現実逃避(物理)を実際にしたいです。
~追記~
ちょっとだけ追加。
0ターン目『気づけば私もデュエリスト』
変化は突然にやってくる。
昔々、あるところに就活に追われている大学生がおりました。
青年は日々来る就活という荒波に時には呑まれ、時には這い出してを繰り返しておりました。
就活を初めてそして現在6月。
未だに就職先が決まらず、ただいま選考結果待ち。
青年は出来た時間を使って、息抜きに散歩をして気分転換を行うことにしました。
いつデュエリストに吹っ掛けられても大丈夫なようにという意味不明な理由で数個のデッキと必要最低限の荷物を持って出かけました。
カードショップや本屋などよく歩く道をぶらぶらと歩いて時間をつぶしていたのですが、ふと見慣れない路地を見つけました。
青年は好奇心に駆られるがまま、その路地に入っていきました。
路地を抜けたところで少女が取り巻きに囲まれ、困っておりました。
見かねた青年は少女を取り巻きから助けようと割り込んだところ、取り巻きのボスらしき人物からこう言葉を投げられました。
『俺とデュエルしろ』
――――――――――――――はい?
今のは聞き間違いだろうか?
目の前にいるこの男、デュエルしろと言いました?
「あの、すいません。」
「あぁん?」
「今デュエルしろと聞こえたのは聞き違いですかね?」
しっかりと聞いておこう。聞き違いであってほしいものだ。
「あ”ぁ?てめぇ、俺とデュエルするのかしねぇのかって聞いてんだろうが!?しねぇのならすっこんでろ!」
「・・・・・・・・・」
マジで言ってるよこの人。しかもかなりドヤ顔で。
いくら遊戯王が好きだからって白昼堂々とデュエルを申し込む奴がいるのか?
いくらなんでも痛いぜ、名も知らぬ人よ。
だが実際に目の前で起きた事だ。
なら自分を落ち着かせるのも含めてこの名言を使って現状を確認しよう。
「あ、ありのままに起こった事を話すぜ!普通に少女を助けようと思って割り込んだらドヤ顔でデュエルを挑まれた。」
「おい。」
「な・・・何を言っているのかわからねーと思うが俺も何が起きているのかわからなかった・・・
頭がおかしくなりそうだった。
夢の中だとか妄想だとかそんなもんじゃあ断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの
うん。本当に意味がわからないぜ。
「てめぇ、人をおちょくってんのか!」
取り巻きのモブ、面倒だからモブ男と呼ぶことにしよう。
モブ男君が青筋を立ててこちらを睨む。
おぉ、こわいこわい。
「待て待て、タイムタイム。ちゃんとやるから少し待っててくださいな。」
そういって持っていたバックを開ける。
そうして当然の如く入っているデュエルディスクにお気に入りのデッキをセットし、そのまま腕に装着した。
・・・・・・・・・・ん?
ちょいと待たれよ。
今自分はさりげなくありえないことをやらかした気がする。
ふと自分の左腕を確認する。
アニメで見た最新型のデュエルディスクがしっかりと装着され、起動していた。
「・・・・・・・・・。」
理解するのに数十秒要した。
アイエエエエエエ!?ナンデ!?デュエルディスクナンデ!?
まるで意味がわからんぞ!?
デュエルディスクなんてもん日本じゃ出てないし、そもそもなんで平然と俺のバックの中にあるんですかねぇ!?
入れた覚えないし!
どこから湧いて出てきおったのだこやつは!?
確かにこういうことが起きないかなと常日頃考えたりはしている。
それでもあくまで想像でだ。実際に起きるとはあまりにも予想GUYの出来事だ。いくらなんでも動揺せざるをえない。
人生何が起こるかわからないとはいうがあまりにも唐突で自然すぎるでしょう?
「へ、てめぇなんざすぐに捻りつぶしてやるぜ。」
こちらが動揺していても向こうはお構いなしだ。
一応こちらも見よう見真似だが構える。
その際に絡まれている少女を見たが、取り巻き達は今のところ少女に危害を加える気はないようだ。
モブ男とのデュエルをしっかりと見るつもりだろう。律儀だな。
――まぁいい。
このデュエルに勝たなきゃ後味悪すぎるし、勝ってから色々考えることにしよう。
今はこのデュエルに集中だ。
安定するようにがんばって作り上げた俺の嫁デッキをこのモブ男に見せ付けてやる。
「それじゃあ、いきますか。」
「フン!」
「「―――デュエル!!」」
こうして俺の就活は終わりを告げた。
閲覧ありがとうございます。筆者の〇坊主です。
今回は最初ということで主人公でも名前を出していません。
名前は次回に出す予定であります。
次回からこの後書きの欄にキャラ設定や思いついたことを書いていこうと思っています。
それではまだ次回お会いしましょう。
お楽しみは、これからだ!