インフィニット・ストラトスΔ(デルタ)   作:Empire

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そう言えばブライスのΔ-ライン紹介忘れてた…

ブライス専用Δ-ライン・ヘビーアーマー

各部装甲が重装甲で、超重量級のIS
装甲内部にマイクロミサイルを内蔵しており、拠点制圧や、蹂躙攻撃等に特化した機体である
一見鈍重と思われるが、ブライス本人の操縦技術と機体各部に搭載されているスラスターで重ISとは思えない機動性を誇る

武装
肩部、脚部装甲内蔵型マイクロミサイル
腕部グレネード
コンバットナイフ

量子化武装
散弾ロケットバズーカ
ハンドミサイルユニット×2
高エネルギー大型ビームライフル



第四話 モンド・グロッソ

ブライスとの模擬戦が終わってそれぞれの部屋に戻ったカズマとウィノ

 

カズマはシャワーを浴びながら今回の模擬戦を振り返った

 

カズマ(ブライス隊長はやっぱり強かった…あのヘビーアーマーであの機動性…)

 

今回、ブライスはΔ-ラインの強化アーマーの中で扱いが難しい重量級のヘビーアーマーを装着していた

 

あれ程重いISをあんな高機動で扱うことが出来るあの技量に憧れを抱き始めたカズマであった

 

そしてカズマにはもう一つ気になる事があった

 

それはビームバスターガンソードをフルチャージでブライスに向けて放とうとした時、一瞬ではあるが、神経が研ぎ澄まされた様な感覚、視界がクリアになった様な感覚になった事である

 

あの不思議な感覚が今でも残っているのである

 

 

 

 

その後シャワーから出て、ウィノと一緒に食堂で食事を取っていた時にブライスから連絡があった

 

 

初めての任務だ、直ぐに支度しろと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ軍、輸送機内

 

ブライスから軍上層部からデルタ・フォースに任務が伝えられた

 

ドイツで行われるモンド・グロッソの警護

 

モンド・グロッソは世界中のIS国家代表が一堂に会してISバトルをする世界大会である

 

 

最近だと日本の織斑千冬が優勝したとして話題になっている

 

輸送機内でブライス、カズマ、ウィノの三人は座っていた

 

カズマの隣に座っていたウィノは眠気に負けて、カズマの肩を枕にして眠っている

 

 

カズマは輸送機の窓から見える景色を眺めていた

 

 

ブライス「カズマ…一つ良いか?」

 

と不意に向かいの席に座っていたブライスが話し掛けてきた

 

 

カズマ「何でしょうか?」

 

ブライス「お前の故郷…ドイツだったか?」

 

カズマ「……いえ、アイルランドですが…」

 

ブライス「そうか…アイルランドか…お前もあのテロの被害者か…」

 

カズマ「え?」

 

ブライス「俺もアイルランドで起きたテロの被害者だ…アイルランドは…俺の妹が留学していた所だった…」

 

カズマ「あなたは…妹さんを…」

 

ブライス「ああ…亡くした」

 

まさか目の前にいるブライスもあのアイルランドで起こったテロの被害者であるなんて思いもしなかった

 

カズマ「俺は…」

 

ブライス「おっと…お前は言うな」

 

カズマ「いえ、教えてもらってばかりじゃ…不公平ですよ……俺は…両親を亡くしました…家が燃えて、街も燃えて、何もかもが赤い炎の景色に染まっていました…あの時起こった事は…忘れられません…」

 

 

ブライス「そうか……」

 

 

暫くの沈黙が訪れて

 

 

『間もなく到着します』

 

ブライス「そろそろか…カズマ、ウィノを起こせ」

 

カズマは未だに肩で眠っているウィノを起こした

 

ウィノ「ふああぁ…おはようございます……」

 

ブライス「よく寝たか?」

 

ウィノ「は…はい!?お、お陰様で…」

 

 

 

 

 

 

 

 

輸送機から降りてまず目に入ったのは豪華なISバトルアリーナであった

 

その広さ、更に観客数も多く、円形のコロシアムの様な形状である

 

 

ウィノ「こ、こんな所でISバトルするの?」

 

カズマ「無駄に金掛けすぎだろ…これ…」

 

ウィノはアリーナの広さに驚き、カズマはアリーナの豪華さに呆れていた

 

 

 

ふとカズマがとある方向を見てみると、ある一人の女性が目に入った

 

その女性は周りを地元の報道陣に囲まれていた、どうやらこのモンド・グロッソの出場選手なのだろう

 

 

 

ブライス「カズマ、あの女性が気になるのか?もしかして惚れたか?」

 

ウィノ「えっ!?ちょ、ちょっと!!カズマ!!」

 

ブライスが冗談を言い、その冗談をまともに受けてしまってパニックのウィノ

 

しかしカズマは冷静に返した

カズマ「いえ…ただあの女性、他とは違う雰囲気を醸し出していたので…」

 

ブライス「そうか…あれがモンド・グロッソ第一回大会優勝者、日本国家代表の織斑千冬だからな」

 

ウィノ「ええええっ!?あの人が!?」

 

カズマ「織斑…千冬…」

 

ブライス「恐らく今回の大会でも優勝して二連覇を成そうとしてるだろ」

 

 

二人は世界最強のIS乗り、織斑千冬を一目見て、モンド・グロッソ実行委員会から今回の任務を再確認した

 

それはこのモンド・グロッソが無事終る様に、周辺の警護、防衛という任務であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モンド・グロッソ会場周辺

 

 

今現在モンド・グロッソは準決勝が行われており、かなり盛り上がっている様だ

 

 

その試合の状況を端末モニターで見ていたカズマとウィノ

 

ウィノ「織斑千冬…強っ…」

 

カズマ「ほとんどの試合を一分足らずで終わらせている…純粋にあのブレードの威力が高いのか…それとも」

 

ウィノ「ねぇ…一撃受けただけであんなにシールドエネルギーって減るの?そんなに威力が高いのかな?」

 

カズマ「それは違うな…ただ純粋に威力を上げても機体のバリアーが守るし、一気に最大値の半分以上もシールドエネルギーが減るのはおかしい……待てよ…バリアー…?」

 

ウィノ「カズマ?」

 

カズマは一つの結論に辿り着いた

 

カズマ「そうか…バリアー無効化攻撃なのかあのブレードは」

 

ウィノ「バリアー無効化攻撃?」

 

聞き慣れない言葉に首をかしげるウィノ

 

カズマ「恐らくあれはISのバリアーを貫通して、IS本体にダメージを与える一撃必殺の兵器だ」

 

ウィノ「え!?そんな事したらISもそうだけどパイロットが…」

 

カズマ「ウィノ…ISには絶対防御がある…恐らく登場者に危険が及ばないようにしているのだろう…絶対防御が発動すると、機体のシールドエネルギーが普通に攻撃を受けた時の数倍以上に消費するんだ…あのブレードは絶対防御を発動させてシールドを大幅に減らす兵器だろうね…でも…」

 

ウィノ「でも?」

 

カズマ「バリアーを貫通する程の膨大なエネルギーを武器本体のジェネレーターで出すのはまず無理だよ」

 

ウィノ「え!?なら…どうやって?」

 

カズマ「恐らく…あれは自分のシールドエネルギーをあのブレードに転用していると思う」

 

ウィノ「自分のシールドエネルギーを!?それじゃ、あのブレードを使ってる時はシールドエネルギーがどんどん減っているって事?」

 

カズマ「まさに[諸刃の剣]だな」

 

 

ppppp…

 

カズマ「通信?隊長から…?」

 

 

ブライス『お前達!緊急事態だ!日本国家代表の織斑千冬の弟が何者かに誘拐された!』

 

ウィノ「ええええっ!?」

カズマ「誘拐!?」

 

 

ブライス『軍上層部から新たな緊急任務だ!カズマ・アーディガン、ウィノ・マクガバン両名は現時点より織斑千冬の弟を捜索せよ!対象者の名は[織斑一夏]』

 

 

「「了解!」」

 

 

 

 

 

二人はその場でISを展開し、直ぐ様飛び立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

ドイツ国内のとある一室

そこに少年が顔を俯かせていた

 

 

「ぐっ……ここは……」

 

体のあちこちが痛い…おまけに何かと眠い…

 

「そう言えば…俺は…っ!?」

 

立ち上がろうとしたが出来なかった…何故なら彼は縄で柱に縛られており、身動きが取れなかった

 

 

「くそっ…なんで…」

 

「お前があのブリュンヒルデの弟だからさ」

 

「!?」

 

 

不意に少年の目の前に顔をマスクで隠した男がナイフを持って近付いてきた

 

 

「あんた…何が目的なんだよ!」

 

 

「そんなの決まっている、あの女を途中で棄権させるためだよ!織斑千冬の弟の織斑一夏!」

 

一夏「!?千冬姉を…」

 

この少年こそ、あの世界最強織斑千冬の弟、織斑一夏である

 

「ぅぅぅ…」

 

一夏「!?誰かいるのか?」

 

突然女の子の怯える声が聞こえ、目線を移すと自分と同い年、または年下の女の子が自分と同じ柱に縄で縛られていた

その女の子は傷だらけで、至るところにアザが出来ている

 

 

「おっとこの子はある組織がこいつを誘拐して引き渡してくれれば大金をくれるって言いやがってよぉ、そんであまりにも周りのボディーガードやソイツが抵抗するもんでよぉ、ボディーガード全員殺して、痛め付けたってわけよ」

 

 

一夏「…っ!?ふざけんなっ!こんな女の子をこんなになるまで痛め付けたのか!…ガハッ!!」

 

一夏が怒鳴り終わると同時に鳩尾を思いっきり蹴った

 

腹部の強烈な衝撃により、呼吸が一時的に困難になった

 

 

「お前…自分の立場わかってないなぁ…お前は俺達の人質なんだよぉ!その気になれば、今すぐお前を殺す事が出来るんだよぉ!…おっとそろそろ決勝戦だなぁ…」

 

そう言って男は仲間のいるソファーに腰かけて、TVの電源を入れた

 

 

 

一夏「ぐうっ…ハァ…ハァ…」

 

鳩尾を蹴られた痛みがやっと収まった一夏、しかしその呼吸は荒かった

 

 

「あ…あの…」

 

一夏「?」

 

不意に自分と同じ柱に縛られている女の子から声をかけられた

 

 

「あの…大丈夫…ですか…?」

 

一夏「あ、ああ…大丈夫だよ…このくらい…」

 

「ごめんなさい…私のために…」

 

一夏「いいって……君みたいな女の子を殴る奴なんて最低だから…ああ言ってやんないと気が済まなくてさ…」

 

 

 

 

「優しい…ですね…あ…私、エミリア・リィンフォースと言います」

 

一夏「俺は、織斑一夏」

 

 

一夏は不意に鉄で覆われた天井を見上げた

 

自分の姉は本当に助けに来るのだろうか…

 

また妹は心配してないだろうか…

 

それが不安だった

 

 

 

「なんだと!?どういう事だこりゃあっ!!」

 

と先程の男がいきなり怒号を上げた

 

そのTVを見たらなんと自分の姉が決勝戦に出場しているという光景であった

 

 

一夏「そ…そんな……千冬…姉……」

 

どうやら姉の織斑千冬は弟の事よりもモンド・グロッソを優先した

 

つまり…[見捨てた]のだ

 

 

 

「くそっ!!これじゃ俺達の計画がぁっ!!あの女めぇっ!!こうなったら…」

 

 

男はナイフを持って一夏に近付いてきた

 

「よう…どうやら見たらしいなぁ?あれがお前の姉だ」

 

男はナイフの切っ先をTVで活躍している一夏の姉、千冬に向けた

 

「つまりなぁ…お前は見捨てられたんだよぉっ!!可哀想になぁ!!」

 

一夏「あ…ああ……おれ…は…」

 

 

突き付けられた現実を受け止められない一夏は、ただ呻くしかなかった

 

 

エミリア「一夏様!!しっかりしてください!!」

 

「うるせぇ!!てめぇは黙ってな!」

 

男はナイフの柄でエミリアの頭を殴って黙らせた

 

 

「じゃあな、恨むんだったらお前の姉を恨むんだな!!」

 

 

そしてその凶刃が一夏に向けて降り下ろされそうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォン!!

 

「ギャアアアアッ!!」

 

 

突然建物の壁が破壊され、ナイフの男が吹き飛ばされた

 

 

エミリア「い…一体…何が…?」

 

破壊した壁から蒼と桃のフレームのISが現れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ、モンド・グロッソ会場周辺上空

 

 

 

ウィノ「カズマ!織斑一夏らしい反応を感知したわ!」

 

カズマ「本当か?」

 

ウィノが織斑一夏の反応を見つけとある建物をマーキングした

 

カズマ「あの建物か…ん?もう一人いる?」

 

ウィノ「更に一人…ってナイフ持ってるわ!!」

 

カズマ「な!?ちっ…あれを使う!!」

 

カズマはビームバスターガンソードをバスターガンモードにして狙いを定めた

 

ウィノ「ちょっと!!それは…」

 

カズマ「大丈夫、威力は壁を吹き飛ばす程度に抑えてる……ターゲットロック……撃つ!!」

 

バスターガンの銃口から蒼い閃光が放たれ、建物の壁を吹き飛ばした

 

 

カズマ「ウィノ、突っ込むぞ!」

 

ウィノ「OK」

 

 

 

二人は壊れた壁から内部へ突入した

 

 

建物の内部に突入し、カズマはビームバスターガンソードを仕舞ってビームライフルショーティーを両手に持ち、ウィノはショートビームライフルを展開した

 

 

カズマ「動くな!動いた奴から撃つ!!」

 

 

ウィノ「君達、大丈夫!?」

 

 

 

ウィノは片方のブレードを展開し、二人を縛っている縄を斬った

 

 

エミリア「あ、ありがとうございます…」

 

一夏「お…おれ……は……」

 

どうやら二人は無事のようだ

 

ウィノ「カズマ!こっちは大丈夫!」

 

カズマ「こっちも終わった…全員投降した」

 

 

カズマも誘拐犯全員を無力化し、ドイツ軍の援軍が到着して全員投降した

 

 

 

 

カズマ「こちらデルタ2、対象者織斑一夏は無事、他に誘拐されていた少女を発見、無事である、二人を連行し、これより帰投します」

 

ブライス『よし、良くやった。後はドイツ軍の管轄だすぐに戻ってこい』

 

 

 

こうしてカズマ達の初の任務は成功に終わったのだ。

 

 

 

 




ついに原作キャラ一夏登場!

ついでに新キャラのモデルとイメージ声優

エミリア・リィンフォース イメージ声優 大坪由佳

モデルはブレイブルーのノエル・ヴァーミリオン

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