霊夢によって宴会の中心に連れてこられて数十分、早くも宴会に来たことを後悔し始めていた。
「だかりゃ〜ひゃんと返すっへゆっへるだろ〜」
頭をペチペチ叩きながら酔っ払った魔理沙が愚痴る。
「……何なんだこの金髪はさっきから近づき過ぎだろうもう少し節度というものをわきまえたりとかは考えられないのかいやいっそここで消してしまうのも手段のうちなんじゃないだろうか…………」
左腕を掴んだ藍が聞こえないくらい早口でブツブツ何かを呟いている。
「……zzz」
俺の正面に寄りかかるようにフランが寝ている。何でこんなに絡まれてるんだ。俺は吸引能力でもついてるのか。吸引力が変わらなそうだな。今度咲夜に一台作ってあげよう。
「あらあら、随分と好かれているのね」
しかも一番厄介な奴まで来たし。
「……八雲紫」
「初めまして、と言ってもあなたと直接会うのはこれで二回目かしら?」
前に藍引き取りに来たんだから初めても何もないだろ。
「……そう、何か用?」
「用という用はないわ、強いて言うなら何もしない用ね」
「……素直にここにいるって言えばいいじゃない」
「何故かはわからないけど、あなたには距離を置かれているように感じるわね」
そりゃそうだろう、藍けしかけて来たのに何言ってんだよ。まあそこまで嫌いとかじゃなくて単純にキャラ掴めないから苦手なだけなんだけど。
「あら〜。紫ってばそこにいたの?」
紫と話しとも言えない話しをしていると桃色の髪をした着物の女性が来た。多分幽々子だろ。
「ええ、少し話していたのよ」
「私は西行寺幽々子よ、よろしくね〜」
原作通りポヤポヤしてるな、中身は紫並みの策士らしいけど。
「……パチュリー・ノーレッジ」
「パチュリーね、覚えたわ」
「そういえば幽々子、
「ええ。もうすぐよ」
何やら意味深な会話だな。ちょっと推理してみるか?幽々子がなんかしてるんだろ……。異変じゃん、解決。てことはもうすぐ妖々夢が始まるのか。……寒いのは嫌なんだよな。ヒント上げてさっさと咲夜に終わらせてもらおう。
「それじゃは私は失礼するわ、藍行くわよ」
「私も、妖夢が心配だから戻るわね〜」
「……桜、咲くといいわね」
「……!……そうね、できれば満開がいいわ」
そのまま何も言わずに行ってしまった。てかなんで俺は喋っちゃったの?あれ絶対、なんで知ってんだよ後で聞くからなって目だったぞ。
「……そろそろ帰ろう」
いつの間にか眠っていた魔理沙を横にし、フランを咲夜に渡すと図書館に帰った。
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「……それで?なんでいるのかしら」
「あら、私がいたら何か不都合でも?」
しばらくしたある日、脈絡もなく気がついたら幽々子が対面にいた。宴会の次の日から来なかったから特に何もなかったのかと思っていたが、どうやら間違いだったらしい。
「そういえば、貴方って魔法使いなのよね?」
「……それで?」
「いえいえ、単純にどんな魔法が使えるのかしらって考えたのよ」
「……そうね、例えば
「…………貴方、結構食えない性格ね」
「……初めて言われたわ」
「ふふっ、むくれちゃって可愛いわね」
「……うるさい」
「あらあら、妖夢もいいけど貴方は別の意味で面白いわね」
「用が終わったならさっさと帰りなさい」
「そんなに急がせなくても帰るわ、それじゃあ
……相変わらず掴み所のない性格してるな。正直、紫と同じでできればお近づきにはなりたくないな。