鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
あの後、クロの魔法でシャベルと何かを裸にひん剥き小さくして小瓶に閉じ込めた。二人は抱き合うようにしているためナニも見えない。
そして現在、俺とクロは魔法の箒(?)に二人乗りで無限書庫内を移動していた。
「すごい…………サラマンダーより、ずっとはやい!」
「……サラマンダー?」
《腹立ちますよね、あの淫売》
それはわかるけど。
最近なんか黒いな、
「…………ん」
クロが俺の胸に体を擦り寄せてくる。
さっきから何回もやられてるんだけど……懐きすぎじゃね?
《……ああ、彼女の先祖も私の知り合いですから、それ繋がりかと》
まじで?
また変な感じのやつ? ヴィヴィオちゃんに会わせちゃいけないとかか?
《いえ、彼女は恐らく聖王家というよりはオリ……もとい、私に反応しているんでしょう。なのでヴィヴィオちゃんには影響はないかと》
そうなのか。ふぅ……安心した。
…………っていうか、お前コイツの先祖に何したんだよ?
《ーーーー調教しました》
「何やらかしてんの、お前。グッジョブ」
「……チヒロ?」
「ん? あ、いや、何でもない」
クロの頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細めた。
……ていうか調教て。
《いえ、彼女の先祖はかなりいたずらっ子で。一度私の下着を使ってストーカー野郎とガチレズで遊んでいたんですよ》
逞しいな、コイツの先祖。
《それでぶちギレてしまいまして》
で、調教したと。
お前のイメージ180度くらい変わったわ。
《私のイメージ……? あぁ、儚く可憐な清楚系お嬢様から太陽のような天真爛漫活発系美少女にですか? もぅ、なんなら攻略してもいいんですよ?》
「……自分が『悪』と気づいていない、もっともドス黒い悪とかかなぁ」
《なっ……なんですとっ!?》
「……チヒロ、次、見つけた」
クロに言われ、ぎゃーぎゃー騒ぐ謎の声を放っておいてその『次』とやらを見る。
……ジークとストラトスちゃんか。
「よしやれ」
《よしやれ》
「……やる。ジークリンデ・エレミア、アインハルト・ストラトス」
クロが二人を呼ぶ。
それに反応した二人がこちらを向くがーーーー
『真名認識・水晶体認証終了ーーーー
クロの蝙蝠のような使い魔が巨大化、二人を飲み込んだ。
その直後、シャベルと同じ状態になった二人が出てきた。……あれ? シャベルの他にもう一人いたっけ?
「……ジークリンデ・エレミア。あなたには後で聞きたいことがあるから……他の子たちとは別の瓶。今はエレミアの手記をーーーー」
あっ、ジークの神髄発動した。
「おい、クローーーー」
「……分かってる。チヒロ、こっち」
クロは即座にジークの入った小瓶を投げ捨て、箒に乗り俺の手を掴んだ。
「……少し飛ばす」
「あ、ああ……。……って、今、お前の使い魔が一匹……」
ジークのもとに残ってたよな?
「……あの子なら大丈夫。これでエレミアはしばらく動けないはず。イングヴァルドの末裔は瓶の中。あとは『エレミアの手記』と他の……」
……よく分からんが大変なことになってきたなぁ。
だから来たくなかったのに。
とりあえず今は……
「シェイクシェイクブギーなーーーー…………♪」
ストラトスちゃんとシャベルと……ゴホッゲホッ……ちゃんたちの入った瓶で遊んでよーっと!
『ちょっ、振るのはやめっーーーーうぉぇぇぇぇえええええッ!!』
…………誰が吐いたかは彼女の名誉のために黙っておくことにしよう。
おまけ
《【THE INFINITY WAR】委員長の妹略して委もうとのスゴさをまとめてみた》
・テストなどでは常に学年一位。運動面でもかなり優秀な成績を残す。また、交遊関係も広く老若男女に愛されている。学校(チヒロたちとは別クラス)では生徒会長を勤める。超可愛い。
・完全なる努力型完璧超人。彼女の残した優秀な成績のすべては彼女の血の滲むような努力の結晶。才能は人並みにしかない。
・チヒロに『おっぱいは大きさじゃない、バランスだ』と言わせた(委もうとは小さくはないが大きくもない)。
・チヒロを尻フェチに目覚めさせた張本人。
・チヒロが悪行を行うのにためらう数少ない人物。
・委員長は生まれてから何一つ(成績や運動)として彼女に勝てていない。おっぱいの大きさは別。