インフィニット・ストラトスΔ(デルタ)   作:Empire

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前回のカズマ専用Δ-ラインのビームバスターガンソードはガンダムアストレイのアストレイブルーフレームセカンドLのタクティカルアームズがモデルです
だって格好いいじゃないですか、あれ…



第三話 模擬戦

ISカタパルトからΔ-ラインを纏って飛び立ったカズマとウィノ、ブライスから暫くは自由に飛んで機体に慣れろという事で基地上空を飛び回っている

 

 

ウィノ「わあっ!気持ちいぃーっ!IS飛ぶってこんなに気持ち良いんだ!」

 

カズマ「そうだな…」

 

はしゃぐウィノとは対照的に機体に慣れようと真剣な表情のカズマ

 

ウィノ「あ!」

カズマ「?」

 

 

ウィノが何かを見つけた様だ

 

ウィノ「あそこ!ユカとユイじゃない?」

 

 

ウィノが指射した場所は、カズマの妹のユカとユイが預けられている施設の屋上

 

そこに他の子供達と楽しそうに遊んでいる二人の姿だった

 

 

ウィノ「ねぇ!行って見せてあげようよ!」

 

カズマ「見せるって…ISを?」

 

ウィノ「違う!ISを纏ってるあたし達、きっとあの子達喜ぶよ」

 

カズマ「そうだな…」

 

 

二人はその施設の屋上へと降下していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軍の児童施設にて子供達と遊んでいるユカとユイ、ボール遊びでみんな盛り上がっている

 

ユカ「ユイー!行くよ!」

 

とユカがボールを投げたが、大暴投をしてしまい、ボールが屋上の2mのフェンスを越えてしまった

ユイ「あ!ボールおちちゃう!!」

 

ユイが叫んだと同時に高速で何かが横切ってボールをキャッチした

 

 

ユイ「わぁっ!?」

 

ユカ「ユイ!?大丈夫!?」

 

突然フェンス越しではあるが、目の前に高速で何かが飛んできた事に驚くのは当たり前、ユイは尻餅を着いた

 

 

 

 

「あー!!あれISだ!!」

 

「本当だ!!」

 

「かっこいいー!!」

 

 

他の子供達はボール持って屋上に降りたISを見て、まるでヒーローが現れたと同じ様にはしゃぎ出した

 

 

カズマ「ユイ」

 

ユイ「あ!にぃに!!」

 

ユカ「え!?お兄ちゃん!?」

 

カズマは頭部のバイザーを取り除き、素顔を見せた

 

ユカ「凄い!!お兄ちゃんIS乗れるんだ!!」

 

ユイ「にぃにすごい!!かっこいいー!!」

 

カズマ「そうか?ありがとな」

 

 

 

 

暫く子供達と戯れていると

 

ブライス「カズマ、ウィノ、子供達のサービスはここまでにして指定されたポイントに向かえ」

 

「「了解」」

 

 

二人は急上昇してブライスが指定されたとあるポイントへ到着した

 

 

そこは広いスタジアム状の建造物が建っており、観客席もあることから何かの競技場なのか…

 

 

ブライス「よし、着いたみたいだな」

 

 

ブライスから通信が入る

 

 

ウィノ「あの…ここで何を…?」

 

カズマ「ウィノ…ここはISバトルのアリーナだ…」

 

ウィノ「そうみたいだけど…それが何?」

 

カズマ「ここでやることは…一つしかない」

 

突然アリーナのピットからやたらとごつい黒いフレームのΔ-ラインが現れた

 

ブライス「そうだ、今から俺と模擬戦をしてもらうぞ」

 

ウィノ「模擬戦…ですか!?」

 

ブライス「ああ、お前達の実力…俺に見せてみろ!!」

 

 

そう言ってブライスは肩アーマーからマイクロミサイルを飛ばしてきた

 

ウィノ「ちょ!?いきなり!!」

 

驚くウィノは一歩も動けなかったが、カズマが両腰のホルスターからビームライフルショーティーを取り、六発のマイクロミサイルをすべて撃ち落とした

 

 

ブライス「ほう…」

 

ブライスは感心していた、初見で六発のミサイルをすべて撃ち落とす彼の技量に自然と笑みが零れていた

 

 

 

ウィノ「あ…ありがと…カズマ…」

 

カズマ「礼はいい、次が来る!散開!!」

 

ウィノ「OK!!」

 

二人は左右に散開し、挟み撃ちを仕掛けた

 

 

ウィノ「これで!」

 

ウィノはショートビームライフルを展開して撃った

 

ショートビームライフルは通常のライフルより銃身が短めで、連射性能が高い

 

しかし威力は通常より弱く、ビーム収束率が弱い為、射程が短い

 

それでも弾幕を張ることが出来る

 

ブライス「ふ…狙いが甘い!」

 

ウィノは元々射撃が苦手で、ショートビームライフルの光線は全く当たらない

 

ウィノ「ああもう!当たってよ!!…ってあれ?」

 

何発か撃っていたら突然ビームが出なくなった

 

ウィノ「嘘っ!?弾切れ!?」

 

どうやらエネルギーが尽きた様でライフルのエネルギーパックの残量が0の表示が出ていた

 

無闇やたらと撃ち続け、残弾数を確認しなかったのだろう

 

ブライス「バカモン!!何弾切れしてんだ!!」

 

 

ブライスは脚部ロケットランチャーを放とうとしたが

 

カズマ「そこだっ!!」

 

ブライス「む!?」

 

ブライスの後方からカズマのビームバスターガンソードをソードモードにして吶喊し、大上段から降り下ろそうとした

 

ブライス「隙あり!!」

 

カズマ「がっ!?」

 

 

ブライスは一瞬でカズマの懐に入り、近接武器のコンバットナイフでがら空きの胴体を切り裂いた

 

カズマ「今のは…」

 

ブライス「イグニッションブースト(瞬間加速)ってもんだ…」

 

イグニッションブーストは一瞬でトップスピードに到達し、間合いを詰める、若しくは離す、そして回避するなど用途が沢山あるテクニックである

 

カズマ「だけど俺も!」

 

カズマもイグニッションブーストでブライスとの間合いを詰めるが

 

ブライス「ふっ…まだまだひよっ子だな…む!?」

 

ウィノ「あたしを忘れないでよね!!」

 

ウィノも両腕部ビームブレイドを展開し、イグニッションブーストでブライスに斬りかかった

 

ウィノの方が早く、先にブライスに接近した

 

ウィノ「はあぁっ!!」

 

そのままクロスに切り払う……筈だった…

 

 

ウィノ「そ…そんな…」

 

ブライス「俺にシールドを使わせるとはな…やるじゃないか…」

 

ウィノのビームブレイドの一撃は、ブライスがインストールしたシールドで防いだ

 

 

カズマ「うおおおぉぉっ!!」

 

カズマもビームセイバーを抜刀し、横凪ぎに切り払った

 

ブライスはそれをイグニッションブーストの応用で回避した

 

カズマ「なっ!?がはっ!」

 

ウィノ「きゃあっ!」

 

両方がイグニッションブーストの影響でお互い正面衝突をしてしまった

 

カズマ「…っ…ごめん!大丈夫か!?」

 

ウィノ「いたた…大丈夫よ……ブライス隊長は?」

 

 

ブライス「何処を見てる?」

 

「「上っ!?」」

 

二人がそう叫ぶと同時にブライスはバズーカを装備し

 

ブライス「チェックメイトだ」

 

 

三発連続で放った

 

放たれた弾道は一直線に二人の下へ向かっていたが

 

カズマ「そんな攻撃!」

 

カズマはまたビームライフルショーティーをホルスターから取出し、ロケット弾に向けて連射した

 

放たれたビームは確実にロケット弾を撃ち抜き、すべて爆発させた

 

ブライス「また撃ち落としたか…と言うより、俺のバズーカが散弾だって事知ってるのか?」

 

ブライスが先程放ったバズーカは、発射されてから一定以上進むと、広範囲に弾を発射する散弾をロケット弾に内蔵している

 

カズマはそれを見抜いていたのかどうなのかは知らないが、撃ち落とした位置がもう少し手前だったら散弾が発射され、二人のシールドエネルギーは0になっていたのだろう

 

 

 

 

模擬戦が開始されてからブライスはまだ一撃も食らっていないのである

ブライスのΔ-ラインはヘビーアーマーと呼ばれる超重装甲の形態である

 

全身にミサイルを積んでおり、重量のあるバズーカや重火器を装備している

 

それ故機体の重量は重く、鈍重と思われるが、ブライスの操縦センスの良さの影響かその鈍重さを全く感じない

 

そして今現在の三人のシールドエネルギーは

 

カズマ 320/630

 

ウィノ 215/520

 

ブライス 780/780

 

まだブライスは無傷である

 

 

カズマ「こうなったら…」

 

ウィノ「せめて一撃は…」

 

「「お見舞いしてやる!!」」

 

今度は同時にブライスへと向かって行った

 

ブライス「今度は同時か」

 

ウィノ「高速格闘モード起動!!」

 

 

ウィノはΔ-ライン・ライトアーマーのモードの一つ、高速格闘モードを起動させた

 

肩アーマーにバーニアが増設され、また脚部にも大型バーニアが増設された

 

これによってイグニッションブースト並みの速度で連続攻撃が出来るのである

 

ウィノ「もらったぁぁああっ!!」

 

高速格闘モードによって直ぐにトップスピードになったウィノはビームブレイドを展開した

 

ブライス「直線的すぎる!!」

 

 

ブライスは再びバズーカを放った

 

バズーカはウィノに着弾し、爆発したが…その爆煙の中からウィノが飛び出してきた

 

 

ブライス「な、何!?」

 

ウィノは前方に構えたビームブレイドを回転させていたのだ

 

凄まじい回転数のビームブレイドは、一種のシールドの様な役割をして、ブライスのバズーカから身を護ったのだ

 

ウィノ「いっけぇぇえええっ!!」

 

回転したままのブレイドをブライスにそのままぶつけ、彼のシールドエネルギーに初めてダメージを与えた

 

ブライス「ぬうっ…俺に傷を着けるとは……!?高熱源反応?」

 

ブライスはナビゲーションに高熱源反応が確認され、それが誰なのかを探った

 

そしてブライスはその高熱源反応の元を見つけた

 

それはビームバスターガンソードをバスターガンモードにして発射体制のカズマだった

 

 

 

 

カズマ「エネルギー充電完了」

 

 

 

 

 

ブライス「ほう、あれを使うのか…」

 

 

マードック『ブライス!!避けろ!!』

 

ブライス「ん?どうしたマードック?」

 

とここで慌てた様子のマードックから通信が入った

 

マードック『俺とした事が…あのビームバスターガンソードのエネルギー調整を忘れた…』

 

 

ブライス「………何!?」

 

マードック『良いか!?直撃は避けろ!絶対にだ!当たったらアウトだからな!!』

 

ブライス「お、おいマードック!…ってまずい!!」

 

カズマ「そこだぁあああああっ!!」

 

ビームバスターガンソードの銃口から超極太のビームが発射された

 

 

ブライス「うおおおおああああああっ!!」

 

ブライスはイグニッションブーストで回避したが、超高エネルギーの余波で機体にダメージが増える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて極太のビームは消えて、撃ったままの体制で動かないカズマがいた

 

カズマ「はぁ…はぁ…なんだ?この威力は…?」

 

カズマは自分が撃ったバスターガンの威力に驚いて動けなかった…

 

そしてカズマはあるものを見て更に驚いた

 

それは先程のビームの射線上にあった山がなんと消滅していたのだった

 

この基地は四方を山で囲まれている土地で、その山も標高がかなり高い山である

 

その山が先程カズマ撃った極太ビームによってその形に無惨に消し飛ばされているのである

 

ウィノ「カズマ!大丈夫!?」

 

カズマ「…ウィノか…」

 

ウィノ「なんか…あれ…どうするの?」

 

 

ウィノは先程カズマが消し飛ばした山を指射した

 

ブライス「あれは仕方ない、全部調整を行わなかったマードックの責任としておこう」

 

 

ブライスがカズマ達の所まで来て言った

 

 

カズマ「そうですね…」

ウィノ「ですね…」

 

マードック『お前ら!!なに同意してんだァァァ!!』

 

 

ブライス「よし、模擬戦は終了だ…お前らは今日は休め、以上」

 

 

「「はっ!!」」

 

二人はISハンガーの所へ行きISを解除した

 

 

 

ブライス「マードック…」

 

マードック『ん?どうした?』

 

ブライス「俺は使っちまった…」

 

マードック『何を……まさか!?』

 

ブライス「ああ、単一能力(ワン・オフ・アビリティ)のΔ-ドライバをな」

 

ブライスの言ったΔ-ドライバはΔ-ラインの共通の単一能力である

 

発動すると機体の性能が2倍になり、反応速度、レーダー範囲、シールドエネルギー耐久強化等の性能アップが期待される能力である

 

しかし発動にはISとのシンクロ率が一定以上を越えないと出来ないのである

 

マードック『ブライスにΔ-ドライバを使わすとはな…だがそれがどうした?』

 

 

ブライス「カズマがあのビームを放った時に俺は発動したんだが……マードック、あれが直撃した場合Δ-ドライバを発動している俺のデルタだと後エネルギーがどれだけ残る?」

 

マードック『そうだな…Δ-ドライバの能力なら…ウィノが一撃与えてブライスのシールドエネルギーは650/780だったから…せいぜい310は残る筈だ…だが掠っただけだろ?』

 

ブライスは自分の残りシールドエネルギーを見て言った

 

ブライス「そのΔ-ドライバを発動して、ただ掠っただけで…650あったのが21しか無いってどういう事だ?」

 

マードック『な、なんだと!?』

 

マードックはモニターを見ていたが確かにブライスのシールドエネルギー残量がたったの21/780だった

 

マードック『まさか……カズマの奴』

 

 

ブライス「ああ…アイツも無意識だと思うが…撃つ瞬間にΔ-ドライバを発動したんだろう…無意識にな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このΔ-ラインの単一能力であるΔ-ドライバは、フルメタル・パニックのラムダ・ドライバよりヒントを貰いました

出来れば感想ほしいなぁ…

いえ、感想待ってます!!

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