鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
Q:ぶつかり合った先に手にいれたものは?
「おい、準備できたか?」
「はわっ!? ち、ちょっと待って!」
ジークの悩みを聞いた翌朝。
ぐーすか寝続けるジークを叩き起こし、今はインターミドル会場へ向かう準備をしている。
「っと、そうだ。ジーク、風邪とか引いてないよな?」
「えっ、うん。体調は万全やけど……」
そうか、よかった。
「いやぁ、昨日お前が寝た後なんだけどさ。付き合ってもいない男と
「……だから
そうそう。
「お前だけテントの外に出しといたんだ。俺なりの気遣いってヤツさ!」
「あぁそれはドーモおーきになー…………ッ!」
なんか投げやりじゃね?
もっと感謝してくれていいんだよ?
「何考えとんの!?
「うっせー! テメーらみてーにインターミドルだとかストライクなんちゃらだとか汗臭い青春送ってるバイオレンスの塊なんか“女の子”じゃあ断じてねーッ!」
「な、何やてッ!?」
お前こそ何なんだよ!
もっと甘酸っぱい青春はねーのかよ! サブタイは“次世代型脳筋少女育成中”かよ!?
「ならインターミドル終わったら二人でどこかに出かけようや!
「上等だゴキブリッ! テメーその約束忘れんなよッ!?」
「ゴキッ……!? チヒロこそ忘れないでやッ!」
忘れてたまるか!
お前らバイオレンスどもを“女の子”とは認めない絶対に! ただしヴィヴィオちゃんは除くッ!
「……ん? あれ?」
「何だよ、怖じ気づいたか?」
「
何か真っ赤になった。
しかも小声で何か喚いてる。
「
「……何? あんだって?」
「にゃっ……なんでもにゃい……!」
猫になってるぞ、ゴキちゃんや。
「……まぁ、いい。この件は出かけるときに白黒させようぜ。それより行くぞ、遅刻する」
「う、うん……あ……ち、チヒロ!」
あんだよ?
「そのぅ…………か、会場まで……手、繋いでええ……?」
……昨日の不安がまだ残ってんのか?
仕方なねえな。ま、でも……友ゴキだしな。
「……ん、ほれ」
「あ……! えへへ…………お、おーきにっ!」
「さて、イチャイチャするはその辺りでやめて貰っていいかしら?」
「ひっ!?」
「ん? おぉ、ヴィクター!」
いつの間に。
「ジークを迎えに来たのですが…………なるほど、察しましたわ」
何をだよ。
「いつまでも振り向いてくれないチヒロにジークの欲望が爆発、つい拉致ってしまった……と。ファイナルアンサーですわ」
「正解デスワ」
「正解やないよ!?」
ジーク……ノリが悪いデスワ。
「で、迎えに来たんだよな? ならお言葉に甘えて……」
「あら? あなたは走ってきなさい」
「……俺、泣いちゃうよ?」
「エドガー。写真と動画の準備を。あらゆる角度からの撮影を頼みますわ。あぁ、あと白米をどんぶりで。おかわりの準備もしておきなさい」
「貴様は殺すッ! 絶対にッ!」
何て言うか……この感じ久しぶりだな。
「ぷっ……あははっ! なんや、久しぶりな感じや。
お前もそう思うか、ジークよ。
だがな?
「バカはお前だ。お前だけだ」
「馬鹿はジークですわ。ジークだけ」
「な…………ッ!?」
このあと再びキレたジークに襲われ、ヴィクターと二人で迎撃に入った。
ーーーージークは終始笑顔を浮かべ、昨日の暗い表情はまるで嘘のようだった。……よかった。
「あの……皆さま、遅れますよ?」
「黙りなさい、
「黙れ、
「ちょぉ静かにしとって、
「……くすん」
A:おデートの約束。
おまけ
《
「完成したぞッ!」
興奮を抑えきれず、そう叫ぶ。
『……いきなりなんだ?』
「おぉ、ぐにゅ子! コイツを見てくれ!」
指をパチンと鳴らす。
それに反応して俺の後ろからゆっくりと『あるモノ』が歩み出る。
『だれだ、そのようじょは?』
「フフン、俺が作りました!」
『…………は?』
驚いているな。よしよし。
『……だ、だれとだ? とらいべっかか?』
「いや俺一人で」
『
……何だか話が食い違ってるようだ。
「こいつは俺が作った高性能アンドロイドなんだよ」
『…………あぁ……………………なんていうか、おまえにはいつもおどろかされる』
だろう!
『……で? どのへんが“こうせいのう”なんだ?』
「よくぞ聞いてくれた! お前、“
『まぁ、しってはいるが……』
「こいつにはそれぞれ異なった思考パターンを持つ十個の
『すごいな。そのしすてむじたいがほんとうにひつようでかついみがあるのかはさておき、すなおにかんしんした』
「だろうだろう! 誉め称えなさい!」
『だが……ふたつだけぎもんがある』
なんだい?
なんでもきいて?
『かのじょはなんでつくられたんだ?』
「え? ウチの家政婦に」
むしろそれ以外に何が?
『そうか……ならもうひとつ。……その
「………………………………あー、ほら。お前が研究してた黒い植物の細胞で、ちょろっと」(※五十七話参照)
『ぬすんだのか?』
「えっ」
『わたしのけんきゅうをぬすんだうえにあくようしたのか?』
別に盗んでないし!
「そもそもまだ未完成だったじゃん、お前の研究!」
『おまえ……らすぼすまえでせーぶしていたげーむをだれかにかってにくりあされたらおこるだろう!?』
「手の届くとこに置いとくのが悪い!」
『もういい! じっかにかえらせてもらう!』
あーもう!
「こいつはあの黒い植物から生まれたんだ! 言うなればお前の妹だぞ!」
『……いも、うと………………だと……!? それをはやくいえ! って、おい! かのじょ、はだかじゃないか!』
「えっ!? いやまだ出来たばっかで……」
『ばかもの! かんせいするまえにかっておけ! いますぐかいにいくぞ、わがいもうと・せふぃのふくを!』
「“セフィ”?
俺とぐにゅ子は仮称セフィの名前を議論試合ながら、セフィの服を買いにいくことになった。
『……セフィロト・システム起動。マスター認証……