鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
現実時間は本編には関係ない“とある日のこと”とでも思ってください。
あと、今回だけヴィクター視点でやります。
あんまり本編で主人公以外の視点をやるのって苦手で……今後はやらないと思います。
あくまで書き手として自分の作品に対する意見なので、別の作品のことを言っているわけではありませんのでご理解ください。
「だからさぁ、やっぱジークにさらしだけ着用させて管理局員の前を歩かせてみようぜ。ぜってー面白いって」
「いえ、それなら変〇仮面の格好であなたの家に突撃させるほうが……」
「う~ん……け〇こう仮面にしないか?」
「それ採用ですわ」
「ーーーーあんたら
「え? 別にないけど?」
「え? 別にありませんわよ?」
「余計に
今日も今日とてチヒロと私とジーク、三人集まってお茶会をしている。
「おい、ヴィクター。
「あら、犬を数えるときは“匹”を使いますのよ?」
「あ、そっか」
って、あら? 紅茶がもうありませんわね。
「紅茶のおかわりを持ってきてくださいな、
「あいつ絶対ドMだよな」
「あれ見てそう言うんやったらチヒロの目は曇った硝子玉やで」
チヒロが歩いていくエドガーを見てそう言った。
ふむ……。
「彼も昔からああだった訳ではないんですのよ?」
「そうなのか?」
「……あんな扱いになったのは、主にヴィクターが変わったせいやけどね」
私が変わった、ね。
確かに。
「へぇ……そういや、さ。お前、昔はどんなヤツだったんだ?」
「ん? 何や、昔の
「いや“お前”って言ってるじゃん。単数形じゃん。ヴィクターだけだよ」
「なっ、何でや!?
「ぶっちゃけどうでもいい」
「なっ、なんやとぉーっ!?」
チヒロに飛び掛かるジーク。
……ふふっ、あなたも
ーーーーそれは、私たちが自らの意思とは無関係に背負わされた業に苦しんでいた
幼く純粋だった私に新たな世界を教えてくれた、
「ーーーーふっ! やあっ!」
その日は屋敷から少し離れた場所で、“雷帝”の技の訓練をしていた。
いや、その日『も』か……。
「えいっ! せいやぁっ!」
毎日同じことの繰返しだ。
朝起きて、顔を洗って、ご飯を食べて、訓練をして……。
なぜ自分はこんなことをしなくてはならないのだろう。
「てやぁっ! はぁっ!」
それでも私は訓練を続けるしかない。例え偶然でも、私は雷帝の子孫なのだから。
私はそれしか知らないのだから。
「…………ジーク」
槍を振る手を止め屋敷の方を見る。
最近出会った少女ーーーージークリンデ・エレミア。彼女もまた
「……大丈夫かしら」
触れるもの全てを消し去る彼女の……いえ、エレミアの魔法。それが彼女を苦しめている。
救ってあげたい。けど私には救えない。その術がない。
「でも……守ってあげることはできる」
“雷帝”の技さえ身に付ければ。
私にだってできることはあるはずだ。それを見つけてみせる。
「ーーーーふっ! はぁっ!」
だから今日も槍を振る。
こうして、今日という日もいつもと変わりなく過ぎて行くーーーー
「なぁ、お前、何してんだ?」
ーーーーはずだった。
おまけ
《THE INFINITY WAR ※パパン視点》
「厄介なことになってきたねぇ……」
まさか
我が嫁ながら中々の強敵だよ。
「クアットロちゃん、状況は?」
「は~い! ……既に
ふむ……。
「……他の娘たちとは?」
「委員長さんはまだゼロ、後輩さんとは二回、他は各一回ずつのようです。うちの子が一番多いみたいですね~」
「……妨害工作が効いてるみたいだね。よかった」
チーくん本人はどうなんだろう?
「ヴィクターちゃん」
「……チヒロ本人は何か怪しいと感じ始めている、というところでしょうか? さすがにこうも女の子たちと、それもそれぞれ違う娘たちと二人きりで頻繁に出掛けるなんて怪しすぎますからね。最近ではほとんどの誘いを断っているようですわ」
「なるほど……」
つまり委もうとちゃんが独占状態でデートできるようにしないとダメってことか。
「ヴィクターちゃん、頼める?」
「お任せください。ついでにエルス・タスミンも排除してご覧にいれますわ」
「うん、期待してるよ」
「了解いたしましたわ」
それじゃあ僕も行こうかな。
「あら? ボスもお出掛けですか?」
「うん。ちょっと……チーくんとこのセフィちゃんをスカウトしにね」
……この
to be continued……