インフィニット・ストラトスΔ(デルタ)   作:Empire

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更新遅くなりました

所謂SW休暇です…すみません


第三十九話 ΔTRANS-AM

楯無のナノマシンと水を応用した結界陣によって拘束され、身動きが取れないカズマ

 

 

カズマ「動いてくれ!!フリーダムゥゥウウウウウウ!!」

 

 

 

そして彼のSEEDが発動と同時に

 

 

 

 

 

シンクロ率200%…Δドライブ、オーバードライブ

 

ΔTRANS-AM Standby

 

 

 

 

 

 

そしてカズマを中心に大爆発が発生した

 

 

 

 

 

 

 

観客席

 

 

ウィノ「カズマァアアッ!!…そんな…」

 

 

カズマを中心に大爆発を起こした楯無、これで恐らく決着は着いただろう

 

その光景を見たメンバー達は声が出なかった

 

一夏「ふざけんな!!俺はまだお前に勝ってないんだぞ!!勝手に負けんじゃねえ!!カズマぁああああああああっ!!」

 

 

 

一夏が叫んだ次の瞬間

 

 

楯無の機体が大きくその場から吹き飛ばされた

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

楯無「ぐっ……何!?」

 

 

楯無が見たのは…

 

 

全身を蒼いオーラで包み、蒼く発光しているカズマのフリーダムウイングだった

 

 

楯無(何!?確実に仕留めた筈)

 

 

楯無はもう一度清き情熱(クリア・パッション)で攻撃する

 

 

しかし爆発したと同時に彼の姿が消えたのだ

 

 

楯無「消えた!?一体何処に!?」

 

 

 

ハイパーセンサーを駆使して辺りを見渡すが…いない…

 

気配も感じないのだ

 

 

楯無「何処!?何処なの!?…がっ!!」

 

 

楯無は背部に攻撃を受けた

 

 

楯無が後ろを振り向くと…

 

 

カズマのフリーダムウイングが刀身が巨大化したビームセイバーを装備していた

 

 

楯無「調子に乗らないで!!」

 

 

楯無は蒼流旋のガトリングガンを乱射した

 

しかし弾が当たる寸前にカズマのフリーダムウイングは上昇した

 

 

カズマ「そこだ!!フェザーファンネル!!」

 

フリーダムウイングの背部の翼の先端部分が分離して、八つのビットが不規則な動きをしながらビームを乱射し、またカズマもバスターライフル二丁を装備してぶっ放した

 

 

楯無「八基の自立機動兵器!?」

 

それはセシリアのブルーティアーズのビット、淕のライフルビットより二基多い…更にこれはAIではなく、本人の脳波で動いている。

 

 

ライフルショーティーの乱射とは比べ物にならないビットとバスターライフルの猛烈なビームの嵐は楯無に反撃の隙を与えなかった

 

 

楯無「なんて弾幕…とにかく今はビットのエネルギー切れを…」

 

 

楯無はひたすら避ける事に専念してビットのエネルギー切れを待った

 

 

 

 

カズマ「はああああっ!!」

 

 

楯無「しまった!?」

 

 

 

ビットの猛攻から逃げ続けていた楯無は正面にいるカズマに気付かず、ビームセイバーの一閃を受けた

 

 

楯無「がっ…はっ…はぁはぁ…」

 

 

先程まで優勢だった楯無は一気にピンチになった

 

自機のシールドエネルギーは残り少ない…

 

一撃を受ければ確実に負けである

 

 

楯無「くっ…でもまだよ!って…あれは!?」

 

 

 

楯無が見たのはハイマットフルバーストの体勢に入ったカズマだった

 

 

フェザーファンネルもカズマの周辺に停滞してその砲口を楯無に向けた

 

 

楯無「ちょ…ちょっと待って!!」

 

 

カズマ「ハイマット…フルバースト!!」

 

 

フェザーファンネルの一斉射撃とパラエーナ、レール砲、バスターライフル二丁の計16の光線は無慈悲に楯無へと向かった

 

 

 

楯無「くっ…」

 

 

楯無は水の防護シールドを再び纏った

 

 

そしてハイマットフルバーストと楯無の水の防護シールドがぶつかったが…

 

 

 

 

PPpppppp!

 

 

ここで試合終了のブザーが鳴った

 

 

 

カズマ「?…何だ?」

 

 

 

あまりの出来事にハイマットフルバーストの照射を止めたカズマ。それと同時に機体の輝きが収まった

 

 

楯無「…へ?…そ…そんな…」

 

 

一方の楯無は放送席を見てガクガク震えていた

 

 

 

「そこまでだ、この試合はこれにて終了」

 

 

 

放送席から流れた声が男の声だった

 

 

カズマ「誰だ?…ブライス隊長でも…シュウ大尉でもない…」

 

 

一方観客席

 

 

一夏「あれ?…終わったのか?」

 

 

ウィノ「終わった…の?」

 

エミリア「みたい…ですね…?」

 

 

リディア「何?この冴えない終わり方…」

 

 

突然放送が鳴り、試合が終わった事に戸惑う一夏達、若干一名文句を言ってるが…

 

 

しかし龍真達は冷や汗をかいていた

 

 

拓巳「お…おおおおい!?この声…もしかして…」

 

淕「もしかしてじゃないですよ!絶対ですよ!!」

 

 

龍真「兄…さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

 

楯無「颯真さんんんん!?」

 

 

楯無は盛大に叫んだ…いや悲鳴を上げた

 

 

 

 

 

 

 

放送室の中にいたのは龍真・R・神崎の兄、更識の従者の現当主である颯真・R・神崎である

 

 

(モデルはガンダムSEEDのキラ・ヤマト)

 

 

 

 

優しい雰囲気の顔立ちであるが何処か芯の強さを醸し出している…

 

 

一般のスーツを着ているが…彼はデルタ・フォース日本基地責任者である

 

 

颯真「刀奈…おっと…今は楯無だっけね…駄目じゃないか…彼は軍人だよ?もし機体やアーディガン中尉にもしもの事があったら僕が責任取らされちゃうから…」

 

 

優しい口調で言っている颯真だが…その声は何処か苛立ちを含んでいるような感じである

 

 

楯無「ご…ごめんなさい!!だ…だから…その…あれは…」

 

先程まで威勢があった楯無が、颯真の登場で一気に怯えて震えていた…しかも今の楯無は涙目になっている

 

 

颯真「ふふ…まあ…彼氏として別れたりはしないよ…安心して」

 

 

 

楯無「ちょ!?颯真さん!?」

 

 

 

 

カズマ「彼氏?」

 

 

 

 

 

「「「彼氏ィィィイイイイイ!?」」」

 

 

この突然の告白にアリーナの観客は一斉に叫んだ

 

 

その中心にいたカズマは耳を押さえていた

 

 

 

楯無「颯真さん!!なんて事を…」

 

颯真「今の君にはこのくらいのお仕置きじゃ不十分だなぁ……虚に説教を頼んであるから心して聞くように」

 

 

楯無「そ…そんなぁ…」

 

 

ガクッと項垂れる楯無だった

 

 

カズマ(あの変人生徒会長をあしらっている……)

 

カズマはウザいと思っていたあの楯無を一瞬で屈服させたあの颯真と言う男に興味が湧いた

 

 

突然アリーナのディスプレイに颯真の顔が映し出された

 

 

颯真「さて…自己紹介しないとね…僕は颯真・R・神崎…今日から四組の担任になる者でデルタ・フォース関係の人だよろしくね」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「キャアアアアアアアアアアアアア!!」」」」

 

 

 

 

再びアリーナの観客が一斉に悲鳴を上げた

 

 

 

 

と同時にため息を付く人間もいる…彼の担任の四組の生徒は最早超ハイテンションである

 

 

 

颯真「ささ…この試合は終わり、両者それぞれピットに戻って帰ること良いね?」

 

 

楯無「は…はい!」

 

 

カズマ「了解…」

 

 

 

両者はそれぞれのピットに戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

自分のピットに戻ったカズマはピットにいた友谷に何かを聞こうとした

 

 

友谷「言わなくてもわかるよ…ΔTRANS-AM(デルタ・トランザム)について…だよね?」

 

カズマ「ΔTRANS-AM?」

 

 

友谷「ディスプレイに映ってた筈だよ…見なかったのかい?」

 

 

その時のカズマは楯無の拘束陣から抜け出そうと必死だったのだからディスプレイなど見ていないだろう

 

 

 

友谷「実はね…このΔTRANS-AMは他のΔ-ラインには搭載されていないんだ…」

 

 

カズマ「何!?俺だけの…いや…フリーダムウイングに!?」

 

 

友谷「カズマ…君のフリーダムウイングは一から設計したのは僕じゃないんだ…その機体は…ブレスフィールド・アーディガンと風鳴茜(あかね)が二人で基礎設計を図面で残していたんだ」

 

カズマ「父さんと…母さんが…?でも何でだ!?父さんと母さんはアイルランドにいたんだぞ?」

 

突然親の名前が出てきて慌てるカズマ

 

親はアイルランドにいた筈なのに何故アメリカのΔ-ラインの機体を図面で残していたのか…

 

 

友谷「実はね…当時の技術でこのフリーダムウイングを完成させるのは不可能だったんだ…勿論Δドライブを発案したのは君の親だけど…数基開発しただけで結局量産化には至らなかったんだ…。そしてアーディガン夫妻はアイルランドのとある技術研究所にスカウトされたんだ」

 

 

カズマ「そうか…それなら辻褄が合うな…」

 

内心ほっとしたカズマであったが、一方の友谷は冷や汗をかいていた

 

 

まだカズマに真実を知らせてはいけないからだ

 

 

何れわかってしまうのだが友谷はまだ隠すつもりだ

 

 

友谷は一度咳払いをして再び話し出した

 

 

友谷「結論を言うとね、Δ-ラインの生みの親は僕じゃない…君の親なんだ。まあ…強化アーマーを考えたのは僕だけど…このフリーダムウイングは君の親が設計したと言う事は覚えていて」

 

 

カズマ「ああ…わかった…」

 

カズマは胸のペンダント握った

 

 

カズマ(父さん…母さん…安心して…フリーダムは大事に使うから…)

 

 

 

そう心の中で呟くカズマだった

 

 

 

友谷「さて、随分と遠回りしちゃったけど君が知りたい事に入ろうか…まずΔTRANS-AMはΔドライバとは違って発動するには登場者とISのシンクロ率をΔドライバの倍、200%にしないと発動しないんだ…」

 

 

カズマ「200%…あの時そんなに上がっていたのか?」

 

 

発動した時は楯無の拘束陣で捕らわれていた頃だった

 

 

友谷「その時は思わず行くな!って行っちゃったけどね……でもその時君はフリーダムの名前を思いっきり叫んだでしょ?恐らくだけど君の意思とISが完全にシンクロしてΔトランザムが発動したんだと思うよ…でも未だに成功した事例がなかったから内心怖かったけどね…コアが熱暴走して爆発しちゃうじゃないかって…」

 

 

 

カズマ「涼しい顔で物騒な事を言うな…少しビビったぞ…」

 

 

実際に熱暴走して爆発したら勿論カズマは無事では済まないだろう

 

そんな事を涼しい顔で言う友谷はあの篠ノ之束の弟子なのだろう

 

 

 

友谷「主な効果はΔドライバとほぼ同じだけど…でもあのΔトランザムでカズマの機体が一時的に三次移行(サード・シフト)するなんてね…」

 

 

カズマ「三次移行!?一時的にって事は今は…」

 

 

友谷「そう…これも想定外なんだけどね…今はフリーダムウイングのままだけどこのΔトランザムを発動している時は一時的に機体が進化するんだ…その時は背部のウイング部分が展開して先端部分が分離出来る【フェザーファンネル】が使用可能なんだ…でもアーディガン夫妻がここまで設計していたのは良いとしてこの形態での名前がわからないんだよね…どうしようかな…」

 

 

 

 

どうやらこの三次移行はまだ名前が決まっていないらしい…

 

すると突然

 

 

 

 

カズマ「トランザム発動中になるから…【Δ-ライン・トランザムフリーダムウイング】ってのはどうだ?」

 

 

 

友谷「良いかもね…あ、後でこの形態での武装のデータを送…」

 

 

 

カズマ「いい、さっきの戦いで全部見た」

 

 

 

友谷「そうかい…わかったよ…じゃあお疲れ様…苦戦して疲れたと思うからゆっくりと彼女に癒されなよ?」

 

 

カズマ「……そういう事言うな///」

 

 

顔を真っ赤にしてそっぽ向くカズマ

 

 

やがて友谷がピットから出て行き、その場に一人になったカズマ。

 

 

待機状態の自分のISを見つめ、静かに話し掛けた

 

 

カズマ「フリーダム…お前…父さんと母さんが作ったISだったんだな……道理で扱い易い訳だよ……父さん…母さん……ありがとう…」

 

 

その場に座り込んだカズマ…目には涙が浮かんでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ デルタ・フォース総司令室

 

 

ダン「そうか…颯真が日本に着いたか…うむ……報告ありがとうブライス」

 

ブライス『はっ…では失礼します』

 

 

夜の時刻、デルタ・フォース総司令官ダン・マクガバンが定時報告の電話を受け取っていた

 

 

秘匿回線で繋がっている電話の受話器を戻してため息を着いたダン

 

 

 

ダン「……」

 

 

ダンは机の引き出しを開けて一枚の写真を取り出した

 

 

そこには若かりし頃のダン・マクガバンと当時の自分の妻、そしてもう一組のカップルがいた

 

 

どうやら学校の卒業式の時に撮ったものだろう…もう一組のカップルの卒業証書の名前に【ブレスフィールド・アーディガン】【風鳴茜】という文字が…カズマの親である

 

 

ダン「ブレス…お前の息子はよくやっているぞ…出来るならお前の設計したフリーダムウイングが一生あの子の盾となってくれれば良いが…」

 

 

 

そう言ってダンは写真をしまって再び業務へと戻った

 

 

 

 

 

 

 




三次移行の時のフリーダムウイングのバックパックはストライクフリーダムだと思ってください

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