鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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金額は適当です。
あと単位も円になってますのでご了承ください。


五話

「あ、先輩!」

 

夕方、学校から家へと帰る道を歩いていると背後から声をかけられる。

 

「逃げるんだよォ!」

「……夕方から何を言ってーーーーあれっ!? こう言ったら止まってくれるんじゃないんですか!?」

「それはブルーベリー限定の話でストラトスちゃんには適応されない!」

 

いや、ミリタリーだったっけ?

忘れた。まぁいいか。

 

「今は逃げることに専念するのみ」

「待ってください! 今日こそお礼を……!」

「俺は気にしてないから! はいオッケーというわけで追いかけてくんな!」

「それでは私の気が済みません!」

 

くっ……お礼一つでどこまで追いかけて来るんだ、こいつは。

 

「地の果てまでです!」

「辿り着くのは俺の家だよ! つかナチュラルに心を読むな!」

 

なんてことだ。

今日俺には大切な用事があるのに!

 

「ストラトスちゃん! 俺はこれから」

「駅前の本屋に行って今日発売の小説を買うんですよね? 大丈夫です、私がもう買ってありますから。あとで代金だけ頂ければ。後、冷蔵庫の食材が少なくなってきてましたからそれも買ってあーーーーあ! なんで無言で速度をあげるんですか!? 待ってください!」

 

もうやだコイツ。

 

 

 

 

 

 

『チヒロさん! 開けてください! チヒロさんっ!』

 

今日も今日とてストラトスちゃんから逃げ切った俺はドアノブにかけてあったスーパーの袋を取ると中に入って鍵をかけた。

ストラトスちゃんはいつも通りドアノブをガチャガチャやっている。

とりあえず冷蔵庫に食材を入れると玄関へと向かう。

 

「……いくら?」

『あ、5430円です。あとこれが580円でした』

 

郵便受けから本を受け取り、代金を渡す。

 

『えっと……はい、ぴったりです。それではーーーー開けてください、チヒロさんっ!』

 

再びドアノブガチャガチャを始めたストラトスちゃんを無視してパソコンの前に向かう。

 

「もう今日はネトゲしよう……」

『今日“も”ではないんですか!? チヒロさん! 開けてください!』

 

うるせい。

パソコンを起動する。

 

「さぁ今日はどの狩り場行くかな~……お? ライジンさんいるじゃん!」

 

ライジンさんはよく協力プレイをするプレイヤーだ。

早速チャットする。

 

“ちーす。ライジンさん久しぶりっす”

“おーヒロヒロ! おひさー!”

“ご一緒しても?”

“いーよー!”

 

さぁ、今日もライジンさんと胸踊る熱き冒険の(電脳)世界へ……!

 

 

 

 

 

「ん……うぉ、もう11時か!?」

 

あれからずっとネトゲをしていた。

いまだにストラトスちゃんはガチャガチャやっている。

 

「さすがにもうやめるか。風呂も入ってなければメシも食ってないし」

 

明日も学校がある。

準備もあるからな……宿題とか

 

『チヒロさんっ! チーヒーローさーんー!』

 

あれへの対策とか。

 

“すんません、ライジンさん。俺そろそろ落ちるっす”

“えー!? もう!? もっとやろうよ!”

“明日も学校とかあるんで”

 

ライジンさんは駄々っ子のように渋るが、週末に飽きるまで(もしくは月曜が来るまで)付き合うということで納得してくれた。

 

“じゃあ落ちますね。今日は助かりました。ホントに頼りになります、ライジンさん”

“えっへん! ボクは強くてスゴくてかっこいいから当然だよ! じゃあまたね~!”

 

ライジンさんがお決まりの台詞を言ったところでゲームを終了する。

 

「ふぅ……じゃあメシ作るか。あ、あと風呂も焚かないと」

 

ーーーーその後、宿題も終わらせ眠りについた。

何か忘れてるような気もするが……思い出せない。

 

あとストラトスちゃんにも夕飯をやった。

郵便受けから。

 

『んぐんぐ…………けぷっ。……き、聞かれてませんよね?』

 

ばっちり聞いたぞ。

 

 


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