新機動闘争記ガンダムW LIBERTY   作:さじたりうす

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エピソード34「ヒイロVSキルヴァ」

旧ラプラス官邸跡

 

 

 

この一年余りの長期間に渡り、戦力の増強と維持をしていたフロンタル派ネオジオンが姿を見せた。

 

それも意表を突く程の旧ラプラス官邸跡という最古の廃棄コロニーからであり、長期間潜伏するには常識的にあり得ない。

 

グラーフ・ドレンデのクルー達が次々と飛び出すネオジオンの機体群を視認する中、クルーの誰しもが思う事だった。

 

「何故あんな廃棄コロニーからネオジオンが?!!それも、地球に一番近い上、最古の廃棄コロニーから……!!!潜伏するにも位置からしてあり得ない!!!」

 

「あぁ!!既に地球圏はOZとOZプライズの勢力下にある中だ!!一体、どうやって?!!」

 

「うろたえるな!!!」

 

「!!!」

 

ざわめきを見せるクルー達にヴァルダーが一括を入れた。

 

「うろたえるな……こちらからしてみれば、奴らの戦力など恐るるに足らん……!!!プライズ・リーオー、プライズ・ジェスタ、プライズ・ジェガン、リゼル・トーラス、各部隊を出せっ!!!」

 

ヴァルダーの一声が、うろたえ気味だったグラーフ・ドレンデ内のクルー達を動かす。

 

迫るギラズール、ギラドーガ、クラーケズールと以前の多種多様だった機体群が一新・統一され、量産機の部隊機体数も増強されていた。

 

既に軍ではなくテロリストの規定にされている彼らがこのような戦力を得るのは不可思議である。

 

だが、その不可思議を承知したかのようにヴァルダーは奇妙な独り言を口にした。

 

「……なるほど。彼らに手塩を振り撒いたということか……ふ……あれこれと動いてくれているようだな」

 

グラーフ・ドレンデサイドは全機体が疑似GNDドライヴを動力機関としているがゆえに、性能は優勢だった。

 

交戦開始から直ぐにその傾向が現れ、特にMDであるリゼル・トーラスは圧倒的にギラズールやギラドーガを破砕させていた。

 

プライズリーオーやプライズ・ジェスタ、プライズ・ジェガンも圧倒せんと切り込み、疑似GNDドライヴのエネルギーのビームを撃つ。

 

従来の量産機に比べ、破格の威力を発揮するビーム弾がギラズールやギラドーガの装甲を容易く破砕させていく。

 

だが、これらと交戦して撃破するネオジオンサイドの機体達も少なからず見受けられた。

 

その中でも、クラーケズールは一際目立ち、持ち前の機動力と火力でグラーフ・ドレンデサイドのMSと互角に戦闘していた。

 

戦闘の銃撃火線や爆発が飛び交う一方で、シナンジュとローゼンズールがプルのユニコーンガンダムに狙いを定めて仕掛ける。

 

「既にユニコーンガンダムはNTDを発動させている状態だ!!それもアクシズショックのあの色を帯びている!!!得体が知れないが故、まずは私が牽制をかける!!!」

 

「は、はっ!!大佐!!!(凄まじい違和感!!!あの時とはパイロットが違うのか?!!)」

 

アンジェロが以前交戦したユニコーンガンダムとは程遠い凄まじさに動揺する中、フロンタルはビームライフルで牽制をかけながらビームトマホークの斬撃をレフトアームで振りかざした。

 

「ネオジオンの赤いMS!!!フル・フロンタルって人か……!!!」

 

ユニコーンガンダムは両腕のビームサーベルを発動させ、フロンタルの一撃を受け止める。

 

「あなたがフロンタルって人ね?!あなたからは良くないモノを感じさせる!!」

 

「なんと?!まさかこんな少女が?!!しかも牽制早々、ニュータイプ気質と思わせる言葉……!!!」

 

スパークした一撃を解除して横薙ぎの一撃を入れるシナンジュであるが、これもまた受け止められる。

 

「ネオジオンの人達は良い人達なのに、何故あなた達からは悪い感じがするの?!!」

 

フロンタルはプルから出たネオジオンの単語に驚愕よりも興味深さを覚えた。

 

「ほう……!!この娘、ネオジオンと精通があるのか……!!!」

 

フロンタルはプルの質問に答えずに、ビームトマホークでの斬撃を主流にした攻勢に移る。

 

しかし、全ての一撃、一撃にスパークが生じ、ビームサーベルで受け止められ、時には捌かれ、かわされた。

 

赤い彗星の再来相手に一介の少女ができる業ではない。

 

(ネオジオンに精通し、かつMSを乗りこなす少女……だとすればマリーダ中尉と同じ存在か?!!だが、彼女から感じる感覚的なモノは十中八九ニュータイプと見てよいな!!それにこの動き……!!!)

 

「(やはり、私が止めを刺そうとしたパイロットとは全く別であったか!!!それも小娘だとっ?!!)大佐!!私も牽制の援護をさせて頂きます!!!」

 

基本はフロンタルへの支援攻撃を自粛する姿勢をするのがアンジェロであるが、自らの意思で支援攻撃に出た。

 

アクシズショックに近い光りをサイコフレームから滲ませるユニコーンガンダムとその立ち振舞い、そして少女がそれを操る事に納得がいかなかったからだ。

シナンジュを援護するローゼンズールの有線式アームメガ粒子砲が、オールレンジでユニコーンガンダムに攻撃を与える。

 

しかし、ユニコーンガンダムの背部に装備されたシールドからのIフィールドにより、メガ粒子ビームは遮断されて弾かれてしまう。

 

「なっ?!!あ、Iフィールドだと?!!ならばぁ!!!」

 

アンジェロは直ぐにアームクローによるオールレンジ攻撃に切り替えるが、攻撃は悉くかわされてしまう。

 

「クソ!!!ガンダムめぇっっ!!!」

 

ムキになりはじめたアンジェロは直ぐに援護の意思を忘れ、執拗にユニコーンガンダムへクロー攻撃を仕掛け続ける。

 

「アンジェロ、援護の意思を忘れるな。そして怒りにも囚われるな!!」

 

フロンタルの言葉がアンジェロをはっとさせた。

 

「っ?!!は、はい!!!申し訳ございません!!!」

 

するとフロンタルは改めて狙いを定め、ビームトマホークの一撃を入れに飛び込んだ。

 

やはりその一撃は受け止められだが、この瞬間にシナンジュの蹴りがユニコーンガンダムへ不意の一撃を与える。

 

「きゃあぁっ?!!」

 

「今だっっ!!!ラプラスの箱のカギ、頂くっ!!!」

 

アンジェロはその瞬間をここぞとばかりにユニコーンガンダムの両腕を封じにクローを操作した。

 

ローゼンズールのアームクローは吹き飛ぶユニコーンガンダムに食らいつき、見事に両腕をホールドする。

 

「捕らえたぁっ!!!さぁ、ラプラスプログラムの示したモノを教えろ!!!」

 

「待てアンジェロ。まずはユニコーンガンダムとこの少女を我々の手中に納める必要がある!!奴らもユニコーンガンダムを盾に出せば従わざるを得なくなるだろう……それに座標は一度内部で操作確認しなければわからない」

 

「り、了解致しましたっ……はっ?!!大佐!!このアンジェロ、実に恥ずかしい限りですっ!!!それに加え、サイコジャマーが有ることを忘れておりました!!!」

 

アンジェロが実装されていたサイコジャマーの存在を思い出したその時、二人のやり取りを聞いていたプルが抵抗拒絶の意思を示した。

 

「っ……そう簡単に、捕まらないよ!!!」

 

プルのニュータイプの力が彼女自身から放たれ、プルの髪が風に吹かれたかのように靡(なび)いた。

 

それは覚醒中のユニコーンガンダムにも作用し、サイコフレームから放たれているエメラルドの光を解き放つように拡大かつ増大させた。

 

「何っ?!!ぐあぁああっ?!!」

 

「っ……えぇえいっ!!!」

 

一種のエネルギー波のように拡がったサイコ波動は、ローゼンズールを吹き飛ばし、シナンジュを一時的に離脱させる。

 

彼女が示したニュータイプの力はフロンタルが予測していたモノを超えていた。

 

「さっきまで……色々ありすぎてワケわかんないくらい落ち込んでた……でも、思い出した!!!あたしとユニコーンは、今の宇宙の人々の未来に必要なモノを探しているんだって……!!!」

 

ユニコーンガンダムは本来のモノを思い出したプルの意思に呼応するように両腕をクロス状に振り払い、シナンジュに向かって一気に攻め入りに出た。

 

振るい唸るライトアームとレフトアームのビームサーベルの斬撃は、ガードしたシナンジュのシールドを分断させ爆破、更にはかわされかけた斬撃の切っ先がレフトレッグのジョイントを破砕させた。

 

「大佐!!!おのれっっ、小娘の分際でぇっっ!!!」

 

アンジェロは敬愛するフロンタルに攻撃たる攻撃を仕掛けるユニコーンガンダムとプルに憤りを覚え、怒り任せに有線式アームメガ粒子砲を多方向から見舞う。

 

だが、その攻撃はやはりIフィールドに遮断された。

 

「こいつが邪魔するかっっ!!!」

 

アンジェロはIフィールドを発生させる背部のシールドをもぎ取ろうと試みた。

 

だが次の瞬間、神がかりな動きをしたユニコーンガンダムの斬撃攻勢に、有線をビームサーベルで切断された挙げ句、ライトアーム側のアームクローそのものを破壊された。

 

「……―――!!!小娘ぇっ!!!」

 

「やらせないよっ!!!この先に感じるラプラスの箱の感じは、あなた達みたいな悪い感じじゃないっ!!!」

 

プルが叫んだその言葉はフロンタルに一層強く興味深さを覚えさせ、フロンタルは質問も交えながらビームトマホークの斬撃をユニコーンガンダムに与えに行った。

 

「ほう……!!その言葉、実に興味深いなっ!!!して、君が感じっ……見えているっ……モノは何かな?!!」

 

ユニコーンガンダムに一瞬怯まされたフロンタルであったが、再び攻めに駆り立てられる。

 

斬撃のスパークが再度稲妻の如く光りはしり、ユニコーンガンダムとシナンジュを照らす。

 

「希望……穏やかな、そして、明るい感覚……コロニーと地球の希望なんだと思うっ!!!」

 

その最中、一度弾き捌き合う一瞬があった。

 

それを皮切りに、ユニコーンガンダムの乱舞たる斬撃が、より一層の凄まじさでシナンジュに襲いかかる。

 

プルの声質に合わない程、ユニコーンガンダムの斬撃の乱舞が凄まじいギャップを与える。

 

更にプルが放つサイコエネルギー波は一層の強さを重ねた。

 

フロンタルのシナンジュからも、負けじとフロンタルのニュータイプ気質のサイコオーラを放つ。

 

「(改めて大した娘だっっ……!!!私をこうも苦戦させるとはっ……!!!)くぅっ……希望……それがラプラスなのか?!!ならば、その希望とは、正体はなんなのだっ?!!」

 

「正体なんてわからない。けど、宇宙と地球に暮らす人類に今後の可能性を示す何か……そう感じてるんだよ!!!でも、あなた達は……それを使って地球圏を支配しようとしている!!!地球も切り捨てちゃダメなんだよ!!!」

 

「な?!!(地球を切り捨てる……!!私はまだコロニー共栄圏の理想を語ってはいない!!!私から感覚的に察したのか?!!やはり……彼女はニュータイプ……!!!)」

 

「地球を切り捨てたって、今度は地球がコロニーを憎む時代になっちゃう!!!それにね、私が知ってるパラオのネオジオンのみんなは、戦争なんて望んでないんだから!!!」

 

最もな言葉と共に、プルは更なるサイコ波動を重ねた光りを放った。

 

「ぬぅ……これは?!!」

 

「小娘風情がぁぁああぁぁぁ!!!」

 

プルとユニコーンガンダムが放つサイコ波動は、シナンジュやローゼンズールをはじめとするフロンタル派ネオジオンのMS達を、一気に吹き飛ばし始める。

 

そのサイコ波動の色は、かつてニューガンダムが放ったアクシズショックの光と同じものであった。

 

未知なる計測不能な力を味わうフロンタル派ネオジオンサイドは完全に部隊の戦闘展開体制を崩されていく。

 

更にその拡大するエメラルドの光の余波は、グラーフ・ドレンデの部隊も吹き飛ばした挙げ句、朽ちたラプラスの外壁までもを分解させはじめていた。

 

 その中からは深いワインレッドの色に変更されたレウルーラやムサカの艦隊が姿を見せ、フロンタル派ネオジオンのこれ以上の潜伏は困難なものとなる。

 

 ここまでされてしまっては最早撤退以外はなく、その辛酸を舐めさせられたフロンタルは屈辱の中で展開する自軍の全部隊に通達する。

 

「最早これはアクシズ・ショック以外の何物でもない……!!!これ程とは……!!!えぇい!!全機に告ぐ!!我々はこの領域から撤退する!!!繰り返す!!!この領域から撤退する!!!これ以上の屈辱は口にはしない……!!!」

 

 フロンタルは仮面の下に口惜しく苦い感情をかみしめながら展開していた自軍部隊を撤退させ、自身もまたラプラス官邸跡を離脱していった。

 

ネオジオンサイドが次々に部隊を撤退させていく中、グラーフ・ドレンデからもその神秘的かつ驚異的な光景を観測していた。

 

マーサやヴァルダーをはじめとする乗員の殆どがアクシズ・ショックの光を目の当たりにしていた。

 

「ユニコーンガンダム、NT-Dを発動させながらアクシズ・ショックの光を放っています!!その影響か、MSやラプラスそのモノの構造壁を吹き飛ばしています!!」

 

「なんと奇天烈(きてれつ)な光景だ……あれがアクシズ・ショックの光か!!!あの小娘、間違いなく本物のニュータイプだ!!!くくく、益々利用価値が跳ね上が跳ね上がったようだ。ミズ・マーサ……!!!」

 

「えぇ。改めて再認識したわ。あの状況を他に言い変えれば次のラプラスの道標がまた開示された。機体は必ず回収させるのよ」

 

「無論だよ……くくく」

 

「最も……下手な反逆をすればどうなるか彼女自身が一番理解しているのでしょうけど……うふふふ、この要領を踏んでいけばいずれラプラスに……!!」

 

マーサは視線上に映るユニコーンガンダムの超常的な有り様に驚異を覚えるどころか、更なるラプラスの箱の破壊に向けた野心を満たす。

 

「そして、私の計画も成就に……!!!」

 

だが、マーサのその腹黒い視線などはね除けるかのごとくユニコーンガンダムは輝き続けていた。

 

 

 

L1コロニー群周辺エリア

 

 

 

メリクリウス・シュイヴァンとヴァイエイト・シュイヴァンにウィングガンダム・ゼロが迫る。

 

ウィングガンダム・ゼロは2機に接近するや否や、ツインバスターライフルを突き出した。

 

「キヒヒッ、コロニーの次はッ……貴様らだぁあああああ!!!」

 

 

 

ヴァズゥアアアアアアアアアアアッッッ!!!

 

 

 

「!!!」

 

 

 

ズゥドォゴバァアアアアアアアアアアァァァ……ドォゴバババガゴゴゴゴァアアアアン……!!!

 

 

急激なツインバスターライフルの一撃をヒイロとデュオは反射的にかわすが、後方で監視に徹していたOZのMS部隊に直撃し、爆発光を幾つも発生させながらリーオーの小隊を五つ壊滅させた。

 

「いきなりスゲー挨拶してくれたなぁ!!」

 

「デュオ、援護しろ!!!俺が接近戦を仕掛ける!!!」

 

「あぁ!!コンセプト逆だが、今銃撃戦でやったら更に周りが墓場になるからなぁ!!!死神も強制休暇中なんで死神の仕事はできないぜ!!!」

 

デュオの得意な冗談比喩を交えながら、決死の反撃が始まる。

 

ヴァイエイト・シュイヴァンのツインビームカノンの咆哮を狼煙に、クラッシュシールドのビームソードを発動させてメリクリウス・シュイヴァンが突っ込む。

 

ヒイロは手始めにツインビームカノンをかわしたウィングガンダム・ゼロに向かいビームソードの刺突を試みたが、ゼロシステムに予測済みであるが故に容易くかわされてしまう。

 

瞬時にヒイロは突きから薙ぎに変換した一撃を見舞うが、この一撃もまた躱された。

 

「キヒヒッ、見える、見える、ミエル!!!!」

 

目を見開いた狂気の表情を放ったキルヴァは、近距離でツインバスターライフルを放つ。

 

「ちっ……!!!」

 

ヒイロは増強されたプラネイト・ディフェンサーを前面に展開させた。

 

強烈なビーム渦流を真っ向から受け止め、ディフェンス効果のスパークが激しく唸りはしる。

 

その最中、メリクリウス・シュイヴァンが攻撃を受け止めている後方より、ヴァイエイト・シュイヴァンの砲撃がウィングガンダム・ゼロを狙って唸る。

 

これもかわしたウィングガンダム・ゼロは射撃を解除し、ツインバスターライフルを二分させた射撃に転じる。

 

ツインバスターライフルから二つのビーム渦流が唸り放たれ、狙いは僅かな誤差とデュオの反射神経、悪運で直撃はしなかった。

 

「ひゅー!!!トンでもスリルだぜっ!!!敵だとこうも恐ろしいもんかぁ?!!ウィングゼロさんよぉ!!!」

ヴァイエイト・シュイヴァンは旋回しながらツインビームカノンを左右交互、時に同時に砲撃をする。

 

その間に、メリクリウス・シュイヴァンはビームガンで牽制射撃を仕掛け、遂に着弾に成功した。

 

無論、それはウィングガンダム・ゼロには些末なダメージに過ぎないが、一撃には一撃だった。

 

「ちっ……うぜぇな!!」

 

その牽制から打ち上げるようにメリクリウス・シュイヴァンはクラッシュシールドをウィングガンダム・ゼロへ押し当てに迫る。

 

ガオンッとウィングガンダム・ゼロの胸部アーマーにクラッシュシールドが激突し、至近距離からビームガンの連続射撃を浴びせた。

 

「うぜぇつってんだろがぁあっっ!!!!」

 

突発的な怒りにあてられたキルヴァは、ライトアーム側とレフト側のツインバスターライフルを同時にメリクリウス・シュイヴァンへ放った。

 

だが、プラネイト・ディフェンサーによりシャットアウトし、連続的に相殺されたエネルギーのスパークが唸る。

 

「んのぉやらぁあアアアアぁああっっ!!!!」

 

奇声混じりに叫ぶキルヴァは、ツインバスターライフルを放り投げるように宇宙空間へと投げ捨て、レフトショルダーアーマーに格納されたビームサーベルを取り出した。

 

そして、凄まじい速度に乗せた斬撃を一気にメリクリウス・シュイヴァンへと打ち込む。

 

「……ツインバスターライフルを自ら解除した……?!!」

 

ヒイロはツインバスターライフルの脅威を排除する事を狙っていた。

 

それがキルヴァ自らツインバスターライフルを手放した事はチャンス以外の何者でもなかった。

 

ヒイロは迫る斬撃の衝撃をクラッシュシールドのビームサーベルで受け止めるが、凄まじい衝撃とスパークが押し寄せる。

 

 

 

ヴァアギィジィァアアアアアッッ……!!!

 

 

 

「くぅっっ……!!!流石だな……このメリクリウス・シュイヴァンとかいう機体も俺達のガンダムとの戦闘を想定している故に、従来のハイレベルMSよりもパワーは有る。だが、ゼロはそのパワーをも凌いでいる……!!!」

 

「キヒヒッ!!!受け止めた、受け止めたぁっ!!!無駄、無駄、ムダ、ムダァぁっ!!!」

 

メリクリウス・シュイヴァンのビームサーベルを弾き捌き、ウィングガンダム・ゼロは滅多斬りの狂った斬撃を浴びせ始めた。

 

ヒイロは襲いかかる斬撃の一つ、一つをビームサーベルの刀身で受け止め、受け弾き、受け流し、受け捌く。

 

既にゼロシステムに呑まれ切ったキルヴァの攻撃を、ヒイロはニュータイプの反射神経に匹敵する身体能力で対抗していた。

 

無論、ヒイロはニュータイプではない。

 

「……このメリクリウス・シュイヴァンで……どこまでやれる?!!」

 

次の瞬間、ヒイロは斬撃に対してビームガンの至近射撃を放つ。

 

だが、その瞬間にウィングガンダム・ゼロはゴリ押しで斬撃を叩き込みに掛かった。

 

ビームガンは直撃され続けたが、ウィングガンダム・ゼロのネオ・ガンダニュウム合金の装甲面では爆発が弾けるばかりに止まっており、その連発の最中に斬撃が銃身に入る。

 

「ちっ……!!!」

 

ビームガンを切断・爆破させられた直後にヒイロは再びクラッシュシールドでの受け身に加え、プラネイト・ディフェンサーを展開させた。

 

「このターゲット、やはりゼロシステムにあてられているなっ……!!!」

 

「がはぁらぁああああああっっ!!!」

 

更にキルヴァはプラネイト・ディフェンサーを全く気に止めずに己の破壊衝動のままシールドによる突きを繰り出し、メリクリウス・シュイヴァンへと見舞う。

 

シールドの鋭利な先端がメリクリウス・シュイヴァンのプラネイト・ディフェンサーを殴り飛ばすように弾き飛ばした。

 

一度押されたが、ヒイロは再度プラネイト・ディフェンサーを前面に展開させて攻め入るコントロールを再開させる。

 

クラッシュシールドを振りかざし加速を加えた斬撃がウィングガンダム・ゼロへと迫った。

 

「これ以上、俺達の故郷を破壊させる訳にはいかない!!!ここで俺達が、止める!!!」

 

「キヒャーッ!!!乗ってんのはあのガンダムのパイロットさんかよっ!!!あいつらより骨あんかなぁ?!!」

 

キルヴァは戦闘の最中にゼロシステムが見せたイメージから、ヒイロ達の事が伝達されていた。

 

再度ビームサーベルとクラッシュシールドのビームサーベルがぶつかる。

 

メリクリウス・シュイヴァンとウィングガンダム・ゼロが斬撃の打ち合いを重ねながらコロニー群の宇宙空間を駆け抜け、ヒイロとキルヴァが直々たる衝突を始めた。

 

「こんのぉ機体ぃっ、破壊には持って来いなんだよーっ!!!キヒヒ!!!キヒヒッ、キヒヒッ!!!」

 

「確かに……ゼロは凄まじき力を有している。貴様のような奴に渡れば、今引き起こってしまっている事態にもなる。だがっ……!!!」

 

メリクリウス・シュイヴァンのクラッシュシールドの斬撃は薙ぎや袈裟斬りの斬撃から連続の突きへと切り替わった。

 

ウィングガンダム・ゼロは向かい来る突きに合わせるかのようにビームサーベルで繰り返し受け流していく。

 

「けっ……攻撃は見えるんだ……無駄ぁ、無駄ぁ!!!」

 

ウィングガンダム・ゼロは高機動力でメリクリウス・シュイヴァンの背部に周り込み、ビームサーベルの斬撃を浴びせた。

 

だが、ヒイロはプラネイト・ディフェンサーを自機へ引き寄せるようにコントロールし、斬撃を防御する。

 

「ちっ……なんだぁ?!!生意気なんだぁ!!!!」

 

「だがっ……本来は宇宙世紀の歴史に常にある理不尽な力、体制に抗う為の、コロニーの為の力だっ!!!」

 

ヒイロはプラネイト・ディフェンサーを再び前面に展開させ、ウィングガンダム・ゼロへと斬り迫る。

 

「コロニーの為の力だぁ?!!寝言かっ、バーカっ!!!」

 

メリクリウス・シュイヴァンに斬撃を浴びせるが、その斬撃はぶつかるように押し止められた。

 

「寝言もバカもない……貴様にこれ以上俺達の機体で好き勝手させはしないっ……!!!!」

 

メリクリウス・シュイヴァンは拮抗したウィングガンダム・ゼロのアームを崩し外すと、クラッシュシールドのビームを納めた上でシールド面をウィングガンダム・ゼロに殴り当てた。

 

その時、キルヴァは今までに見なかった感覚に襲われた。

 

キルヴァがメリクリウス・シュイヴァンに突き砕かれるイメージと感覚が彼を襲った。

 

以前にもあったゼロシステムが見せる事のある死ぬ感覚だ。

 

「がぁあああっ?!!ぐはっ……!!!なんだ、いまのぉ?!!ああっ、あっ、あっがぁああああ!!!」

 

ウィングガンダム・ゼロはキルヴァの発狂と共に狂ったような斬撃を始め、その斬撃はプラネイト・ディフェンサーのユニットにランダムに当たり、スパークを起こす。

 

「おー、おー、発狂してくれちゃってよぉ!!いよいよゼロによからぬ幻覚でも見せられたかぁ?!!いつかのデカぶつガンダムさん!!!ヒイロ、退いてろ!!!」

 

「!!」

 

ヒイロがデュオの促しに対して機体を離脱させて答えると、タイミングを見計らったデュオのヴァイエイト・シュイヴァンのツインビームカノンが狙い撃つ。

 

デュオは聞こえるキルヴァの声からいつしかのΞガンダム戦の時を思い出していた。

 

二つの高出力のビーム渦流が突き進む中、ウィングガンダム・ゼロは容易くかわすが、キルヴァにはビーム渦流に巻き込まれ消滅する幻覚を見せられていた。

 

ウィングガンダム・ゼロはいびつな軌道を描くように加速を始めた。

 

「あああああっっ、んなもの、見せんなぁあああ!!!!」

 

多角形軌道を描いた直後、ウィングガンダム・ゼロは狂ったようにコロニーへと向かい始めた。

 

「ちっくしょがぁああっっ!!!」

 

「あぁ?!!あの野郎、コロニーへ向かいやがった!!!」

 

「被害が拡大する!!!追うぞ!!!」

 

「あったりまえだっ!!!これ以上、コロニー市民に死神が働くのは勘弁だぜっっ!!!」

 

無論、内部で今のウィングガンダム・ゼロが暴れれば、内部の都市は致命的な被害を免れないだろう。

 

ヒイロは直ぐ様その後を追尾し、その最中でデュオに問う。

「デュオ、奴を知ってるような口調だったが……?!」

 

「ま、知ってるっつーか、前に地球で逃げ回ってた時、ダカールとオーガスタで遭遇した奴さ!!あの特徴的な下品な嗤いは直ぐにピンときたぜ……あと、カトルお坊っちゃんのフィアンセを奪いやがった奴でもあるがな!!カトルの事を考えると……はぁ、胸くそ悪くなるな……」

 

「そうか……やつは俺達の取り巻く環境に因縁性があったか……」

 

「因縁ね……かもな!!ま、とにかく今はコロニーを守らねーと!!!」

 

「……その上で奴がツインバスターライフルを置き去りにしたのは不幸中の幸いだな」

 

「あぁ!!だが、コロニーが危険なのは変わりないぜ!!!」

 

2機はキルヴァが暴走するウィングガンダム・ゼロを追い、キルヴァが破壊対象にしたコロニーを目指すが、やはりウィングガンダム・ゼロの機動力と加速には到底追い付けるものではなかった。

 

しかしこの時のキルヴァは、背後から迫り来るヒイロとデュオの機体をゼロシステムの予知ビジョンに投影された映像で認知していた。

 

一瞬薄ら笑いをしたキルヴァは、狂い嗤いながら再び機体を反転させる。

 

「キィギャッハハハハーッ!!!!見えてんだよぉぉっっ!!!!」

 

ウィングガンダム・ゼロもまた、反転仕切ったと同時にあたかもその機体自体がメリクリウス・シュイヴァンとヴァイエイト・シュイヴァンを狙い定めたかのように両眼と胸部のゼロ・ドライヴを発光させた。

 

コロニーを襲撃するかと思えたウィングガンダム・ゼロが、突如とヒイロ達に襲い来る。

 

殺意と狂気を乗せたビームサーベルの斬撃が、加速をを伴いながらメリクリウス・シュイヴァンに叩き込まれた。

 

「キィギャッギャハハハハハーッ!!!わかってんだよぉおァっ!!!!」

 

「くっ……!!!」

 

ヒイロの咄嗟の判断で、クラッシュシールドをかざすメリクリウス・シュイヴァンだが、瞬間的なスパークと共に凄まじい衝撃を受け、叩き伏せられるように圧倒されてしまう。

 

次の瞬間には背後を捕られ、斬り払いの一撃がプラネイトディフェンサー越しに襲った。

 

ビームサーベルのエネルギーと発動したプラネイトディフェンサーが衝突し合ったスパークが目映く照らす。

 

「がっ?!!」

 

吹っ飛ばされながらも振り返り際にビームガンを撃つヒイロだが、既にウィングガンダム・ゼロはいない。

 

次にヒイロが気づいた時、側方からビームサーベルが叩き込まれ、メリクリウス・シュイヴァンのレフトアームの関節ジョイントを破断させた。

 

その攻撃を皮切りに、ビームサーベルをウィングガンダム・ゼロが激しく打ち込み始める。

 

ヒイロはその豪々たる斬撃を数度クラッシュシールドでしのぎ、次の斬撃の瞬間でビームサーベルを発動させた。

 

ビームサーベルが激しくスパークし合う中、ヒイロはキルヴァに向け、警告を放った。

 

「行き過ぎた力は貴様自身を滅ぼすだろう……既にゼロシステムが貴様を侵食しているはずだ……機体を放棄しろ!!!」

 

「はぁ?!!貴様、俺様に指図すんじゃねぇっっ!!!俺はなぁ!!!破壊が楽しいんだっ!!!!コイツは俺様の破壊欲を加速させてくれるマシンだっ!!!!ヒャハー!!!」

 

無論、キルヴァは反発しながらより一層の斬撃を打ち込み、ヒイロを圧倒する。

 

「くっ……!!!」

 

ヒイロはガードで一杯になる中、サイドモニターに映し出されたタッチパネルを操作し、ビームサーベルの出力を上げて対抗する。だが、それでもウィングガンダム・ゼロのパワーに及ぶことはなく、攻防の状況は横這いの一途を辿った。

 

ヒイロは猛威を奮うウィングガンダム・ゼロの斬撃に対し、更なる防御に徹した。

 

装備されたプラネイトディフェンサーをフルに活かした防御体制を展開させ、多数のプラネイトディフェンス・ユニットがウィングガンダム・ゼロのビームサーベルを迎え撃つ。

 

激突するビームサーベルの斬撃のスパークがヒイロとキルヴァを照らす中、デュオがツインビームカノンの砲門をウィングガンダム・ゼロへ向けた。

 

左右のジェネレーターハッチが解放し、強力な疑似GNDエネルギーのスパークを放ちながら、そのエネルギーを巨大な銃口へと充填させていく。

 

「いっくぜぇ!!!けど、直撃すんなよ!!?最終的な切り札なんだからよぉ……!!!!」

 

デュオは攻撃対象が自分達の切り札でありながら攻撃しなければならない複雑さも交え、ツインビームカノンのグリップを操作する。

 

更に言えばその複雑さにはゼロシステムに攻撃をかわされる可能性大な事もはらんでいた。

 

二つのビーム渦流が撃ち飛ばされ、スパークを帯びながら宇宙空間を切り裂くかのように突き進む。

 

ビームが2機へ一気に突き進む中、キルヴァは狂気の笑みと共に開口しながらウィングガンダム・ゼロを一気に離脱させて見せた。

 

シュバッと離脱したウィングガンダム・ゼロは、電光石火の如くヴァイエイト・シュイヴァンに襲いかかり、抜刀軌道の斬撃を見舞い、レフト側のビームカノンの銃身を破断する。

 

破断されたビームカノンが切断部から爆発を起こすが、デュオはやむ得ずライト側のビームカノンをウィングガンダム・ゼロの顔面に突き付けた。

 

「こんチクショウっ!!!」

 

零距離でビームカノンの砲口からビームが吐き出され、ウィングガンダム・ゼロを仰け反らせながら吹き飛ばす。

 

だが、ダメージは微々たるもので、ウィングガンダム・ゼロは眼光と胸部のゼロ・ドライヴを光らせ、一層の攻勢に出た。

 

ウィングガンダム・ゼロは加速しながらビームサーベルを振りかぶり、一気にヴァイエイト・シュイヴァンのライトアームを斬り砕いて、シールドの切っ先を激しく刺突させる。

 

「がぁああああ?!!」

 

「きひゃはー!!!!」

 

ヴァイエイト・シュイヴァンはジェネレーターを破壊されながら吹き飛ばされた。

 

更にウィングガンダム・ゼロは追い討ちをかけるように止めの斬撃を仕掛けに加速する。

 

デュオに絶体絶命の強烈な死の旋風が圧し迫る。

 

「ちっ……俺の悪運も……ここまでかっ……!!!」

 

「キシャーッ!!!あ?!!」

 

だがその時、2機の間にヒイロのメリクリウス・シュイヴァンが飛び込む。

 

「ヒイロ?!!」

 

「邪魔だぁあああああ!!!」

 

気に触れたキルヴァは、怒り任せにビームサーベルを叩き込んだ。

 

だが、ヒイロはプラネイト・ディフェンサーをフルパワーで展開させてこれを防御した。

 

「な?!!」

 

「デュオ!!もうお前の機体は戦闘不能だ!!!離脱してバルジへ戻れ!!!」

 

「な?!!何言ってやがる?!!ヒイロはどうすんだ?!!まさかお得意の自爆ってんじゃねーだろな?!!」

 

「自爆か……今の俺はしない!!!」

 

「お?!!」

 

「……今の俺には、マリーダを救う任務がある……故に俺は死ねない!!そして今置かれた状況を突破するにはゼロが必要だ!!!」

 

「マリーダね……すっかり色気付いたなおい……って、まさかこんな状況でゼロを奪回すんのかよ?!!」

「今は少しでもバルジへ近づきながらゼロを引き付ける!!」

 

ヒイロが発した事は無茶かつ絶望的な選択だったが、デュオはそれ以上にヒイロの思考が変わった事に、驚きとニンマリ的な嬉しさを覚えた。

 

(まさか……ヒイロが自分で「死ねない」なんて言うとは思えなかったぜぇ……前は常に命がアブネー状況に自ら突っ込んで任務したがってたのによ!!へへっ、マリーダとの出会い、アイツにソートーな影響与えたみたいだな……!!)

 

デュオは任されたと言わんばかりにグリップを握りしめ、満身創痍のヴァイエイト・シュイヴァンを加速させた。

 

「わかった。そんじゃ、引き受けて逃げまくるぜぇ!!」

 

「あぁ」

 

ヒイロとデュオは互いの行動を託し合い、今出来る最善と思う行動に全てを賭けた。

 

加速しながら遠ざかって行くデュオを確認したヒイロは、再びクラッシュシールドを構えながらプラネイトディフェンサーを自機の全面に展開させた。

 

スパークの壁の向こうからは狂気を吐き散らすようにウィングガンダム・ゼロがビームサーベルを振りかざして迫る。

 

「キシャァァアアアアぁああああッ!!!!」

 

「……っ!!!」

 

その一撃がプラネイトディフェンサーに激突し、凄まじいスパークを唸りはしらせた。

 

「うぜーんだよっっっ!!!!バチバチバチバチよぉお?!!」

 

ウィングガンダム・ゼロの斬撃のラッシュに比例してまばゆくプラネイトディフェンサーのスパークが2機を照らす。

 

ヒイロは一瞬の隙を突きながらクラッシュシールドをウィングガンダム・ゼロに突き出した。

 

力が一瞬拮抗したが、直ぐにウィングガンダム・ゼロが勝って捌き弾く。

 

メリクリウス・シュイヴァンとウィングガンダム・ゼロは、互いにビームサーベルを乱撃し合いながら次第にバルジの方面へと軌道を向き始めていった。

 

だが、その最中だった。

 

あれほど斬撃に執着していたキルヴァは、自ら宇宙空間を漂っていたツインバスターライフルに向かい、ウィングガンダム・ゼロにツインバスターライフルを装備させる。

 

「くっ、ツインバスターライフルを許したか!!!」

 

ヒイロは展開させたプラネイトディフェンサーの全ての基機を最大限の出力に上げた。

 

ツインバスターライフルを握りしめたウィングガンダム・ゼロは反転しながらエネルギーチャージを開始し、その銃口はメリクリウス・シュイヴァンへと向けられ、その瞬間に荒れ狂うビーム渦流が解き放った。

 

 

 

ヴォヴゥバァアアアアアアアアアアッ!!!

 

 

 

ヒイロはツインバスターライフルのビーム渦流波をプラネイトディフェンサーで真っ向から受け止める。

 

メリクリウス・シュイヴァンは凄まじい閃光とスパークに包まれながら宇宙空間を押し飛ばされ、そのままコロニーの外壁部に激突する。

 

ほんの僅かに踏ん張るが一瞬に過ぎず、外壁にめり込み内部を突き抜け、市街地に打ち付けられながら更にコロニーの内部から再び宇宙空間へと吹き飛ばされた。

 

「ぐぅっ……!!!もつかっ……?!!」

 

「キヒャッハァッッ!!!死ねぇぁっっ!!!」

 

ゼロシステムにより狂気を増幅させるキルヴァは、ウィングガンダム・ゼロのツインバスターライフルを撃ち続けながら射撃エネルギーを増幅させた。

 

外壁部に破壊エネルギーを伝達されていき、一気に外壁を焼灼させる。

 

無論、居住者達も無差別かつ無慈悲に破砕被害に巻き込まれ、悲惨な状況下に曝されていった。

 

そのツインバスターライフルの超高エネルギーにより、コロニーは外壁をオレンジに発光させながら破砕を拡大させ、短時間で崩壊に導びかれた。

 

溢れだした閃光と共に、コロニーは大爆発を巻き起こして宇宙のチリに消え、その大爆発の影響を加えた衝撃とビーム渦流に押し飛ばされたメリクリウス・シュイヴァンは小惑星に激突した。

 

「ぐぅっ!!?くっ……おぉおお!!!」

 

ヒイロはメリクリウス・シュイヴァンのレッグスラスターを最大出力に噴射させ、持続するツインバスターライフルのビーム渦流に対抗する。

 

だが、最早悪あがき以外のなにものでもなく、推進力はツインバスターライフルのエネルギーに拮抗するに止まった。

 

プラネイトディフェンサーの各ユニットも、ツインバスターライフルの押し寄せる超高エネルギーにより、耐久限界に達しようとしていた。

 

モニターにはレッドゾーンの耐久値が表示され、アラート警報が甲高くなり響く。

 

「プラネイトディフェンサーが限界かっ……?!!」

 

実際にプラネイトディフェンサーのユニット群自体がスパークを引き起こしていた。

 

そして遂に一基、二基と次々に爆発していき、危機的な状況を悟ったヒイロは、メリクリウス・シュイヴァンをツインバスターライフルの射撃軸線上から離脱させようとした。

 

「ダメか……っ!!!」

まさにその判断の刹那、耐えていた残存基のプラネイトディフェンサーが臨海を迎え、一気に爆発する。

 

同時にディフェンサーフィールドから一気に解き放たれたビーム渦流が、メリクリウス・シュイヴァンのレフト側のアームとレッグを完全に吹き飛ばした。

 

 

 

 ズドォヴァアアアアアアアアアアアアアッッ!!!

 

 ドォズシャァアアアアアアアアアアアアアッッ………ッドォグォガァアアアアアアアアア!!!

 

 

 

「ぐおぉおおっ!!?」

 

更にビーム渦流により焼灼された部位が爆発し、メリクリウス・シュイヴァンをより右側面方向に吹き飛ばす。

 

キルヴァを生体端末にしたウィングガンダム・ゼロは、両眼を発光させながら容赦なく攻勢の勢いをぶつけ、レフトアーム側にツインバスターライフルを装備しながらビームサーベルを再び装備して斬りかかる。

 

「キシャァぁぁああぁぁぁあっ!!!」

 

「メリクリウス・シュイヴァンの機体自体が限界か……クラッシュシールド一基しか武装はない……!!!後は……」

 

轟々たるウィングガンダム・ゼロの斬撃が繰り出される中、メリクリウス・シュイヴァンはクラッシュシールドのディフェンサーフィールドで辛うじてビームサーベルの攻撃を受け止め続ける。

 

「シャアぁぁあァァはぁがぁぁぁあっ!!!!」

 

 狂ったキルヴァの感情を乗せる斬撃の乱舞は、激突毎に重く強烈なビームサーベルの衝撃をメリクリウス・シュイヴァンに与えていく。

 

 次第にライトアームそのものの負荷が上昇させていた。

 

 モニター表示にも警告アラートが鳴り響いており、ヒイロは一瞬その表示を見て本機体の最後であろう攻勢の行動に出た。

 

「っ!!!」

 

 クラッシュシールド先端から発するビームサーベルの刀身がウィングガンダム・ゼロのビームサーベルと交わり稲妻のごときスパークを散らす。

 

 更に上昇する負荷に鳴り響くアラートだが、最早背水の陣たる状況にヒイロはビームサーベルを捌き、ウィングガンダム・ゼロに攻め入らせた。

 

「攻めは最大の防御だ。捨て身に等しいがな……!!!」

 

 幾度も互いの斬撃が打ち合わせられ、絶えずスパークがはしり光る。

 

 その最中、ウィングガンダム・ゼロのコックピット内ではゼロシステムの発動による光がキルヴァ包み、彼を更に狂人へと拍車をかけ続ける。

 

「キヒャアアアアアアアアア!!!無駄無駄無駄無駄ァああアアアア!!!俺はなァ!!!無敵なんだよぉおおおっ!!!このシステムは俺をより上に導いてくれるうううう!!!だからァ俺はァ……!!!」

 

 いくら攻勢に出ても機体との差が生じ、乱舞するウィングガンダム・ゼロの強烈な斬撃を前にするメリクリウス・シュイヴァンは斬撃を交わえる度にアームジョイントを痛ませていく。

 

 幾度も斬撃を打ち合った両者の斬撃が拮抗した。

 

 そしてその僅か数秒後、メリクリウス・シュイヴァンのライトアームは遂にスパークをはしらせ爆発した。

 

 同時に斬撃の切っ先がメリクリウス・シュイヴァンの胸部コックピットハッチを焼灼、切断した。

 

「ぐっ!!!限界かっ……!!!」

 

 反動で吹き飛ぶ中、ヒイロは焼けただれたコックピットハッチの隙間から見えるウィングガンダム・ゼロを直視しながら、履いて捨てるほど覚悟して受け入れてきた死を再度覚悟する。

 

「キヒャあああ!!!死んじまいなァアアアアアアアアア!!!」

 

 レフトアームに握られたツインバスターライフルがメリクリウス・シュイヴァンへと向けられた。

 

 ヒイロは静かに瞳を閉じて次の瞬間に襲い来るであろう、ツインバスターライフルのビーム過流を覚悟すると同時に、マリーダを思い浮かべ、彼女に伝えきれない別れを呟いた。

 

「……さよなら……マリーダ……」

 

 だがその瞬間、ウィングガンダム・ゼロのコックピット内で事態が変貌する。

 

 突如としてシステムがキルヴァに死の情報やイメージを脳内に与え始めたのだ。

 

「な??!なんだっっ……ぐおああああああ……?!!」

 

 次々にキルヴァの脳裏に襲い来る死の映像や感覚には、ウィングガンダム・ゼロが直接自分にツインバスターライフルを撃ち飛ばす映像やそれに呑まれてキルヴァの体が消滅する映像と感覚、更にはカトルが乗るガンダムサンドロックに切り刻まれバラバラにされる映像と感覚などが押し寄せていた。

 

 それ以外にも生々しく伝わる死の情報が大量にキルヴァに流れ込み、彼の精神と肉体を異常なほどまでに圧迫する。

 

 まるでそれはゼロシステムが本来の適格者であるヒイロの死を制止させているかのようでもあった。

 

「がァあああああ?!!やめろっつてんだろ!!!ちくしょおがァああああああああああ!!!ああがあァあ、キヒヒャァアアアアアアアアア!!!うぶるあァあああがあああああああああ!!!」

 

 遂にキルヴァは狂いの笑いを発狂をしはじめ、体をのたうち回らせては自らの体をかきむしりまくる。

 

 ゼロシステムが送り続ける死のイメージの情報と感覚は一瞬でキルヴァ自身を容量オーバーに導き、精神を崩壊に至らせた。

 

「……?!攻撃が止んだ……だと……?!!ゼロのシステムによる影響が生じたか?!!」

 

 静止したまま微動だにしないウィングガンダム・ゼロにヒイロは直ぐに内部で異常が生じたと判断する。

 

 ハッチ破壊の影響で大半の機器に異常を生じさせている為、ウィングガンダム・ゼロからの音声は通信や傍受が不可能ではあるが、ヒイロはシステムの負荷によるオーバーロードと予測しながら自機をウィングガンダム・ゼロに接近させた。

 

そして半壊したメリクリウス・シュイヴァンのコックピットハッチを、生きていた脱出プログラムを利用してパージさせる。

 

ヒイロは携帯していたハンドガンを構え、ウィングガンダム・ゼロのコックピットハッチを外部から解放させた。

 

同時に中のキルヴァに鋭利な眼光と銃口を向ける。

 

「……動くな」

 

「シャアぁぁあァぁぁあがっ!!!」

 

だが、ヒイロの言葉に逆らうように、狂ったキルヴァは驚異的な速さでヒイロに飛びかかる。

 

「―――??!」

 

流石のヒイロも強化され過ぎたキルヴァの素速さには対応しきれず、ハンドガンを弾かれた挙げ句、キルヴァに首締めを許してしまう。

 

「がはっ……?!!ぐっっ!!!」

 

「きしゃああァァァアアアアッっ!!!」

 

ヒイロとキルヴァは取っ組み合いながら宇宙空間を回転する。

 

「殺してやらぁあアアアアッッ!!!がぁああアアアアっっ!!!」

 

発狂を交えながらギリギリとヒイロの首を握り締めるキルヴァに、ヒイロは蹴りを入れ込む。

 

ヒイロも肉体強化を施した過去がある故に、常人を超える筋力や身体能力を持っていた。

 

「ぎっ?!!」

 

ヒイロが叩き込んだ蹴りにより、キルヴァは一度首締めを解除する。

 

そのヒイロはその瞬間を逃さずキルヴァの頭部をメット越しに抱え込み、連続打撃を胸部の人体急所・水月に打ち込む。

 

「ぐっ!!がっ!!げがっ……?!!」

 

ヒイロは更にメットごとキルヴァの頭を掴んで、膝蹴りを顎に数度叩き込んだ。

 

「ぐぎぅっ!!?」

 

そしてヒイロはキルヴァをアストロスーツのメットを掴みながら、バイザー越しに眼光を浴びせる。

 

ヒイロに過るは、自身への首締めや怒りなどではなく、デュオから聞かされたカトルへの屈辱、数多くの罪亡きコロニー市民やコロニーを葬った諸行、そしてその罪をコロニーを護るべき自分達のガンダム、ウィングガンダム・ゼロに重ねさせた事に対する怒りだ。

 

「キルヴァとか言ったな……お前を殺す!!!」

 

 

 

 ドォッッ!!!

 

 

「ぎっ―――!!!」

 

ヒイロはキルヴァの顎を目掛け顎にアッパーを食らわせ、キルヴァの身体を豪快に宇宙空間へと見舞った。

 

一度宇宙空間へと惰性で放り込まれれば何処に行き着くかなど保証はなく、ひたすら宇宙を漂うに尽きる。

 

ヒイロは漂うメリクリウス・シュイヴァンに脚を預けながら蹴り、その反動でようやく狂人の手から解放されたウィングガンダム・ゼロに向かって自身を向かわせた。

 

「……ゼロ!!!」

 

そして遂にヒイロはウィングガンダム・ゼロのコックピットに身を投じ、ウィングガンダム・ゼロもそれを待っていたかのようにゼロシステムを再び発動させ、コックピットに展開されるゼロシステムの光がヒイロを包む。

 

ヒイロ脳裏に投影されはじめたのはキルヴァのこれまでの凶行の情報であった。

「……元連邦、現OZ所属の強化人間、キルヴァ・ザレア。幼少より孤児だった自らを保護してくれたはずの富豪の養父母を10歳の時に殺傷。金銭物を売りさばき、以降強盗殺戮を繰り返す……被検体として誘拐された後、オーガスタにて更に危険な強化人間として調整された。悲痛な過去を持つ他の強化人間たちとは異なり、元より危険な猟奇的性格をした俗にいうサイコパス……Ξガンダムを与えられたその後はさらなる殺戮を我が物顔で凶行に及ぶ。その最中に出会った誘拐されたカトルのフィアンセ、ロニ・ガーベイを自分好みに洗脳するように要望。一度は命を奪おうとしたが再度欲望のままに弄んだ……そしてゼロの実験に……システムによる凶行も受け入れて自らが望んで暴走していた……か」

 

 ヒイロはゼロが与えたキルヴァの情報を脳内で閲覧し終えた。

 

 彼の凶行には全くの同情の余地はなく、胸糞悪さや怒りがただただ残るばかりであった。

 

 特にコロニー市民の被害とカトルを絶望に突き落とす要因となったロニの事がヒイロの中で静かなる怒りを巡らせていた。

 

 更にゼロシステムはキルヴァを野放しにしていた場合の予測映像をヒイロに見せ続ける。

 

 再びΞガンダムに乗り換えた後、各地の都市部やコロニーに情報操作前提のテロ行為をし続け、よりヒイロ達に世論の情報攻撃が拡大し、犠牲と不利の連鎖が巻き起こるのが把握できるものだった。

 

 最後にはキルヴァ駆るΞガンダムが、ロニが乗る何らかの機体にビームを撃ち込む映像を見せて終わった。

 

 静かに瞳を開いたヒイロはキルヴァに関することを把握しきり、今こそ葬るべき存在と確信する。

 

「今一度言う。強化人間キルヴァ……お前を殺す」

 

 カメラアイと胸部のゼロ・ドライヴを発光させたウィングガンダム・ゼロはツインバスターライフルの銃口をキルヴァのいる方面に向けた。

 

 生体ターゲットと見なしたシステムが、生体センサーに置き換えてキルヴァをロックし、ヒイロもそれに伴いエネルギー充填操作に移行する。

 

「貴様のこれまでの罪の精算だ……!!!」

 

 キルヴァに巻き込まれた全てに代わり、ヒイロは狙撃するがごとく鉄槌を下す意をキルヴァに飛ばした。

 

 キルヴァも惰性で飛ばされながらウィングガンダム・ゼロに視線を向け、今まさにツインバスターライフルを放とうとしている動きを把握した。

 

 瞳孔を限界まで広げながら血を混ぜた嗤いを見せたキルヴァをヒイロはゼロシステムを介して見据え、その最中にこの後に来る未来を把握する。

 

 その未来から見出したもう一つの意を賭してツインバスターライフルを解き放った。

 

 

 

 ヴゥヴィリリリリリィィィ……ヴヴァルァァアアアアアアアアアァアアアアアアアアア!!!!

 

 

 

 押し迫るビーム過流を目前としたキルヴァは癖の深い嗤いを浮かべるものの、直後に想像を絶する熱エネルギーを浴び、狂った余裕は一瞬で声なき断末魔に変わる。

 

 全ての罪の清算を叩きつけたような凄まじき因果応報は、キルヴァを白目に阿鼻叫喚させ、超高エネルギーの熱エネルギーは彼の人体を赤く焼灼した。

 

その直後には、ビーム過流が容易くキルヴァを呑みこんで焼き飛ばす。

 

 そして宇宙空間を突き進むそのツインバスターライフルのビーム過流はその延長軸線上の旧ソロモンをめざしてゆっくりと旋回を始める。

 

 ヒイロはキルヴァを討つ上で更なる意図を上乗せさせていたのだ。

 

 旧ソロモン・コンペイ島の管制室でもその動向を把握しており、場の空気は一気に緊迫の方向に一転する。

 

 本来ならばコンペイ島はL5コロニー群近辺にあったが、一年前にL5を統括するようになった中華系OZプライズを統括する醜特佐の「邪魔に感じる」の意向で、正反対のL3コロニー群のルナツー近辺に大規模移送が成されていたのだ。

 

「たった今発生した超高エネルギー熱源が、動き出しました!!!ゆっくりと旋回しています!!!このまま熱源が旋回をし続けた場合っ……!!!コンペイ島に到達します!!!」

 

「何だと??!打つ手はないのか?!!否、それ以前に何故コンペイ島を……?!!これも……奴らのガンダムの力なのか……?!!」

 

 間もなくしてコンペイ島全区画に緊急アラートが鳴り始め、一層の事態の緊迫を叩きつけた。

 

 ウィングガンダム・ゼロが持続し続けるツインバスターライフルのビーム過流は、旋回しながらコンペイ島へと接近し、残存のOZ艦隊やMS部隊をことごとく破砕し始める。

 

「警備の艦隊が次々に破壊されてい行きます!!!損耗率、80……90%以上!!!熱源過流、更に迫ります!!!」

 

「くっ、くそぉおお!!!総員退避!!!総員退避ぃいいいい!!!」

 

 コンペイ島へと到達したツインバスターライフルのビーム過流は、長きに渡ってL1に君臨し続けたその要塞を側面から削り飛ばすように破砕させた。

 

 そのまま持続し続けるビーム過流はコンペイ島の中心ポイントで動きが止まる。

 

 その時、ウィングガンダム・ゼロのコックピットではヒイロが改めてツインバスターライフルの照準を絞り、コンペイ島を完全にロック・オンする。

 

 連続する照準音に乗せたその狙いはわずかな誤差しかなく、狙いは完全にコンペイ島を捉えている。

 

 ヒイロはその照準に見えないものさえも狙い定めた。

 

 そこに見えるものは遂に動き出すカトルやラルフ達、戦い続けるゼクス達であった。

 

 今この瞬間からが再起の反抗。

 

 それを悟ったヒイロは、一発目のビーム過流に上乗せさせるかのようにツインバスターライフルのトリガーをコントロールした。

 

 

 

 

 ヴギィダァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!

 

 

 

 ウィングガンダム・ゼロが放つ、増幅したツインバスターライフルのビーム過流がコンペイ島を一瞬にして直撃し、注がれるその莫大な高エネルギーはコンペイ島を駆け巡り、あらゆる箇所を暴れるように破砕させながら浸透していく。

 

 内部区画では容赦なくコンペイ島の兵士たちをエネルギー爆破が呑みこみ、破砕流が駆け巡る。

 

 そして遂には駆け巡っていたそのビーム過流の高エネルギーが増幅臨海に達し、コンペイ島を破裂させるかのように大爆発へと至らせた。

 

 その爆発の巨光を投影される脳内モニターで視認し続けるヒイロは、その光景に向かって言い放つ。

 

「これが……俺達のリ・スタートだ……!!!」 

 

 

 To Be Next Episode

 

 

 

 

 次回予告

 

 ウィングガンダム・ゼロの奪取と再び現れたガンダムデルタカイ。

 

 変革した世界に野放しにされた存在がディセットを悩ませる一方で、ロームフェラ財団は本格的に力による政策という凶行を推し進めていく。

 

 OZ、OZプライズ両陣営にとっても重要な会議の場で、リアルタイムで進められる大衆を平気で巻き込むデルマイユのやり方に対してトレーズが反論する。

 

 一方、主を失ったΞガンダムを輸送するOZの部隊に対し、マフティーと名乗る反政府組織が襲撃をかけていた。

 

 それは新たに生まれ変わったメテオ・ブレイクス・ヘルの反抗の始まりを示すものであった。

 

 ラルフのこれまでの根回しの工作が実を結び、事態は動き出していく。

 

 マリーダとプルが絶望の箱舟にある中、バルジを舞台にヒイロ達の新たな反抗の力が爆発しようとしていた。

 

 

 次回、新機動闘争記ガンダムW LIBERTY

 

 

 エピソード 35 「再起する流星達」

 

 

 

 

 

 

 

 


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