そして、それらのガンダムを保有する一部のコロニー側の組織、メテオ・ブレイクス・ヘルが地球連邦政府に対し犯行声明を地球圏全域に発信する。
これに対して、連邦側も緊急措置を執る為の対処に動いていく。
スペースノイドを良しとしない連邦軍と秘密結社OZに攻撃目標を定めたオペレーション・メテオが、本格的に動き始めるのであった……。
北米・地球連邦軍 ユーリカ基地
地球圏にメテオ・ブレイクス・ヘルの犯行声明が配信され、世界各地でガンダムやネオジオンの襲撃が相次いだ翌日。
世界各地の地球連邦軍基地が厳戒警備体制になり、基地の随所にMS部隊が布陣して警戒を強めていた。
アメリカの西海岸に面した、ユーリカ基地においても同様の警戒体制が執られていた。
港には空母艦が待機し、最新鋭機であるリゼルがMA(モビルアーマー)形体の状態で、多数機が搭載されている。
基地の軍備増強に伴い、緊急で配備される状況に至っていた。
海中においても、アクアジムやガンダイバーが警戒待機していた。
「昨日の今日だ。メテオなんとかが、いつきても不思議じゃない」
「ああ。ま、来てくれん事を祈るだけだな。今は願掛けで、海のガンダム、ガンダイバーに乗っている…年代物だが、性能は確かだ」
「いいっすね…俺もガンダムに乗ってみたいっすよ」
部隊内のパイロット同士でMS越しに会話が交わされる。それはいつの時代の戦場でも見られる光景だ。
彼らの水中部隊はガンダイバー1機、アクアジム2機の小隊であり、他にも3小隊が展開していた。
「ははは、お前はもっと経験が……ん!!?先行していた小隊の機影が消えた!?」
「……え!?」
レーダーに映っていた小隊の機影が消えた…それは即ち、機体が破壊されたことを示していた。
隊長機のパイロットが状況を確認する。だか、敵機の反応がない。
「……どうなっている!?このレーダー範囲でロストする筈がない!!!」
仲間の機体がロストした方向のモニター画像を確認するパイロット。爆発で生じた大規模な泡が確認をする。
「な!!?爆発したのか!?」
その時、他の先行していた小隊の目の前に黒い死神が泡の向こうから降臨した。
死神の目が緑色に光る……ガンダムデスサイズだった。
ガンダムデスサイズは、大きくビームサイズを振りかぶって一気に振り回した。
その一振りは3機のアクアジムを仕留めた。連続爆発を起こして水中の藻屑と化す。
更にガンダイバーを一振りの一撃で斬撃。ボディーを寸断して爆発させた。
「敵襲!!敵襲ぅぅぅ!!」
パイロット達は、予測していたとはいえ実際にガンダムと遭遇し、混乱に陥る。
先行していた別のガンダイバーとアクアジム3機の小隊が、一斉にガンダムデスサイズ目掛けて魚雷射撃を敢行する。
次々とガンダムデスサイズの装甲に注がれる攻撃。全弾が命中し、爆発の泡が周囲に立ち込めた。
「撃て!!撃ちまくれ!!」
破れかぶれに撃ちまくられた魚雷攻撃であったが、ガンダムデスサイズは何事も無かったかのように、爆発の泡から突き抜けてきた。
「何ぃ!??」
「そらよぉっ!!!」
デュオの気迫の籠った操縦で、ザガギャンと3機のアクアジムを凪ぎ払うガンダムデスサイズ。
起こされた爆発の泡が連続する中からバスターシールドを展開させて、ガンダイバーを刺突した。
水中を知り尽くしたベテランパイロットさえも翻弄して、完全にペースを掌握するデュオ。
周囲に向けるように不敵な言葉を囁く。
「死ぬぜ………俺を見た奴は、みんな死ぬぜぇ…」
先程のガンダイバーの部隊へ眼光を光らせるガンダムデスサイズ。
「う……!??」
海中に浮かぶ死神のシルエットが、パイロット達に不気味な恐怖を掻き立てる。
その死神の中のデュオは、敵機をロック・オンしながら任務にあたってのデータを右側のモニターで再確認する。
「ユーリカ基地に緊急配備されるリゼルの破壊と基地の破壊……ヒイロの代わりに、バーネット兄弟と合流するわけだが………」
データ再確認中にガンダイバーと2機のアクアジムが魚雷を一斉にガンダムデスサイズへ撃ち込む。
「おっと……!」
隙を見せていたが故に攻撃を受けて当然であるが、デュオはその程度の攻撃では、全く問題ないことは承知済みであった。
「……っ………振動がうざいが………えーと…空母は2隻、リゼルは計20機か…基地はバーネット兄弟に任せるか!!にしても……ヒイロのやつ、発動早々音信不通ときた!なにやってんだ~?アイツ程のやつがよー」
直撃振動の中、余裕を見せながらデュオは、基地のデータを切り返しながら、ヒイロに文句を溢す。
対して、連邦の兵士達は必死の想いで攻撃を続けた。
「こいつ!!こんなに直撃させても、全く平気なのか!?」
歯が立たない死神は、パイロット達の人知を越えていた。恐怖に翻弄される彼らに死神が飛びかかるように加速した。
「わああああぁぁ――――!!」
悲鳴をあげるパイロットの最後の眼差しにガンダムデスサイズの表情が焼き付く。
次の瞬間には、ビームサイズがアクアジムを2機まとめて斬り払っていた。
爆発するアクアジムを尻目に、ガンダムデスサイズはガンダイバーへと急接近する。
そして、容赦なくガンダイバーのコックピット目掛けて、バスターシールドを突き上げるようにして突き刺した。
基地の港の海面を突き上げる爆水。
吹き上がる海水の中から間も無くして、ガンダムデスサイズが姿を現した。
基地の警備待機にあたっていたジェガン目掛け、レフトアームをかざす。
怯ます隙さえも与えずに、ガンダムデスサイズはバスターシールドをレフトアームから射出させた。
高速でジェガンの胸部を刺突しながらバスターシールドが貫通し、ジェガンを爆砕。更に貫通したバスターシールドが、もう1機のジェガンに突き刺さる。
バスターシールドが突き刺さったまま、ジェガンは倒れて爆発を巻き起こした。
「俺からの挨拶はお仕舞い!!あとは、今から来るお二人に遊んでもらいな!!」
デュオは、ガンダムデスサイズを飛び立たせる操作をしながら、空母へとターゲットを絞る。
その直後、断続的なビームが基地に撃ち注がれた。
次々と撃ち込まれるビームが基地の施設やジムⅢ部隊を撃破させる。
基地にサイレンが鳴り響く中で、空中からガンダムジェミナス01、02が攻撃をかけながら基地に降り立った。
「基地への強襲に成功!!このまま基地の機能を壊滅させるぜ!!リゼルは任せた、デュオ!!」
「こちとらそのつもりだ、アディン!!兄弟の朝飯は沢山残してやったぜぇ!」
敵部隊を朝飯と比喩した冗談を言うデュオ。デュオは、よく事を比喩した冗談を言う性分だった。
ガンダムパイロット達の中でも性格が似たアディンもそのノリにノル。
「それじゃ、ありがたく腹一杯にいただくぜ!!」
根が真面目なオデルもデュオの冗談にあえて便乗してアディンに指示を出した。
「コーヒーが欲しいものだな……単純な攻撃方だが、ここはOZの息がかかっている基地だ。徹底的にやらせてもらう!!!このまま格納庫を目指して戦力を叩くぞ!!遠慮なく食え、アディン!!」
「あいよっ、兄さん!!」
アクセラレートライフルから放たれる高出力ビームは、ビームライフルとバスターライフルの中間的な威力を持ち、チャージショット時にはバスターライフルと比毛をとらない威力を発揮する。
ジムⅢ部隊、ジェガン部隊が徹底交戦に出るべく、ビームライフルを構えながら襲撃に対向する。
だが、息のあった2機のガンダムジェミナスの射撃が反撃の余地を与えない。
高速で交互に撃ち出されるビームが、ジェガン、ジムⅢ各機を射ぬき、連続で次々と撃ち斃していく。
爆発が巻き起こる中、基地のMS格納庫からリーオー部隊が、ビームマシンガン、ドーバーガン、ビームバズーカ等を装備して転がり出るかのように出撃する。
「早速リーオーが出てきたぜ、兄さん!!」
「ああ。加速して飛び込む!!」
モニターに次々と攻撃を開始するリーオー部隊が映る中、機体を加速させるアディンとオデル。
アディンは、加速しながらビームソードへと武装を切り替え、得意気な表情を浮かべる。
「おっし!!このまま叩き斬る!!」
加速する2機のガンダムジェミナスを阻むように両サイドからスタークジェガン部隊が割り込み攻撃をかける。
ミサイルやバズーカが一方的に飛ぶ中、ガンダムジェミナス01はシールドでガードしながら懐に飛び込み、叩くようにビームソードの斬撃を浴びせは斬り払う。
斬られた3機のスタークジェガンのボディーが分割されて個々に爆発を起こす。
ガンダムジェミナス02は、軽快にかわしながらアクセラレートライフルを脇を締めるかのように、ジャキンと構え、チャージショットを撃ち出す。
撃ち出された図太いビーム渦流が、スタークジェガン3機を呑み込んで駆逐させた。
スタークジェガン部隊が無惨に壊滅した向こう側よりリーオー部隊が一斉に攻撃をかける。
夥しいビームの砲弾が2機のガンダムジェミナスへと襲い掛かる。正に弾幕だ。
シールドでそれぞれがガードする。アディンは伝わってくる衝撃から威力を感じていた。
「流石に衝撃に威力を感じるな……ビームの重兵器!!けど、GND合金には余り意味ないぜ!!」
「無論だな」
レバーを押し込み、機体を弾雨の中へと加速させるアディンとオデル。
加速しながら上昇し、アクセラレートライフルをジャキンと構えるガンダムジェミナス02。銃口には既にエネルギーがチャージされていた。
ガンダムジェミナス02は下方に向けてチャージショットを放った。ビーム渦流に叩き潰されるかのようにリーオー部隊がかき消された。
膨大なエネルギーは施設を巻き込んで地表を爆発させた。その爆発を突っ切り、次のリーオー部隊に狙いを定めるガンダムジェミナス02。
瞬間的な射撃を放ち、一寸の狂いなくリーオーを連続で撃ち抜いて爆発させた。
「でやぁあぁぁっっ!!」
アディンのガンダムジェミナス01も負けじとリーオー部隊に突っ込む。
駆け抜けた一瞬でザザシュッと2機のリーオーを斬り刻み、背後から回り込むように3機の懐をとらえた。
一瞬の一振りの凪ぎが、3機のリーオーをまとめて斬り飛ばす。
そこへ、ビームマシンガンが撃ち込まれ、ガンダムジェミナスの装甲に注がれる。
「うおっ…と!!」
ギャギャギャンと爆発が連続で発生した。だが、効果はない。
「せやぁあぁぁ!!!」
ガンダムジェミナス01は飛びかかって反撃し、ビームソードの刃で3機を連斬する。
ジュオォォォというビームソード独特の斬撃音をたたせて3機がまとめて爆発した。
一方のデュオは、空母に飛び移って破壊の限りを尽くす。足下に配置しているリゼルをビームサイズで次々と斬り払っては斬り払う。
既に空母の上は破壊されたリゼルで燃え盛り、炎の海と化していた。
炎の上に乗る死神の巨人から逃げる整備兵達。ライトグリーンの光る目が恐怖を掻き立てる。
「こいつは鎌に栄養のある馳走だなぁ…相棒!!」
モニターの配置しているリゼルを見ながら、調子よくガンダムデスサイズへ話しかけて攻撃操作するデュオ。
足下を斬り払うようにビームサイズを振り払い、リゼルを斬り飛ばして爆発させた。
この光景を只見るしかないブリッジクルー達。現実からかけ離れたような光景に、非難行動さえも麻痺させられていた。
「ばかな………!!」
ガンダムデスサイズが、ブリッジクルー達と目を合わせるかのように向き、ビームサイズを振りかぶる。
次の瞬間には空母の要たるブリッジが斬り飛ばされて爆発が発生した。
炎に照らされる死神から逃げるようにヘリが飛び立つ。残っていた整備兵達が脱出を測っていた。
ガンダムデスサイズは、容赦なくベッドバルカンをヘリに放ち、バラバラに砕くように撃ち墜とした。
「次いくぜ!!」
もう一隻の空母へとターゲットを絞るガンダムデスサイズ。軽快に翔び、空母を目指して飛行する。
既に二隻目の空母からは3機のリゼルが緊急発進し、MSへと変型しながらガンダムデスサイズへと接近する。
「おっと!お目覚めかぁ?おとなしく寝てりゃ楽に死ねたのによぉ…」
後方の2機がビームライフルで攻撃を仕掛けて先行機を援護する。
奔る二本のビームが、突っ込んで加速してくるガンダムデスサイズをかすめていく。
そして、先行しているリゼルがビームサーベルを取り出して、ガンダムデスサイズに斬りかかる。
唸る一振りのビームサーベル。ビームサイズの刃と激突した。
「こいつ、生意気にも斬りかかってきやがった!ひゅー♪」
軽く口笛を吹いてみせたデュオは、不敵にニヤケてガンダムデスサイズをコントロールする。
スパークするビームの刃と刃だったが、ガンダムデスサイズは一瞬で弾き返すようにガオンッと捌いて、リゼルを胸部からザバシュンッと凪ぎ払う。
一瞬で斬り刻まれ爆発するリゼル。この爆発を突き抜けてガンダムデスサイズは、2機のリゼルに斬りかかる。
斬と轟の唸るビームサイズの一振りの斬撃が2機のリゼルの装甲を刹那に斬り飛ばす。
爆発させたリゼルを尻目に空母目掛けて、空中を滑るように飛びかかる。
新たに起動した2機のリゼルがビームサーベルで斬りかかるが、その攻撃は空しく捌かれ、1機は斜めに斬撃されて爆発する。
ガンダムデスサイズは、その斬撃の勢いのまま逆刃を斬り上げてもう1機を斬り飛ばした。
この時点で既に15機のリゼルが損失していた。最新鋭機故に被害額は計り知れない損失であることは言うまでもない。
ガンダムデスサイズは、勢いをつけて着地と共に斬撃を振るう。
ビームライフルを構えたばかりのリゼルが斬り墜とされて爆発した。
そのまま真横にあった空母のブリッジ目掛けて、ビームサイズを一気に斬り上げた。
巻き起こる爆発。空母の機能の大半が奪われた。
ガンダムデスサイズは空母の滑走路にズシンと歩を進め、残っていたリゼルを順番に斬りながら回る。
まるで死の儀式さながらの光景だった。
パイロット無きリゼルは無抵抗に斬り払われて冥界へ誘われる。
当のパイロット達は巻き起こる爆発により、既に冥界に召されていた。
ビームサイズを構えながら立ち上る炎を見下げるように立つガンダムデスサイズ。
「朝飯ご馳走様でした……へっへへ!俺と相棒に会った奴は、片っ端から死んじまうんだぜ……!!」
一方のバーネット兄弟も基地を壊滅させていた。
ガンダムジェミナス達の止めの攻撃が加えられる。
ガンダムジェミナス02が放ったアクセラレートライフルのチャージショットの一撃が、格納庫諸とも複数のリーオー部隊を吹き飛ばす。
周囲を焼き付かし、リーオー部隊を消し飛ばす規模の大きな爆発を巻き起こした。
ガンダムジェミナス01と対峙するリーオーの残存部隊。
あがくようにビームサーベルで斬りかかる1機のリーオーを、ガンダムジェミナス01は一撃で斬り払って爆発させた。
4機のリーオーは狂ったようにビームマシンガンを撃ち放ってガンダムジェミナス01を攻撃をかける。
シールドでガードしながらガンダムジェミナス01が一気に斬りかかる。
鋭利なビームソードの刃で瞬間的に焼灼して、袈裟斬りの一撃が1機のリーオーを叩き斬る。
一瞬でそこからビームソードをそのまま斬り上げて、逆刃面でリーオーの胸部を斬り飛ばして爆発させた。
そこから爆発で勢いをつけたかのように翔び上がり、
空中から斬りかかる。
機体の重さをのせて破壊力が増した一撃が容易くリーオーを一刀両断した。
左右に分割したリーオーが二本の火柱を上げた。
最後の抵抗を続けるリーオーに横凪ぎの一撃を加えるように斬りかかる。
ザジュバンッと強烈なビームソードの一撃がリーオーを分断させた。
焼灼され、分断したリーオーの向こう側にガンダムジェミナス01が姿を覗かせた。
爆発を巻き起こし、リーオーは完全に砕け散った。
「基地の戦力、及び機能の破壊を確認」
燃え盛り、陥落した基地を見つめながらオデルのガンダムジェミナス02はアクセラレートライフルをかまえた。
ビームソードのビームエネルギーを解除して右肩にビームソードユニットをしまうアディンのガンダムジェミナス01。
「へっへへ!キメテやったぜ……任務完了!!」
鼻許を軽くこすりながらアディンは満足気に任務完了させた。
デュオもガンダムデスサイズにビームサイズを担がせて、余裕の表情で壊滅している基地に向かって不敵にニヤケてみせる。
「どーだぁ?連邦さん。これが……Gマイスターだ」
Gマイスター…それがメテオ・ブレイクス・ヘルにおけるガンダムパイロットの総称である。
従来の事例のガンダムパイロット達と異なり、予めガンダムのパイロットとしての強化訓練、もしくは天性のセンスで高い戦闘能力を持ち合わせていた。
更に怪物級のガンダムとの組合せにより、前代未聞の戦果を叩き出しているのだ。
北欧・コルシカ基地
急遽編成された、ガンダム調査隊の面々が集まり、夜間のコルシカ基地の滑走路にエアリーズとリゼルが並ぶ。
集結しているのは、連邦軍とOZの精鋭達だ。
選りすぐりのエースパイロット達が集まる中、ゼクスとリディが今回より与えられた新型機を前に、その機体を見上げている。
重厚な騎士と角を額に着けた戦士のようなMS。どちらもガンダムのシルエットに酷似していた。
「この機体が今回より私に与えられた新型機か……データでは確かトールギスと表記されていたな」
「自分の機体はユニコーンと………単機での飛行が可能と言うことですが、どちらも白いカラーリングですね」
「そうだな。連邦の精鋭機体はいつの時代も白き戦士ということだ」
「同感です。この機体で今回の反乱者を掃討を図る………ですか。考えただけで熱くなれます。同胞達の敵もとれますし……」
純白の高貴なる機体に乗れることを誇りに思うリディにゼクスは、意気込みすぎのように捉えた。
「リディ少佐……余りに意気込み過ぎても仇となる……我々の目的は敵討ちではない。あくまで現段階は機体のデータ収集だ」
「そうでした。ご忠告ありがとうございます」
その時、ゼクスを呼ぶ声が響いた。
「ご無沙汰です、ゼクス特佐!!」
そこには敬礼をした二人の青年兵士がいた。ゼクスとリディも敬礼を返す。
「ワーカー!それにオットー!久しぶりだな」
「はい!!この度、反乱ガンダム調査隊に配属致しました!!」
彼らはゼクスの部下であった。天然パーマがかかったオットーもゼクスと共に闘える喜びを伝えた。
「私もゼクス特佐と共に闘える事が嬉しいです!!」
「お前達がいてくれると心強い!私自身も、励みになる」
ゼクスは実に部下想いの兵士であった。故に部下からの信頼も厚い。
ゼクスの言葉一つが好印象と士気の向上に繋がる。
そして、ワーカーとオットーはリディにも敬礼を示した。リディも敬礼を返す。
「リディ少佐だ。私も、ゼクス特佐と共に配属した連邦軍の士官である。よろしく頼む」
「は!」
すると、リディの許にも彼の部下がやってきた。
だが、ゼクスとは少し状況は異なっていた。
「リディ少佐殿!」
「ホマレ中尉!!ガロム中尉!!お久し振りです!!」
部下に対し敬語を放つリディ。彼らは元々リディの上官であった。
「リディ少佐!!今は貴方が上官なんですよ!敬語はやめてください」
「そうっすよリディ少佐!!貴方はもう連邦のエースなんすから!!」
ガロムに続きホマレも同じようにリディを立たせる。
元々の部下であったリディとしては複雑であった。
「ははは……では改めて…二人共、今回の相手はジオンに加え、反乱者のガンダムときている。彼らに遭遇した際の致死率は、ほぼ100%だ。共に心していこう!!」
「了解!!」
かつての上官に指示をするのは何とも複雑ではあったが、その再会にリディの口元には笑みが浮かぶ。
ゼクスはその光景に目を配った後に、再びトールギスを目にした。
「トールギス………」
そう呟いたゼクスに、ワーカーが助言するかのようにトールギスについて語りだした。
「このトールギス………整備兵の間では真の初めのMSということで知られていました」
「そうか、ワーカーは整備兵の上がりだったな!真のとはどういう事だ?」
最初のMSは軍を含め世間一般ではザクⅠとされている。だが、ワーカーはこれを覆す発言をしたのだ。
自然とゼクスも興味が沸く。
「ザクⅠよりも以前に設計されたらしく、機体のコンセプトも、1機で数千の敵を相手に闘えるようにできているそうです………最初のMSにして強力なMSなのです!!」
「そのような機体が与えられるとは………トールギスから運命的なモノを感じてならないな」
「ゼクス特佐だからこそ、トールギスが選んだのかもしれません」
「フフ……ワーカー、余り私を買い被るな。所詮はライトニング・バロンの肩書きを背負わされているだけの男だ」
己を否定しながら再びトールギスを見上げるゼクス。
ワーカーは頑なに尊敬の意を表した。
「またご謙遜を……ゼクス特佐ならば、トールギスを駆け抜ける閃光にさせるでしょう。それに私とオットー特尉は付いて参ります!」
「……すまない。感謝する」
L1コロニー群 A1358コロニー
メテオ・ブレイクス・ヘルのアジトが設置されているコロニーの一つだ。
廃墟ビル群の地下にあり、此処で地球の各地で行動しているエージェントから送られてきた情報を基に、ガンダムパイロット達に任務を送信しているのだ。
「ユーリカ基地破壊、及びユーリカ基地に緊急配備されたリゼルの駆逐任務完了」
「エージェントから新たな情報………アラブ諸国周辺に展開中の連邦軍が、近日中に大規模なジオン掃討作戦を展開する模様……」
「地中海のコルシカにOZのエアリーズが多数配備されるにあたり……」
「ベルリンの連邦軍基地にてOZの機体が緊急配備される情報が……」
「香港の地球連邦軍施設にOZの空母が停泊しているとの…」
各地から寄せられる情報を複数のデータベースとオペレーターで受け持ち、その各々の情報を各コロニーの任務立案者へと譲渡される。
そして立案された個々の任務を各ガンダムへ発信するのだ。
一人のエージェントが、集約された情報をドクターJへと提出する。
「……以上が、現在の確定情報です」
「ふむ………」
情報書類に目を通すドクターJだったが、義手を動かしながら、ヒイロの話を切り出した。
「……仕方ない…また他のGマイスターにまかせるか…ヒイロからは何もないのか?」
ドクターJは書類を机の上に置き、癖のようにまた義手をかちかちと動かしてエージェントに問う。
「その件ですが、つい先ほどドクターハワードより、サルベージでウィングガンダムを回収したとの一報が入りました」
重要事項を先に言わないエージェントにドクターJは軽い怒りをしめす。
「何?!先に言わんか!!ヒイロは無事なのか!?!」
「は、はい!!無事です!!現在、ウィングガンダムの修理にあたっているようです!!」
今現在、ヒイロ以外のGマイスター達は予定通りに任務を遂行している。
だが、ヒイロに至ってはオペレーション・メテオ発動以降、全く連絡がない状態が続いていた。
ドクターJは直接ヒイロを戦闘のプロフェッショナルに育成した経歴もあり、故に神経を尖らせていたのだ。
「そうか!!なによりじゃ!!一日とは言え、やっと引っ掛かりがとれたわい。じゃが、サルベージという事は…何だかのトラブルで海に墜落でもしたのか!?」
「はい。そのようで……どうもネオジオンの新型と戦闘したらしく…その機体も同時にサルベージされたとのことです」
「そうか……ま、ガンダムはネオジオンにとって敵以外の何ものでもないからな。やむを得ない事故だったのかもしれん。ともかくヒイロとガンダムの行方が判ってなによりじゃ」
メテオ・ブレイクス・ヘルは基本的にネオジオンは攻撃対称とはしていない。だが、ガンダム故に向こう側から戦闘を仕掛けられる可能性もある。
ドクターJは致し方のない事故と捉え、一応の事態判明に安堵した。
「ハワードとそのスタッフは、間違いない整備センスやノウハウを持っとる………安心したわい」
「では、引き継ぎ連邦軍とOZの情報収集に…」
「うむ」
巨大サルベージポート船・オルタンシア
広大な港施設とも言える程の規模を誇るサルベージ船であり、一般のサルベージ作業をしながらメテオ・ブレイクス・ヘルのサポートをする役目を担う。
一般貨物兼偽造貨物を担うガランシェールと類似している立ち位置にあると言ってもいいだろう。
船内のMSドックでは、回収されたウィングガンダムとクシャトリヤが仰向けに寝るように格納されていた。
それらを見ながらアロハシャツを着たサングラスの老人が、メカニックに指示を出していた。
その老人がドクター・ハワードである。
「……一応、外傷は皆無に等しいが、機体の電気系にチェッカーかけといてくれ。機体が頑丈でも内部の電気系に影響している可能性もある。」
「了解!!やっときますよ!!」
「とにかくメインはウィングバインダーの修理が最優先だ。取り外しとオーバーホールの両方でかなり時間を使う。任務のこともあるし、急ピッチでやってくれい」
ハワードは機体のデータのコピーを挟んだボードを手に、ちらっとウィングバインダーの修理にあたるヒイロに視線を配った。
ツナギに着替えたヒイロが、天井クレーンにかけたワイヤーをウィングバインダーにセットしている。
墜落して気を失った後で、もう作業している姿には驚きを隠せない。
「とても、ついさっきまで気を失っていた奴の行動ではないな……いくら俺の機体だからと言って一人でやるのは酷じゃ。機体のでかさが一般重機の何倍もあるんじゃからな。他の皆にも手伝うように言ってやれ」
「ですね。このでかさだと五人でやっても足りないくらいっすよ!それにしても………とても墜落した後でやる行動じゃないっすね……」
その手の作業者故に解る作業の過酷さが伝わる。
巨大な機体を単独整備することは不可能に近い。更に無事とは言え、墜落の衝撃を受けていた身なのだ。
「同感だ……とんでもない奴じゃ。さて、もう一つのデカ物とそのお嬢ちゃんの方へ行ってくる。あとは任せた」
「はい!!」
ハワードはその場を部下に任せてクシャトリヤの方へと歩を進める。
その歩の先には、クシャトリヤをチェックするメカニック達がいた。
「どうかね?デカ物は」
「ドクターハワード!今…人通りチェックしました。多少の装甲破損、海水による内部の電気系の不具合がありました。こいつは旧ネオジオンのクインマンサに酷似してますね…多少のマイナーチェンジはありますが」
「そうか…確かうちのスタッフの中にもお前さん以外に元ネオジオンのメカニックがいたな。流石に我々の機体ではないから完全には直せんが、親切心でやれるところだけはやってやろう」
ハワードは、目的や考え方は違えどスペースノイドの為に闘う彼らに敬意の意を踏まえ、出来る範囲だけの修理を命じた。
「了解しました!!昔パクったクインマンサのマニュアルあるんで、やれそうであれば…やってみますよ」
ウィングガンダム班とクシャトリヤ班に別れての整備作業が開始され、各員が作業箇所に就いた。
ヒイロは天井クレーンを操作しながらウィングバインダーを床に置いた場木の上に設置させると、ウィングガンダムの修理マニュアルを開いた。
そこへ歩み寄る人影があった。
ヒイロは整備マニュアルを読みながらその気配に言い放つ。
「……なんだ?」
「ここの責任者から好きなように見学して構わないと言われてな………先日はすまなかった。私が攻撃を仕掛けていなければこんな事態には…」
マリーダであった。
自分が攻撃を仕掛けてしまったことを謝罪するマリーダ。彼女自身ヒイロに対して罪悪感を抱いていたのだ。
同時に一週間前に感じた感覚もひしひしと感じていた。
「……気にするな、俺も同じだ。俺は任務妨害と見なし、お前を殺そうとした」
「だからと言って……私の行動をよしとすることもない。この状況からしてお前の任務に大きな差し支えを私は与えたのだ…」
「だが、それはお互い様だ。今は共に任務を遂行できない状況だ」
「確かにそうだが…」
マリーダは頑なに罪悪の姿勢で接し、ヒイロはそれを許すかのような言動で返す。
初対面にもかかわらず、 互いを気遣うかのようなやりとりになり、マリーダも戸惑う。
ヒイロは視線をマニュアルからマリーダに移し、一言投げ掛けた。
「………手伝ってくれ」
「え?」
成り行きでヒイロと共にウィングバインダーのオーバーホールを手伝うようになったマリーダ。
バラしたパーツに手をつけ始め、マニュアルを見つつ修理にあたるヒイロ。マリーダは指示された部分を工具ではずしていく。
作業効率を上げる為に、船内の作業用ザクタンクを用いて、外装が外れたウィングバインダーを移動させて場所を広くする。
物が物だけに、ハワード曰く手間と時間をとる。
内部の機器はファンネルの攻撃で著しく破損していた。通常攻撃ではまずあり得ない破損状況だった。
この状況を見たマリーダは改めて自責の気持ちを抱く。
ガンダムは敵―――
マリーダは自分の脳内に刷り込まれたその催眠情報に苦悩した。
一方のヒイロは坦々と作業に集中し、次の作業工程にとりかかった。
その作業から12時間が経過する中で、その光景をハワード達が見ていた。
「あの二人………休憩無しでやってますね」
「ああ。朝から作業してたのがもう夜じゃ……流石にきついだろう………差し入れでも出してやるか」
見かねたハワードは差し入れの仕度に赴いて、作業ドックをとぼとぼと後にした。
その傍らで何気無しにヒイロとマリーダを見ていた二人のメカニックが勝手に想い馳せる。
「なぁ、なんか似合ってねーか?あの二人!!」
「だな!!このままもっとひっついちまえ!!わははは!!」
「ははは!!青春だなー!!」
マリーダは時折人の感情を感じることがある。故にこのやり取りに感づき、彼らにマリーダがきゅっと振り替える。
「あ……そうか!!ニュータイプか!!会話聞こえたのかもな…やべやべ!!」
無論ヒイロもマリーダもそのつもりではないが、マリーダに関しては、ヒイロから感じる感覚に惹かれずにはいなかった。
第三者から見られた変な感覚に、作業していたマリーダは、思わず軽い愚痴をこぼした。
「全く……勝手にそう思われても困るな…」
「何がだ?」
「え!?いや、こちらの事だ……私は人の心が聴こえる時がある。その類いだ」
「そうか……ニュータイプだからか」
ヒイロの口から出されたニュータイプという言葉に、マリーダは差別的な劣等感を感じてしまう。
マリーダ自身は強化人間故にニュータイプではないという概念を持っている為だ。
故にコンプレックスが気持ちを複雑化する。
「……ニュータイプ……」
「ああ。でなければ声など聴こえないはずだ」
「いや、私自身は強化人間だ。ニュータイプの能力があっても限界がある」
「だとしても可能性が無いわけでは無いだろう………強化人間でも変革が起こりうるはずた」
そう言って坦々と作業を続けるヒイロを見ながらマリーダは、初めてヒイロの感覚を知ったときの事を思い出す。
今その感覚を与えたヒイロと共にウィングガンダムの修理にあたっている。
その事がまた不思議さを感じさせていた。
強化人間にもニュータイプへの変革の可能性がある。
マリーダはあり得ないと思い込んでいた概念をヒイロから聞かされ、改めて感覚と向き合う。
「可能性……か」
その頃、アラブ諸国近郊に拠点を構えている地球連邦軍の駐屯基地には、多数のMS部隊が集結していた。
砂漠戦仕様のジェガンやリーオー、ロトが配備され、各機が近日中に行われる中東ジオン残党掃討作戦に備えていた。
基地とは言え、砂漠に直接作った野戦基地のようなものだ。
基地の周辺には夜襲の可能性に備えて、ジェガンやリーオーの部隊が警戒にあたっている。
その光景をカトルが、ガンダムサンドロックのコックピット内からズームモードで確認していた。
スコープマーカーが駐屯基地を鮮明に映し出す。
カトルは何度かボタンを押してズームモードを解除し、赤外線モニターへと切り替えた。
「送られてきた情報では、近日中にジオン残党掃討作戦が展開され、ジオンに関わっている人々もその対象とされる。それを許せばまた多くの人命が蹂躙されてしまう……!!」
カトルが真っ先にロニやマハディーを思い浮かべる。
その時のロニは、自宅でカトルの帰りを待ちながら、綺麗なアクセサリーを作っていた。
「カトル……こうしてネックレスを作っている間にも闘っているのね…私達の為に……」
ふとロニは窓ガラス越しの夜空に振り向いた。
その夜空の下ではカトルが攻撃するタイミングを決意する。
「……人命の尊重としては矛盾してるようだけど、今僕たちが連邦部隊を叩けば未然にそれが防げる!!ラシード!!」
カトルは通信回線を開いて、ラシードを呼んだ。
「はい!!なんでしょう!?」
威勢よく返事を返すラシードの声がガンダムサンドロックのコックピットに響いた。
「敵は警戒をしてはいますが、恐らくはパイロットの半数は交代で就寝しているはずです。姑息なようですが、今ここで夜襲を仕掛けます!!」
「了解です、カトル様!!よっしゃあ!!アウダ、アブドル!カトル様に続くぞ!!」
「了解!!」
両眼を光らせたガンダムサンドロックは、シャインとヒートショーテルの刀身を弾き合わせた。
「行きます!!」
カトルの気迫と共に、ガンダムサンドロックと3機のマグアナックが轟と加速する。
迷うことなく4機の中東勇者達が、駐屯基地へと突っ込んでいった。
グリニッジ標準時の同時刻・地球連邦軍ベルリン基地付近上空
夕暮れ時の連邦軍のベルリン基地へ向かうガンダムヘビーアームズ。
ライトアームには、新兵装のグレネードランチャーが装備されていた。
ガンダムヘビーアームズを高速で航行させるトロワは、無表情で速度と機体高度の表示を確認しながらモニターに映るベルリンの上空を見続ける。
次第に夕日に照らされたベルリン基地が迫って見えてきた。
「任務の対象基地に接近……これより強襲する」
武装をガキンと構え、ガンダムヘビーアームズは風圧と爆発を混ぜたかのような加速音を響かせて急降下する。
「ベルリン基地において、エアリーズとリーオーフライヤーが軍備増強配備される……空から反抗勢力を掃討することを考慮すればその配備は正しい。効率的にも確かだ。だが……」
ガンダムヘビーアームズは着地体勢に移行し、フルブーストをかけながら重力荷重を半減させて下降。
その間にモニターに捉えられたMSや基地の施設等の情報がスピーディーに表示される。
「その前に排除させてもらう」
フルブーストを解除させて下降したガンダムヘビーアームズが、ズシンと基地の施設内に降り立った。
そして間を置かずに、カメラアイを光らせながらビームガトリングを構えた。
砲身が高速回転し、銃口からビーム弾を撃ち放つ。
重く唸る銃声と共に、標的となった警備のジムⅢ部隊が、一瞬で立て続けに蜂の巣にされて砕け散る。
夕暮れ時の許に巻き起こる発砲と爆発の光が、モニター越しにトロワの顔に反射した。
「お前さん達……少しは休憩をとれ!ぶっとーしは体によくないぞ!ほれ、差し入れじゃ!」
ハワードは、作業に休憩を挟まないヒイロとマリーダに紅茶とトーストパンの差し入れを出しにきた。
「ハワードか……」
ヒイロは振り向いたものの、再び作業に没頭する。
マリーダは一旦手を止めてハワードへ軽く会釈しながらヒイロに振り返りながら休憩を促した。
「ありがとうございます。確かに休憩をしていなかったな……休憩を挟むか?」
「休憩したければ勝手にとれ。俺はいい」
ヒイロは自分はほっとけと言わんばかりの口調で、メカに対する手を止めない。
「…せっかく入れてくれた差し入れだ。人の気遣いは受けておくのが礼儀だ。お前も休憩した方がいい。それにまだお互いに名も聞いていない」
マリーダは遠巻きにヒイロと話しをしたい気持ちを伝えながらその場を離れる。
しばらく手を進めたが、ヒイロは立ち上がって無言のまま一旦切り上げた。
まるでマリーダの尻に敷かれるかのような光景を見てふっとハワードがニヤケる。
「端からみれば尻に敷かれてるかのような光景じゃい」
駐屯基地にラシード機とアブドル機のマグアナックが放つビームライフルのビームが撃ち注がれ、瞬く間にテントや修理施設を吹っ飛ばす。
巻き起こる爆発の中、突然のビーム夜襲に連邦兵士の誰もがパニックに陥り、あわてふためく。
「敵襲!!敵襲………があああ!!!!」
起動したロトやジェガンに、2機のマグアナックが放ったビームが次々に直撃し、連続爆発を巻き起こさせる。
その最中、アウダ機のマグアナックが大型のヒートホークを降りかざして突っ込む。
ヒートホークでジェガンを斬り潰すと、レフトアームクローをリーオーに突き刺し、大型マニピュレーターで原動機を握り潰して破壊する。
機体の上半身が爆発し、起動前のロトに下半身が崩れ落ちた。
早期の内に駐屯基地は機能不全の手前に立たされ、各員が慌ててMSへと乗り込む。
その時、滅茶苦茶になった施設にガンダムサンドロックが突っ込んだ。
「はぁああああ!!!」
カトルの気迫と共にガンダムサンドロックがヒートショーテルを降り下ろし、立ち上がったばかりのジェガンとリーオーを左右同時にガキャインと叩き斬る。
巻き起こる火柱の爆発が、駐屯基地の一部の施設を吹っ飛ばし、兵士達もろともテントも吹っ飛ばした。
近距離からジェガンがビームライフルを、リーオーがビームマシンガンをガンダムサンドロックへと浴びせる。
直撃を受けてもびくともしないガンダムサンドロックは、ヒートショーテルをヒュンと振り払って一気に襲いかかる。
俊敏な速さで1機のリーオーを斬り伏せて叩き斬り、回転をかけてもう片方のヒートショーテルでジェガンを斬り飛ばす。
再び双方のヒートショーテルを振り上げてジェガン2機を叩き斬った。
その時、ガンダムサンドロックの背後からリーオーキャノンがジェガンと共に攻撃を浴びせてきた。
振り返ったガンダムサンドロックは、右手のヒートショーテルを降り構え接近。
間合いを見計らい、一気にリーオーキャノン2機を斬り払い、左手のヒートショーテルでジェガンを思いきりよく斬り砕いた。
その間にマグアナック達は施設機能の麻痺を狙って射撃やクローで駐屯基地に攻撃をかけ続ける。
高出力のビームがテントや起動前のジェガンを穿ち爆発させ、アウダ機のマグアナックのクローが起動前のロトを貫いて破壊していた。
爆発の炎の中に聳え立つガンダムサンドロックを見上げる連邦兵士。
彼には最早、中東の魔神にしか見えないだろう。
「これが、反乱者のガンダムなのか………!?!!」
その時、ガンダムサンドロックの足許にいたロトがメガマシンキャノンで近距離から射撃した。
だが、表面の爆煙を裂くようにヒートショーテルが叩き込まれ、ロトを真っ二つに斬り砕いて爆発させた。
圧倒的な存在に無力に兵士は吹っ飛ばされるしかなかった。
カトルは、見下ろしながら本来の優しさを殺して囁いた。
「こうしなければ、必ず貴殿方はロニ達やジオンの人々へ蹂躙をする……悪く思わないでください。彼らにも人として生きる権利はあるはずです!!」
そこへドーバーガンやバズーカの砲弾がガンダムサンドロックへと撃ち込まれた。
施設外からの攻撃。
警備のリーオーとジェガンの部隊だった。
ガンダムサンドロックは獲物を狙い定めたイーグルのごとく轟と加速する。
迫り来るガンダムサンドロックにリーオーとジェガン部隊が射撃するも、砲弾がかわしかわされる。直撃しても無意味に終わる。
ガンダムサンドロックは部隊の中に突っ込み、駆け抜ける勢いで斬り砕き、斬り落とし、斬り払い、連続でリーオーとジェガン達を破壊する。
ジェガン、リーオー各4機がゴグヴァンと爆発を起こし、機体をバラバラにされながら夜の砂漠に散る。
業を煮やした残ったリーオーが、ビームサーベルでガンダムサンドロックへと斬りかかる。
だが、瞬く間に腕を斬り飛ばされ、機体を斜めに寸断されて崩れ落ち、爆砕した。
爆炎が立ち上る砂漠の闇の中に、ガンダムサンドロックがヴィンと目を光らせた。
その足許にはリーオーの骸が転がっていた。
ベルリン基地において、ガンダムヘビーアームズの唸る重火器の前にことごとくジムⅢ部隊が撃ち砕かれていく。
ヴァルルルと連射されるビーム弾が、ジムⅢ達の装甲をプラスチック同然に破壊する。
トロワは視点移動や、機体移動を繰返し次々と敵機をロック・オンして撃ち続けていた。
ビームガトリングとブレストガトリングを組み合わせた攻撃がガンダムヘビーアームズの基本射撃体勢だ。
唸り続ける連射撃は、ジムⅢ達の骸を作り出し続ける。
対抗するように、連邦側も格納庫からスタークジェガンやロトを出撃させていく。
ホバー走行やキャタピラ走行を駆使して、バズーカやキャノン砲で攻撃をかけながら各機がガンダムヘビーアームズへ接近する。
「予想戦力数値を若干上回っているな……」
モニター上の敵機の数値を確認しながらトロワは、攻撃をかわす為に、ガンダムヘビーアームズを旋回移動させる。
移動しながら、迫る複数の敵機をロック・オンすると、ガンダムヘビーアームズはライトアームのグレネードランチャーを着地しながら構えた。
コォォという音と共に銃口にエネルギーが充填されていく。これもエネルギー兵器なのだ。
トロワは冷徹な視線で目先の敵機群へとグレネードランチャーのトリガーを操作した。
「全てを消滅させる」
ディシュゴォォオ―――――!!!
ヴゴォヴァガアアアアア!!!!
そのグレネードランチャーは最早、荷電粒子光弾砲の類いの兵器であった。
放たれた一発の光弾がロトに撃ち込まれ、そこを中心に周囲を吹き飛ばすドーム状のエネルギー爆炎が発生し、文字通りMSを吹き飛ばして消滅させたのだ。
直撃を受けたロトの破壊状況は言うまでもない。
ガンダムヘビーアームズはスライドするように加速し、旋回しながらビームガトリングを放ってスタークジェガンを連続で撃ち斃していく。
エアリーズよりも先に起動したリーオーフライヤー部隊が、低空飛行しながらガンダムヘビーアームズへとビームマシンガンを撃ち放って迫る。
これに対し、ガンダムヘビーアームズは一度着地して、ビームガトリングとブレストガトリングを撃ち放って射撃をかけた。
迫るリーオーフライヤー達が、次々と超高速のビーム弾で蜂の巣にされ、ボロボロに砕けて地表を転がって駆逐されていく。
まるで糸を失った操り人形のように崩れ斃されていく。
ガンダムヘビーアームズはリーオーフライヤーの部隊を壊滅させるまで絶えず撃ち続けた。
「丁度いい……残らず駆逐させてもらう」
次々に迫り来るリーオーフライヤーを撃ち墜とし、ズタボロの鉄の亡骸を残していく。
撃ち続けた連射撃が、後続するリーオーフライヤーを更に撃ち砕いて壊滅させた。
ガンダムヘビーアームズは、そこからリーオーフライヤーとエアリーズを搭載した輸送機に狙いを向けて、グレネードランチャーを放つ。
一発、二発と光弾が撃ち放たれ、凄まじき爆炎で周囲を凪ぎ払いながら、MS格納庫を巻き込んで輸送機を吹き飛ばした。
その破壊力はバスターライフルに匹敵する凄まじさを持っていた。正に戦略兵器である。
「目標の破壊を確認。残存部隊と基地を破壊する」
ガンダムヘビーアームズは、残存部隊目掛けビームガトリングとブレストガトリング、グレネードランチャーを撃ち放ちながら、ホーミングミサイルとマイクロミサイルランチャーを同時に撃ち放つ。
ボロボロに撃ち砕かれたスタークジェガン部隊を、ロトを吹き飛ばしたグレネードランチャーの爆炎が更に吹き飛ばして破壊する。
ガンダムヘビーアームズの圧倒的な火力で、MS部隊はガラクタと化して、コンクリートの地表を転がっていった。
基地施設もミサイル群の直撃による爆発で、原型が崩壊して崩れ落ち、炎の海が基地一面に拡がる。
基地の機能が復旧不可能は、火を見るよりも明らかであった。
夕暮れの最中、火の粉を時折舞い上がらせて燃え盛る基地にガンダムヘビーアームズが悠然と佇む。
その情景はどこか哀愁を漂わせていた。
香港の地球連邦軍基地の港において、業火が巻き起こる。
骸と化して転がるリーオーやジムⅢの残骸が炎を纏って転がっていた。
無言の鉄の屍は、ただ受けた攻撃の凄まじさを物語る。
これを成したのは、シェンロンガンダムだった。
左手に握りしめた撩牙を振り払い、一振りでジムⅢ3機を斬り飛ばして破壊する。
すかさずビームマシンガンで交戦の構えに出るリーオーにシェンロンガンダムがドラゴンハングを伸ばして突っ込む。
ガゴォオと、轟音を立たせてリーオーを穿ち砕き、もう1機のリーオーにドラゴンハングを伸ばして、頭から掴みかかった。
リーオーをドラゴンハングに咥えさせて炎の中を歩くシェンロンガンダム。
五飛は悠然とシェンロンガンダムを前進させながら呟く。
「貴様達の警戒が甘過ぎる。当然の結果だ」
シェンロンガンダムはそのままリーオーを地面に叩き付けて砕き潰し、ドラゴンハングを持ち上げて周囲の施設へかざす。
撃ち放たれる龍のジェット噴射の如き火炎が、施設を吹き飛ばしながら炎上させて破壊していった。
ヒイロとマリーダは、ウィングガンダムのコックピットハッチ付近に腰掛けてトーストを食べながらコーヒーを飲む。
マリーダはコーヒーをすすると、クシャトリヤに視線を送って自己紹介も踏まえながらヒイロに名を問いただした。
「……私はマリーダ・クルス。あの通り…ネオジオンのパイロットだ。そして、戦う為に生まれた存在。今は同胞達の為に戦っている。お前の名は?」
「名などない。ヒイロ・ユイ………かつてのコロニー指導者のコードネームをもっているだけだ」
「コードネームでも名は名だ。ヒイロもこうして戦っているのだな……私と同じだ」
「……否定はしない……俺も戦いに己の存在意義を見いだしている…」
そう言うとヒイロはトーストをかじり、ウィングガンダムの装甲を見続ける。
出会って間もない二人であるが、互いに戦いに対して存在意義を見いだしている事を知り、自然に心を許し始める。
「私は今、オペレーションの最中だ。きっと関わっている同胞達が心配している頃だな」
マリーダは真っ先にジンネマンを想い浮かべる。
上官としても父親としても慕う故にだ。
実際にこの時のジンネマンは、ガランシェールから見える地球を見つめながら、戦況報告がないマリーダを心配していた。
ヒイロもウィングガンダムを見続けながら同感を示す。
「………俺もオペレーションの最中だ。そう言った意味では同じだな。コロニー市民の人権と自治権を踏みにじる奴らを排除するのが、俺の任務だ」
数奇なまでに状況が共通していることに、マリーダは口元の笑みを漏らさずにはいられなかった。
「任務の為に戦っている………か。ふふふっ、本当に色々と同じなのだな。私とヒイロは」
「ああ。そのようだ」
「お前からは不思議な感覚を感じてならない。一見ナイフのようだが、その内側から暖かいものを感じる」
ヒイロは己の内面的なモノを見透かされたこともあり、マリーダが既にニュータイプへ変革しつつあるかもしれないことを感じた。
マリーダは感じる感覚の事を打ち明け、素直な気持ちを溢した。
「何故か解らないが………私はお前から感じる感覚が共鳴して……いや、単に好きなのかもしれない。こうして心が自ずと開けてしまうのもその為かもな」
ヒイロ自身はっとなり、かつて抱いたことの無い感情を覚えた。
その時、コックピット内から回線通知のアラートが鳴った。
ヒイロは直ぐにコックピットに入り込み、回線を開いた。サイドモニターにはドクターJが映った。
「ヒイロ、ハワードから聞いておる。発動早々災難じゃったな」
「ドクターJ!何の用だ?」
「くくく……元気でなによりじゃな!それで本題じゃ。オペレーション・メテオに纏わる変更情報だ。知っての通りワシらのガンダムは単独で飛行・潜水航行が可能じゃ。よってオルタンシアをメインの活動拠点と位置付けた。暫くメンバーが集まるまで待機を命ずる」
「そうか……ならばちょうどいいな。了解した」
連邦側の空母より緊急発進した可変MSアッシマーの後継機、アンクシャが両腕のビームキャノンを放ってシェンロンガンダムへと迫った。
空中から放たれるビームがシェンロンガンダムとその足許に直撃していく。
「ふん!!無意味な攻撃をするな………!!!」
4機のアンクシャがシェンロンガンダムに攻撃を加える中、五飛は攻撃目標であるOZの空母をロック・オンする。
ロック・オンマーカーがカッチリと空母を括ると、五飛はシェンロンガンダムを飛び立たせる操作をして、コントロールレバーを押し込む。
ドアッと飛び立って加速するシェンロンガンダム。
だが、両腕のビームキャノンをかざした1機のアンクシャが立ちはだかる。
「邪魔だっ!!!どけぇっっ!!!!」
五飛はなんの迷いもなく、シェンロンガンダムの撩牙を振るわせた。
ヴンと両眼を光らせたシェンロンガンダムは、振りかぶった撩牙をギュゴワッと一気に振るう。
アンクシャの厚い装甲を、ザギャンと容易く斬って凪ぎ飛ばした。
分断されたアンクシャが落下しながら爆発する。
「はぁぁあああああっっ!!!」
シェンロンガンダムはそのままの勢いでブリッジへ突っ込み、ドラゴンハングの牙をガギャオンと激しく激突させた。
そして零距離からの火炎放射を慣行。凄まじき熱炎がブリッジの内部を焼き尽くす。
無論、クルーの兵士諸とも焼き尽くしていった。
ブリッジを炎上させたシェンロンガンダムは、飛び立ちながら空母の滑走路に着地した。
そして、ドラゴンハングを滑走路に突き刺し、艦内に向かって火炎放射を放った。
ズギャドドドォと内部爆発を誘発させながら空母が爆発、炎上していった。
ドラゴンハングを抜き取って縮めるシェンロンガンダム。炎の上に立つその姿が実に雄々しい。
飛び交っていた3機のアンクシャが、シェンロンガンダムを包囲する形でホバリング体勢に移行する。
シェンロンガンダムは余裕の雰囲気を漂わせてビームグレイブを装備して構えた。
その直後にアンクシャ部隊がビームキャノンを撃ち放ち、断続的に一斉射撃を慣行する。
直撃が重なり、シェンロンガンダムは爆発に包まれていく。
その間、空母に着艦していたエアリーズ達にパイロットが乗り込み、各機が起動する。
エアリーズ部隊が飛び立つ中、アンクシャ達の攻撃を物ともしないシェンロンガンダムがグォンとアンクシャに襲い掛かる。
「そんなものかぁっっ!!!」
五飛の気迫と共に、ザズドォッとビームグレイブの一撃がアンクシャの胸部を穿った。
ビームの刃に胸部を貫かれ、破裂するかのように爆砕するアンクシャ。
両脇にいた2機が武装をビームサーベルに切り換えて、シェンロンガンダムに斬りかかる。
だが次の瞬間、一方のアンクシャにビームグレイブの斬り払いの斬撃が、もう一方のアンクシャに撩牙の叩き斬りの斬撃が加えられた。
正に一瞬の攻撃。破断された2機は爆発と共に砕け散った。
シェンロンガンダムは、空中旋回するエアリーズを見上げると、ブースターで機体を上昇させた。
そして飛び交うエアリーズ部隊に突っ込み、高速で襲い掛かった。
一瞬で1機のエアリーズがビームグレイブの刺突を受けて砕け散る。
ドンドンとブースターでステップするかのようにシェンロンガンダムは各個撃破を図り、1機、2機、3機と飛びかかって、ビームグレイブと撩牙を組み合わせた斬撃技を食らわしていく。
「でやあああああっっ!!!」
斬撃技を食らったエアリーズは、ガラクタ同然に斬り砕かれて爆砕される。
エアリーズ部隊は、旋回しながらミサイルランチャーを放って攻撃をかける。
ミサイル群が、吸い込まれるかのようにシェンロンガンダムに直撃していく。
だが、その爆発の中からシェンロンガンダムは勢い良く飛び出し、1機のエアリーズに飛び蹴りを食らわせた。
シェンロンガンダムのつま先がエアリーズのコックピットを貫き爆砕させる。
体勢を変えながら2機のエアリーズに飛びかかり、ビームグレイブと撩牙で双方のエアリーズを斬り捌いて、爆発の華を咲かせる。
ビームチェーンガンを撃ちながら攻め混む残りの3機のエアリーズ。
両眼を光らせたシェンロンガンダムは撩牙を轟と振り降ろして1機のエアリーズを叩き斬り、2機をまとめてビームグレイブで凪ぎ払った。
激しく、豪快なまでのシェンロンガンダムの攻撃を前に、成す術もなくエアリーズ達は壊滅。
シェンロンガンダムと五飛の眼下には炎上しながら沈み行くOZの空母が映っていた。
ガンダムの攻撃による被害が拡大する中で、それらの情報が一人の男の許へと報告されていた。
「わかった……後で犠牲となった兵士達の名をきかせてくれ」
通信を切り、青く高貴な騎士服を纏った男は一息をつく。
彼の名はトレーズ・クシュリナーダ。現在のOZの総帥である。
トレーズは瞳を閉じて、今という歴史に浸る。
「これほどまでに彼らが攻撃をかける理由は言わずとも解る………ここに至るまでの歴史で、彼らのような行動をとるものは居なかった。すなわち歴史に変革が起ころうとしているのかもしれない」
トレーズは机のデータベースを開き、宇宙世紀の歴史を振り返る。
「連邦の怠慢の罪が問われる時が来たのかもしれない。だが、我がOZも狙われているところを見ると………彼らの目的は連邦ではなく、我々かもしれないな」
画面を切り替えながら語る様は、あたかも彼の手に歴史があるかのようであった。
「各地でネオジオンの戦士達がジオン残党と共に反乱を起こし始めてもいる………彼らもまた驚異だ」
ピッと別のフォルダーをクリックすると、トールギスとユニコーンのデータが写し出された。
「我がトールギスと連邦のユニコーンならば成せるであろう……仕留めて見せてくれ………ゼクス、リディ………」
トレーズがそう呟く頃………ゼクスとリディ達は緊急任務に赴こうとしていた。
「ふ……赤い彗星の再来か……トールギスよ………我が手足となってくれ!!初陣だ!!」
「ガンダムではなく、ネオジオンが最初の相手か………なんであろうと行くぞ、ユニコーン………!!」
各コックピットに表示されたミッション内容には、ガンダムではなく、ネオジオン残党討伐と表記されていた。
ネオジオンのオペレーション・ファントムもまた本格に動き始めていたのだ。
とある連邦軍基地において、戦闘が巻き起こっていた。
その最中、ジムⅢ3機を連続でビームライフルで仕留めたシナンジュが、空中から見下ろすように振り返る。
「我々のオペレーション・ファントム……受け止めるがいい、連邦軍……!!」
フロンタルは薄ら笑いを浮かべながらジェガンを見下ろすように威圧した。
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