インフィニット・ストラトスΔ(デルタ)   作:Empire

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今回はあのツインテール娘が参戦!




第十三話 中国からの来訪者

IS学園 校門

 

「ふーん…ここがIS学園ねぇ…」

 

校門に一人の少女が仁王立ちしていた

 

どうやら転校生の様だ

 

小柄な体格は幼い雰囲気を漂わせるツインテールの髪形であった

 

制服は肩が露出している改造制服であった

 

少女はまず手続きをする為に学校の事務所に行こうとしたのだが…

 

 

「…えっと…受付……ああもう!わっかんないわね!!」

 

学校自体が複雑な配置な為、彼女が目指している学校の受付がわからなくて、迷子状態である

 

「…おい、こんな所で何してる?」

 

 

と不意に後ろから男の声が聞こえた

 

少女は後ろに振り向くと、黒い制服を来たカズマが立っていた

 

「ちょうど良い所に!ねえ、学校の受付って何処?」

 

 

カズマ「……」

 

カズマは呆れていた…何故なら二人がいる所は

 

 

カズマ「受付は反対側だぞ…」

 

受付とは対角線で反対の位置、生徒寮なのである

 

 

 

それからカズマは少女を受付まで案内し始めた

 

 

 

「あんたその制服…アメリカのデルタ・フォース?」

 

カズマ「そうだが?」

 

「何であたし達と同じ制服じゃないのよ」

 

一般的にIS学園の制服は白なのだが、カズマ達デルタ・フォースは軍服である黒い制服を着ているのである

 

カズマ「俺達が軍属であることを知らせる為、それにこの制服はそのままISスーツになるから」

 

「ISスーツって…あんたそんなコート着て!?」

 

彼の制服はコートの丈が膝元まであるので、かなり邪魔な印象を与えるだろう

 

カズマ「悪いか?」

 

 

「いや…ただ邪魔じゃないの?」

 

カズマ「そんな事はない、むしろ動き易い……着いたぞ」

 

 

二人は学園の受付に辿り着いた

 

 

「ありがとね、案内してもらって…あたしは鳳 鈴音、あんたは?」

 

カズマ「カズマ・アーディガン」

 

鈴音「もしかしてハーフ?」

 

カズマ「ああ、アイルランドと日本のな」

 

鈴音「そうなんだ、じゃあね!」

 

 

そう言って鈴音は受付に向かって走っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一アリーナ

 

 

千冬「では、ISを展開しろ」

 

一時間目、ISの動きを見る為にデルタ・フォースの面々と、春香、そしてセシリアが生徒全員の前に並んでいた

 

そして千冬の指示と共にデルタ・フォース全員はすぐにΔ-ライン纏い、セシリアも流石代表候補生、早かった

 

一方の春香は

 

春香「あ…あれ…?」

 

何やらあたふたしている様子

 

千冬「どうした?早くしろ!」

 

春香「は、はい!来て!白式!!」

 

ISの名前を呼んで漸く纏った春香、ISの展開速度はその搭乗車の技量に比例する、まだまだ未熟である

 

千冬「よし、その場から急上昇しろ!」

 

デルタ・フォースの面々とセシリアはその場からすぐに急上昇した

 

春香「すっご…よし、あたしも……ってうわあっ!?」

 

春香もその場から急上昇しようとしたが、まだ操作が覚束無いのか機体に振り回されてフラフラとしながら上昇した

 

千冬「何してる春香!白式のスピードはΔ-ラインはともかくブルー・ティアーズより速い筈だ!」

 

千冬が檄を飛ばす

 

春香「そ、そんな事言われても……えっと『前方に角錐を展開させるイメージ』…」

 

 

エミリア「春香さん、イメージと言う物は自分で模索する物です」

 

エミリアが春香と同じスピードに合わせて、アドバイスをした

 

セシリア「そうですわ、他人のイメージを聞いても参考になりませんですから、自分でやり易いイメージを見つけてくださいまし」

 

セシリアも速度を合わせて春香にアドバイスした

 

彼女もかなりの知識を持っており、春香の特訓に付き合っている

 

またカズマから中距離射撃型に対するレクチャーを受けているのである

 

 

先頭を飛ぶカズマ、ウィノ、一夏の三人は

 

ウィノ「ねぇ一夏、あの幼馴染みなんだけど…」

 

カズマ「幼馴染み…篠ノ之の事か?」

 

一夏「それがどうした?」

 

ウィノ「なるべくエミリアと一緒にいてあげて、あの女、一夏以外何も見えていないし…」

 

三人が話していたのは一夏の幼馴染み、篠ノ之箒である

 

彼女は以前エミリアに酷い暴言を吐いて、無様に負けたのだが、ウィノ曰く、今度は何を仕掛けてくるのかわからないのである

 

一夏「そうだな…あいつのしつこさは粘着テープ並みにしつこいからなぁ…」

 

 

 

春香「漸く追い付いた!」

 

とここで春香、エミリア、セシリアの三人がカズマ達に追い付いた

 

 

 

エミリア「春香さん、その調子です、後はそのイメージを忘れないようにしてくださいね」

 

セシリア「飲み込みが早いですわ、正直驚きましてよ」

 

といきなり

 

 

 

 

 

箒『一夏ッ!そこで何している!!さっさと降りてこい!!』

 

 

真耶「し、篠ノ之さん!インカム返してくださ~い…」

 

箒が山田先生のインカム奪い取って一夏に怒鳴ったのである

 

千冬はそれを見かねて箒の頭に鉄拳制裁、特大のたんこぶが出来上がった

 

千冬「教師の物を奪うな!それと勝手に指示を出すな!」

 

 

千冬の怒号が箒に飛んだ

 

 

 

 

 

セシリア「何を…しているんですの?」

ウィノ「あいつ…バカなの?」

エミリア「後先考えないですのね…」

春香「箒…もう見てらんない…」

カズマ「一夏…よくあいつと幼馴染みやってこれたな」

一夏「自分でも驚いてるよ…」

 

 

六人それぞれ感想を言って、呆れていた

 

 

 

千冬「お前達、急降下と停止をやってみろ、目標は地上10cm」

 

「「「了解!」」」

 

 

セシリア「では、お先に」

 

セシリアが急降下して地上ギリギリで体制を変えて、急停止した、生徒達から歓声が聴こえた 因みにセシリアは地上から12cm

 

次にデルタ・フォースの四人が行った

 

全員成功し、カズマは文句無しの10cm、ウィノは7cm、一夏は11cm、エミリアは9cmであった

 

 

千冬「うむ、流石代表候補生とデルタ・フォースだな」

 

と褒め称えた

 

 

春香「…ぁぁぁぁあああああああああ!!」

 

 

ドゴーーーーーーーン!!

 

いきなり春香の悲鳴と大きな音が聞こえ、振り向いて見ると、大きなクレーターが出来ていた

 

カズマ「おーい、隕石落ちたぞ!」

 

一夏「違うだろォォォッ!あれ俺の妹ォォォッ!」

 

ボケたカズマに突っ込む一夏、直ぐ様クレーターの中を覗いた

 

春香「いたた…」

 

その中央で目を回している春香を発見、ISの絶対防御の影響で怪我はない

 

エミリア「春香さん!大丈夫ですか!?」

 

春香「うぎゅぅ…し、死ぬかと思った…」

 

ウィノ「もう…地面に向かって突撃してどうするのよ?」

 

春香「ブレーキのイメージ考えるの忘れた…」

 

春香はゆっくり立ち上がり、一夏の下へ行った

 

 

千冬「全く…お前は何をやりたいんだ?春香」

 

春香「あはは…面目無いです…」

 

 

千冬「まあいい…あのクレーターは篠ノ之、お前が埋めておけ」

 

箒「なっ!?どうしてです!!」

 

千冬「お前は授業の邪魔をした、よって罰だ」

 

箒「そんな…私は…」

 

千冬「口答えするな…やれ」

 

 

千冬の威圧で箒の抵抗を退けた、箒は春香が開けたクレーターを埋める作業を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして休み時間

 

 

 

カズマ達が教室の生徒達と楽しく話し合っていた時、こんな話題が出てきた

 

「あ、ねぇ!二組に転校生来るらしいよ」

 

一緒に話していたのは相川清香(あいかわきよか)、鷹月静寐(たかつきしずね)、布仏本音(のほとけほんね)と話している際、清香からこの話題が出たのだ

 

 

 

静寐「へぇ…二組に?」

 

本音「一体どんな人なんだろ~ね~」

 

カズマ「この時期にか?」

 

ウィノ「ねぇ、どんな転校生なの?清香」

 

清香「うーん中国から来たって言う事しかわからないなぁ…」

 

カズマ「中国…」

 

一夏「中国か…あいつ元気にしてるかなぁ…」

 

一夏は突然物思いに耽った

 

エミリア「中国にお知り合いがいるのですか?一夏様」

 

春香「そうだね…もう二年も経つんだね…」

 

春香も一夏同様物思いに耽った

 

一夏「ん?気になるのか?」

 

春香「え?ちょっと気になるかなーなんて」

 

 

セシリアが春香の肩に手を乗せて

 

 

セシリア「春香さん、他人は後ですわ!先ずはご自身の事を優先してくださいな」

 

エミリア「そうです、春香さんにはクラス代表戦で頑張って貰わないと」

 

春香「エミリア、セシリア…」

 

清香「あたし達も応援するよ!」

 

静寐「頑張ってね春香!」

 

本音「はるるん~ファイトー!」

 

はるるんとは本音が着けた春香のあだ名、本音は他人をあだ名で呼ぶのである

 

デルタ・フォースのメンバーは

 

カズマ カズくん

ウィノ ウィノのん

一夏 おりむー

エミリア エミりん

 

と呼ぶのである

 

春香「よーし!専用機持ってるのは一組と四組だけだって言うし、あたしが一番とって、絶対デザートフリーパス券頂くよ!」

 

と春香が気合いを入れると

 

 

 

「その情報…古いよ」

 

 

「「「!?」」」

 

 

教室の入口にツインテールの小柄な少女が仁王立ちしていた

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったのよ」

 

 

一夏はその少女を見て

 

一夏「お前…鈴か?」

 

カズマ「鳳 鈴音…」

 

そう彼女は今朝カズマが案内した転校生、鳳 鈴音だったのだ

 

鈴音「そうよ今日は宣戦布告に…」

 

春香「鈴ちゃああああああああん!!」

 

春香は真っ先に鈴に飛び付いた

 

鈴音「ちょ!?春ちゃん!?何でここに!?」

 

鈴音は春香にハグされながらも

 

春香「あたし?一組のクラス代表だもん」

 

鈴音「へ?」

 

あまりにも突拍子な事を言う春香に思考回路がフリーズした鈴

 

鈴音「何!?春ちゃんがクラス代表なの!?」

 

一夏「そうだぜ、春香が一組のクラス代表だ」

 

そう言って春香の後ろから一夏が現れた

 

鈴音「一夏…久しぶりだね…」

 

一夏「ああ…久しぶ……って鈴!!後ろ!!」

 

一夏は何かを見つけ、鈴に注意した

 

が時すでに遅く

 

ドゴッ

 

鈴音「いったっ!?何するのよ!…っておわっ!?」

 

そこには一組の鬼教官、地獄の閻魔も裸足で逃げると言われている織斑千冬、降臨である…ぶへらっ!?

 

千冬「黙れ作者…」

 

失礼しました…

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

千冬「邪魔だ、そこを退け」

 

鈴音「ち…千冬…さん…」

 

先程の威勢は何処へやら、完全に蛇に睨まれた蛙である

 

千冬「学校では織斑先生と呼べ…早く自分の教室に戻れ」

 

鈴音「は、はい!またね一夏、春ちゃん!」

 

 

 

そうして授業が開始された

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼休み 食堂

 

昼食を取りに食堂に向かったら既に鈴が待ち伏せており、一夏と春香と鈴で一つのテーブルに、他は隣のテーブルに座った

 

 

鈴音「一夏…よかった…一夏行方不明ってなって…それに死んだって報道されて…あたし…」

 

一夏「おいおい泣くなよ…俺は元気だぜ……それと…鈴…お前に謝らないとな……」

 

鈴音「ん?何を…」

 

一夏は隣のテーブルに座っていたエミリアを呼び出した

 

鈴音「その娘…もしかして!?」

 

一夏「ああ…俺とエミリアは…付き合ってる……悪いな…鈴…」

 

鈴音は少し俯いたが

 

鈴音「そっか…一夏…好きな人出来たんだね……じゃあ…今からちょっといい?」

 

鈴音は一夏に向き直って

 

鈴音「あたし…一夏が好き!だから…あたしと付き合ってください!」

 

といきなり告白したのだ…

 

しかしこれは普通の告白ではない…何かを吹っ切れさせる様な感じである

 

 

一夏「ごめんな…鈴…気持ちは本当に嬉しいよ…でも俺は鈴の事も好きだから…友達としてで…良いかな」

 

と一夏は言った

 

鈴音「はぁ…よし、吹っ切れたわ…ありがとね一夏、我が儘聞いてくれて…それと、エミリア…だっけ?」

 

エミリア「あ、はい…」

 

鈴はエミリアを指差して

 

鈴音「一夏の事、頼んだわよ!二人で幸せになってね」

 

エミリア「鈴さん…ありがとうございます!」

 

 

 

 

そんな様子を離れて見ていたカズマ達は

 

ウィノ「あの鈴って娘…一夏の事好きだったのね…」

 

清香「なんか…泣けるわぁ…」

 

静寐「あたしも…なんか昼ドラみたい…」

 

カズマ「よく吹っ切れたな…あの鈴って奴は…」

 

鈴は一夏の事が好きだった様で、ずっとその思いを胸に秘めていた

 

しかしカズマが感心したのは一夏に他の彼女がいると言われても、自分が好きだった事を伝えて、潔く手を引いたのである

 

 

この潔さにカズマ好感持った

 

カズマ「何処かの頑固女とは違うな…」

 

ウィノ「ああ…箒ね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃千冬にアリーナに出来たクレーターを埋め終えた箒はぐったりとしていた

 

箒「くっ…なぜどいつもこいつも私と一夏の仲を邪魔するのだ!」

 

箒は一夏と一緒にいれない事に苛ついているのだろう

 

箒「くっ…エミリア・リィンフォース…貴様を必ず…!」

 

 

この時箒の顔は不気味な笑みに歪んでいた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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