鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
今回もちょっと短め。
翌日。
「おはようございます、なのはさん」
「あ、おはよう、チヒロくん」
朝起きるとすでになのはさんは朝食を準備してくれていた。
さすが
「よく眠れた?」
「それはもう! ヴィヴィオちゃんの香りに包まれて爆睡できました!」
「あ、あはは……そっか」
ちなみに俺はヴィヴィオちゃんのベッドで寝た。
「ヴィヴィオちゃんください」
「ふふふ、だ~め」
なぜだし。
妹……いや、娘としてほしい。何か方法はないものか。
「ーーーーハッ!? そうだ、なのはさんと結婚すれば合法的に娘にできる……!?」
天才か……俺は!?
「というわけで結婚しましょう、なのはさん」
「う~ん、チヒロくんだったらいいかな? ……なんてねっ!」
ペロッと舌を出す二十三歳。
可愛いじゃないの……!
「さ、早く食べちゃって! 私、これから出勤だから」
「はーい」
なのはさんに別れを告げ、自宅に帰っている。
『ゆっくりしていってもいいよ』と言われたが、さすがに遠慮した。
「……にしてもあの人一晩中いたなぁ…………」
あの人とは当然あの人のことだ。名前を言ってはいけない司書長。
しかもなのはさんが出勤するとき後ろからついて行ったのも確認してしまった。
「……また泊まりに行ってあげよう」
あんなのがいる中、一人でいなくちゃならないときがあるなんて……そんなの嫌すぎる。
「……ん?」
その時、前から黒塗りの車がすごい勢いでやってきた。あれは……ヴィクターんとこの……?
車は俺の横まで来て止まる。すると窓が開き、案の定ヴィクターが顔を出した。
「よう、ヴィクター。お前、今日、無限書庫だかに行くんじゃあなかったのーーーー」
「百式☆神雷」
「ーーーーハッ!?」
「……あら、目が覚めまして?」
……ヴィクター?
ここはどこだ……? 何でお前に膝枕されてるんだ……?
「そうだ……あの時……いきなり攻撃されて……」
気を失ったのか。
いったい誰があんなことを……!
「確か……ヴィクターんとこの車がーーーー」
「ジークがチヒロを気絶させて連れてきましたの」
……なに?
「だから、ジークがチヒロを殴って気絶させて連れてましたの。私は止めたのですが……」
「オーケー、あのゴキブリ殺してやる……!」
俺に歯向かったことを後悔しやがれ……!
……っと、その前に。
「……ジークへの報復は後々やるとして、ここはどこなんだ?」
現状を把握しなくては。
どこかの施設のロビー……みたいだけど。
「ここは……無限書庫のロビーですわ」
「マジで許さねえ、あの女」
よくもこんな魔境に連れてきやがったな、ジーク……覚悟しとけよ。
……あれ? でも魔物はなのはさんについていったから……今は魔境ではない……のか?
さすが邪神様やでぇ……!
おまけ
《THE ROAD TO “INFINITY WAR” ※チヒロ視点》
『君に頼みたいことがあるんだ』
久しぶりにスカさんとボイスチャットをしている時のことだった。
スカさんが唐突にそう切り出してきた。
「頼みたいこと? なに? 艦〇れグッズ買ってきてとか?」
『あ、そうそう……じゃなくて。真剣に困っていることなんだ』
いつになく真剣な声色だった。
「……なに? ヤバイ感じのこと?」
『あぁ。下手したら世界が滅ぶかもしれない』
……なにそれ。
超ヤベぇじゃねえか。
「……わかった。話を聞こうじゃないか」
『……助けてくれるのかい?』
「できる範囲のことならな」
さすがに世界滅亡とか洒落にならん。
せっかくヴィータさん調教し始めたのに。最近いい感じになってきたばっかなのに。
『ありがとう……! それじゃあさっそく本題に入らせてもらうよ。頼みたいことというのはーーーー…………』
to be continued……