───── 学園都市内 某所
例の事件の翌日、私はとある場所にいた。
「こんな閉鎖的なビルでよく平気ですね。アレイスター・クロウリー。」
かつてクロウリーと呼ばれた一人の人間は、とあるビルの中で謎の液体に上下逆さで浮いていた。
「ほう・・・。どこでその名を知ったのかね?」
「どこからでしょうね。」
「いい加減に僕が気付かないとでも思ったのかい?イギリス清教第零聖堂区所属の聖人、小鳥遊柚姫くん?何故君のような才能のあるものが魔術結社に所属しているのか僕にはさっぱりだね。確か魔法名は・・・。」
クロウリー・・。
食えない奴・・・。
ちなみに私の魔法名は『最古の魔導は我が内に《Magia808》』。
「話を戻してください。」
「そうだね。さて。それで今日は何の用かな?」
「呼びつけたのは貴方の方でしょう?」
「そうだったね。」
ほら言わんこっちゃない。
こんな閉鎖的な場所にいるからボケちゃったんだよきっと。
「・・・・何か言ったかな?」
「なんでもないですよ。」
「そうかい。実は君に頼みたいことがあってね。」
「貴方が私に頼みごとですか?また、嫌な予感しかしないんですけど。」
この人が私に何かを頼むときにそれが碌な事だった記憶がない。
「またとはなんだね。まぁ、少なくとも前回のよりは難易度は低いと思うのだがね。」
「比べる対象が間違ってませんか?」
前回は、たった一人で灼銅教会を殲滅して来いという、無茶振りであった。
ちなみに灼銅教会は、総勢三千人に及ぶ中規模魔術結社で、術式はローマ聖教式。
集団術式が多いタイプだった。
ちなみに、そのときは
「・・・で、頼みってなんですか?」
「君の所有する魔導書を少し貸してもらえないかと思ってね。」
「お断りします。」
「やれやれ、つれないな。参考までに理由を聞かせて欲しいな。」
「あなたに貸すと碌な事がなさそうだからですよ、クロウリー。」
だってこの人、前違う人から原典借りて、小さい街一つ消したからね。
どんな使い方をしたのかはともかく、絶対に碌な事にはならない。
「あれのことかい?あれは事故だよ。」
だからだよ。
そんな街が消し飛ぶような事故を起こされたら溜まったもんじゃない。
「なんと言おうと貸しませんよ。恐らくあなたが借りたいのは
「よく分かったね。しかし残念だ。では、本題に移るとしよう。」
本題じゃなかったんだ・・・。
「君には、上条当麻ならびに禁書目録の観察をお願いしたい。」
「それぞれの人物は把握しています。ですが、あなたの心中は察しかねますね。何故私に二人の監視を?」
「それは君が
「・・・なるほど。確かに理に適っています。いいでしょう。その依頼はお受けします。」
「そうかい。そう言ってくれると助かるよ。では、例のものはいつもどおりに。」
「はい。では、失礼します。」
──── 学園都市内 第七学区
そうだ。
みなさんは、
現存するLevel5に対し、
一部で通っている例では長点上機に在学中の『
まぁ、それは幻想を殺す右手を持ったとある少年とクローンの母体の手により止められてしまったが。
で、何故私がこんな話をするのかというと、彼の実験よりも秘密裏に
ちなみに結果は成功。
だから私の能力は本来、『
まぁ、絶対能力者が存在するという事実だけでも知られたら『はいアウトー』な状況なのに、それを二つ
あ、ちなみに後者のほうは
だって、結社から情報が流れる前に、その本拠地を
あれは悲しい事故だった。
まぁ、それはさておき。
皆都市伝説好きだなぁ・・・。