転生世界の多重能力   作:稀猫

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友達

 

柚姫こと私は、学園都市内のとあるファミレスにきています。

 

「あ~・・。あなたが白井さん?」

 

「そうですの。(わたくし)は白井黒子。あなたと同じ常盤台中学の一年生で、風紀委員(ジャッジメント)第177支部に勤めていますの。ちなみに能力は空間移動(テレポート)で、Level4ですわ。」

 

詳しい自己紹介をありがとう。

それにしても空間移動(テレポート)ねぇ・・・。

私の空間跳躍(エリアジャンプ)は空間移動の上位互換だからかな~。

すごく親近感を感じる。

 

「どうも。(わたし)小鳥遊(たかなし)柚姫。能力は攻性物質(デッドマテリアル)、Level5です。よろしく?」

 

「Level5!?」

 

おっと・・・。

白井さん声が大きいです。

 

「今日、Level5認定を受けたので。・・・序列は恐らく8位になるかと。」

 

「それでも十分すごいことですの・・・。」

 

白井さんはため息をついた。

 

「えっと、白井さん?」

 

「なんですの?」

 

「美琴から聞いたんだけど、今日は他校の子が一緒なんですよね?」

 

そこに美琴が便乗してきた。

 

「そうよ!黒子!」

 

「それは・・・・」

 

 

 

 

 

「私のファン~?」

 

美琴が驚いてるよ。

珍しい光景でもないけど、改めて美琴のファンが多いんだなぁと実感する。

 

「風紀委員の177支部で私のバックアップを担当してくれている子ですの。一度でいいからお会いしたいと、ことあるごとに。」

 

「はぁ~・・・。」

 

美琴・・・。

 

「ため息つくと、老けるよ?」

 

「煩いわね・・・。」

 

怒られました。

 

「お姉さまが常日頃からファンの子達の無礼な行いに閉口されているのは存じてますわ。けれど、初春は分別をわきまえた大人しい子。それに何より、私が認めた数少ない友人。ここは黒子に免じてひとつ。」

 

おお・・・。

初春さんとやら・・・。

べた褒めされてますね~。

そんなに羨ましくはないけど。

 

それにしても、初春さんか~・・・。

絶対のほほんとしているイメージだなぁ・・・名前的に。

それに他校の子ね~。

私常盤台入ってから、近所の人たちとのちょっとした人付き合いしかしてないしなぁ。

あ、もちろん学校では適度にお嬢様やってますよぉだ。

 

・・・・。

そんなこと考えてる間にどんな状況これ・・・?

目の前で、美琴の太ももの上に白井さんが乗っかって、美琴の首に手をまわしてるんだけど・・・。

 

 

・・・・つい、本気で引いた目を向けてしまう。

 

 

「あ、ちょっと待って!?ひかないで!?」

 

あ、店員さん出動。

なのに、白井さんまだ気付いてないんだ・・。

外でもすっごい顔でこっち見てる子が二人いるけど・・・・。

 

「お客様・・?」

 

「へっ?」

 

美琴挙動不審すぎ。

 

「他のお客様の迷惑となりますので・・・。」

 

「そりゃそうだろうね。」

 

「柚姫もそう思ってたの!?」

 

「え・・?」

 

「なんで『当たり前じゃない』みたいな顔してるの!?気付いたなら言ってくれてもいいじゃない!」

 

「ふ、二人の甘い時間を邪魔しないほうがいいかなぁと・・・。」

 

あ、今私絶対顔引きつってる。

そんな気がする。

 

そんな会話をしている間にもまだくっついてる白井さんに美琴、怒りの一撃(拳)。

あれは絶対痛い・・・。

 

 

外に出ました。

あ、窓の外ですごい顔をしていた二人はどうやら白井さんの知り合いだったようだ。

 

ぶたれた場所はまだ痛いんだろうな・・・。

だってずっと摩ってるんだもん・・・。

 

「というわけで、とりあえずご紹介しますわ。」

 

何がというわけなんだか私にはさっぱり分かりません・・・。

誰も突っ込まないところを見ると突っ込んではいけないところなんでしょう・・・。

 

「こちら、柵川中学一年、初春飾利さんですの。」

 

「はっ、はじめまして!初春飾利・・です。」

 

もじもじしてる初春さん可愛いね!

って言うかイメージどおり過ぎる・・・。

 

「それから・・・。」

 

「どーも、初春のクラスメイトの佐天涙子でーす。なんだか知らないけど、ついてきちゃいましたー。ちなみに能力値はLevel0でーす。」

 

おお・・・・。

なんて嫌味ったらしい言い方・・・。

私にはとても真似できない・・・。

 

「あぁ!?さ、ささっさ、佐天さん何を・・・!」

 

初春さん可愛いー。

 

「初春さんに、佐天さん。私は御坂美琴。よろしく。」

 

予想以上にさばさばした返答来たー・・・。

 

私に振られたら私はどうしたらいいの・・・。

 

「よ、よろしく・・・」「おねがいします。」

 

二人も困ってる・・・・。

美琴・・・。

なんてことを・・・。

 

「そしてこちらが・・・」

 

「私は美琴の友人?で、小鳥遊柚姫です。まぁ、言葉はそれなりに堅苦しいですけど、中身はそうでもないのでよろしくお願いしますね?」

 

ここで、近所の人たち公認。

悩殺☆柚ちゃんスマイル(という名の柔らかい微笑み)。

 

なんだろう・・・。

名前はあれなのに、一番お嬢様っぽい振る舞いがこの微笑の気がする・・・。

 

私の立ち位置っていったい・・・。

 

あ、また白井さんぶたれてる・・。

 

「ま、こんなところにいても仕方がないし、とりあえずゲーセン行こっか?」

 

「美琴・・・・・。」

 

半目で見るが軽く流されてしまった・・・。

 

「もう、お姉さまったら。ゲームとか立ち読みではなく、お花とかお琴とか、もっとご自身に相応しいご趣味をお持ちになれませんの?」

 

「それは私も少し思う。って言うか美琴ってバイオr・・ムグッ!!?」

 

なんで口押さえられたの!?

 

「バイオ・・?」

 

「あぁ気にしないで。」

 

言うなということですね、分かります。

 

 

 

その後私たち一行は美琴がゲコ太ストラップに惹かれたためクレープ店へ。

 

美琴ェ・・・・。

 

 

並ぶのが面倒だったので、先にはなれて、白井さん・初春さんと一緒にベンチを確保しに向かう。

少し探すと日陰のちょうどいい席を見つけた。

私たちの(私以外の)日ごろの行いがいいからかな。

 

ちょっとすると、美琴と佐天さんがクレープを持って戻ってきた。

私のは・・・バナナとチョコと・・・・イチゴジャム・・?

三つめ必要だったの・・・・かな?

まぁ、白井さんの納豆と生クリームよりはかなりましだと思うけど・・・。

 

意外とおいしいのがまたなんとも・・・。

 

「にしても・・・。」

 

なんでベンチ後方の銀行はこんな時間からシャッター下ろしてるのかな・・・。

 

 

ん?

 

「初春さんも気になりました?」

 

「ということは小鳥遊さんもですか?」

 

「うん。ちょっとおかしいですよね。」

 

 

そのとき・・・。

 

その銀行のシャッターが急激に歪みだし、内側から爆発した。

 

「発火能力者・・!?」

 

私と同じタイプの能力・・・。

Level3ってとこかな・・・。

 

力を持つものには力を持つだけの責任があるのに、あんな危険な使い方・・・。

 

 

 

あ、白井さん出撃。

そういえば風紀委員でしたねー。

さっきまでの変態的な行動見てたら忘れてました。

 

 

出てきたのは三人の男。

 

白井さんは掴みかかってきた男の一人ををすぐさま無力化。

 

 

ってちょっと!

白井さんがテレポートしたせいかもだけど、能力使ったねあの男。

って軌道が逸れてる・・・!?

そっちには子ども達が・・・!

 

「チッ!!」

 

私はすぐさま、空間跳躍(ジャンプ)

男が放った炎の射線に入る。

 

ここは・・・!

 

「同出力の炎で・・・!相殺ッ!」

 

劫火絢爛(ブラストフレア)を使用して打ち消す。

男の炎に私が放った炎が当たった瞬間、小規模爆発した後、凝縮。

それを握りつぶす。

私が行ったのは攻性物質(デッドマテリアル)による、形状操作。

少し火傷したけど、この程度なら問題ない。

 

 

 

・・・!

佐天さんは!?

 

「あぁ!何だテメェ!放せよ!?」

 

足を振り上げた・・・?

まさか・・!?

 

「(間に・・・合えッ!)」

 

再び空間跳躍(ジャンプ)

場所は佐天さんと男の間。

 

 

そして・・・・

 

 

佐天さんが蹴られる瞬間、私は間に合い、男の足を掴む。

 

「あんた・・・・。私の友達にそんなことして、ただで済むと思ってるの・・?」

 

「は?」

 

私は男を睨む。

男は動こうとしない。

否、動くことが出来ない。

 

私は足を掴んだまま手を思い切り内側に捻る。

 

ゴキンッ・・・骨の折れる感触が腕に伝わる。

 

「ギャァァァァァァアアアア!?足がぁぁぁぁぁああ!!!」

 

男は逃げようとする。

 

「ッ・・!」

 

私は火傷が痛み咄嗟に手を放してしまった。

 

その隙に男は車に乗り込む・・・が。

 

走り出した途端に青色の閃光が車を貫き、宙を舞った。

 

「・・・・・・超電磁砲(レールガン)・・・。」

 

 

 

そして車は地面に突き刺さるようにして停止。

事件は終結した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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