BLEACHへの転生者   作:黒崎月牙

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長らくお待たせしました!

やっと更新できた~!

執筆する度に途中で寝てしまい、中々、書けませんでした。

だって、テストとバイトで忙しいし、最近、疲れをとってねーんだもん!

てか、テスト前になにやってんだろ・・・


そういうことでがんばりました!
ちなみに。ハーレムメンバーが1人増えます。


好敵手がいることに意味がある

変幻自在な虚との闘いから1週間が経っていた。

 

相変わらず仕事の量は多いが、俺はそれを全てこなしていた。

 

ちなみに、虚との闘いで海燕さんを助けたということが一三番隊の皆に知れ渡り、俺の信頼度は大幅に上がった。

 

まぁ、信頼されるのは気分悪くないけど、仕事を少し減らして欲しいな。

同時期に入ったルキアの仕事量の2倍っておかしいだろ!?

あと、聞いた話によると、海燕さんがやる仕事も混じっているって聞いた。

 

・・・恩を仇で返しやがった!?

 

そんなこんなで俺は日々、仕事に明け暮れていた。

 

そんな日、今日は珍しい仕事が入った。

 

「今日は何をすればいいんですか、海燕さん?」

 

「おう、今日はこれを届けてほしいんだ」

 

海燕さんから大きい木箱を渡された。

 

それにしても随分大きいな。

横は肩幅くらいしかないけど、高さが俺の足から胸の辺りまである。

 

「これって、なんですか?」

 

「あ~、悪ぃけど、中身は俺も知らねーし、京夜も中身は知っちゃいけねーぞ」

 

「え?なんでですか?」

 

「隊長がそう言ってんだよ。なんでも、本人だけに知らせたいんだと」

 

「浮竹隊長が、ですか・・・」

 

う~ん、一体なんだろう?

危ないやつ?いかがわしいもの?・・・それはないか。

まさか!やばい薬か!?・・・それこそ有り得ないか。

 

「まぁ、わかりました。それで、誰に渡せばいいんですか?」

 

「2番隊隊長にだとよ。直々に渡せってさ」

 

 

 

 

 

「砕蜂隊長と会うのは初めてだな」

 

今、俺は2番隊隊舎の目の前にいる。

 

しかし、浮竹隊長と砕蜂隊長って何かしら関係があったっけ?

原作だとそこまで関わってないような・・・

 

「ま、いいか。これをちゃっちゃっと届けよう。そうすれば、休みだ!」

 

なんと、今日の仕事はたったこれだけ。

 

流石に働かせ過ぎているな、と海燕さんが思い、配慮してくれたみたいだ。

そうと決まればさっさと終わらすのみ!

 

「失礼します」

 

「む、貴様は一三番隊の者。我が二番隊に何の用だね」

 

はい、いきなり門番さんに止められました。

そりゃ、当然か。

 

「仕事です。これを二番隊隊長―――砕蜂隊長に直々に届けてくれ、と頼まれたもので」

 

「そうか、だが、今は生憎、隊長は留守だ」

 

「へ?」

 

これは予想外だ。まさか、いないなんて。

 

「なぜ、いないんですか?」

 

「虚の討伐だ。なんでも、最近、ある森に入ると死神たちが霊力を失い、倒れていく現象が起きているらしい。調査の結果、虚の仕業みたいだ。地形的にも二番隊が適任だから、砕蜂隊長が向かわれた」

 

「隊長がでるほどのものなんですか?」

 

「既に20名ほどやられているらしいからな。隊長自ら出て、早急に終わらすみたいだ」

 

「なるほど・・・」

 

そんな森があったなんて知らなかった・・・じゃなくて!

 

あ~、すぐに終わらしてゆっくりしたいのに!

これじゃ、いつ帰ってくるかわかんねーよ!

 

どうする?考えろ、俺。

早く、砕蜂隊長に渡せる案は!

 

・・・あ、閃いた。

なーんだ、簡単なことじゃないか。

 

「すいません。少し教えてほしいんですが」

 

「ん?なにかね?」

 

「その森、砕蜂隊長が向かわれた場所を教えてください」

 

 

 

 

 

 

 

「ここが例の場所か・・・」

 

「はい、間違いありません」

 

私、砕蜂は虚の住処になっている森にきていた。

 

まさか、私自ら出向かわねばならないとはな。

全く、デキの悪い部下を持つと苦労する・・・

 

「これから、敵の元へ向かう。私はお前らがどうなろうとも知らぬ。自分の身は自分で守れ」

 

『はっ!』

 

「それでは・・・散!」

 

私と私の部下たちは掛け声とともに森の中へ入っていった。

 

「ふむ、いたって普通の森だが・・・」

 

中に入って数刻、森の中心部辺りに来ていた。

しかし、変わった様子がない。

虚の霊圧もないし、気配を感じない。

 

『砕蜂隊長!』

 

私の目の前に突然、部下たちが現れる。

報告する時間になっていたか。

 

「そっちはどうだ?」

 

「こちら異常ありません」

 

「右に同じく」

 

「左に同じく」

 

どこも異常はないか・・・

一体、どういうことだ?

 

「隊長、もしかすると虚が移動してしまったのではないでしょうか?」

 

「有り得るな。だが、それだと、そこまで遠くには行けないはずだ。調査は先刻したばかりだぞ。霊圧を感じとれるはずだ」

 

どこにいるのだ?

というか、この森、どこかおかしい気がする。

よくわからないが、他の森とおかしい。

 

「砕蜂隊長、これからどうなさいますか?」

 

「ふむ、なら・・・!?」

 

『!?』

 

この感覚、虚だと!?

 

なぜ、いきなり!?いや、それよりも・・・

 

「なんだ、この虚の数は・・・!?」

 

1体所ではない。

数十体の虚が私たちを囲んでいるだと!?

 

「おい、お前ら!異常はないと言っていたではないか!どういうことだ!」

 

「わ、私たちにもわかりません・・・」

 

「異常はありませんでした!虚も全くいません!なのに、なぜ・・・」

 

くっ!あてにならない部下共が!

 

しかし、霊圧を感じとったが、肝心の姿が見えん。

 

どこだ・・・どこにいる!

 

「うわあ!」

 

「っ!?後ろだと!?」

 

私は襲われた部下を見た。

 

「な、なんなんだ、これは・・・!?」

 

それは緑色をしており、太いツタのようなものがクネクネ動いていた。

そして、先端には捕らえられている部下がいた。

 

「くっ!この、離せ!」

 

部下は斬魄刀を抜き、切ろうとする。

 

ボヨン

 

「き、効かない!?」

 

斬魄刀は弾かれた。

 

斬魄刀が効かないだと!?

そんな虚、見たことも聞いたこともないぞ!

 

「あ、ああ、あ・・・」

 

「な、何だ・・・?」

 

突然、部下が苦しみ始めた。

 

数秒後、ガクッと気絶した。

 

「な、何をしたのだ・・・?」

 

ツタのようなものは、気絶した部下を用済みとばかりに投げ捨てる。

部下は少しやつれたようにも見える。

 

「くっ!皆の者、離れ・・・」

 

そう言いかけたが遅かった。

 

『うわあ!』

 

『ちっ!くそう!』

 

『離せ!化け物ぉ!』

 

「なっ!?」

 

周りからさらに、ツタのようなものが増えた。

部下たちが全員、捕えられてしまった。

 

一体、何をしているのだ!

それでも、私の隊員か!

 

「ちっ!」

 

私にも襲いかかるが飛び退き、避ける。

 

その間に部下たちがどんどん気絶していく!

 

『あ、ああ・・・』

 

『た、助けて・・・』

 

『・・・ガクッ』

 

「そんな・・・まさか・・・」

 

全員気絶してしまった。

 

私はその光景を唖然と見ていた。

 

シュルシュル・・・

 

「はっ!しまった!」

 

その一瞬の隙にツタが身体に巻きつかれた。

 

「くっ!離れろ!」

 

ダメだ!

身動きがとれん!

 

「うぅ・・・力が抜けてく・・そういうことか」

 

このツタは霊力を吸い取るものか!

 

通りで皆倒れる訳だ。

 

「くそっ!霊力を半分も・・・」

 

まずい!このままではもたない!

 

斬魄刀を抜く。

 

「ならば!・・・尽敵螫殺『雀蜂』!」

 

始解した雀蜂でツタを刺す。

 

「雀蜂は二撃決殺!くらえ!」

 

刺した所に蝶の模様が現れ、弾け飛ぶ。

 

次の標的に向かおうとした時、背後から両手両足胴体を拘束される。

 

「くっ!数が多い!」

 

一体、いくついるのだ!

この状態じゃ雀蜂を生かせられない!

 

「ま、まずい・・・」

 

視界がボヤけてきた。

こんな所で・・・!

 

その時だった。

 

「え・・・!?」

 

いきなり拘束されていたツタが斬られた。

 

何が起きている?

 

それはすぐにわかった。

 

「どうも、砕蜂隊長に届け物を持ってきました」

 

私の横に銀髪の死神が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

砕蜂たちが森の中で戦闘を開始した頃、京夜は森の前にいた。

 

「この中に砕蜂隊長たちがいるのか。・・・確かに霊圧を感じる」

 

二番隊の門番さんが場所を教えてくれたお陰で俺はここにいる。

 

さっさと届け物を渡して早く休みたいっ!

 

「それにしても・・・妙だな」

 

なんだろう、この感じ。

普通の森とは何かが違う。

 

動物がいない?

いや、虚がいるなら本能的に逃げているだろう。

だったら、なんだ?

 

「ま、いいか。中に入れば自ずとわかることだろうし」

 

俺は森の中へ足を踏み入れた。

 

森の中にはウネウネと巨大なツタが動いている。

 

「うわぁ、なぁにこぉれぇ。キモイ・・・」

 

うん、これは子供に見せちゃいけないね。

教育に悪いから。

 

そんなことを考えていたら、いきなりツタが襲いかかってきた。

 

「おっと、あぶねーな」

 

俺は首を動かし、避ける。

 

しかし、キリがねーな。

 

斬りながら先に進むか。

 

「ふっ!」

 

俺はツタを斬ろうとした。

 

ボヨン

 

「斬れない?」

 

俺の斬魄刀が弾かれる。

 

普通にやったらダメか・・・なら!

 

「切れ味を上げる!」

 

俺は刀に霊力を込める。

 

そして、再度、斬りつけた。

 

スパッ

 

今度は何の抵抗もなく、斬れた。

 

「ふ~ん、なるほど・・・」

 

このツタはある一定以下の霊力だと効かない。

逆に一定以上の霊力だと、簡単に斬れるらしい。

 

俺の斬魄刀は普通に振るったら、少量だが霊力はある。

だが、効かなかった。

だから、切れ味を上げるというのもあるが、霊力を一気に込めた。

 

「よーし、このままガンガン奥に進みますか」

 

襲ってくるツタを斬り落としながら砕蜂隊長の元へ向かった。

 

「お、あれは砕蜂隊長」

 

進んでいくと砕蜂隊長が見えた。

 

どうやらツタ相手に奮闘してる様子。

始解し、ツタを殺すが、またすぐに捕まってしまう。

 

「やれやれ、助けに行くべきか」

 

早く仕事を終わらしたいしね。

それに、砕蜂隊長がなんか苦しんでいる様に見える。

 

俺は砕蜂隊長へ向かい、拘束してるツタを斬った。

 

「え・・・!?」

 

拘束がなくなり、砕蜂隊長は尻餅をつく。

・・・なんか、可愛い!・・・じゃなくて。

 

「どうも、砕蜂隊長に届け物を持ってきました」

 

俺は砕蜂隊長の横に立ち、言葉を放つ。

 

「な、何者だ!」

 

「一三番隊所属の鬼柳院京夜。ただの下級死神です」

 

「一三番隊の者・・・?なぜ、そんなやつがここに? ではなくて!早くここから離れろ!危険だ!」

 

「危険って・・・砕蜂隊長も十分、危険じゃないですか」

 

「う、うるさい!とにかく、貴様みたいなやつがここにいては・・・!?」

 

砕蜂隊長が話している最中にツタが襲いかかってきた。

 

「邪魔」

 

スパッとツタを斬る。

 

「そんな・・・隊員全員が敵わなかったものを・・・一体・・・?」

 

「ああ、それなら簡単です。このツタは霊力が一定以上あるものではないと効かないらしいです。だから、砕蜂隊長の雀蜂も効いたでしょう?」

 

「あ!!」

 

無自覚だったか。まぁ、必死だったもんな。

 

「それで、お前は何しにここへ来た。まさか、我々の増援に・・・」

 

「いえ、ただ、お届け物を渡しに来ただけです。仕事が済み次第、帰ります」

 

「なら、来るな!隊舎で待ってろ!」

 

言い争っているとツタが俺に巻きついた。

 

気付かなかった・・・

 

「お?」

 

「しまった!」

 

なんだ、これ・・・?

霊力が抜けていく・・・?

 

「貴様、離れろ!そいつは霊力を吸い取るんだ!」

 

「なるほど・・・」

 

だから、砕蜂隊長が苦戦する訳だ。

 

だが、相手が悪かったな!

 

「・・・いいぜ、相手になってやる。このまま吸い続けてみな」

 

「なっ!?なにをバカなことを・・・」

 

一見、バカみたく見えるけど、俺の霊力はトップクラス。

そんな簡単に無くならない。

 

「うおおおおおお・・・!」

 

俺は霊力を高める。

尚も吸い続けていく。

 

そして、数分後、ツタが離れようとしてる。

 

「おっと、満腹だろうけど、もっと食っていけよ」

 

「き、貴様・・・一体、どれだけの霊力を・・・」

 

呆れてる砕蜂隊長をよそに、俺はツタを掴み、無理矢理すわせる。

 

ツタが冷や汗をかいているように見える。

 

そうしていると・・・

 

『ブオオオオオオ!!』

 

「う、うわあ!」

 

「おおっ!?」

 

地面が大きく揺れ、下から巨大なイカのような虚が現れた。

 

狙った通りだ。

虚のやつ、苦しんでやがる。

 

「ま、まさか、ここら一帯・・・いや、この森自体が虚の一部、だったのか!?」

 

木々や草々、地面などが全てイカのトサカとくっついている。

 

「さて、終わらすか。砕蜂隊長は避難してください」

 

「貴様、なにを・・・うあっ!?」

 

揺れる木々や地面に足をすくわれる砕蜂隊長。

 

まぁ、ほっといても大事だろう。

だっいぇ、あの砕蜂隊長だぞ。

 

俺はイカのような虚の眼前に出る。

 

「おーおー、目ぇ回しやがって。そんなに俺の霊力は多かったか?」

 

『ブォォォ・・・ブォォォ・・・』

 

案の定、フラフラとしている。

 

俺のことわかってんのか?

 

「あばよ」

 

ザンッ

 

俺は斬魄刀を縦に一閃。

 

瞬間、虚は左右2つに分かれ、次第に消えていく。

 

「あ、砕蜂隊長」

 

「・・・・・・・・・」

 

虚がいた場所から砕蜂隊長が現れた。

 

でも、なんだか不機嫌だ。

 

「砕蜂隊長?」

 

「・・・・・・・・・」

 

ガツン!

 

「いてぇ!」

 

いきなり殴られた!?

なんで!?

 

「倒すなら先に言え!危なかったんだぞ!」

 

「え!?い、言いましたよ!」

 

「あんなのわかるか!」

 

「え~・・・」

 

そんな理不尽な。

ちゃんと倒したのにこの有り様って・・・

 

「しかし、まぁ、あの虚を倒してくれたことには礼を言う」

 

「は、はぁ・・・」

 

なんだろ。お礼をしてくれてるはずなのに有り難味を感じない。

 

「今回のことで自分の非力さを知った。・・・そこでだ、貴様を私の好敵手として認めよう」

 

「は?・・・」

 

いきなり何を言ってるんだ?

真面目すぎて頭が壊れたか?

 

「ちょうど、私の力が見合う相手を探していた所だ。なかなか居なかったが、貴様なら私と相対できそうだ」

 

「あ、あの・・・」

 

なんか勝手に話を進められている!?

砕蜂隊長の好敵手なんて御免だ!

 

「さあ、構えろ。さっさと倒してやる!」

 

「わああああ!ま、待てって!ストップ!」

 

「なぜだ!私のために闘え!」

 

「俺は届け物を渡しに来ただけです!まずは、そっちを片づけてからにしてください!」

 

当初の目的がそれだ。

それがなぜか虚を退治したり、砕蜂隊長の好敵手になるとか色々と脇道に逸れていた。

 

「む・・・そうだな。ならば、さっさと渡せ」

 

「はいはい・・・」

 

俺は木箱を渡した。

 

「中身はなんだ?」

 

「さぁ?俺も中身は知りません。隊長命令で見れなかったもので」

 

中身を開けると・・・

 

「着物・・・」

 

「着物、みたいですね・・・」

 

着物があった。

紺を主として、模様が描かれている。

模様と言っても、猫のマークなんだけどね。

 

「なぜに着物?・・・ん?」

 

箱の端に紙切れが見えた。

 

俺は読んでみた。

 

 

砕蜂隊長へ

 

やあ、砕蜂!

 

いきなりこの着物を渡してすまない。

 

実は、君は常日頃から動きやすい服装や軽そうな服装をしているよな。

 

・・・もっと、女の子らしい服を着なさい!

 

ということで、君に着物を渡そうと思う。

 

きっと似合うぞ!

 

PS.女の子らしさを見せないと男ができないぞ(笑)

 

一三番隊隊長、浮竹十四郎より

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

ビリィ

 

「ああっ!?」

 

砕蜂隊長は浮竹隊長からの手紙を破り捨てた。

 

うん。気持ちはわかる。

でも、いきなり破り捨てないでほしい。

仮にも浮竹隊長は気を遣っているんだから。

 

「・・・あのモヤシ男に伝えておけ。大きなお世話だ。こんなこと2度とするな、と」

 

「言えるわけがないでしょ・・・」

 

・・・なんか、砕蜂隊長から黒いオーラが見える。

隊長にそんなこと言えるわけがない・・・

いや、うちの隊長なら言っても笑って済むかも。

 

「全く、こんな服を私が着たって変に決まっているだろう」

 

「いや、そんなことないですよ。実際に着たら似合うと思いますよ」

 

「なっ!いきなり何を言うんだ!」

 

頬を赤くしながら、砕蜂隊長は吠える。

 

どうしてそこまで悲観的になるかな?

良い体つきなのに。

 

「砕蜂隊長って身体細いし、脚もスラッと綺麗だし、なにより可愛いからきっと似合いますよ」

 

「な・・・な・・・な・・・!」

 

頬から一気に顔全体を赤くし、慌てる砕蜂隊長。

 

俺は思っていたことを口にしただけなのにそんな焦ることかな?

 

「くっ!よくも私をここまで愚弄してくれたな!」

 

「え・・・?なにを言って・・・」

 

「私を侮辱したことを思い知れ!」

 

なんで誉めたのに襲いかかってくるの!?

 

・・・と、思ったんだけど、今の砕蜂隊長は霊力が少ない状態だ。

 

「あっ!」

 

案の定、足がもつれ、倒れようとしてしまう。

 

俺はとっさに砕蜂隊長を支えた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「っ!?」

 

ボンっ、と顔をトマトみたく真っ赤になる。

そしたら、バッと俺から離れる。

 

「・・・・・・(あ、あんな風に優しく抱きかかえられたのは、初めてだ・・・!)」

 

砕蜂隊長は両腕を抑えながら、目が泳いでいる。

 

大丈夫だろうか・・・?

 

「砕蜂隊長・・・?」

 

「っ!?」

 

俺の顔を見て驚く砕蜂隊長。

 

そんな変な顔をしていただろうか?

 

「お、」

 

「お?」

 

「おぼえていろ~!」

 

そう言い放ち、逃げていく砕蜂隊長。

 

「四番隊に行った方がいいですよ~。霊力、少ないんですから~」

 

小さくなっていく砕蜂隊長に言葉をかける。

 

「さて、仕事も終わったし、やっと休める~!」

 

久しぶりの休みだ!

何をしようかな~。

 

 

 

 

 

 

私は今、四番隊詰所にいる。

 

治療を受け、1日安静にしていれば霊力は元通りになるらしい。

 

しかし、さっきから頭に浮かび上がるあの男・・・

 

名は鬼柳院京夜というらしい。

 

虚に襲われている時に颯爽と現れ、届け物を渡すとか言いながら、席官でもないのにあっという間に虚を倒してしまった。

 

あの時は驚いた。

膨大な霊力を持っているのだから。

 

だから、私は決めたのだ。

こんなに強い奴を私の好敵手にしようと。

 

そうすれば私はさらに強くなれる。

”あの人”を越えることができるかもしれない・・・

 

そう思い、私は鬼柳院と闘おうとしたが、霊力を失っており、身体が思うように動かなかった。

倒れそうになった時、鬼柳院は私を抱きかかえてくれた。

あんなに優しく・・・

 

「っ!?」

 

な、なぜ、顔が赤くなる!

なぜ、胸が躍る!

 

一体、私はどうしてしまったのだろうか・・・?

 

「・・・そうだ。鬼柳院のせいだ。あいつを倒せばきっとわかるはず!」

 

思い立ったが吉日。

私は急いで四番隊詰所から出た。

 

そしたら、丁度よく鬼柳院の背が見えた。

 

「見つけたぞ。今度こそ!」

 

私は後ろから蹴りを放つ。

 

「うおっ!?」

 

「ちっ!」

 

なんだと・・・よけたのか!

完全に死角だったはずなのに・・・

 

「な、なんの用ですか・・・?」

 

「丁度、鬼柳院を見つけたものでな、叩き伏せようと思った。さあ、私と勝負しろ!」

 

「けっこうです!」

 

鬼柳院は踵を返し、逃げた。

 

「待て!逃がすかっ!」

 

「げっ!来た!俺の休みが~!」

 

私と鬼柳院との鬼ごっこは明け方まで続いた。

 

その時の私はなぜか終始にやけたままだった。

 

 

 

 

 

 

後日、俺は書類を運んでいた。

 

あの砕蜂隊長との鬼ごっこのせいで俺の休日は潰れた・・・

なんで、あそこまで執着してんだ。

他にも強い奴はいるだろうに・・・

 

運んでいる最中に庭の茂みからガサッと音がした。

 

「鬼柳院、覚悟!」

 

茂みから砕蜂が現れて俺に襲いかかってきた。

 

ヒョイ

 

俺は首を横にして、避ける。

 

攻撃が見え見えだ。

 

「くそっ!」

 

「またか・・・砕蜂」

 

俺の言葉から察するように何度も俺に襲いかかってくるのだ。

まぁ、全部よけているんだけどね。

 

あ、あと、呼び方が変わっているよな。

襲いかかってくる度に言い合いをしていたら、いつの間にかこんな感じで話していた。

お互い好敵手(俺は思っていないけど)なら、名前で呼び合った方がいいということかな。

まぁ、砕蜂からは名字で呼ばれているけど。

 

「また、とは何だ!また、とは!」

 

「ここ毎日、うちの隊舎に侵入しては俺を襲っているじゃないか。自分の仕事はどうした。ヒマなのか?」

 

「う、うるさいっ!今度こそお前を討つ!」

 

いいのかな~、隊長がこんなんで。

 

砕蜂は再び俺に襲いかかってきた。

 

ピカピカな廊下を駆けて。

 

「来てもいいですけど、ついさっき掃除したばかりで危ない・・・」

 

「うあっ!?」

 

砕蜂は足を滑らせる。

 

ほ~ら、言わんこっちゃない。

でも、危ないから助けてやるか。

 

俺は倒れかける砕蜂を支えた。

 

「危ないだろ。怪我はないか?」

 

「っ!?」

砕蜂は俺の身体にしがみつく形となった。

 

その瞬間、腕の中で砕蜂はカーッと顔を赤くする。

 

「う、うわああっ!」

 

「そんな驚かなくても・・・」

 

バッと俺から離れる砕蜂。

なぜか、息が絶え絶えだ。

 

そんな過剰に反応されるとちょっと傷つくぞ・・・

 

「こ、」

 

「こ?」

 

「この勝負は持ち越しだ!」

 

「あっ!」

 

そう言った後、ものすごいスピードで逃げていく砕蜂。

 

本当、何がしたいんだか・・・

 

すると、後ろから誰かに見られてる気配が・・・

 

「ジーーーッ」

 

「ルキア?」

 

襖の陰からルキアがこちらを見ていた。

 

「なんだ?何か用か?」

 

「・・・随分と仲が良いみたいだな」

 

「はあ?どうやったらそう見えんだよ。仲良くねーよ」

 

「・・・だが、楽しそうだった」

 

「楽しくなんかねーよ。こっちは襲われている身だぞ」

 

全く、ルキアの目は節穴か?

10人見たら10人が俺と同じ答えが返ってくるだろうな。

 

「・・・抱いてたくせに」

 

「あ、あれは倒れそうだったから助けただけだよ」

 

「・・・どうだかな」

 

なんで、今日は機嫌が悪いんだ?

いつものルキアらしくないぞ。

 

「はぁ~、俺はさっきみたいな状況がルキアだったら、迷わずに助けてやるよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

無言だったが頬がピンク色に染まっている。

 

照れてんだろうな。可愛い奴め!

 

「私は仕事が残っている。じゃあな」

 

踵を返し、去ろうとした時に、前から走ってきた死神と軽くぶつかり、よろける。

 

「あっ!」

 

「っと、言ったそばからか」

 

後ろからルキアを支える。

 

「っ!?」

 

「あ・・・」

 

あ、この体勢は流石にまずいかも。

お互いに密着しすぎてる。

 

離れようとしたが、遅かった。

 

ルキアが顔面真っ赤にして、俺の服を掴んでいる。

しかも、若干、体重を預けて。

 

「ル、ルキア・・・?」

 

「・・・・・・(京夜の身体、あったかい。いい匂いだ・・・)」

 

俺の言葉聞こえてる?

白昼堂々とこの姿は恥ずかしい。

 

「おい!ルキア!」

 

「(はっ!)す、すまない!」

 

ルキアは我に返り、即座に離れる。

 

それにしても、さっき、ルキアがしおらしく見えて、可愛かったな・・・

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ああ、平気だ!ありがとう!ま、またな!」

 

ルキアはすぐに立ち去って行ってしまった。

 

・・・俺、嫌われてんのかな?

もうちょっと気遣ってあげようっと。

 

「あ、そうだ、俺も仕事残ってたんだ」

 

その場を後にし、再び仕事に戻った。

 

 

一三番隊は今日も平和です・・・




いかがでしたでしょうか?

砕蜂、サイコー!
チョー、かわいいね!
大好きだ!嫁にしたいくらいだぜ!

・・・はい、気持ち悪いですね。
でも、砕蜂は1,2位を争うくらい大好きなんです!
皆さんも好きですよね。


さて、次は誰をハーレムにしようかな~。

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