黒子のバスケ ー影と光を助けた太陽のキセキー   作:フリュード

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ど~も!お気に入りも100件を超えました!頑張っていきます!

因みにバスケ部所属のクラスは
1-A 相田
1-B 小金井・水戸部
1-C 伊月・日向
1-D (土田)
1-E 木吉・水島
です!

あとこの回は紛らわしい表現が入っていますが、腐ではありませんのであしからず。

何か不審な点がございましたら感想お願いします!それでは!




第7Q 小金井退部!?

ラン&ガン。誠凛高校のバスケットスタイルが決まった後の練習というのはすさまじいの一言に尽きた。

 

「ほら!もっと動きなさい!」

 

「ちがう!そこにいたらすぐに抜かれるだろうが!」

体育館から怒号が飛び交う。先ほども行ったように自分たちが目指すスタイルが決まったので今日から本格的に練習が始まった。

 

基礎練習・ディフェンスの練習・セットプレー・3ON3・・・聞くだけでは分からないが、数あるスポーツの中では一段と激しく、厳しいスポーツといわれるバスケの練習ほど厳しい練習は無い。

 

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

汗をかく部員の中、大量の汗をかいていた小金井はその厳しい練習についていけず、練習中しょっちゅう足が止まっていた。

 

 

「コガ!大丈夫か?」

水島は立ち止まっている小金井に気付き、声をかけた。厳しい練習で水島自身も自分の事でいっぱいいっぱいだが、チームメイトへの声掛けは忘れず、練習が始まってから特に小金井に対して声を掛けない事はしなかった。

 

「う、うん・・・大丈夫・・・」

 

「明らかに大丈夫じゃないぞ。ここで倒れてもあれだから休んでもいいぞ。」

 

「そ、そう・・・?それじゃちょっと休むわ・・・」

水島が心配して休んでもいいぞといったのに対し小金井はお言葉に甘えて体育館のすみっこに行き、休みがてらストレッチを始めた。

 

 

「大丈夫かコガ・・・」

 

「まだ初心者だ。休ませても大丈夫だろ。だが、ちときつい気もするがな・・・」

コガが休むのを見ると、水島と日向はコガについて話し始める。近くにいる水戸部も親友の姿に一抹の不安を抱いていたのか、少し心配そうな表情を見せていた。

 

「はっ!?『親、隅でお休み。』キタコレ!」

そんな中、伊月が汗を拭いながらお休みでダジャレをぶっこんで来た。

 

「伊月ダマレ。」

 

「流石にここで言うものじゃないと思うが・・・」

 

「ええっ!?」ガーン

2人の反応に伊月は少なからずショックを受けた。

 

 

「(バスケはあまりの厳しさに辞める人も少なくは無い。何も無ければいいが・・・)」

水島は休む小金井を見ながら、小金井がやめないか不安を抱いていた。

 

「(大丈夫かね・・・)」

リコも水島と同じ事を考え、心配と嫌な予感からか、額から汗が一粒流れていた。

 

さまざまな不安を抱えたまま、今日の練習が終わった・・・

 

 

 

 

 

「ふわぁ・・・・ったく、凄い眠いよ。それにすげー体が痛いわ。」

青を基調としたジャージ型の制服を着た水島は4時間目が終わり、移動教室だったので教室に戻るところだった。水島は欠伸をした後、肩を一回くるりと回しながらそう言った。

 

バスケ部が結成して4日。度重なる疲労とリコの鬼練習に体の節々が悲鳴をあげていた。とはいえこちらも結成したばかり。時間が無いのは皆分かっているのでこんな鬼練習が続いたりしてしまうのだ。

 

「はっはっは。まーいいんじゃねえか?」

そんな中、木吉は疲労など無いといわんばかりに水島に対して笑顔で言った。

 

「ふん、授業中何度も欠伸していたお前が言っても説得力なんてないわ。」

 

「おお~良く見てるなぁ?」

水島は授業中何度も欠伸をしていたのを見ていたため、それを木吉に言うと木吉はばれても笑顔を崩さずそう言い返した。

 

「はぁ~・・・ん?」

態度があまり変わらないのでため息を一つ突いた水島。すると前から少し疲れている表情の小金井を見つけた。

 

「ようコガ!元気か!」

 

「あ、うん・・・元気だよ・・・」

水島は小金井に声をかける。小金井も水島に気付いて挨拶を返した。だがその表情と声色から明らかに元気ではないのは見て取れた。

 

「そ、そうか・・・何かあったらいつでも相談してな!」

 

「うん・・・」

水島は笑顔でそう言ったら、小金井は変わらず疲れた声でそう言いその場を後にした。

 

「・・・・・」

 

「明らかに疲れた顔しているな。」

小金井が教室に戻るのを見届けると、水島は考えているのか無言の状態。木吉は小金井の表情を見てそう言った。

 

「そうだな・・・」

水島は少し寂しそうな表情でそう言った。

 

とはいえ昼休みの時間も時間が限られている。水島たちは自分たちの教室へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

すべての授業が終わり水島たちは練習着に着替えて、練習がいつ始まるのかストレッチなど入念に行いながら待っていた。

 

しかし、すぐにいつもと違う事に気付いた。

 

「あれ?小金井と水戸部は?」

木吉は2人がいないことに気付いて皆に聞いた。

 

「そうだな・・・確かにいないな。」

 

「カントクもいつもよりも遅いし・・・」

日向・伊月もそれに気付き、周りを見渡しながらそう言った。

 

「・・・ちょっと探してくるわ。」

 

「おねがいするわ。」

水島が嫌な予感が的中したんじゃないかと思い、2人を探すと言い靴を履き替えて探しに出かけた。日向は捜しに行く水島にそう言った。

 

 

「う~ん・・・どこに行った・・・ん?あれは・・・カントク?」

日向と分かれた後、2人を探していた水島。

 

体育館を出て、体育館の裏を見ようとした水島は物陰から隠れるように体育館の裏を見ているリコの姿を見つけた。

 

「・・・(トントン。)」

 

「うわっ!?・・・何だ水島君か・・・」

水島は後ろからリコの肩を叩いた。それに驚いたリコは声を出し、後ろをむいて叩いた相手が水島と気付くとホッと一息をついた。

 

「なにしているんだ?」

 

「うん・・・ちょっと・・」

水島が何をしているのか聞くとリコは言葉を濁す。するとリコはジェスチャーで見てみてと言う。水島は物陰から体育館裏を除くと、なにやら話し込んでいる小金井と水戸部がいた。

 

「何話しているんだあいつら・・・」

 

「小金井君辞めようとしているの・・・」

 

「えっ・・・」

水島は何を話しているのか気になっているとリコは俯きながらそう言った。水島はそれを聞いて驚いてリコの方を見た。

 

水島の予感が当たってしまった。

 

「でも多分水戸部君が説得しているんだと思うの・・・」

 

「まぁ、声出さないからな凛ちゃん・・・ならオレは見ているか・・」

水島はそう言い、水戸部と小金井を静かに見届け始めた。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

やめようとしている小金井を必死に説得している水戸部。

 

言葉は発さないが、小金井には水戸部が言っている事が良く分かった。

 

「うっ・・・そりゃ水島が居残りの時間に教えてくれたりしてくれるんだけど・・・」

小金井も冷や汗をかき、そう言い返す。

 

小金井は練習をするまでは水島に言われた事を軽く見ていた。

しかし、練習が本格的に始まるとその過酷さが身にしみて分かり、そして辞める事を決めてしまったのだ。

 

しかし、いざ考えると頭に浮かぶのは小金井に一生懸命指導してくれていろいろと助けてくれた水島の姿。

 

決して驕らず、笑顔で優しく指導してくれる水島が頭に浮かぶのだ。

 

「・・・・・」

水戸部も水島が悲しむぞ(小金井訳)と、声には出さないが目で訴えていた。水戸部自体も親友である小金井には辞めてほしくないのだ。その思いもこもっていた。

 

「うっ・・・わ、分かったよ!おれ、やるよ!」

小金井も水戸部の説得に負けて部に残る事を決めると、水戸部が珍しく笑顔になった。

 

「(練習は辛いけど、水島が一生懸命教えてくれている。それにも応えないと。)」

小金井は再度気持ちを引き締め、気持ちを切り替えたのである。

 

 

 

 

 

「良かったね~小金井君が残ってくれなきゃ、水戸部君が何言ってるか分からないもん。」

 

「おいおい・・・まぁオレは部に残ってくれて嬉しいな。」

2人の会話を聞いた水島とリコはそれぞれの思いを口にした。

 

「ばれるとまずいし、私たちは先に行きましょ!」

 

「だな。」

2人はそう言うと、小金井達が来る前に体育館へと戻っていった。

 

 

(頑張れよ。コガ!)

水島は心から小金井にエールを送ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「どこ行ってたんだ2人とも!」

 

「ごめん皆。遅くなっちゃった。」

 

「・・・・(コクリ)」

遅れてやってきた水戸部と小金井は日向に怒られたので2人は素直に謝った。

 

日向も「これからは遅れるなよ。」と、2人を許し練習の準備に入った。

 

 

「(よしっ!やるしかないっ!)」

小金井はバッシュの紐を確かめ、気合を入れて練習に臨んだ・・・

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

しかし、昨日の今日で急激に変わるわけでもなく、昨日と同じように途中でばててしまっていた。

 

「(けど、俺は決めたんだ!)」

しかし、昨日と違うのは諦めないという強い気持ちを持っている事である。

 

究極の根性論ではあるが、小金井は根性で耐え抜き見事最後までやりきる事が出来た。

 

 

 

 

「おえ・・・」

練習が終わると、小金井は死んだように仰向けで倒れてしまった。

 

「ごくろーさん。ナイスガッツだぜコガ!」

水島は最後までやりきった小金井に賞賛を送った。

 

「はは・・・やった。」

小金井は水島に対し、疲れてはいるがどこか満足した表情でそう言ったのであった。

 

 

こうして小さな危機を乗り切った誠凛高校はまたひとつチームとしての士気が上がったのである。


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