鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
ジークの足止め(詳しい内容は知らない)とストラトスちゃんの捕獲を終えた俺とクロの次なるターゲットは……。
「ヴィヴィオちゃんかぁ……」
あとミウラちゃん。
正直そっちはどうでもいいけど、ヴィヴィオちゃんを剥いて瓶詰めはなぁ……。
「なぁ、クロ」
「……なに?」
「あの瓶詰め魔法ってさ、発動条件とかあんの?」
阻止できるなら阻止したい。
「……名前を正確にフルネームで呼ぶ必要がある」
「あ、だから今まで瓶詰め直前に名前呼んでたのか」
なるほど名前か……。
「ちなみにあの娘の名前ちゃんと知ってる?」
ヴィヴィオちゃんを指差す。
「……確か、ヴィヴィオ・タカマチだったはず」
「おいおい、間違ってるぞ。あの娘はヴィヴィオ・
「……そう。失敗するところだった。ありがとう」
感謝を述べながらクロは猫が甘えるように俺に体を擦り付ける。
これでよし…………あー、リニス撫でたくなってきた。
「いやいや、いいってことよ。俺とクロの仲だしな!」
「…………て、照れる」
《照れるとか……この雌猫。それがご主人様に褒められて抱く感情ですか! 跪いて足に口付けくらいしなさい!》
落ち着け。
「……それならもう一人の名前も間違えているかもしれない。あの娘の名前は?」
「ん? あぁ、あれ? ミウラ・リナルディ」
「……ミウラ・リナルディ、ヴィヴィオ・
クロの魔法が作動しヴィヴィオちゃんたちを襲うが、ヴィヴィオちゃんは瞬時に反応し砲撃を放ってきた。
使い魔の口の中に砲撃が直撃、使い魔はそのまま撃沈した。
「なっ、何をするだァーッ!? ヴィヴィオちゃんだから許すッ!」
「……ファビア・クロゼルグ選手ですよね? インターミドルで勝ち残ってる」
「あっ、俺はスルーなのねそういう方向なのね」
ヴィヴィオちゃんスルースキルまで取得してるのか。
スペックたけぇー。
「説明してくれませんか? どういうことか。 ……あと先輩にはあとでお話があります」
「怒っちゃやーよ」
「……………………先輩」
「あっ、すいません静かにしてます」
こえぇぇー……!
ヴィヴィオちゃんこえぇぇ……さすが魔王の娘やでぇ……!
「……私は魔女だから。欲しいものがあるから魔法を使って手に入れる」
クロの言葉を聞いてヴィヴィオちゃんとミウラちゃんが構える。
やーねー、最近の若者は血気盛んで。
「
クロが手をかざし、そう唱えると一瞬周りが暗くなった。
「魔女の呪いから逃れる術はない」
そして先程までダウンしていた使い魔がヴィヴィオちゃんとミウラちゃんを飲み込んだ。
そして出てくる瓶詰めミウラちゃんーーーーん?
「あれ……ミウラちゃん、だけ?」
ヴィヴィオちゃんは?
「オリヴィエの末裔は……?」
クロも分かっていないようだ。
「お、おい、ヴィヴィオちゃんは……?」
「……もしかするとチヒロが教えてくれた名前が違っていたのかも」
…………え、違うと捕まらないだけじゃないの?
「……まぁ、いい。瓶詰めできなくてもどうせ逃げられなーーーー」
「よ、よくないわボケッ! ヴィヴィオちゃんはどうした!?」
「……え、え……っ!? 」
「ヴィヴィオちゃんは無事なのか!?」
ヴィヴィオちゃんに何かあったら……俺は……俺は……!
世界を滅ぼしてやるッ! 三日もありゃ十分だッ!
「……だ、大丈夫。オリヴィエの末裔は無事……全部終わったらちゃんと戻す」
「本当だな!? 絶対に本当だな!?」
「……や、約束する」
…………ふぅ。ならいい。
済まないな、ヴィヴィオちゃん……しばらく我慢してくれ。
「……ぶぅ。なんでそんなにオリヴィエの末裔
「……何?」
《今、この雌猫さりげなく私のことディスりました?》
『なんか』?
ヴィヴィオちゃんを……俺のヴィヴィオちゃんを、『なんか』?
「……どうしたの?」
……ふっふっふっ、まさか俺の前でヴィヴィオちゃんのことを『なんか』呼ばわりするとは。
いい度胸してるじゃあねーか。
《調教タイム♪ 調教タイム♪》
いいだろう。
少しだけきつーいお仕置きをしてやる……!
「おしおきだべぇぇぇェェェェェエエエッ!!!」
「……ひっ……!?」
おまけ
《THE INFINITY WAR ※委員長視点》
「ーーーー義姉様ッ!」
後ろから私を呼ぶ声がした。
「あ、妹ちゃん……」
「大変です、義姉様!」
どうしたんだろう。
すごく焦ってるけど……。
「なんかよく分からないんですけど、兄様の女性関係に関することでうちの家族が暗躍し始めてるんですよ! 御母様もパパンも……果ては私の妹までですよ!?」
「……妹さんいたの?」
「あ、はい。とある理由で全寮制の学校に通っているので実家にはいませんが……って、どうしたんですか? 何だか暗いですよ?」
……そんなに暗いかな?
なるだけ笑顔にしてるつもりなんだけど。
「……何かあったんですか?」
「……うん……うん、ぐすっ……あのね」
涙を溢れさせながら、篠崎くんについて双子の妹と話したことを妹さんに話した。
to be continued……