鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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七十七話

クロの調教が完了し、手分けしてブツを探すことになった。

…………あれ、何だっけ?

 

《レズミアの妄想日記ですよ》

 

あー、そうそう。それだ。

どこにあんのか…………ん?

 

ーーーーにゃあ。

 

鳴き声のほうを見ると掌サイズの猫のぬいぐるみがいた。

誰かの使い魔か何か?

 

ーーーーにゃおん。

 

猫のぬいぐるみは俺のほうへよってくると、足元にじゃれついてきた。

 

「ん? どした?」

 

しゃがんで喉元を撫でてやるとぐるぐると喉をならす。

可愛いやつだなぁ。

 

「……おっ?」

 

猫のぬいぐるみが俺の膝に飛び乗り右のポケットのほうに前足を伸ばす。

そこにはストラトスちゃんを封じた小瓶が入っている。

 

「これ?」

 

小瓶を出してそう訪ねると猫のぬいぐるみは再び“にゃあ”とないた。

どうやらこれが欲しいようだ。

 

「う~ん、クロには誰にも渡さないでって言われてんだけど……って、そんな悲しそうな表情すんな。わかった、やるよ」

 

大切にしろよ。この俺が譲るんだから。

 

ーーーーにゃあ!

 

猫のぬいぐるみは一鳴きすると俺の手に顔を擦り寄せてからどこかに走り去っていった。

 

「……よし、日記……だっけ? 探すか」

 

よーし、じゃ、この棚からーーーー………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ」

「……ん?」

 

レズミアの妄想日記を探していると、後ろから声を掛けられた。

 

「……ジーク?」

 

振り向いた先にはいつもとは違い、髪を後ろで一つ結びにしたジークがいた。

 

「いや、人違いだよ」

 

どうやらジークではなく、そっくりさんだったようだ。

 

「じゃあ誰だよ、お前」

「僕が誰かなんて些細な問題だよ。それより……さっき君たちが戦っていた金髪の娘……名前を何て言ったかな?」

 

……ヴィヴィオちゃんのことか?

 

「そう、それだ! ヴィヴィオちゃんだ」

「……おい、お前、本当に何者だよ?」

 

クロとヴィヴィオちゃんたちの戦いを知っていたり、俺の心の声を読んだり。

明らかにこいつ不審だぞ……謎の声ッ! 君の意見を聞こうッ!

……ん? おい! おいってば!

 

「……謎の声の霊圧が……消えた……!?」

「何を言っているんだい?」

「あ、いや……何でもねえよ」

「そう? ならいいんだけど」

 

……どうしたんだ、謎の声。

 

「それより本題だ。ねえ、僕とーーーー」

「何だよ? 『僕と契約して魔法少女になってよ』か?」

 

もう古いぜ?

 

 

 

「ーーーー僕と一緒にヴィヴィオちゃんにえっちなことしようよ」

 

 

 

「ッざけんなテメーぶち殺すぞオラァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

《ーーーー(……ヒロ)……ヒロ! チヒロ!》

 

「ーーーーハッ!?」

 

《あ、やっと起きましたか?》

 

な、何だ……!?

いったい何が……!?

 

《何がって……あの猫のぬいぐるみが走り去っていったしばらくあとにいきなり倒れたんですよ?》

 

た、倒れた?

俺が?

 

《えぇ。もう、本当に驚いたんですから》

 

……俺は現在進行形で驚いてんだけど。

あれ? 確かジークが…………ジークだったっけ?

 

《ジーク……エレミアの末裔ですか? 来てませんよ? そもそも貴方は先程まで倒れていたんですから、来たところで貴方にはわからないでしょう?》

 

……じゃあ、夢?

何だろう……はっきり思い出せない。とりあえずジークは後でシメる。

 

《まぁ、無事ならそれでいいです。後で病院に行きましょう》

 

……その方がいいかも。

 

《それよりバカアホレズミアの自己中妄想日記のことですが、どうやらこの辺りにはないようです》

 

そんなに長かったっけ?

探してるやつ。

 

「マジか。……なぁ、それどうやって調べたんだ?」

 

《え? ……ひ・み・つ♡》

 

「うわぁ腹立つ」

 

……まぁ、こいつは嘘は吐かないからな。

どうやったかは知らねえけど本当に調べたんだろう。

 

《とりあえず雌猫に合流したほうがいいですね》

 

だな。

じゃ、クロのもとに向かうか。

 

 





おまけ
《THE INFINITY WAR ※委員長視点》

「なるほど……」

妹ちゃんは静かに私の話を聞いてくれた。

(それで御母様もパパンも)(妹もあんなに……。)
「……ごめんなさい、よく聞こえなかった」
「ああ、いえ、こちらの話です」

……ダメだなぁ私。
あの娘(私の妹)が関わるだけでここまで落ち込むなんて。

「……義姉様はこのままでいいんですか?」
「……よくないよ。でも、どうすることもできないよ」

昔からあの娘には何をしても勝てなかった。
……きっとこれからだって…………。

「……あぁもう! うじうじしてても仕方がないじゃないですか!」
「そ、それはそうだけど……」

私じゃ……。

「……行きますよ」
「えっ?」
「今から兄様をデートに誘いに行きましょう」
「えぇっ!?」

そ、そんなの……。

「無理じゃありません! 私がいるんですから!」
「で、でも……」
「でももへったくれもありません! さ、行きますよ!」

妹ちゃんが私の手を引いて強引に歩き出した。

to be continued……






《インフィニティ・ウォー 勢力図》

委員長サイド:委員長、DIもうと、早読みちゃん

委もうとサイド:委もうと、BIG GESS(パパン)、クアットロ(DG参謀)、邪神ヴィクター(DG副司令官)、ダイアモンド(D)ゲッスズ(G)

後輩ちゃんサイド:後輩ちゃん(天国の時は来た)、THE MOTHER(御母様)

テンプレ四天王サイド:ツンデレ幼馴染み(ツインテ)、真・後輩ちゃん、先輩、もう一人の篠崎妹


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