黒子のバスケ ー影と光を助けた太陽のキセキー   作:フリュード

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2話目です!どうぞ!

5月26日 編集しました。


第1章 結成編
第1Q 再会、そしてお誘い


「はぁ・・・どうしよう。」

季節も秋に入り始めた頃、水島は一人学校からの帰り道を歩いていた。

 

あれから強豪からの誘いを待ったが、ついに来ることは無くここまで勉強と自主練に時間を費やし、気がつけば進路先を決めていないのはオレだけと言うあほな事になっていた。

 

「くっ!どこに行こうかまだ決まっていない。どの高校も本や自分で見に行ったけどあまりこれと言って良いと思ったところは無いし・・・はぁ。中学就職なんてしたら親がなんて言うか・・・くぅ~寒いよ。」

一人ぶつぶつ独り言を話し、寒さに耐えながら歩くオレというのは他の人から見れば奇妙に見えたのだろう。オレもはっきりと言おう。キチガイにしか見えないだろう。けどそれ程オレは焦っていた。

 

「それに白金監督のお見舞いにもいけなかったし、いよいよバスケ部に顔出せなくなってしまったよ。ま、良いがな。」

オレはそう言った。

 

実は3年生(水島たち)が引退してすぐに、帝光の監督である白金が倒れ、入院したと言うのを聞いたのだが、引退の顔合わせにも参加していなかった水島は気まずいので、行くことが出来なかったのだ。

 

 

「・・・・ん?」

ふとオレは横を見た。オレの住む家の近くにある公園だ。その公園にはバスケのゴールがあるのでよくオレが自主練に利用する場所だった。

 

そしてそのバスケのゴールがある場所からダムダムとバスケットボールを叩く音が聞こえたので、オレはこっそりと近付き、近くにあった草葉に隠れながら音の主を見た。

 

「・・・木吉!?」

するとそこにいたのは制服姿の木吉の姿だった。木吉はドリブルをしながらゴールへと近付く。そして・・・

 

スタッ!ガシャン!!

 

木吉は人の平均よりも大きい手でボールをつかみながら豪快にダンクシュートをかました。

 

「!!!(今ボール握ってなかったか!?いや、確かに木吉の手は大きいのは知っていたけど・・・)」

 

「こんなところで何しているんだ水島。」

 

「・・・あ。」

先ほどのダンクにオレはいろいろ考えていたのだが、考えている間に木吉に見つかってしまった。オレは見つかった際に間抜けな声を出していた。

 

 

 

「ははは!何か音がすると思ったらまさか水島なんてな。驚いたよ。」

 

「うっせー!あ~恥ずかしいよ!!(照)」

 

「『・・・あ。』」

 

「真似せんでええ!」

見つかった後、オレと木吉はバスケのコートの中に入り楽しく話していた。

 

「・・・水島は全中終わったあと、何してた?」

すると、木吉がそんな事を聞いてきた。

 

「・・・ちょっと荒れてたかな?強豪からの誘いも来なかったから。」

 

「えっ!?誘いが来なかったのか!?」ババーン

オレの答えに木吉は食いつき、驚いた顔をしながら聞き返した。

 

「・・・うん。それに全然行きたい高校が決まらないし、どうしようってなってるとこ・・・木吉は?」

オレはそう言い終え、今度はオレから木吉に聞いた。

 

「・・・・・正直帝光中との試合は精神的にキタかな。あの後、オレと一緒にバスケをしていたチームメイトはバスケをやめていったよ・・・それにオレもやめようとしていた。」

 

「!!!!そんなことが・・・」

今度は木吉の発言にオレのほうが驚いた。

 

確かに帝光と試合をした中学校はバスケを辞めるものが多くいたとは聞いていたが・・・

 

オレは純粋にバスケが好きだ。だからそのような事態に対しては凄く罪悪感を持ち、嫌な気分になった。

 

「・・・けど分かったんだ。どんだけバッシュを捨てようと思っても結局俺からバスケを取ったら何も残らない。俺にはバスケしかないって。」

 

「木吉・・・」

木吉の言葉にオレはそう言いそれ以上何も言わなかった。

 

「それにお前は違った。見てたよ。俺たちと戦った試合以外はずっとベンチメンバーだったろ?」

 

「・・・・見ていたのか。」

まさか木吉が見ていたとは知らなかったので、俺は驚いた。

 

前にも言ったが、俺は全中期間、SF(スモールフォワード)で出ていたのだが、俺よりも黄瀬が出ていた。

 

「それでも腐らず誰よりも声を出し続けて、試合に出れば一生懸命皆のためにプレーをしていた事。だからオレと一緒だなって思ったんだ。」

 

「・・・よせよ。オレはそんなんじゃない。」

木吉の発言にオレは恥ずかしそうに頬を掻きながらそう呟く。

 

「逆にオレはお前が羨ましかった。試合に出れるお前がな。」

オレは唇をかみながら木吉にそう言った。

 

「うん。知ってる。」

木吉はそれに対してニコニコしながらそう返した。

 

「けどお前の実力の影には血の滲むような努力があった事も知ってるぜ。さっきオレが羨ましいってお前言ったけど、逆にオレもお前の血の滲むような努力は尊敬するぜ。」

 

「・・・なんでお前が知っているんだよ。」

木吉のすべてお見通しといわんばかりの発言にオレはため息を一つ吐き、頭をぼりぼりかきながらそう言った。

 

オレは『キセキの世代』に負けないように、毎日欠かさずシューティングの練習や、ランニング・ダッシュなど、練習が終わった後も残って練習していた。ならば、木吉も一緒ってことか?

 

 

「言ったろ。オレとお前は似ているって・・・そんなお前だからお前に言いたい・・・一緒にバスケやらないか?」

 

「!?・・・あのときの約束忘れてなかったのかよ。」

木吉の誘いにオレはもう何度目か分からないくらい驚いた。

 

「忘れたとは言わせないぞ!さぁ。YESかハイか!」

 

「どれも意味同じじゃねえか!」

 

「え・・・そうなのか。」

 

「おいおい・・・(・・・でも一緒に、ね。悪くないな)。」

まさかのド天然発言をかます木吉に突っ込みながらもオレはそんな事を考えていた。

 

・・・こいつとなら3年間やれるかもしれない。

その想いが芽生えたときにはオレの答えは決まっていた。

 

「・・・いいぜ。やってやろうじゃん。オレの超絶フェイントに惑わされるなよ?」

暫く考え、オレは挑発も兼ねてそう木吉に言った。

 

「はっはっは!お前には負けないよ!」

 

「いったな~覚えておけよ!なんなら今から1on1しようじゃねぇか!!」

 

「いったなぁ!やってやろうじゃねえかオイ!」

そう言いいつの間にか臨戦モードに入った2人は近所でやるようなものじゃないそうぜつな1on1を展開した。

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・なかなかやるじゃねえか。」

 

「ハッハッ、言う・・・ねぇ。」

2人ともこんなに激しく動いたのは久し振りの所為か仰向けで倒れていた。

 

「・・・・くっくっく・・・・」

疲れた。けど久し振りにこんなに楽しい1on1は久し振りだった。オレがフェイントで抜いても木吉は落ち込むことなくむしろ笑っていた。その逆も然りで、全然悪い気がしなかった。

 

「木吉ぃ。高校でもかましてやろうじゃねえか。」

気分が未だにハイになっているオレは木吉にそう言いはなった。

 

「ハッハッハ。当たり前だ。」

 

「・・・・・クックック。」

 

 

――――ハッハッハッハ!!!!

 

あたりには2人の笑い声が響いていた。

 

 

 

 

 

 

「なぁ、木吉。因みにお前が通うとしている高校ってどこ?誘うってことはもう決めているんだろ?」

身支度をしながらオレは木吉に聞いた。

 

「ああ。言ってなかったな。オレは誠凛に通おうと思っている。」

 

「は?強豪校じゃないのかよ。」

名前も聞いたことが無い高校が出てきたので俺は疑問に思い木吉に聞いた。

 

「ん~オレは祖母夫婦に育てられたから、少しでも近いところに通えたら良いなと思ったんだ。」

 

「ふーん・・・誠凛ね(・・・あれ?誠凛って・・・ま、いいっか)。誠凛だな?俺もそこに行くよ!」

 

「おお!待っているぜ!」

 

「ああ!」

そう木吉とオレは約束し、オレは進路調査票に誠凛高校と書いた。しかし、それを見た教師の反応がちょっとおかしかったのが疑問に思ったが、漸く決まった方が嬉しいのか、教師は喜んでくれて、一生懸命勉強して見事誠凛を合格する事が出来た。

 

待ってろよ!誠凛高校!

俺はそう思ってこれから始まる生活に思いを馳せていた。

 




いよいよ入学式ですが、原作を知っている人は分かるとは思いますが・・・

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