極東防衛戦線基地、アリーナ
今ここでは表向きであるIS合同軍事演習の一環であるISの部隊戦が行われている
現在、先刻カズマに宣戦布告した鳳 鈴花が率いる中国軍特殊部隊とフランス特殊部隊の部隊が戦闘中である
この部隊戦のルールは4VS4のチーム戦で、制限時間内に全滅させるか、または制限時間が切れて残り残機、残り残機が同じならそのシールドエネルギー残量で勝敗を決めるのだ
戦況は4-2で中国軍特殊部隊が優勢だった
鈴花「ふふ…流石汎用性能が高い機体ね…でも…」
鈴花率いる中国軍特殊部隊、『応龍』は開始僅か1分で敵のISを戦闘不能にし、その後動揺している敵を直ぐ様撃破した
撃破したのは鈴花である、そして今三機目の獲物へ向かっている
鈴花「遅いわ!!」
ジグザグに間合いを詰めて敵ISの武器を破壊した鈴花
中国軍特殊部隊のISは鈴の甲龍をチューンアップした甲龍射爆型と甲龍撃斬型である
射爆型は射撃特化で衝撃砲を改造した剛衝撃砲を搭載しており、威力と一番の弱点である射程距離を伸ばした
そしてバズーカや、ガトリング、バトルライフル等の重火器を扱える様に改造されている
撃斬型は射爆型とは真逆の近接戦に特化したチューンが施されており、甲龍の特殊武装である非固定部位の衝撃砲を排除して、変わりに大型スラスターを搭載した
衝撃砲は連射型となっており、腕部に取り付けられているが、本来の衝撃砲より威力と射程が悪くなっている
だが近接武器は鈴の甲龍の双天牙月よりリーチと威力が上昇している太刀、青龍牙刀を装備している
一方のフランス国軍精鋭部隊は、デュノア者がΔシリーズのコアと、その強化パッケージを
応用した第三世代型IS、ラファール・イグナイトである
Δシリーズを開発したリィンフォース社とデュノア社が合同設計したΔシリーズの簡易コア
を搭載した機体である
だが春香やシャルロットの駆る試作型Δ-バウンサー、Δ-エクゼスと同じコアを使用している為、Δドライバは発動出来ないが、それでもラファール・リヴァイヴより大幅な性能アップを確立した
更にΔシリーズの強化アーマーをヒントに独自のアーマーをデュノア社が開発して、経営危機だった状況が何とか改善した
だが、ラファール・リヴァイヴより高性能で、強化アーマーによるカスタムの幅が広がった事から、エース級のカスタム専用機としての位置付けとなった
強化アーマーはベーシックアーマー、ラピッドアーマー、バスターアーマーの三種類があり、それぞれで扱う武器や戦闘スタイルが違う
さてここで戦闘に戻るが、鈴花が狙い付けたラファール・イグナイト・ベーシックアーマーは直ぐ様別の射撃武器を展開して弾幕を張りながら上空へ退避した
鈴花「このっ!!逃げるなぁあああ!!」
それでもお構いなしに突っ込む鈴花だった
合同軍事演習基地、ブリーフィングルーム
ブリーフィングルームにて、現在行われている中国軍とフランス国軍の戦闘を大型モニターに映している
その戦闘を見ていたのは各国の部隊メンバー、そしてカズマ達デルタ・フォースもいる
ウィノ「あの鈴花って奴…直線的過ぎない?弾幕張って逃げてる敵に正面から突っ込むなんて…」
一夏「そうでもないみたいだぜ…ほら」
モニターには鈴花の駆る甲龍撃斬型が先程狙いつけていたラファール・イグナイトを撃墜した
エミリア「イグニッション・ブースト…ですか?」
カズマ「いや…あれはショート・イグニッション・ブーストだな」
拓巳「何だよ?そのショート・イグニッション・ブーストってのは?」
後ろの席から拓巳が聞いて来た、後ろの席に龍真達セカンドチームがいる
カズマ「ショート・イグニッション・ブーストはイグニッション・ブーストを短い距離で発動、そして急停止の繰り返しで素早い直角的な動きで敵の狙いが合わせられずに間合いを詰める事が出来る高等テクニックだ…」
リディア「でもエネルギーの消費半端無いでしょ?」
淕「いや…短い距離で発動するなら効率良いんじゃないですか?」
確かにイグニッション・ブーストを使う際は多少エネルギーを食うのがネックだが、ショート・イグニッション・ブーストは距離が短い為エネルギーがあまり食わないのではないかと思う
友谷「淕、その逆だよ、ショート・イグニッション・ブーストは短い距離を高速移動、そして急停止の繰り返しだよ…エネルギーの消費は半端じゃない」
カズマ「それを使いこなしている鳳中尉の技量が凄いと言う事だな…」
そして試合終了を告げるブザーが鳴った
龍真「終った様だな…」
龍真がそう呟くと戦闘が終わり、鈴花率いる中国軍の圧勝だった
IS学園、食堂
シャル「はぁ……負けちゃったなぁ…」
先程の中国軍とフランス国軍の戦闘を食堂内のモニターで見ていたIS学園生徒達、現在その戦闘についてレポートを作成している
鈴「流石鈴花…あたしより数倍も上手くなってるし…ってかシャル大丈夫?」
鈴は溜め息をついて意気消沈のシャルを心配した
シャル「うん…でもショックだよ…お父さんが大喜びで完成したって言ったラファール・イグナイトがあんなにあっさりとやられちゃうんだもん…」
次第にトホホな表情になるシャル
簪「あれからお父さんと仲直りしたんだ」
シャル「うん、もう普通に話し合える仲になったんだ、お父さんがラファール・イグナイトを完成させた時は一緒になって喜んじゃった」
セシリア「少し羨ましいですわ…」
セシリアは何故か羨望の表情をする
春香「何で?オルコットってお金持ちなんでしょ?きっと大事に育てられ…」
セシリア「私の両親は…事故で失いましたわ…」
春香「え?」
セシリア「まだ…私が幼かった時ですわ…」
春香「あ…ごめんね…嫌な事思い出させちゃって…」
直ぐに謝罪した春香
セシリア「大丈夫ですわ…むしろ、そのお陰で今の私がいるんですの…」
鈴「そっか…セシリア大変だったわね……あたしなんか…離婚しちゃったもん…」
春香「ええっ!?鈴の両親、離婚しちゃったの!?」
春香は驚いた、鈴の両親は日本に来てから中華料理屋をしており、夫婦の仲はとても良い評判だった
幼馴染みで親友の一夏と春香も度々鈴の中華料理屋に足を運んでおり、二人の仲の良さを実感していた
鈴「原因は…ISのせいかもね……将来あたしをISに乗せるお母さんの考えと、乗せないお父さんの考えと衝突しちゃって…離婚したの…それでお母さんに親権が映って…中国に帰ったのよ」
春香「そうだったんだ……ねぇ、お父さんと会ったの?」
鈴「まだ…会えてない」
箒「会える機会があれば会いに行った方が良いぞ…私は政府の保護プログラムで離れ離れだからな…」
簪「みんな辛い過去を乗り越えてるんだね…」
簪の言う通り、少なくともセシリア、鈴、箒、シャルは辛い過去を乗り越えて代表候補生となった
シャル「さ、そろそろレポートを書かないと、次の部隊戦までに織斑先生に提出しないといけないからね」
シャルが促すと皆レポートを書き、終えたら千冬に提出した
合同軍事基地、デルタ・フォース ブリーフィングルーム
ここにファーストチームとセカンドチームを合わせたメンバーが集結していた
ブライス「良し、ではデルタ・フォースの部隊戦についてのブリーフィングを始める、今回の我らの初戦は、中国軍とだ」
一夏「お、確かあの鈴花って奴がいた所の…」
カズマ「……」
デルタ・フォースの初戦は鈴花率いる中国軍だった
シュウ「そこでだが、我々はファーストチーム、セカンドチームの混成4人編成で臨む、今回の出撃メンバーは、カズマ・アーディガン、初狩拓巳、エミリア・リィンフォース、リディア・ファロンの4名とする」
ブライス「そしてその中での指揮はお前が執れ、カズマ」
カズマ「はっ!!」
直ぐ様起立して敬礼をしたカズマ
ブライス「うむ、では相手のISとその戦術について説明しよう、8と0、頼む」
8「了解!」
8と0を通して大型ディスプレイに中国軍の甲龍撃斬型と甲龍射爆型が映された
ブライス「現在、相手の編成は汎用型3、格闘型1の編成となっている、こちらは汎用2、格闘1、支援1の編成で行く」
先程言われた中でのメンバーだと
汎用型はカズマのフリーダムウイングとリディアのストライクイェーガー
格闘型は拓巳のデスサイズブリッツ
支援型はエミリアのインパルスブラストだろう
0「続いてISの説明だけど、相手のISは甲龍・改、鈴の甲龍の性能強化型よ」
8「射爆型は文字通り射撃特化のパッケージを搭載している、」
大型ディスプレイに甲龍射爆型のデータが映された
一夏「鈴の奴より少しゴツい感じがするな」
8「追加装甲とパワーローダーを搭載してるからな、重火器を軽々と扱える」
カズマ「重火器なら当たらなければ良い…その時は俺、リディアで引き付けて拓巳が重火器を構えた敵を斬り伏せれば良い」
拓巳「良いねぇそれ!!俺の大活躍が期待できるなぁ!!」
嬉しそうに指を鳴らす拓巳、この場合のハイパージャマーは有効だろう
だがハイパージャマーを使うとなると、拓巳が隠密行動している間はカズマ達3人で4人を相手にしなければならない…
リディア「でもさ、カズマに勝負吹っ掛けて来た女の機体って違うんだよね?」
0「隊長機の事ね…これが甲龍撃斬型よ」
今度は甲龍撃斬型の情報が映された
ウィノ「あれ?衝撃砲がない?」
撃斬型の機体図面は甲龍の特徴である衝撃砲が無いのである
8「一応あるぞ、腕部にある小型化した衝撃砲だ、当然威力も射程も鈴の甲龍より悪い」
龍真「非固定部位に大型スラスターか、一撃離脱の格闘戦専用か」
エミリア「そう言えば先程の鈴花さんもそんな戦いでしたね…私は相手したくないです…」
エミリアのインパルスブラストは一応近接武器はあるが、本人は格闘戦においては大の苦手なのである、一応一夏からレクチャーは受けているが、まだ苦手の域から脱していない
リーサ「そこでね、カズマには敵エースを相手して貰いたいの、フリーダムウイングは1対多向きの機体はわかるけど…格闘機をフリーにするわけにはいかないのよ」
カズマ「それは一騎討ちになる可能性がある…と言う事ですか?」
シュウ「高い確率でな…やれるか?」
ブリーフィングルームに重い沈黙が漂った
カズマは目を閉じて暫く考え………目を開けて
カズマ「当然、やります…フリーダムウイングが只の1対多向きのISではない事を見せつけてやりますよ」
ブライス「うむ!頼むぞ!…で他に作戦を立案した奴はいるか」
ウィノ「はーい!」
全員「え!?((((;゜Д゜)))」
これにはシュウもリーサも驚いた…
リーサ「なんか悪い予感はするけど…ウィノ、言ってみて」
ウィノ「敵ってまずエース級から落としてますよね?さっきの戦闘でもそうでしたけど…」
ブライス「そうだが…それがどうした?」
ウィノ「だから…」
ウィノがカズマを指差して
ウィノ「カズマが逆にあの鈴花に一騎討ちを仕掛けるの!」
カズマ「は?俺が仕掛けるのか?」
ウィノ「絶対にあの鈴花はカズマに恨みを持ってるわ、だから絶対あの女はカズマを討ちに来る、だからそれを逆手に取って相手の陣地で崩すの」
カズマ「それを言うなら相手の土俵で崩すだ…もう少し日本語勉強しろ……」
リーサ「はぁ…どうするの?ウィノのプランは採用するの?」
カズマ「保留で」
ウィノ「即答!?」
カズマ「あくまでサブプランだ、もしかしたら使うかもしれん…(使わんかも知れんがな…)」
ウィノ「そっか…わかった!」
理解したのか上機嫌な表情をするウィノ
ブライス「良し、明日が初戦だ!お前らの力見せてやれ!!では解散」
メンバー達はそれぞれ部屋を後にしたカズマは8を持って話しかけた
カズマ「8、フリーダムウイングをこの通りに出来るか?」
8「ん?…っておい!?本気か!?」
カズマ「ああ…奴に対抗するには…これしかない」
リディア・ファロンのストライクイェーガーの紹介
USAS/ISΔ-78-9SJ
Δ-ライン・ストライクイェーガー
シールドエネルギー総量780
【挿絵表示】
リディア・ファロンのΔ-ラインがセカンドシフトした機体、純粋な機動力はウィノのエクシアピクシーを軽々と越える
背部バックパックの大型ウイングブースターでその高機動を生み出す
武装
ビーム・アサルトライフル
ビーム・ダブルセイバー
ライトショルダーウェポンパック(80mmガトリングバルカン/ガンランチャー)
レフトショルダーウェポンパック(イグナイトエッジⅢビーム・ブーメラン/ヒートアンカー)
背部バックパック搭載プラズマビーム砲×2
様々な武装を全て取り付け式で組み立てている機体で、ライトショルダーには射撃兵装、レフトショルダーには近接戦闘補助兵装が搭載されている
ライトショルダーの80mmガトリングバルカンは弾幕の役割もあるが、一般的な第二世代のISならば連射すれば楽に撃破可能
ガンランチャーはたった2発しかないが、誘導弾のミサイルを放つ
レフトショルダーにイグナイトエッジⅢのビーム・ブーメランにワイヤーの先端に熱振動の刃を鋏状にしたヒートアンカーを装備している
こんな感じです
最近ガンダムバトルオペレーションにハマって今回その要素を入れてみました
因みにデルタ・フォースの皆を汎用、格闘、支援に分けるとなれば
カズマ 汎用
一夏 格闘
ウィノ 格闘
エミリア 支援
龍真 汎用
拓巳 格闘
淕 支援
リディア 汎用
だと思います
長々と失礼しました 感想待ってます