インフィニット・ストラトスΔ(デルタ)   作:Empire

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カズマに縁のある人物ですが

皆様お待たせしました、原作キャラが登場しますよ


第五十一話 被験体の真実

合同軍事演習基地 デルタ・フォース隊長室

 

 

 

ブライス「そうか…まだ奴等に目立った動きは無いか…」

 

 

「そうね…まだ部下が洗っている最中だけど…大きな変化は無いわ」

 

 

リーサ「だけど…何かキナ臭い感覚はする…そうよね?」

 

 

 

ブライス夫妻がモニターを使って誰かと話している、相手の容姿は金髪で、一言で言うと美女という言葉が似合う品のありそうな女性だった

 

 

「それと…カズマが暁のメンバーと接触しているのは知ってるかしら?」

 

 

ブライス「ああ、何度か話している所を見掛けてな…暁は何故カズマに協力的なんだ?」

 

 

「……これも部下がもたらした情報なんだけど…暁のISにはΔシリーズと同じコアが使われているの…」

 

 

リーサ「何ですって!?まさか…友谷が…」

 

ブライス「いや友谷はそんな事はしない……だとしたら…」

 

 

女性が言った言葉に驚くブライス夫妻

 

 

 

「まだわからないけど…恐らくは何らかの方法で入手したと考えるべきだわ…でも安心して、彼らのコアは量産型Δドライヴと同じよ」

 

 

ブライス「そうか…また何かあれば連絡を頼むぞ」

 

 

リーサ「今度労いの一杯ご馳走してあげるわ、デルタ・フォース特命部隊『亡国企業』(ファンタム・タスク)隊長のスコール・ミューゼルさん」

 

 

スコールと呼ばれた女性は笑みを浮かべて

 

スコール「リーサと飲めるなんて久しぶりね…貴方が二十歳の時かしら?最初に飲んだのは…」

 

 

リーサ「先輩、そう言うのはご法度です」

 

 

スコール「ふふ…そうね…じゃあまた…」

 

 

 

そう言ってスコールはモニターを切った…

 

 

 

 

座っている椅子の背凭れに体を預けて一つ溜息をついた

 

 

 

スコールはとある棚に置かれていた写真立てを持った

 

そこにはスコールともう一人一緒になって写っている日本人がいた

 

 

スコール「茜…」

 

 

それはカズマの母親、風鳴 茜であった…二人は高校生の時からの大親友で、結婚した時も一緒になって祝い、まさに竹馬の友の様な存在だった

 

 

 

スコールの目に涙が…茜がアイルランドのテロの被害に遭った時、スコールは救出部隊の一員としてアイルランドに出向いたが、スコールが目にしたのは、崩れた家の下敷きになり全身大火傷で息が絶えていた親友の姿と、それを目の当たりにして泣き崩れる二人の少女と虚空を見上げて悲痛な叫びをする一人の少年…茜の息子、カズマだった

 

 

次にスコールが持ったのは茜とスコールが幼いカズマと手を繋いでいる微笑ましい写真だった

 

 

スコール「茜……大丈夫よ…カズマの事、何がなんでも守ってみせるから……茜はカズマを見守ってあげて……久々に…カズマと話してみようかしら?」

 

 

 

スコールは携帯を取ってカズマの携帯に掛けた

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 生徒寮

 

 

カズマは眠れなかった…またあの悪夢を見るとなるとどうにも眠れない…

 

 

ウィノはスヤスヤと眠っているが…今のカズマにはその可愛らしい寝顔を見ても眠気が来なかった

 

 

 

その時携帯に着信が来た

 

 

 

カズマ「こんな時間に……マダラか?」

 

 

カズマは電話に出た

 

 

 

「久しぶりね…カズマ…」

 

 

カズマは意外な声を聞いて目を見開いた

 

 

 

カズマ「スコール…さん……いえ、ミューゼル隊長」

 

 

電話の相手スコールだった

 

 

スコール「良いのよ…今はプライベート、普通に呼びなさい」

 

 

カズマ「…スコールさん……」

 

 

スコール「カズマ……電話した私が言うのはなんだけど…何でこんな時間に起きてるの…?」

 

 

スコールのいるアメリカは昼だが、カズマのいる日本は深夜である

 

 

カズマ「うん…眠れなくてさ……実は昨日嫌な夢見ちゃって…」

 

 

スコール「…どんな夢?」

 

 

カズマ「なんか変な研究所みたいな…それに大きなカプセルに赤ん坊がいて…それがどんどん俺に似ていて…そして…髪が真っ白の俺に似ている奴が『お前はここで死ぬ』って」

 

 

スコール「っ……」

 

 

スコールは絶句した、何故ならば

 

 

スコール(茜があの研究所からカズマを救った時の……あの研究所が夢に…!?)

 

 

 

スコール「そう…嫌な夢ね…」

 

 

 

カズマ「はい…」

 

 

スコール「カズマ、あなた彼女いるんでしょ?」

 

 

カズマ「いますけど…それが?」

 

 

 

スコール「あなた彼女から甘えられる事はあるけど…彼女に甘えた事はあるかしら?」

 

 

 

カズマ「……無い…」

 

 

スコール「一度は甘えてみなさい、彼女もそれを望んでいるわ……良いカズマ、好きになった男の子が辛そうな顔をしているのは、彼女に取って一番辛いのよ…そう言う時は、思いっきり甘えてみなさい、落ち着くと思うわ…」

 

 

 

カズマ「わかった…」

 

 

スコール「話せて良かったわ、しばらく話せなかったし、久々にカズマの声を聞いて安心したわ」

 

 

 

カズマ「スコールさんはこっちに来ないんだ…」

 

 

スコール「そう…今はオータムやマドカと一緒に女性権利団体の連中を探っている所よ、ああ…一夏君にマドカは元気って伝えといてね」

 

カズマ「わかった…伝えておくよ…」

 

 

スコール「それじゃあ…またね」

 

 

そう言ってスコールは電話を切った

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマは再びウィノが寝るベットに戻り横になった、目の前には可愛らしい寝顔で寝ている彼女の顔があった

 

 

カズマはウィノに近付くと彼女の豊満な胸へ顔を埋めた

 

彼なりの甘え方なのだろう…

 

 

カズマ(ごめん…ウィノ…今だけはこういう風にさせてくれ…ここが一番…落ち着くんだ…)

 

 

カズマそのまま眠りに入った

 

 

 

するとウィノがカズマを抱き締め、更に彼の顔を呼吸が出来るくらいに埋めさせた

 

 

ウィノ(良いよ…カズマ……今だけじゃなく…これからも甘えてくれたら嬉しいなぁ……おやすみ……)

 

 

 

ウィノは心の中でそう呟き、カズマを抱き締めながら深い眠りに入った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ 亡国企業特殊基地、隊長室

 

 

 

スコール「さて…と…もうそろそろ」

 

 

 

「おい!スコール!!居るか!!」

 

 

乱暴な口調で部屋に入って来たのはオレンジ色の髪色を持つ女性だった

 

 

 

スコール「あら、オータム…何かわかったの?」

 

 

オータム「ああ、奴等の基地漁ったら意外と近くにあったんだよ!これ見ろ!」

 

 

 

スコールはオータムから渡された写真を見て驚いた…

 

 

 

スコール「これは……研究所!?」

 

 

オータム「ああ…アイツが…カズマが産まれた研究所だ…ほらリストの一番上」

 

 

 

オータムは次の資料に当時被験体だった少年少女達のリストが記されていた

 

 

その上に『K-01』成功と書かれたカズマの幼い頃の写真があった

 

 

 

スコール「カズマ以降の子供達は…皆失敗、淘汰されているのね…」

 

 

オータム「ああ…胸くそ悪い話だけどよ…それだけじゃないんだ次のリストの一番上…って言っても一人だけだけどよ…そいつの顔見てみろ!」

 

 

 

スコールはそのリストに写っている写真を見て驚いた

 

 

スコール「これは……」

 

 

オータム「信じたくねぇけどよ…冗談みたいに似てるよな…」

 

 

スコール「冗談でも何でもないわ!髪の色を黒にして、目を青にすればカズマよ!!これは似ているんじゃない、同じタイプの被験体なのよ!!」

 

 

オータム「う…嘘だろ…だったら最悪だぜ…そいつは女性権利団体に引き取られてるんだ…」

 

 

スコール「女性権利団体に!?……はっ!?…ま、まさかこの子が産まれた理由は……確かブライスから貰った情報は研究所が起こしたテロによって抹殺予定だったカズマが生きていた……」

 

 

オータム「じゃあ…こ、こいつは…」

 

 

オータムも何かを察したようで驚愕の表情だった

 

 

 

スコール「そう…この子はカズマを殺す為に産み出されたのよ……オータム!直ぐにマドカを呼んで!」

 

 

オータム「お、おう…ってか何処に行くんだ?」

 

 

 

スコールは軍服の上衣を羽織りながら言った

 

 

スコール「決まってるわ、IS学園、戦力が多い方が良いでしょ?」

 

 

オータム「へへっ…わかったぜ!じゃあマドカを…」

 

 

 

「いるよ…」

 

 

 

オータムの後ろに一人の少女がいた、その容姿はあの織斑千冬を幼くした感じだった

 

 

スコール「マドカ…」

 

 

マドカ「スコール…カズマさんは兄さんの親友なの…カズマさんが死んだら…兄さんきっと悲しむ…そんなの…絶対させない!!」

 

 

 

マドカの口から強い意思を感じる言葉が出た

 

 

 

スコール「その意気よ、では亡国企業はこれより任務に移る、IS学園に出向し、防衛に入る!」

 

 

「「了解!」」

 

 

 

三人はそれぞれ準備をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性権利団体、海上基地

 

 

 

 

 

 

エリザ「みんな、準備は良いか?」

 

海上基地の高速輸送船にインビシブル・フォースの面々がいた

 

 

 

クレア「ちっ…あたしらを最前線で戦わせろっての…どうせ、軍事演習に集まってるだけの雑魚なんだろ?」

 

 

エクセラ「油断は禁物だ…扱ってるISは貧弱だが、精鋭部隊が相手となるとわからんぞ」

 

 

エリザ「その通り、先ずは棄て駒に任せておけ…その後でゆっくりと狩りをすれば良い」

 

 

 

 

 

 

三人が座っている席とは反対に二人の男女がいた

 

 

 

カノンとジルベールである

 

 

 

カノンはずっとお菓子を食べているが、ジルベールはずっと窓の外を見ていた

 

 

 

ジルベール(いよいよだな…被験体K-01…必ず…殺す…組織の裏切り者め)

 

 

 

そう思っていたジルベールにカノンからクッキーが差し出された

 

 

ジルベール「?」

 

 

カノン「あげる…」

 

 

ジルベール「俺はいい…」

 

 

カノン「あげる…」

 

 

ジルベール「だから…いらん…」

 

 

 

カノン「あげる…」

 

 

 

ジルベール「……わかった」

 

 

ジルベールはカノンのクッキーを食べた

 

 

カノン「美味しい?」

 

 

ジルベール「ああ…美味しい…」

 

 

カノン「よかった…」

 

ジルベールから美味しいと聞いて嬉しい表情をするジルベール

 

 

 

ジルベール「何でいきなり…?」

 

 

カノン「ジル…ずっとカロリーメイトしか食べていなかったから…お腹すいてるのかな…って」

 

 

ジルというのはジルベールのインビシブル・フォース内での彼の愛称である

 

 

カノンはジルベールが入隊してから三食すべてカロリーメイトで補っているため彼女から見れば明らかに異常な食生活である、それを心配して今回試しにクッキーを食べさせようと思ったのだ

 

 

 

ジルベール「必要最低限の栄養は補給してある…」

 

 

 

カノン「だめ、健康に悪い…これからちゃんと三食ご飯を食べる…カロリーメイトは暫く禁止」

 

 

ジルベール「断る」

 

 

カノン「禁止」

 

 

ジルベール「……わかった…」

 

 

ジルベールは折れてカノンの指示にしたがったが、内心どうでもよかった…何故なら彼の頭の中には標的であるカズマの事しか入ってなかったからだ

 

 

 

 

ジルベール(K-01…人間らしく過ごせても俺達は生体兵器……つまり作られた存在だ…余分な意志を持ったお陰で身を滅ぼすとはな……)

 

 

 

ジルベールが覗く窓にはIS学園が見えていた…

 

 

 

 


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