BLEACHへの転生者   作:黒崎月牙

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お久しぶりでございましゅ!
・・・噛んだ・・・

まぁ、そんなのは置いといて、やっと投稿できました!

テストも終わり、長かった面接の講義も終え、ちょっと時間ができたので、執筆しました。

今回はあのルキアと海燕さんの名場面です!
でも、そこでオリジナリティーを入れて、ニヤニヤできる感じにしました。

今回、京夜にリア充爆ぜろ!っと、感じた人は感想で書いてください(笑)


相談することに意味がある

私は朽木ルキアだ。

今、私がいるのは隊舎から少し離れた所に位置する、開けた林の中だ。

本来、ここは修行をしたり、息抜きの場として活用されているのだが、今回来た私はどちらでもない。

 

「はぁ・・・」

 

時刻は昼下がり、空は快晴。

なのに私はそれと対照的に酷く落ち込んでいた。

 

(私は一体・・・)

 

今でも思い出す。

 

あのことを・・・

 

 

 

~~~~~~~~~

 

 

 

何週間か前のことだ。

 

場所は朽木邸。

そのなかでも一際広い部屋が朽木家当主―――朽木白夜―――兄様の部屋だ。

 

私は今、その部屋の前で正座をし、入隊の報告をしている。

 

「・・・入隊の儀、滞りなく終了致しました」

 

「・・・そうか」

 

部屋は暗く、月明かりでも全体が見えない。

兄様の重苦しい声がよく澄んで聞こえてくる。

 

「何席だ・・・」

 

「・・・あ・・・いえ・・・」

 

私はつい焦ってしまった。

 

こう兄様が自ら聞いてくることは滅多にないことだ。

だが、いつも痛い所を聞かれ、その度に兄様に失望させられてしまう。

 

「申し訳ありません・・・私の力ではとても・・・入隊してすぐに席官には―――」

 

「・・・そうか」

 

ああ・・・まただ・・・

また、私は兄様を失望させてしまった・・・

 

せっかく、養子として拾ってくださった身でありながら、なにも恩を返してない・・・

 

「下がれ」

 

私はゆっくりと襖を閉じた。

 

 

 

~~~~~~~~~

 

 

 

その次の日もその次の日も毎日、晩になったら、兄様に報告をする始末。

そして、兄様は毎回同じように、感情もなく、愛情もなく、ただ無骨に返事をして、終わる。

 

兄様にとって私とはなんなのか。

私はなぜここにいるのか。

私はなにがしたいのか。

私とはなんなのか。

私は―――私は―――そんな脱出できない迷宮のように頭の中で駆け回る。

 

「はぁ・・・」

 

これで何度目のため息だろうか。

正直、さすがに堪えてきた。

このままだと身が持たなくなってくる。

 

(いっそこのまま何もかも放り出して―――)

 

そう思った矢先のことだ。

 

「なーに、自分悩んでるんで助けてくださーい、みたいな顔してんだ!」

 

「うわぁあ!?」

 

顔をあげたら、枝にぶら下がってる京夜が眼前にいて、驚いてしまった。

思わず、ひっくり返りそうだったぞ!

 

「よっ!ルキア!」

 

「きょ、京夜!?な、なんで、ここに・・・」

 

「仕事の息抜きだよ。で、たまたま、お前を見つけた。ってか、そんなに驚かんでもいいだろ」

 

「い、いきなり現れたら誰でも驚くわ!」

 

そ、それが意中の相手なら特にだ!

・・・なんて、口が裂けても言えない。

 

「ほら、これでも飲みな」

 

「む・・・あ、ありがとう・・・」

 

そうやって京夜は私にお茶が入った竹を渡す。

 

なぜ、2つ持っているのだ・・・?

 

そんな疑問は後回しに私は1口飲んだ。

 

「・・・また何か抱え込んでんのか?」

 

「・・・・・・・・・」

 

私は何も答えられなかった。

 

京夜にはわかるのだな。

こいつに隠し事をしてもすぐに見破られてしまうな。

 

「・・・ふぅ」

 

「・・・・・・・・・」

 

京夜は1つ息を吐いた。

私は未だに無言のまま。

 

私に呆れてしまったのだろうか・・・?

そう思うと少し残念に思ってしまう。

 

と、思いきや、京夜は意外な行動をした。

 

「そうだ!これやるよ。ずっと渡そうと思ってたんだ」

 

「?」

 

そう言うと、懐からゴマ模様の小さな包み物がでてきた。

 

「これはなんだ?」

 

「いいから開けてみろよ」

 

言うがままに開けてみる。

 

そこにはなんと・・・

 

「っ!?し、白玉団子ではないか!?よ、よく手に入れられたな!?」

 

それは1日数量限定でしか販売されない、白玉団子だった。

しかも、3本も!

 

※詳細は『買い物することに意味がある』を読んでください

 

「何回か行ってるんだけどな、いつも売り切れてたんだ。で、今日、運良く最後の3本が残っていたから、買ってきたんだよ。これで、かえたのは2回目だな」

 

「い、いいのか!?そんな貴重なものを私に渡して!」

 

「いいんだよ、ルキア、それ食べたかったんだろ?」

 

お、覚えていてくれてたのか・・・

前にチラッと言っただけなのだが、よく覚えていたな。

 

ものすごく嬉しいぞ!

目頭が熱くなってしまった。

 

「おいおい、感動するのは、それ食べてからだろ」

 

「そ、そうだな・・・」

 

私は白玉団子を1口・・・

 

「!!? う、うまいっ!」

 

「はは!そりゃよかった!」

 

白玉のモチモチとほのかな甘み、それらが絶妙に混ざり合って・・・とにかくうまい!

何個も何個もほうばってしまう。

自然と口元が緩んでしまう。

 

「・・・やっと笑ったな」

 

「へ?」

 

「お前、最近暗い顔していて、笑ってなかったからさ」

 

「・・・・・・・・・」

 

確かに最近、悩んでいて、笑うことなんて滅多にしてなかったと思う。

 

「ルキアは昔から、何でも1人で抱え込みすぎなんだよ。だから、すぐにそうやって暗い顔をしちまう」

 

「・・・さすがは幼馴染だな。私のことはお見通しか・・・」

 

「伊達にやってねーからな」

 

笑うか・・・

そうだな、笑おう。

そうすれば、幾分か気分が晴れるし、前向きになれるか。

 

「お前の抱え込んでるもん、俺に分けてくれ。俺はお前のために何かしたい」

 

「・・・!!」

 

胸が熱くなるのを感じた。

私のために・・・か。

好きな相手からそんなことを言われたら、甘えてしまうだろ!

 

だが、言えない・・・

そうだ、これは京夜には関わらせたくない・・・

 

「・・・気持ちはありがたいが・・・すまぬ」

 

「・・・そうか。だったら、待つよ。お前が言ってくれるその日まで」

 

・・・ありがとう、京夜。

 

いつかきっと言おう。

だから、待っててくれ。

絶対に言うと約束する。

 

「だったらさ、笑ってくれるか?」

 

「ああ、できるだけ、笑って生活をしよう」

 

「ああ、やっぱ、かわいい女の子は笑ってくれないと困るしな!」

 

「か、かわいい・・・」

 

私はつい京夜から顔を背けてしまった。

 

全く、こいつは鈍感のくせに、こう心をくすぐらせることを言うんだ。

ああ・・・顔が赤くなってしまった。

胸もドキドキしてる・・・

 

「あ、ありがとう・・・その・・・京夜も1つ食べるか?」

 

「お、いいのか?なら頂こうかな」

 

京夜がそう言った後、私は団子を京夜の口元へ運んだ。

 

「・・・あの~、ルキア?」

 

「ほ、ほら・・・口を開けろ・・・」

 

俗に言う「はい、あ~ん」というやつだ。

 

ま、まさかこんな形でやろうとは思わなかった・・・

い、いや!これはお礼だ!

そう、断じて不純な動機ではない!・・・はず。

 

「い、いや・・・でも・・・」

 

「早くしろ!わ、私だって、恥ずかしいのだ・・・!」

 

「(じゃあ、やるなよ・・・)」

 

ああ、さらに顔が熱くなってくる。

今、私の顔はさくらんぼ並に真っ赤だろう。

だが、ここまでやったんだ。

あとには引けん!

 

「・・あ、あーん・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

ああ、これは夢なのだろうか!

愛しの相手とこんないい天気の中、「あ~ん」をしてあげるなんて!

 

口の中へ団子を入れようとした時だった。

 

・・・邪魔が入った。

 

「なーに、仕事の合間にイチャついてんだ。テメーらは!」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

横を見ると、眼前にぶら下がってる海燕殿がいた。

 

「ひゃぁあ!?」

「うわっ!?」

 

「そんなに驚くなよ・・・軽く傷つくぜ・・・」

 

ど、どうして!こう邪魔が入るのだ!

初めて海燕殿を恨んだぞ!

 

「か、海燕さん!?い、いつの間に・・・」

 

「ん?京夜の『・・・また何か抱え込んでんのか?』って、辺りからだ!」

 

「つまり、ほとんど見られてたんですね・・・」

 

は、恥ずかしい・・・

穴があったら入りたいくらいだ・・・

 

私は羞恥心と千外一隅のチャンスを邪魔されたショックでorzの状態になってしまう。

 

「ま、まぁ、そんな落ち込むなよ!俺と都だって、ああいう時に邪魔が入って、恥ずかしいことたくさんあったんだからよ!」

 

「・・・こんな人とよく婚約したな、都さん」

 

「うっせぇ!テメーは黙ってろ!」

 

都という方は、海燕殿の妻だ。

女の身でありながら、第3席に登りつめたお方で、聡明で優しく、美しかった。

私の理想で、あんな風になりたいと思った。

そうすれば、京夜は私を振り向いてくれると思ったからだ。

 

・・・まぁ、今はそれどころじゃない。

1番悪い海燕殿に慰められて、さらに落ち込む。

 

「・・・海燕殿はよくあの状況で入ってこれましたね・・・」

 

「は、ははは・・・いや~、ルキアの抱え込んでるモン聞こうとしたんだが、なかなか聞けなくてよ。じゃm・・・入っていくタイミングもなくて、意を決して行ったら、あの状況だった」

 

「今、邪魔って言おうとしましたよね!?」

 

って、ちょっと待て。

今、海燕殿は私の悩みを聞こうとした、と言ってなかったか?

 

「ま、まぁ、何で凹んでんのかなんて訊いても答えやしねぇだろうが・・・」

 

海燕殿はさっきのような陽気の顔とは打って変わって、真面目な顔つきになる。

 

「忘れんな。オメーがこの隊に居る限り、俺は死んでもオメーの味方だ」

 

心に響いた。

私は1人じゃない。

元気づけられた。

―――私はこの言葉を一生忘れないだろう。

 

私は何か言おうとした。

 

「・・・か・・・「くぁーーーこいーーー!」「くっせーーー!」・・海燕殿・・・」

 

・・・今度は台詞を邪魔された・・・

 

私の後ろから、清音3席と仙太郎3席が飛び出してきた。

 

くっ!世界の悪意を感じる・・・

 

「清音さん!?仙太郎さん!?」

 

「イヤーッ!かっこいーーー!海燕さまーーー!京夜ちゃーん!惚れちまうね、こりゃ!イチ殺なっ!」

 

「くせー!くせー!聞いた!?「味方だ」だってよ!「かわいい」だってよ!「三鷹ダ」!「若居イ」!

 

「テメーら!また勝手に酒飲んでやがったなコラ!」

 

「仙太郎さん、あんまりそれ傷つかないです」

 

「うっせー!このリア充!」

 

「っ!?どこで知ったその言葉!?」

 

2人が乱入したおかげでドンチャン騒ぎになる。

さすがだ、この2人・・・

 

そそたら、仙太郎さんが私を励まして(?)くれた。

 

「朽木ぃ!気にすんな!俺も流魂街の出身でよぉ!入隊したての頃ァゴチャゴチャ言うやつもいたもんだがよ・・・そんなハナクソ共にゃハナクソ擦り付けりゃいいのよ!ギャハハ!」

 

「ウゼー!なんてウゼー酔い方だ、テメーら!」

 

ありがとうございます、仙太郎殿。

私は皆が励ましてくれたおかげで、笑顔で元気になれそうです。

よし!今日も仕事をがんばろうっと!

 

・・・って、思った矢先、聞き捨てならない言葉が。

 

「京夜ちゃーん!かっこいいからあたしの女になってよー!」

 

「あの、近いですし、酒臭いですし、男ですし、あなたのものになりません」

 

「えー!じゃあ、頭ナデナデしてー!」

 

「はいはい」

 

「あう、えへへへへへへ!」

 

・・・あの朴念仁めっ!

 

私は静かに立ち上がった。

 

「・・・・・・・・・」

 

そして、京夜の元へ歩いた。

案の定、京夜は未だに清音殿を撫でていた。

 

「ん?どうした、ルキア?」

 

「・・・そろそろ仕事へ戻ろう・・・」

 

「お、おい!」

 

私は京夜の腕に抱きつき、引っ張った。

 

「ひっぱんなって!歩きにくいだろう!」

 

「たわけ!いつまでもヘラヘラしおって!」

 

「ヘラヘラしてねぇ!?」

 

清音殿には悪いが、ここから下がらせてもらう。

だが、清音殿はなんと、京夜のに抱き着いてきた。

 

「行かないで!京夜ちゃん!」

 

「うおっ!?」

 

この女ァ!

京夜の胸に飛び込ぶだとっ!?

う、羨ましい!

 

「京夜ちゃーん、一緒に飲もう!あそぼー!」

 

「いや、飲みませんし、遊ぶってなにすんですか・・・」

 

「それはねー・・・フフッ、イケないことかなー!」

 

「その不敵な笑みを見たおかげで、警戒心が一層高まりました」

 

「清音殿、京夜も困ってますし、そろそろ仕事に戻らしていただけないでしょうか?」

 

「フーン、京夜ちゃんと2人っきりになろうとしたって、そうはいかないんだから!」

 

「ど、どこにそんな根拠が・・・!?」

 

「京夜ちゃんに抱き着いてるでしょうがー!」

 

ちなみに、現状を見ると、

 

私→京夜の腕に抱きついてる

清音殿→京夜の胸に埋もれてる

京夜→困惑中

 

「そ、それは清音殿もそうでしょう!?」

 

「フフーン、あたしはいいんだよー!だって、これから京夜ちゃんと楽しいこと(笑)するんだから!」

 

「しませんし、(笑)ってなんですか」

 

「清音殿っ!」

 

「朽木ぃ!」

 

お互いの間に火花が散る。

 

京夜はわたさん!

 

「ふ、2人とも?落ち着いた方が・・・」

 

「「京夜(ちゃん)は黙ってて!」」

 

「・・・はい」

 

お互いに睨み合っていると、海燕さんが乱入した。

 

「あー、休憩終わりだ!次の任務の準備をしろ!」

 

その言葉を皮切りに私と清音殿は京夜から離れる。

京夜はホッとしたような感じで安堵していた。

 

そして、各々持ち場へ戻った。

 

余談だが、仙太郎殿はウザすぎる、ということで海燕殿に制裁されてた。

 

 

 

 

 

 

あ、俺俺、え?わかんない?

俺だってひっでーなぁー、この作品の主人公様だよ。

 

いやー、数日前はまいった。

清音さんって酔っぱらうと、あんなかまってちゃんになるとは・・・

なぜか、ルキアまで便乗して腕にひっついてきて、困ったわ。

まぁ、相変わらずのペッタンコだったというのは、言わないほうがいいよな。

 

で、今、俺たちの目の前には白い布が被さっているものがある。

 

―――死体だ。

 

「・・・全滅だそうだ。彼女の部隊は」

 

浮竹隊長の言葉に海燕さん、ルキア、もちろん俺までもが目を見開いてしまった。

 

いきなりシリアスになっちまって悪いな。

 

彼女というのは、都さんだ。

都さんの部隊はなかなか優秀だと聞いた。

なのに、その部隊が全滅なんて・・・

 

「データ採取の前に全員が絶命したため・・・敵虚の能力は不明・・・現在討伐隊を編成中だ。二日以内には・・・」

 

それを聞いた海燕さんはいきなり部屋を飛び出そうとした。

 

が、浮竹隊長に止められる。

 

「待て、海燕!抑えろ!まだ敵の能力もわかってな・・・」

 

「じゃあ、何なら分かってんスか!」

 

浮竹隊長の言葉を遮り、海燕さんは言葉を荒げる。

 

「姿もわからない、名前も能力もわからない・・・それで大人しくここで待ってろと・・・!?」

 

海燕さんの言葉が徐々に震えていく。

 

「討伐隊に任せて・・・俺はここで・・・」

 

「・・・わかっていることが2つある・・・」

 

浮竹隊長は淡々と教えていった。

 

1つは奴が移動型ではなく、一か所に巣を作り、そこに留まって捕食する常駐型の虚だということ。そして、もう一つは―――」

 

俺たちは移動し、虚がいる所に来た。

 

「―――その棲み家だ!」

 

洞穴の前にそいつはいた。

 

「匂いがするのう・・・頭の足らん餌の匂いが!」

 

そいつは涎を汚く垂らし、こちらを見ていた。

 

「ひひっ!ひひひひひひひひひひ!」

 

三日月の下、不気味な笑い声が広がる。

 

この闘いで海燕さんが死ぬのは原作知識で重々承知だ。

そのせいでルキアの心が深く傷ついてしまう。

 

だからこそ、

そうさせないために、

 

俺は海燕さんを護る!生かす!

 

絶対に死なせねぇ!

 

そう決意した瞬間だった。

 

激闘の一夜が開始される・・・




いかがでしたでしょうか?

京夜は相変わらずの女たらしですね。

あと、海燕さんの立ち位置が不安定や・・・
この人、本当に副隊長か・・・?と、思ったことが多々ありましたw

さて、次回はあの虚と闘います。
海燕死亡ルートは逃れられるのだろうか!

ご期待あれ!

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