─── 事件同日 深夜
私はある人を追っていた。
そのために、第7学区全体にある能力の包囲網を敷く。
私から逃げ切れると思うのはそもそも間違いだよ。
「見ーっけ!」
私はそのまま座標を計算し、転移する。
「いい加減に私を避けても無駄って分からないかなぁ?」
私は転移によって先回りして、その男の正面に立つ。
深夜の街を歩き回るには少し不自然な格好の私と、どこからどう見ても不良にしか見えない彼が相対する。
「あァ?ッせェんだよォ・・・。別に俺がどォしよォが、テメェには関係の無ェ話じゃねェか?」
彼の名は《
明らかに本名では無いけれど、この際気にしない。
「私は別にどうでもいいんだけど、上がうるさくてね。」
「統括理事会の野郎共か・・・・。チッ・・!胸糞悪ィ・・・・。」
「私もあの人たちは好きじゃないけどね。あ、そういえば今日から私も君達の仲間入りだから。」
「あァ?ハンッ・・・。どォだかな・・。テメェは掴みどころがなさすぎてよォ・・信用していいのかどォかわかんねェんだよ。っつーかよォ、こんな無駄話しに接触してきたわけじゃねぇだろ?」
あ、いけない。
私としたことが。
「えっと・・。第一位?」
「その呼び方は好きじゃねぇんだがな・・・。」
そんなもん知ったこっちゃ無い。
「
「テメェ・・・。」
「まぁ、別に実験を止めようとか言うんじゃないけどさ・・・。」
「じゃあ何だってんだァ?」
一際強く言い放つ。
「私の友達に手を出したら、あなたも狩の対象だからね?」
「ほォ・・・。言うじゃねェか。テメェの能力は
そう。
ここまで彼を追って来た私の能力は超広感知。
軽く学園都市の3つの学区をあわせた程度の広さを網羅する感知系能力。
これもAIM拡散力場を元に感知するから、某AIM追跡者と原理的には大差ない能力といえようか。
彼の言っている事は、彼
だがそれは同時にその考えではあくまで
私
「私の
「あァん?どォ言うことだ?」
「おっと。私としたことが、サービスしすぎたかな?」
「おい。」
「まぁ、後は自分で考えてね。私は君の様子を見に来ただけだから、これで失礼するよ。」
「おい!待ちやが・・!」
私は即座に走り出し、角を曲がった瞬間に長距離転移で自室に戻った。