鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
「おおーっ!」
誰かが感嘆の声をあげた。
まぁ、無理もないよな。ゲート……っていうよりポータル? が起動したと思ったらいきなり無重力空間。
みんなぷかぷか浮いている。
「わわわっ!」
「あっと……! 大丈夫ですか?」
「す、すみません」
ミウラちゃんがバランスを崩し、それをヴィヴィオちゃんが支えた。
「わはは、どーした抜剣娘! 体幹バランスがなってねーぞ!」
お前もわりかしダメな感じだけどな、ハリー。
「普段飛びなれてない子は無重力はちょうキツいかなー」
「ですわね」
八神司令の言葉にヴィクターが同意する。
……ってか、まてよ。無重力空間でふらふらしてるスカート女子………………あれ、これイケんじゃね?
「えーと……他に慣れてない方は……」
「オレぁ大丈夫だ。すぐに慣れんだろ」
「
ジークが体勢を崩した。
危なーーーーチッ、スカートじゃねえのかよ。ゴミめ。
「
「
……どうやら同志がいるようだな。
いつの間にか体制を崩したジークはストラトスちゃんに支えられていた。
「あ、チヒロ先輩は飛行魔法……というか魔法使えませんでしたよね? でしたら……………………」
ヴィヴィオちゃんと目が合う。
「……………………普通に慣れてますね」
「まぁ、別に魔法なんてなくたって空くらい飛べるしな」
「えっ」
「えっ」
えっ……飛べる、よね?
「ーーーーあれです!」
ヴィヴィオちゃんたちに先導されて辿り着いたのは巨大な扉の前。
「ここが今回の目的の場所!」
「B009254G未整理区画……どこかの王家が所蔵してた書物庫らしいですよ」
詳しいな、このガキンチョ。あと八重歯すげーな。
「ふふん」
「…………なに?」
「褒めてくれたっていいんですよ!」
「ていうか誰? いつからいたの?」
「先輩のバカぁぁぁあああッ!」
初対面の娘に罵倒されたんだけど。
「ーーーーそれじゃあ扉を開きますねー!」
いつの間にやら話が終わり、突入の時間になっていたらしい。
ヴィヴィオちゃんが手をかざすと巨大な扉は大きな音を立てゆっくりと開いた。
「ご覧のとおり迷宮型ですッ!」
…………白、ストライプ、ピンク、白、
「…………先輩?」
「なんだいヴィヴィオちゃん?」
「……い、いえ。気のせいでした」
あぶねー。
「ヴィヴィちゃんたち楽しそうやね」
「おっと、いきなり話し掛けてくんなよ、ジーク。びっくりするだろ、このKY短パン」
「……ん? 今、なんか……ん?」
「気のせいだろ」
コロナちゃんの話では目的のものがありそうな場所を10ヶ所くらいまで絞り込んでいるらしい。よく分かんないけど。
「手分けして探しませんか?」
「おし、そうすっか!」
さっき俺を罵倒してきた娘の提案にみんな賛同し、手分けして探すことになった。
「じゃあ、みなさんのデバイスに入り口の位置と通信コードを記録しましょう!」
「迷ったりしないようにですね!」
迷うほどなのか、ここ。
「ま、もしもの時は私たちが助けに行くからなー」
「何かあったらすぐに呼ぶようにな」
八神司令と赤髪のねーちゃんがそう言った。
「さー! それでは調査に入りましょうっ!」
「上手く見つかるといいんだけどね」
「あたしたちで見つけましょう~! ーーーーって痛い痛い! 先輩もみあげ引っ張らないでください!」
と、言うわけで。
俺は罵倒してきたガキンチョたちと行動することにした。
「先輩もみあげ離してください! 痛いってばぁッ!」
「あ、あはは……」
罵倒してきた罰だ。
このままバナナボードの要領で引っ張っていってもらおう。
「……ていうか今さらだけど今日って
「…………先輩のバカ」
「あんだとクソガキッ!」
「ま、まぁまぁ……落ち着きなよ、君……」
次回、ついに魔女猫ちゃん登場。
おまけ
《Prologue Of THE INFINITY WAR》
動き出す。
「おや、クアットロ。また
「えぇ、ドクター。召集がかかったので。…………
それぞれが。
「あらあらぁ~、ついに始まるのねぇ~」
「…………43、47……もう誰にも負けません……先輩は私のものです! ……53……!」
それぞれの思惑で。
「はぁ……チヒロは私のだって…………って、べべべ別にアイツのことが好きとかじゃないんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!」
Continued to “THE INFINITY WAR” .