押しつぶされた。

 

ゴウ!

 

「ぐああああああっ!」

 

瞬間、衝撃から炎上し、黒白を焼く。

炎が消えた時、既に黒白は倒れていた。

 

「子供は家で大人しくジャンプ読んでろ」

 

虚化を解除しながら、黒白を見下ろすラブ。

黒白との闘いはラブの勝利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、ローズは華将の動きを読み、金沙羅を操った。

虚化しているため、その動きは速く、無駄がない。

 

「フフフ!今更、その鞭を使って何をするというのだね!」

 

「こうするのさ!」

 

身を屈め、金沙羅を飛ばす。

その瞬間、鞭が軸としている足に当たった。

華将は体制を崩した。

 

「なっ!?うわっ!?」

 

「君の技は無駄があり、美しくない。だから、足元をすくわれる」

 

さらに、ローズはその隙を逃さず、華将の身体に金沙羅を巻きつける。

 

「なっ、なにを-----」

 

「ん?倒すんだよ、君のことを」

 

ローズは金沙羅を引っ張った。

 

「リストラクション」

 

メシャ

 

「ぐあああああっ!!!」

 

拘束していた金沙羅が縛りを強め、骨、関節をあらぬ方向へと向ける。

華将は見るも無残な光景になった。

 

「最後の最後まで美しくないな」

 

仮面を外し、見下ろしながら、そう呟く。

美しさではローズの方が上回っていた。

 

 

 

 

 

 

拳西と冥坐は一触即発状態だった。

今まさに、激突しようとしていた。

 

「ウオオオオオオオ!!!」

 

「オラアアアアアア!!!」

 

拳西は拳を突出し、冥坐はハンマーを振るう。

両者の攻撃がぶつかり合った。

 

ガン!

 

拮抗するかに見えた。

だが、片方の威力が勝っていた。

 

バギッ

 

「ナッ!?」

 

「アアアアアアア!!!」

 

ハンマーが拳に負け、粉砕する。

そのまま、拳は冥坐の腹に直撃した。

 

ドスン!

 

「オッ・・・がっ・・・」

 

冥坐はよろめき、拳西の腕にもたれかかる。

白くなった肌が徐々に引き、褐色の肌を取り戻す。

 

「・・・やっぱ・・・敵わねえか・・・強いな・・・」

 

ガクンと力を失い、地面に横倒れる。

腹には大きく凹んでいて、血が溢れていた。

 

「・・・・・・・・」

 

拳西は手袋を外す。

その手の甲からは血が滲み出ていた。

 

「あんたの最後、中々だったぜ」

 

手の甲と倒れた冥坐を見ながら、そう呟く。

漢の闘いは拳西の勝利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、平子と麗鵬は、平子が虚化しているのを見て、麗鵬は怯んでいた。

 

「な、なんだ!?その仮面は!?」

 

「別にどうでもええやろ。お前らが気にすることやない」

 

突っ込もうとしていた麗鵬だったが、急停止してしまった。

お互いの距離は1歩でも踏み出せば、間合いがとれる。

 

「・・・そうだな。今から死ぬ奴のことを聞いても無駄だよな!」

 

そう言い放ち、炎をさらに巻き起こす。

今度こそ、平子に突貫した。

 

「不死鳥の業火に焼かれろ!平子真子!」

 

「・・・焼かれるのは-----お前や!」

 

平子が拳を翳す。

拳から淡い光が放たれる。

 

「虚閃!」

 

「っ!?」

 

ズオッという音ともに紅色の閃光が麗鵬に迫った。

 

「ぐっ!ぬうう!」

 

麗鵬の炎と平子の虚閃がぶつかる。

お互いがお互いを焼いているようだ。

 

「こんな・・・こんな攻撃如きに、僕の炎は消えない!」

 

「なら、強めにいくで」

 

「っ!?」

 

ドン

 

虚閃の威力が増し、閃光が太くなる。

徐々に麗鵬は押されていた。

 

「なっ!?僕の炎が焼かれていく!?」

 

先ほどはお互い同士が焼いていたが、平子の虚閃が炎を飲み込み始めていた。

 

「そんな!?馬鹿な!?こんな所でこの僕が-----」

 

言葉を遮るように、虚閃が麗鵬を炎ごと飲み込んだ。

 

「ぐああああああああ・・・」

 

最後に、ジュッという音が聞こえた。

見ると、麗鵬の姿はどこにも見当たらず、黒い炭だけがパラパラと落ちた。

麗鵬消し炭になった。

 

「・・・復讐なんてアホらし」

 

踵を返す平子。

リーダー同士の闘いは呆気なく、平子が勝った。

 

「し~ん~じ~、こっちは終わったで~!」

 

「お~う、ご苦労さ~ん」

 

遠くから、ひよ里の声が聞こえた。

欠魂兵士たちを倒しきったらしい。

他にも拳西、ローズ、ラブも集まっていく。

 

ひよ里が先に聞いてきた。

 

「さて、次はどこや?」

 

「いや、俺たちの出番はここで終いや」

 

平子の言葉に皆小首を傾げる。

 

「はあ?まだ敵はおるやろ?」

 

「そうや。けど、俺たちの仕事はここまでや。後は、京夜たち、死神の仕事や」

 

「な~んや、つまんなっ」

 

ひよ里の他にも数名、つまらなそうにしている。

それから、各々談笑を始めた。

 

その中で、平子がポツリと呟く。

 

「京夜、茜雫ちゃんのこと、頼んだで」




いかがでしたでしょうか?

何だか、仮面の軍勢をカッコよく見せようとしたら、大分文字数が・・・
でも、後悔はありません!

さて、次回はいよいよ、茜雫が記憶を消します。
劇場版のあのキャラたちが登場。
一方、尸魂界は!?
以上、3本で送ります(仮)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。