黒子のバスケ ー影と光を助けた太陽のキセキー 作:フリュード
「・・・なんか最近ずっと不機嫌だな日向。」
日向と同じクラスで、中学校からの友人である
木吉が日向と出会ってからというもの、木吉は執拗に日向をバスケ部に勧誘するようになった。因みに水島も木吉と同じクラスなので一緒についてきていた。
今日も勧誘しようと、木吉と水島は日向のクラスに入り日向の前の席に座った(因みに水島はこの前先輩に言われた一言が突き刺さったので下校してすぐ床屋に行き、髪をきったのでツーブロック気味のショートヘアになった。くだらない情報だが)。
「・・・当たり前だろ!毎日大男2人につきまとわれてみろ!ご機嫌な方がどうかしてるわ!」
伊月君の問いに日向は肘を付き、ジュースを飲みながら顔中に青筋を立てながら言い捨てた。確かに木吉は192cm、水島は185cmなので、176cmの日向からしたら大男に見えるのは仕方ないだろう。
「まぁそう言うなよ。バスケやろうぜ。」
「そーだぜ!」
「だからやんねっつの!」
水島と木吉はそう言うが、日向はいっこうに顔を縦に振ってくれない。
「オレは良いけど・・・」
「まじで!?やった!これで後1人だな!」
「だから俺を入れんな!」
すると、日向の前の席にいた伊月君がそれを聞いてバスケ部に入ると言ってくれた。木吉も嬉しそうにそう言った。ちゃっかり日向を部員にカウントしている。日向もそれに気付いたようで声を荒げてそう言った。
「伊月!」
「いいだろ。オレはやりたいんだから。」
日向が伊月に何の意図があるのかそう叫ぶが、伊月はそれに気付いたようでそう言い返した。
「勝手にしろ!けどオレはやんねーからな。」
・・・ガララ。バタン!
しかし、親友の伊月が入部しようとしても日向は意志が固いのかどうかは分からないがそう言い席から立ち上がり、教室を出て行った。伊月はその様子にため息を一つ付いた。
(・・・あの様子、逆に無理にバスケから離れようとしているようにしか見えないな・・・これも帝光中の影響なのか?)
日向の様子を見て水島は一人思考を張り巡らす。
(帝光と戦った木吉も負けて心をへし折られてバスケから離れようとしていた。しかし、中学校時代バスケ部だったと言っていたこの
水島は一人そう思っていた。
「・・・木吉君と水島君で良い?」
「鉄平で良いよ。」
「オレも悠太で良いよ。」
日向が出て行った後、伊月は肘をつきながら水島と木吉に対して苗字で呼んだが、それに対して2人は名前で良いよと言った。
「懲りないね。何でそんなに頑張るの?そもそもアンタら『鉄心』の木吉に帝光の『闘将』水島だろ?バスケがしたいなら強豪校から引く手あまたのはずだ・・・なんでこんな
「・・・いやぁ・・・その呼び方は苦手だな。てか学生につける呼び名じゃねーよ。」
伊月は2人を知っていたらしく、こちらを見ながらそう聞いてきた。木吉はそれに対し、『鉄心』の異名はあまり好きではないらしく苦笑しながらそう言った。
「別に理由なんてないさ・・・強いて言えば家が近かったからかな。」
「はぁ!?」
木吉の発言に伊月は目を丸くし、驚きながらそう言った。
「おれはじいちゃんとばあちゃんに育ててもらった。ただ2人とももうトシだし近い方が何かと都合が良いんだ。バスケは好きだけど部活だからな。楽しけれゃそれで良い。」
木吉は笑顔でそう言った。それに対し伊月は少し表情が曇る。
(・・・いや、逆にそう言える木吉が羨ましい。俺らは3年間必死だったからな・・・)
伊月の反応を見て水島は帝光での3年間を思い出した。
確かに伊月の言うとおり、水島は『闘将』と呼ばれていた。けどそれは中1までの話。それまでレギュラーだったのが、中2からは『キセキの世代』にポジションすら奪われてその異名すら消えてしまったがな・・・
(てかよく知っていたな。中1のときの月バスに載ってたくらいなのに・・・)
流石だなと水島は変なところで感心していた。
「勝つためにとことん練習して少しでも上手くなって・・・好きな事に没頭する。それが楽しむって事だろ。ましてや俺たちは学生だ。すべてをかけても足りないかもしれないぜ?なっ!水島!」
「えっ!?まぁそうだな。」
水島が一人思いにふけっていても、木吉と伊月の会話は続いていたようで最後オレに対してそう言ったので水島はあたふたしながらもそういうことが出来た。
「(・・・前言撤回、マジでいるんだなこーゆー奴。日向の
伊月は木吉の考えに感心し、次は水島に理由を聞いた。
「ん?オレは木吉みたいに理由はかっこよくないよ。ただオレのところに誘いが来なかっただけ。」
「はぁ?あんたが?」
伊月は驚き水島に対してそう聞いた。
「うん。
「けど、悠太君って1年の時帝光のレギュラーだったじゃないか!予選でも新人賞、その年の全中でもベスト5に選ばれてたし・・・」
目を伏せながらの水島の発言に伊月は理解できないのか水島のことを言いながらそう言った。
水島は2・3年こそ控えだったが、1年時は1年ながら正PGとして全中優勝に貢献しその年のベスト5を受賞していた。どんなに苦しい時でも誰よりも声を出していたから相手から『闘将』と呼ばれたのだ。
「・・・そうだな。それほどまでにオレは人一倍努力した。けど結局最後は『才能』に負けた・・・哀れだよホントに・・・けどこうならなきゃ今こうやって木吉や伊月君と話していないよ!」
「あ、ああ・・・(心にトラウマを抱えているのは、
「・・・・」
一瞬悲しい顔を見せたが、無理やり場を和ませようとする水島に伊月は悲しくなり、心をへし折られたのは帝光も一緒なのだと改めて思った。木吉は終始無言だった。
「あ!ねぇねぇ。バスケ部員集めてる木吉君と水島君ってキミ?」
すると、木吉たちの隣から声が聞こえたので、3人が振り向くと声をかけたらしい水島よりかは幾分か背が低い黒髪のショートヘアで猫目っぽい少年と、その子の後ろに隠れるようにいる猫目の少年よりも背は高い少年の2人組がいた。
「俺たちも入れてくんない?」
「!」
猫目の少年、
「ああ!もちろんだ!」
「やった!良かったな水戸部!あ、オレ小金井。よろしく!」
木吉が2人の入部を承諾すると、小金井は良かったのか後ろにいた青年
その後、経験者?と伊月は聞くと、小金井はドヤ顔をしながら「コイツがね!」と水戸部を指差しそう言った。小金井は「3歩歩けばサイクリング!」と自信満々にいい間違えていたので、初心者という事が分かった(小金井の発言に伊月は「トラベリングね。」と冷静に突っ込んでいたのは言うまでも無い)。
「とりあえずこれで6人になったな!」
「やっぱ日向君入れてるんだ・・・」
「やっぱ日向入ってんだ・・・」
木吉は漸く試合が出来る人数になったのが嬉しいのか笑顔でそう言った。その際にちゃっかり日向を数に入れていたので水島と伊月が冷静に突っ込んだ。
その後伊月がやはり6人だけでは練習や試合はきついと思ったのかもう1~2人は声をかけたほうがいいと提案した。
「確かにそう「マッネージャー!!かっわっいいマッネージャー!!」おい・・・伊月の話聞いたか?それは後で話しあおうか。」
水島は確かにそうだな。と言おうと思ったのに途中で小金井がピョンピョンはねながら興奮気味で話すので水島はため息を一つ吐き、説得するようにそう言った。水戸部も止めさせようとしていたのか汗を出しながらハンドサインで「落ち着いて」と言っているように見えた。
「・・・・!男じゃないけど一人いるな・・・」
すると、伊月が小金井の発言に何か思い当たる節があるのか、話し始めた。家は日向の近くで、スポーツジムを経営しているらしく、筋トレ・トレーニングがいろいろ詳しい女の子がいるそうだ。
「へぇ・・・面白そうな子だな!声掛けて見ようぜ!」
木吉はその女の子に興味を持ったのか声を書けることにした。
「いやぁ・・・面白いって言うか・・・ちょっと変わっているかも・・・」
「見てみないとこっちは分からないかな?見てみようよ。」
「水島の言うとおりだぜ。会って見ないと分からないさ!名前は?」
伊月の発言に水島と木吉はそう言い返した。そして木吉は名前は?と聞いた。
「相田リコ。」
伊月はその女の子の名前を言った。
「よーし。行ってみようぜ!」
木吉はそう言い、その女の子に会いに行くために相田の教室へと向かった。
伊月・水戸部・水島・小金井もそれに続くように木吉の後を追った。
「ここか・・・ねぇそこにいる君。バスケ部なんだけど、相田リコって言う子いるかな?」
相田がいると言う教室に着いた木吉たちは近くにいた女の子に声をかけた。
「あっ!いますよ。リコーなんかお客さん。バスケ部だって。」
声を掛けられた女の子はそう言い、机に座っている相田に用件を伝えた。
「えー?バスケ部?あったっけ・・・またよりによって一番気に食わないスポーツだわね。」
女の子に呼ばれた茶色がかったショートヘアーにヘアピンをつけた女の子、
これが木吉たちと後に監督になる相田リコとの出会いだった。
いつも後書き書いていませんがすみません ・・・コレからもこの作品を見てくださいね!後一つ誠凛高校の部員は原作開始時よりも2、3㎝身長が低いです。