仮面ライダーW外伝ーWな探偵/スクールアイドル護衛日誌 作:じんばぁ
ラブW!
予感がただの予感じゃないと信じたくなる冬の午後、仕事がひと段落した俺はいつもと変わらずハードボイルドなひと時を過ごしていた…
おっと、自己紹介がまだだったな…俺の名前は左翔太郎。ここ鳴海探偵事務所で日夜この街…風都の悩める子羊たちに救いの手を差し伸べるハードボイルドな探偵さ…
フィリップ「翔太郎!聞いてくれ!君は知らないだろう…この味噌田楽という食べ物を!味噌田楽…実に興味深い…そうは思わないかい!?」
…こいつの名前はフィリップ。俺の相棒だ…こいつはこんなかんじで少し変わったところもあるがこの探偵事務所のブレインとして重要な働きをしていてとても信頼できるヤツだ。
亜樹子「翔太郎くん!またこんな領収書出してぇ!うちの経営は火の車なの!わかる!?屋台のたこ焼きなんて自腹で払いなさいっての!!」
翔太郎「だー!おい亜樹子ぉ!!…人がせっかくキメてるってのによぉ…」
亜「はぁ!?知らないわよ!そんな事ぉ!!」
…こいつの名前は鳴海亜樹子…俺の師匠でこの探偵事務所の設立者であるおやっさん…鳴海荘吉の娘で現鳴海探偵事務所のオーナーってことになっている…
翔「ったく…俺のハードボイルドなひと時が…」
亜「っていうか翔太郎くん…まさか忘れてない?」
翔「忘れる?俺が?何を?」
亜「はぁ〜…最っ低…」
翔「なんだよ急に…」
亜「今日はμ’sの娘たちに風都を案内するって言ってたでしょーがぁぁ!!!」
翔「ん?…あ。あぁぁぁ!!!?フィリップ!いま何時だ!?」
フ「今丁度13時になったところだよ」
翔「あ…危ねぇ…待ち合わせは13時半からだからまだ平気だな…」
亜「はぁ〜…女の子との約束忘れるって最低よ!ギルティやで!」
翔「く…言い返せねぇ…!」
1ヶ月ほど前、俺とフィリップは音ノ木坂μ’s襲撃事件(命名:左翔太郎)を解決した。その折に知り合い事件の後もちょくちょく連絡を取り合っていた俺たちと音ノ木坂のスクールアイドルμ’sだが…ある日μ’sのメンバーの1人、星空凛が風都に行ってみたいと言い出したのだった。まぁ俺も久々にμ’sの面々と顔を合わせたかったしこの前はサインを貰いそびれていたので二つ返事でその申し出を受けたのだった…
フ「翔太郎…君はどうせ二つ返事で申し出を受けたんだろう…」
翔「な!?そんなワケ!…なくねぇけど…」
亜「はぁぁ…ハーフボイルドの半人前な上に甲斐性なしとは…救いようがありませんなぁ〜…こりゃ」
翔「なんでお前にそこまで言われなきゃならねぇんだよ!っと…それじゃ行ってくるぜ、留守は頼んだぜフィリップ!」
フ「あぁ、任せたまえ」
亜「ちょっとー!なんで私には一言もないのよぉぉ!!ってもういない!?」
今日はμ’sのメンバーに風都を案内するということなので俺はハードボイルダーには乗らずに徒歩で待ち合わせ場所の大道勝己の事件以降ようやく復旧し賑わいを取り戻した風都タワー前へ向かう。
翔「おーい!済まねぇ!待ったか?」
凛「凛たちも今来たところ!」
花陽「こ…こんにちは!」
にこ「お久しぶり!にこ☆!」
μ’sは9人組のスクールアイドルグループでさすがに全員で風都に行くのはなにかと勝手が悪いということで今回風都にやってきたのは矢澤にこ、星空凛、小泉花陽の通称にこりんぱなの3人だ。俺的には東條希…のんたんにも来て欲しかったが…
凛「あー!しょーたろーまた希ちゃんのこと考えてたでしょー!顔にすぐ出るから丸わかりにゃ!」
翔「な!?そ…そんなに顔に出てたか…!?」
花「はい…残念ながら…」
に「ニヤニヤしてて危なかったわよ…」
翔「ぐ…そ…そうだお前ら!どっか行きたい所とかあるか?なければ俺が勝手に案内するけどよ…」
凛「うーんとね…凛は風麺の風都ラーメン食べたいにゃ!」
翔「そういえば風都に来た時はラーメン奢るって言ったな、俺。よし!じゃぁ早速腹ごしらえといくか!」
凛「おー!」
に「風都ラーメン?」
花「風都の名物ラーメンみたいだよ?」
に「へぇ〜…ま、凛が気にするってことは美味しいんでしょうね…」
早速俺たちは風麺へ向かった。
凛「んまいにゃーー!!」trtr
花「ごはんも!白くて!美味しいでふ!」ハフハフ
に「このおっきなナルトもかわいいわね!」
にこも凛も花陽も喜んでくれているようだ…風都の良さを知ってもらうってのもなかなか良いもんだな…っと、新しくお客が来たようだ
ウォッチャマン「おっちゃん!いつもの!…って翔ちゃん!」
ん?
翔「おぉ!ウォッチャマン!」
こいつの名はウォッチャm…
ウ「若い女の子を3人も侍らせて…まさか翔ちゃんがそんなことをする奴だとは思わなかったよ…!」
翔「ブホッ!?」
ウ「って…よく見たらこの娘たち…μ’sの娘たちに似てない!?」
花「えぇっと…」
に「似てるもなにも本人にこ☆」
ウ「な…あの人気スクールアイドルを…
左翔太郎!俺はお前を殴らなければならないっ!!」
翔「ちょ…ちょっと待t…どわぁぁぁ!!?」ドンガラガッシャーン
凛「え、誰?」
ウ「…申し訳ない!」ドゲサー
翔「忘れてたぜ…お前がμ’sの熱狂的なファンだってコトを…」
花「あの…翔太郎さん…この方は…?」
翔「ん?あぁ、こいつは通称ウォッチャマン、俺が贔屓にしてる情報屋だ」
花「はわぁぁ…!探偵さんに情報屋さん…なんだかすごいですっ…!」
ウ「花陽ちゃんマジ天使!!」
に「っていうか…本当に探偵してたのね…」
凛「ね」
翔「お前ら俺を何だと思ってたんだ!?」
翔「よし、腹も膨れたことだし…にこ、どっか行きたいところあるか?」
に「え〜?にこが決めていいのぉ〜?にこ迷っちゃ〜う☆」
翔凛「あ、そういうのいいんで」
に「なによその態度!?」
花「ふむふむ…ブレないアイドルキャラ!…やっぱりにこちゃんの振る舞いは参考になります…!」メモメモ
凛「え、かよちん…凛としょーたろーの反応見てた?」
にこは風都発祥のファッションブランドことWIND SCALEへ行きたいとのこと。流石にこだ、ファッションへの妥協がねぇ…まさにアイドルだな。
ーWIND SCALEー
に「やっぱり服はネットで買うのも良いけどやっぱり実際に買いに行かないとねぇ〜♪」
花「す…すごい…!おしゃれです…!!」
凛「ねぇねぇかよちん!このジャケットどう!?」
花「うん!とっても似合ってるよ?凛ちゃん!」
やはり女子高生でスクールアイドル、3人ともお洒落にはなかなか関心があるようだ。
に「う〜ん…ことりも連れてくるべきだったわね…ここなら新しい衣装のアイデアの参考になりそうなものもたくさんあるし…」
花「うん、次来るときはみんなで来ようね!」
に「そうね!」
凛「凛これ気に入ったにゃ!」
花「?それは…」
に「ハット?」
凛は黒地に赤黒チェックのリボンをあしらったハットをえらく気に入ったようだ…帽子が似合うのは一人前の証…が俺のポリシーであると同時におやっさんからの教えだがそれは男に限った場合の話だ。その証拠に今試しに帽子を被って見せている凛の姿は…この俺がその姿に釘付けになってしまう程様になっていた。半人前のくせに…。
凛「?しょーたろー?どうしたの?」
俺が凛に見惚れた?ないない、こいつは生意気でちんちくりんな猫娘だ。なんだか腹が立ってきた俺は凛にデコピンをしたのだった。
凛「にゃ!?いった〜い!なにするにゃ!?」
翔「帽子が似合うのは一人前だけだ」
凛「へへーん!残念でしたー!凛は来年アイドル研究部のリーダーになるんだもんね!!」
翔「そうだとしてもだ!お前はその…落ち着きはねぇし!すぐ突っ走るだろうが!」
に「翔太郎…それまんまブーメランなんだけど…?」
俺が落ち着きがなくてすぐ突っ走る?そんなこと有り得…なくもない…フィリップによく言われる…
翔「ぐ…とにかく!帽子はまだお前には早ぇ!」
凛「残念!もう買っちゃったにゃ!」
翔「ふぁ!?」
花「い…いつの間に…」
に「全然気づかなかったわ…」
翔「…あとは花陽の行きたいところだな…どっか行きたいところはあるか?やっぱりクイーンアンドエリザベスの所か?それともWIND WAVEか?」
花「あ…えっと…本当はそこも行きたいけど…花陽が1番行きたいのは…翔太郎さんとフィリップ君のお仕事をしている探偵事務所…です…」
翔「…鳴海探偵事務所??」
凛「おぉ!確かに行ってみたいにゃ!! 」
に「確かに…どんな感じなのか気になるっちゃなるわね…」
翔「はぁ…そういうもんなのか?別に大して面白いもんなんてねぇぞ?いいのか?」
花「はい!問題ありません!」
翔「そ…そうか…」
かくして俺とにこりんぱなの4人は鳴海探偵事務所に向かうこととなったのだった…
To be continued…
次回は必然的ににこりんぱなの職業見学になりますね、はい。