鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

59 / 96
今月、来月は大学のゼミ関係で忙しいのでもしかすると更新及び感想への返信が遅れてしまうかもしれません。
そうならないよう努力しますが、もしもの場合は申し訳ありません。



五十八話

今日は待ちに待ったデコ助の試合の日。

相手はなんとハリーだとか。

 

「不良生徒は成敗です!」

「ほーお!? 面白ェ! やってみろやアホデコメガネ!」

 

まさに一触即発。

 

「おうともやらいでかっ! あと私はアホでもデコでもありません!」

 

いや、お前はアホでデコでバカだろうが。

 

 

《上位選手同士因縁の試合! まもなくゴングですっ!》

 

 

アナウンスが入り、両者ともに立ち位置につく。

試合が始まるようだ。

 

 

 

 

 

 

 

「アレスティングネット展開ッ! 捕獲開始ィッ!」

 

開始早々にデコ助のバインド魔法の一種か、無数の手錠がハリーを襲う。

手錠って……趣味が悪いぜ、デコ助……。

 

「ハッ! 案外ハデだがこんな鎖ごとき……!」

「甘いですよ、ハリー選手!」

 

何かしようとしたハリーの後ろからさらにバインド手錠が出現、ハリーを拘束した。

 

「ホールドフィニーッシュッ!」

「う……ぎぎぎ!」

 

完全に拘束され、身動きが取れなくなったハリー。

 

「あぁ!? 頑張れハリー!」

「ちょっと!? あなた私のセコンドでしょう!?」

 

えぇ……応援するって約束したし。

それに……

 

 

ーーーーはりーちゃんがんばれ~!

 

《ハリー選手負けないで!》

 

『まけるな、とらいべっか! おまえならかてるぞ!』

 

 

うちのヤツらみんなハリー応援してるしなぁ。

ちなみにリニスはお留守番です。

 

「あぁ、鎖を引きちぎろうとしても無駄ですよ? パニッシャーはむしろ金属環(リング)の方に拘束効果があるんです」

 

くっ……逃れる術はないってか……!

 

「汚いぞ、デコ助ぇっ!」

「だからあなたはこっちの味方でしょう!?」

「くっ……大丈夫だぜ、チヒロ! だったらーーーー!」

 

ハリーが自身の拘束されている右手の周囲に魔力弾を形成する。

そしてーーーー

 

「うぐっ…………こ、こうすりゃいいんだ。簡単だぜ?」

 

腕ごと拘束していたバインドを撃ち、破壊して見せた。

うわぁ……すげー痛そう。

 

《強度の打撲に熱傷……というところでしょうか?》

 

解説ありがとう謎の声。

『痛そう』じゃなくて痛いな、間違いなく。

 

「てめーをブチのめすにゃ片手が使えりゃ十分だッ!」

 

やだ、あの人かっこいい。

イケメンハリーは負傷した右手に魔力を溜め、そして。

 

 

 

「うおらぁぁああっ! ガンフレイムッ!」

 

 

 

気合一閃。

雄叫びと共にハリーは砲撃を放つ。

 

「あーっ!」

 

それをまともに受けたデコ助は、何だか掘られたような声をあげ吹き飛ばされる。

 

「ちっ。まだベストじゃねーな。威力がイマイチだ」

 

マジか。俺、ハリーとは喧嘩しないようにしよう。

怒らせずにうまく扱う。

 

 

 

《エルス選手、リングアウト!》

 

 

 

おっと、忘れてた。

カウントが始まったのを聞いて、四つん這いになっているデコ助に駆け寄る。

 

「ねぇタオル投げる? タオル投げるの?」

「投げませんよ! まだ試合は始まったばかりです!」

 

「残念だったな、デコメガネ。この一年で強くなったのはおめーだけじゃねーんだよ」

 

未だに立ち上がらないデコ助に近寄ってきて、ハリーはそう言った。

 

「とっとと上がってこいよ。まだーーーー」

「あ、ハリー。晩御飯ぶりの照り焼き食べたい」

「ーーーーわかった。なら帰りにぶりだけ買っといてくれ。…………まだ終わりじゃねえんだろ、デコメガネ?」

「何かもう色々と台無しですよ……」

 




おまけ
《襲い来る、新たなる試練 ※委員長視点》

「ーーーー義姉様!」

ツインテールの娘の手を無理矢理引いて、待ち合わせ場所の次元運航艦の乗り場に来るとすでに篠崎くんの妹さんがいた。
傍らには一人誰かーーーーあれ?

「……タスミンさん?」
「お、おや? あなたは……」

何でこんなところに……?

「私が連れてきたんです」

妹さんが……?

「……こんなのでも肉盾くらいにはなります」
「ちょっと!? 何か不穏な単語が聞こえたんですが!?」
「あん……!?」
「ひぃ!? ごめんなさいごめんなさい、ロードローラーだけは勘弁を……!」

……あ、あはは。

「ち、ちょっと。何なのよ、コレ。説明しなさいよ」
「わ、私にも何がなんだか……」

「ーーーーオホン!」

妹さんが咳払いをし、私たちの注目を集めた。

「それではこれからとある無人世界へ行きます」
「無人世界……?」

何でそんなところに?

「そこにある、とある建物にヤツ(・・)がいます」

……黒幕だね。


「行きましょう。ーーーージェイル・スカリエッティの違法研究所へ!」






「あの……本当に何も分からないんですけど……誰か説明を……」
「あん……?」
「ひぃ!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!」

to be continued……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。