「キテレツ君、居るッスか!」
「どうしたの、ベンゾウさん?」
「君のデュエルディスクを力尽くでも手に入れようって話をしている人がいるんだす!」
「何だって?!」
「これ、まだまだ未完成ナリよ」
「それでも欲しがる人がいるんだす。余りにも目立ち過ぎただす!早く隠さないと」
「仕方ないな、トンガリに連絡しておこう」
「という事なんだ、トンガリ、これは・・・」
「百丈島の別荘に送っておくしかないかな?」
「うん。それにしてもこの程度の完成度で狙われるのか」
「みたいだね。それじゃあ預かっておくよ。折角、再現できると思っていたのになぁ…」
「まぁこれだけ人気なら、きっとその内にもっと完成度の高いデュエルディスクが市販されるだろうし」
「寂しくなるナリ」
「それにしても、これ途中で壊れなかったね」
「うん。材料も良いのを使えたし。何よりブタゴリラに責任が伴う、という事でいつも以上に注意して作ったからね」
「ブタゴリラもたまには役に立つナリね」
「じゃあ、これ大切にするよ。初めてモンスターが出た時の感動は一生忘れられないだろうから」
その後、デュエルディスクを手に入れようと脅迫してきた人が居たが、現物が無いという事で諦めていった。
蜃気楼で作っていたのが功を奏した。見間違いという事になった。
「それにしても、発明するにはお金がかかるし、その上奪われそうになるなんて」
「どうするナリ?」
「何らかの後ろ盾は欲しいなぁ」
「盾なら創ればいいナリよ」
「そういう意味じゃなくて。ブタゴリラには腕っぷしがあるだろ?そういう風な身を守る方法だよ。」
すぐれた物を作っても、それを奪おうとする人が居る。先祖の、キテレツ斎様も同じ気持ちだったのだろうか?
作中でも、デュエルディスクの開発者は相応の社会的地位があった。もっと頑張らないといけないなぁ。
「それにしても、トンガリはBKを組んでいたっけ」
「トンガリは一時期、ボクシングジムに通っていたナリよ」
「ああ、それで。元々興味があったのか」
「ブタゴリラはナチュルだったナリね」
「バンブーシュート、つまりはタケノコだね」
「みよちゃんは子馬が好きだから、それでユニコーンを組んだのかな?」
「五月ちゃんは爬虫類や恐竜が好きだったナリね。それで爬虫類族ナリか」
「そして」
「吾輩は武士だから真六武衆ナリを組んだナリ」
「コロ助が六武衆、ねぇ」
「何か言いたそうナリね」
「別に、な、何でも無いよ。ただ、サムライBOXのほうがあっているんじゃないかな…って」
「待つナリキテレツ!!」
怒って追いかけてくるコロ助。
「ハハハ、ごめんごめん」
いかがでしたか?小説での投稿はこれが初めてだったので、楽しんでいただけたら幸いです。