遊戯王 就活生の現実逃避録(物理)   作:〇坊主

23 / 29
  

社長「令呪を以て命ずる。ルーラー、セイバー、キャスター、勲章を破壊しろ!」

 


21ターン目『勲章を求める古豪』

 ある人はこんなことを言いました。

 

 

『使いたいカードが多くてデッキが40枚を越えるのが困るって?それは無理に40枚という枠に収めようとするからだよ。逆に考えるんだ「40枚を越えちゃってもいいさ」と考えるんだ』

 

 

 また、ある人はこんなことを言いました。

 

 

『好きなカードで戦っていいのかだって?当然だろ?デュエリストなら』

 

 

 

 そうだ。

 

 構築で悩むのは当然だ。

 だが勝つためだけに自分はデッキを組むのではない。

 

 自分が使いたいカードを使い、日夜考え続けて組んだデッキでデュエルを行う。

 自分の納得の出来る動きが出来たり、使いたいカードが活躍できれば当然満足できる。

 負けたとしてもそれを改善するためにまた悩み、構築する。

 

 使いたいカードが合わないかも知れない?カテゴリーがあまり好きではない?

 

 だがそれは使ったことがない食わず嫌いだ。

 

 そうだ。混ぜてしまおう。

 

 使いたいカードを使って満足せずして何が決闘者(デュエリスト)か!

 

 

 そう思えば吉日。

 青年は駆ける。居候させていただいている家まで走る。

 

 目指すは自室にあるカード達。

 記憶が正しければある程度のカードはあるはずだ。

 

 自分に正直に選んで、組んで、回して、満足するしかないじゃないか!

 

 青年は駆ける。その様はまさに疾風迅雷の如し。

 

 

 

 

 

  ◇◆◇◆

 

 

 

 

 

『舞網チャンピオンシップも7日目だ!遊勝塾所属 柊 柚子 対 デュエルっ子クラブ所属 斜芽(ななめ) 美伎代(みきよ)の一戦が始まろうとしています!』

 

 

 舞網チャンピオンシップも気づけば7日目に差し掛かり、決勝へと歩を進める選手が絞られてきた。

 

 

「柚子姉ちゃ~ん!!」

 

「燃えろー!熱血だぁぁぁあ!」

 

「頑張って!」

 

「痺れさせてくれよ!!」

 

 

 遊勝塾の面々が応援する中で榊 遊矢は昨日のデュエルのことで消沈していた。

 

 自分のエンタメデュエルをやることで観客も、対戦相手である勝鬨 勇雄(かちどき いさお)も笑顔にするデュエルになるはずだった。

 選手も観客も一体となったエンタメデュエル。

 初戦で戦った沢渡とのデュエルのように互いに楽しみ、競い合い、乗り越えあうあのデュエルを目指しているはずだったのだ。

 だが、勝鬨とのデュエルの最中に意識が重くなっていってからというもの、荒々しいデュエルを行うことに何の不満も不安も持たずに淡々と実行に移していたのだ。その結果が昨日のデュエル後の空気だ。

 

 

(昨日のデュエルで・・・なんであんなことに・・・)

 

 

 ユートからあの出来事の最中で渡された《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を眺めつつ遊矢は思う。

 あのデュエル後、差し出した手を思い切り払いのけた勝鬨の表情が、観客の視線が遊矢の中で突き刺さっていた。

 

 

「おいっす、遊矢。悩んでいるようだな」

 

「聡!」

 

 

 悩む遊矢に声がかかり、振り返ると聡と寄り添うように幽香も立っていた。

 

 

「大会を放棄したって聞いたよ!一体どうして!」

 

「どうどう、落ち着け。俺らはまぁ、野暮用でな。そんな俺らのことよりも今は柚子の応援が大事だろ?」

 

「・・・ちゃんと後で話してもらうからな」

 

「はっはっは。すぐにわかると思うけどね」

 

 

『ななめ!』

 

『みきよ!』『みきよ!!』

 

 

「!?」

 

「おっ、始まったか」

 

 

 突然のコールに驚く遊矢を余所に聡と幽香は空いていた席に座る。

 柚子の反対側の入場口からBGMを背にダンサーとメイン選手の斜芽 美伎代が入場する。

 80年代の光GENJIを彷彿とさせるローラースケートでの入場で観客・・・というよりも一部のファンが最大の歓声をあげた。

 

 

『ファンのみんな!今日は来てくれてありがとう!

 

 今日もみ~んなのハートを特殊召喚!!』

 

 

「「「「うおぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」」」」

 

 

 棒ライトや団扇を片手にファン特有の一体感を醸し出す。

 デュエル大会の会場であったはずが、一気にアイドルのコンサート会場へと早変わりする。昨日のデュエル空気を一気に晴らし、見るものを高ぶらせるその姿はまさにアイドルの鏡だ。

 

 

「流石はアイドルデュエリストね・・・だけど私も遊勝塾の看板娘。本当のエンタメデュエルを見せてあげるわ!」

 

 

 会場の空気を掴んだアイドルを確認した柊 柚子は場の空気に飲まれることなく、気持ちを高ぶらせる。

 初戦で真澄と行ったように、自分が信じるデュエルを全力で行うだけだとでもいうように。

 

 

「「デュエル!!」」

 

  

 決勝への切符を手に入れるため、二人は戦いへと身を投じる。

 

 

 

 

 

  ◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「社長、第1会場に謎の少女を確認しました。柊 柚子はこれより第2会場で試合が始まるところです」

 

「間違いない。昨日の女だ」

 

 

 柚子と美伎代のデュエルが開始した頃、零児はモニター越しに北斗を襲撃した人物を視認していた。

 

 その少女がいる場所は第1会場。ユースクラスの大会が行われており、現在桜樹(さくらぎ) ユウの試合もそこで行われようとしていた。

 桜樹 ユウとは昨年のジュニアユース選手権においての優勝者であり、勝鬨 勇雄に勝利した人物である。

 その優れた成績が評価され、ユースへと昇格。今大会でも優勝候補として名を挙げている。

 

 零児は彼女の狙いがその桜樹 ユウではないかと予測を立て、彼女が彼を襲撃する可能性を考え、自ら舞網スタジアムへと足を進めた。

 だが、彼女の本来の狙いは聡であった。先日会った聡の見た目を考えてユースに出場するのではと予測を立て、いつでも狙えるように待機していたことは零児が知る由もない。

 

 

 

 

 そんな第1会場の試合もすぐに終わりを迎える。

 【魔導】を軸とするデッキを用いる彼、桜樹 ユウがエクシーズを用いて勝利を掴み取ったからだ。

 最近出回り始めたモンスターエクシーズを新たな武器として用いる彼にとって優勝戦手前までは前哨戦に過ぎない。このまま行けばユース初出場で初優勝をも飾れると、そう思っていた。

 

 そんな彼に身長が2mあろう男に呼び止められ、来るように言われたのだ。

 明らかに怪しいが来なければ力づくでもと言わんばかりの雰囲気に気圧されてそのまま歩みを進めていくと、彼を待っていたのは目の前の男と同じようにフードを深く被り、顔が見えないようにした小柄な存在。

 

 

「俺を呼び出したのはあんたか?」

 

「あの男はいなかったが仕方ない。エクシーズの使い手、貴様を狩らせてもらおう!」

 

「待て」

 

「社長さん!?」

 

 

 問いを投げかけると上着を思い切り脱ぎ捨て、現れたのは年端もいかない少女だ。デュエルディスクを構える彼女に対してただ困惑するユウであったが、デュエル自体を妨げる声が響く。

 彼女を視認してから現場に急行していた赤馬 零児だ。

 

 

「すまなかったな。キミはもう行きたまえ」

 

「えっ?」

 

 

 自分を庇うように前に立つ社長が発した言葉に情けない反応を挙げてしまうユウであったが、すぐに社長の言うとおりにする。

 社長が目の前の面倒事を片付けてくれるのであれば本人からしてみてば願ったり叶ったりなのだ。

 

 

「待て!」

 

 

 ユウへと手を伸ばす少女の腕を掴み、妨害する零児に多少の驚きはあれど早く出て行かねばと判断を急がせてユウはこの場から出て行った。

 

 

「離せ!邪魔立てするならお前から始末する!・・・ッ!控えろバレット!」

 

「あなたに降りかかる火の粉を払うのがプロフェッサーから与えられた私の使命。こればかりはあなたに抑えられるものではありません」

 

「チィッ!」

 

 

 コートを脱ぎ捨てて戦闘態勢に入った男 バレットに少女は下がるように命じるが、男は反発する。

 そのままいがみ合う二人に零児は確信めいた質問を投げる。

 

 

「プロフェッサーとは赤馬 零王(あかば れお)のことか?」

 

「・・・・・・」

 

 

 そして帰ってきたのは沈黙。

 その沈黙を肯定ととった零児は彼女等をアカデミアの人間であると確定させる。

 

 

「そうか。だとすると、お前達は・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・ここを封鎖しろ。こちらから連絡するまで誰も入れるな」

 

 

 無言でバレットはデュエルディスクを装着し、零児もそれに習って各員に連絡を居れる。

 これで自身を含めた三人は普通の方法でこの場から出ることが不可能になった。

 

 それを確認した少女は追いかけるのを諦め、デュエルを見届けるのか近くの手すりに寄りかかって観戦の姿勢を示す。

 

 

「「デュエル!」」

 

 

 己の目的を果たすべく、二人の決闘が始まった。

 

 

 零児  LP4000

 

   VS

 

バレット LP4000

 

 

「先んずれば人を制す。私が先行だ。永続魔法《獣闘機融合装置(ビーストボーグ・フュージョナー)》を発動!この効果により1ターンに一度、〔獣闘機(ビーストボーグ)〕モンスターを融合召喚できる!私は手札の《漆黒(しっこく)豹戦士(ひょうせんし)パンサーウォーリアー》と《ダーク・センチネル》を融合!

 

 獰猛(どうもう)なる黒豹よ

 

 聖なる闇の番人と混じり合いて、新たなる雄叫びを上げよ!

 

 融合召喚!現れ出でよ《獣闘機(ビーストボーグ)パンサー・プレデター》!!」

 

 

 バレット 

手札:5→2

 

《獣闘機パンサー・プレデター》

 星6 闇 融合/効果

 ATK:1600

 

 

「やはりな」

 

 

 バレットが融合召喚を行なったのを見て零児は断定する。

 監視させている職員側からも強力な融合召喚反応が確認され、現場が慌しくなっていく。

 

 

「パンサー・プレデターの効果を発動!1ターンに一度攻撃力の半分のダメージを相手プレイヤーに与える!私はカードをセットし、ターンエンド」

 

 

 零児  

LP4000→3200

 

 バレット 

LP4000

手札2→0

 

モンスター:獣闘機パンサー・プレデター

 

魔法・罠 :セット2枚

 

 

「1ターン目から地道にライフを削っていく・・・。堅物らしいやり方ね」

 

 

 堅実に攻めるバレットを見て、少女は小馬鹿にしたように吐き捨てる。

 彼女からすればバーン戦略は身に合わないのだろう。

 

 

「私のターン、ドロー!私は手札の《DDスワラル・スライム》のモンスター効果を発動!自分のメインフェイズにこのカードの効果は二つあり、どちらも1ターンに一度しか使えないが問題はない。このカードを含む融合素材を墓地へ送り、融合召喚を行なうことが出来る。

 

「手札のモンスターだけで融合召喚を行なうだと!?」

 

「私は手札のこのカードと《DDバフォメット》で融合を行う。

 

 冥府に渦巻く光の中で、いま一つとなりて新たな王を生み出さん!

 

 融合召喚!生誕せよ《DDD烈火王(れっかおう)テムジン》!!」

 

 

 零児 

手札5→6→4

 

《DDD烈火王テムジン》

 星6 炎 融合/効果

 ATK:2000

 

 

「更に私は《DDナイト・ハウリング》を召喚!このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の〔DD〕モンスター1体を特殊召喚する。蘇れ、《DDバフォメット》!《DDバフォメット》にレベル3の《ナイト・ハウリング》をチューニング!

 

 闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ!

 

 シンクロ召喚!生誕せよ《DDD疾風王(しっぷうおう)アレクサンダー》!!」

 

 零児 

手札4→3

 

《DDD疾風王アレクサンダー》

 星7 風 シンクロ/効果

 ATK:2500

 

 

「1ターンで融合召喚とシンクロ召喚を扱うとは・・・!」

 

「まだ終わってはいない。私は《DDD烈火王テムジン》のモンスター効果を発動。自身がモンスターゾーンに存在し、このカード以外の〔DD〕モンスターの特殊召喚が成功した場合に墓地の〔DD〕モンスター1体を対象にし、自分フィールド上に特殊召喚する。蘇れ《DDナイト・ハウリング》!」

 

 

 零児が行うのは【DD】の中でも王道の動き。

 慣れた手つきでカテゴリーを操っていく。

 

 

「そしてこの瞬間、烈風王アレクサンダーのモンスター効果を発動。自身以外の〔DD〕モンスターが召喚・特殊召喚された場合、墓地のレベル4以下の〔DD〕モンスター1体を特殊召喚できる。この効果で私は《DDバフォメット》を特殊召喚!

 

 

《DDバフォメット》

 星4 闇 効果 

 DEF:1800

 

 

「そして《DDナイト・ハウリング》を対象に《DDバフォメット》のモンスター効果を発動。《DDバフォメット》以外の〔DD〕モンスター1体のレベルを1から8のレベルに変更できる。私は《DDナイト・ハウリング》のレベルを4に変更する。」

 

「同レベルのモンスターが2体揃った・・・っ!まさか!」

 

「私はレベル4の《DDナイト・ハウリング》と《DDバフォメット》2体でオーバーレイ!

 

 この世の全てを統べるため、今 世界の(いただき)に降臨せよ!

 

 エクシーズ召喚!生誕せよ《DDD怒涛王(どとうおう)シーザー》!!」

 

 

《DDD怒涛王シーザー》

 ランク4 水 エクシーズ/効果

 ATK:2400

 

 

「融合やシンクロだけでなく、エクシーズまで扱うだと!?」

 

「残念だが、まだ動く。私は永続魔法《魔神王の契約書》を発動!自分のスタンバイフェイズごとに自分自身が1000ポイントのダメージを受ける」

 

「・・・ほう、自らダメージとな?」

 

 

 1ターンで3種の召喚法を使った零児が発動したカードにバレットは驚愕しながらもそのカードの効果に眉を顰めた。己を回復するならともかくダメージを与えるという強力なデメリットを備えたカードを操る零児に興味に満ちた言葉を上げる。

 

 

「だが、それと引き換えに1ターンに一度、悪魔族融合モンスターを融合召喚することが出来るだけでなくもう一つの効果を持っている。〔DD〕モンスターを融合召喚する際、墓地にある融合素材モンスターを除外することで融合召喚を行なうことが出来る」

 

「墓地のモンスターを使って融合召喚するだと!?」

 

「私が墓地より除外し、融合するのは墓地の《DDナイト・ハウリング》と《DDバフォメット》!

 

 誇り高き騎士よ。異形の神と交わりて、真の王と生まれ変わらん!

 

 融合召喚!出でよ神の威光を伝えし王《DDD信託王(しんたくおう)ダルク》!!」

 

 

 零児 

手札:3→2

 

《DDD信託王ダルク》

 星7 闇 融合/効果

 ATK:2800

 

 

「そして墓地の《DDスワラル・スライム》のもう一つの効果。墓地にある自身を除外することで手札の〔DD〕モンスター1体を特殊召喚することができる。来い《DDD死偉王(しいおう)ヘル・アーマゲドン》!!」

 

 

《DDD死偉王ヘル・アーマゲドン》

 星8 闇 ペンデュラム/効果

 ATK:3000

 

 零児 

手札:2→1

 

モンスター:DDD烈火王テムジン

      DDD疾風王アレクサンダー

      DDD怒涛王シーザー

      DDD信託王ダルク

      DDD死偉王ヘル・アーマゲドン

    

魔法・罠 :魔神王の契約書

 

 

「1ターンでなんという展開力・・・!ぐっ・・・(このままではいかんッ!)」

 

「バトルだ!私は《DDD信託王ダルク》で《獣闘機パンサー・プレデター》を攻撃!」

 

「しかし!ただでは転ばん!トラップカード《名誉(めいよ)獣闘機勲章(じゅうとうきくんしょう)》を発動!〔獣闘機〕融合モンスターを破壊して、その融合素材のモンスターを墓地から特殊召喚する!これで私はパンサー・プレデターを破壊して《漆黒の豹戦士パンサーウォーリアー》と《ダーク・センチネル》を守備表示で特殊召喚!」

 

 

 バレットは場に存在していたパンサー・プレデターを破壊し、素材となっていたモンスター達を場に呼び戻した。

 

 

「更に《名誉の獣闘機勲章》の効果により、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力を合計したダメージを互いのプレイヤーは受ける。合計値は3500!つまりこのダメージで先にお前が倒れ、私の勝利だ!」

 

「そうはさせない」

 

 

 敗北が忍び寄ったバレットは伏せていたトラップカードを発動させることで自身に勝利を持ち込もうとした。

 普通のデュエリストであったのならばこの戦法は通用していただろう。

 しかし今回ばかりは対戦相手が悪かった。悪すぎた。

 対戦相手は契約を踏み倒す赤馬 零児。ライフ関係のお話は持ってこいなのだ。

 

 

「私は《DDD信託王ダルク》の効果を発動。このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分にダメージを与える効果は全て、ライフを回復する効果になる。“我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)”!」

 

 

 零児 

LP3200→6700

 

 バレット

LP4000→500

 

 

「ば・・・バカな・・・!」

 

 

 己の切り札を逆に利用され、ライフを回復させてしまったことに動揺を隠せないバレット。

 セットしているもう1枚のカードを使おうともこの状況を覆せることはあり得ない。

 守備表示モンスターが2体いるとは言えども相手の攻撃は5回残っており、自分のライフは自身のトラップカード効果によってたったの500。

 どうあがいても敗北であった。

 

 

「バトルを再開する。《DDD信託王ダルク》で《漆黒の豹戦士パンサーウォーリアー》を攻撃。“紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)”!」

 

「ぐぅッ!」

 

「《DDD疾風王アレクサンダー》で《ダーク・センチネル》を攻撃。“風王鉄槌(ストライク・エア)”!」

 

「うぉぉお!」

 

 

 壁の役割を持っていたモンスターも呆気なく破壊され、零児は決着をもたらす宣言を行う。

 

 

「とどめだ!私は《DDD死偉王ヘル・アーマゲドン》で相手プレイヤーにダイレクトアタック!“灰の花嫁(ヘカティック・グライアー)”!!」

 

「ぐぉぁぁあああ!」

 

 

 バレット

LP500→-2500

 

 

 アーマゲドンの砲撃によりバレットのライフが消しとばされる。

 それに合わせて吹き飛ばされたバレットは床に伏すことになり、その光景を見届けた少女はその場から離れるべく腰を上げた。

 

 

「待つんだセレナ」

 

 

 ただ呼び止めるために適当に名を呼んだのか、それとも名前を知っていたのか。

 零児は少女を止めるべく声をかけ、少女も立ち止まって零児と言葉を交わす。

 

 少女が来たことは独断であり、アカデミアは把握していなかったこと。

 彼女自身、己等スタンダードと手を組むつもりはないということ。

 零児に確保されるのを恐れてバレットが情報をアカデミアへ送り、強制送還したことで近いうちにアカデミアが大挙して現れるであろうということ。

 

 

 

 彼女はそのまま姿を消し、零児は大至急幹部を招集するように発破をかける。

 物語の歯車は動き出し、【ランサーズ】計画は最終段階へと向かっていく。




  

勲章「ワンターンオーバーキルゥ・・・こいつはすげぇ!」


 はい、勲章さんごめんなさい。

 
 閲覧ありがとうございます。
 サーヴァント“ライター”召喚に応じ参上しました。

 見ての通りアニメでのダルクやアレクサンダーの技名は全く違います。ちょっと遊び心で混ぜ込んじゃいました。でもなんか社長が言うと違和感なく混ざれそうな気がします。
 深夜ではないですがテンション高いときに書くと色々と危ない危ない。

 アニメ通りに書いても良かったのですが、それだったら書く意味なくね?と思い内容を考えてたらワンターンキルゥ・・・になってしま・・・いつものことか。(自分のデュエル描写を見ながら)

 
 今後も楽しみにしてくだされば幸いです。
 また次回にお会いしましょう。

 
 お楽しみはこれからだ!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。